カブトガニはクモ綱のクツコムシ目に近い? 32
増える謎 部門より
「生きた化石」として有名なカブトガニが、近年の研究によって「クモ綱」に属することが示唆された (ナショナルジオグラフィック)。
カブトガニもクモも鋏角亜門に分類される生物。従来、カブトガニとクモ綱の動物は、ある種の「水生鋏角類」と思われる共通祖先から枝分かれし、そのうち陸上に上がって多様化したものがクモ綱だと考えられていた。 今回の研究では、53種のクモ綱、カブトガニ、ウミグモ綱、甲殻類、昆虫の遺伝子配列を解析してその結果をうまく説明できる複数の系統樹を作成した。その結果、検討した(考えられる)系統樹の3分の2でカブトガニはクモ綱のクツコムシ目にもっとも近縁であるという結果になったという。
一方でこの結果が正しい場合、今度はなぜカブトガニ類だけが海生なのか、その理由を考えなければならず、説明が難しい結果であるという。
「海生のクモと言えば、確か、タカアシガニがクモの仲間だったのでは?」と思ったが、「軟甲綱」というエビの仲間に属するようだ (Wikipedia)。「こいつ、実はクモの仲間なんだよ」という雑学は、カブトガニ水槽の前で披露するのが懸命と思われる。