コロンビア大学、水から塩を分離できる低コストかつ効率的な手法を開発 52
ストーリー by hylom
海水を資源に 部門より
海水を資源に 部門より
taraiok曰く、
海水から塩分などを取り除いて人間が飲めるようにする淡水化技術は以前より注目されている。しかし、現時点でも淡水化プラントは世界中で稼動しているもののその効率は悪く、精製した淡水以上の塩水を排出することも珍しくないようだ。そのような状況のなか、コロンビア大学の研究者たちが高効率で淡水化を実現する方法を開発したという(CNET、コロンビア大学、実験動画、Slashdot)。
このプロセスはTemperature Swing Solvent Extraction(TSSE) と呼ばれ、海水の7倍の塩分を含む過塩水と呼ばれる産業排水でも淡水化できるという。この手法では、微細有機化合物の製造といった化学工学分野で広く採用されている溶媒抽出法による分離を採用している。現在主流となっている逆浸透膜方式に匹敵する最大98.4%の塩分を除去することに成功したそうだ。
さらに、逆浸透膜や蒸留を含む他の淡水化の方法とは異なり、高圧や加熱を行う必要がなく、加工元の水が70℃未満の温度であれば炭水化可能なため低コストであるとしている。
課題は (スコア:5, 興味深い)
化学プラントはビーカー規模で成功するプロセスでも
テストプラント規模で試すと成功率は10%程度、
実プラント規模ではその10%
つまりビーカーレベルでうまくいくプロセスが
実規模で成立するのは精々1%と言われている。
Re:課題は (スコア:2, すばらしい洞察)
そういう話は3.11以後の放射性汚染水の処理の時にもあって、実験室レベルのものを即実用可能であるかのように扱う報道が多数あった
(出来るということと産業的に有用である・競争力があるということは別)
Re:課題は (スコア:2)
当事者でないので推測ですが、トリチウム除去を考えていなかった理由は
敷地内・境界の線量低減が緊喫の課題で、ぶっちゃけどうにもならない(「実規模では99%の範疇」)」上に人体影響が少ないトリチウム除去は後回しだった。
また、「どこの施設でもトリチウムは希釈して放流しているんだからここでも問題ない(このくらい流しているとこもあるから大丈夫)」と安易に考えた。
というところかなと思います。
いずれにせよ、丁重な説明が不足していた事は確かだと思います。
Re: (スコア:0)
> 緊喫
どう入力しているのか知りたい。
Re:課題は (スコア:1)
「要」を消して「喫」を入力すると・・・。
Re: (スコア:0)
「きっきん」で変換してくれませんか。
そんなに珍しい単語ではないですよ。
自分の経験では「喫緊の課題」というフレーズでしか見かけませんが。
Re: (スコア:0)
「きっきん」じゃなくて「きんきつ」と記述されているからです
Re: (スコア:0)
最初から重金属以外は除去するつもりがないんだろ
トリチウムは水素の放射性同位体でH2Oそのものだからフィルターで除去なんかできない
Re: (スコア:0)
水蒸気を遠心分離すればトリチウムだけ分離できるんじゃ?
Re: (スコア:0)
https://www.sankei.com/economy/news/160607/prl1606070085-n1.html [sankei.com]
これは?
飲用水を作る方法ではなく産業排水の処理法ですね (スコア:5, 参考になる)
原著論文まで調べてみました。
確認してみると、論文やコロンビア大のプレスリリースでは、
高濃度塩水の効果的な処理方法としてのみ紹介しており、
あちらのSlashdotでも記事の頭に(塩を除く)淡水化技術は重要とのみ記述しています。
ただ、CNETの記事では将来的には飲用水にまで利用可能性があると記載されており、
ここの記事でも淡水化技術に対し「人間が飲めるようにする」という記述が加わっているため
本来の技術内容とかなりズレがあるタレコミ文になっているようです。
規模感 (スコア:3, 興味深い)
溶媒抽出法って、一日あたり数万トンの処理とかにも使えるのかなあ?処理速度が遅いイメージがあるんだが。
逆浸透膜みたいに界面を固体で作る手法なら、複雑な形状にすることで界面の面積を増やせるだろうけど液-液の界面じゃあ難しそうだよね。
Re: (スコア:0)
撹拌してコロイド状にしてやればええんでないの?
Re:規模感 (スコア:5, 参考になる)
うむ。撹拌するとか流体を細いノズルから噴出することで乱流化するとか、界面を広げるのはむしろ固体よりも楽でしょうね。(それには動力が必要ですが)
しかし、抽出後の二液相分離を重力に頼る場合は一定の時間がかかりますし、処理速度は色々と律速される(短縮したければ、遠心分離とかさらに動力の投入が必要)という感覚は間違ってないように思います。
ちなみに、論文の要旨 [acs.org]を見る限りは、塩濃度が低い場合は逆浸透膜の方がエネルギー消費は低くてすむみたいです。
どうも膜分離は塩濃度7~8%くらい(海水の塩濃度の2倍程度)までしか使えず、それ以上の高塩分濃度である産業排水には今回の方法が低エネルギー消費である、ということのようです。
ちょっとタレコミ文にミスリーディング感が…。それと、「加工元の水が70℃未満の温度であれば」ではなく「70℃未満程度の熱源があれば」利用可能(だから低温排熱や地熱やちょっとした太陽熱温水器と組み合わせて安価にできる)が正しいです。
水から塩を作る (スコア:2, おもしろおかしい)
真水から塩を作れたら画期的だと思いましたが、塩水から塩ですか
Re:水から塩を作る (スコア:5, おもしろおかしい)
そんな水をさすような事言うなよ(´・ω・`)
Re: (スコア:0)
水素と酸素からナトリウムと塩素を作る…核融合かな
Re:水から塩を作る (スコア:4, おもしろおかしい)
ちゃんと最後までタレこみ読んだか?
>炭水化可能
炭素もできているっぽいぞ(小並
Re:水から塩を作る (スコア:3, おもしろおかしい)
ああ、有機溶剤がどうとか言っているツリーがあるから確かに炭素も含まれているようだな(そうじゃない
Re: (スコア:0)
炭化二酸化水素でしょうか
Re: (スコア:0)
フィルターに炭使ってるのかもしれない(真顔
Re: (スコア:0)
それ炭酸水ができるって意味じゃないの?
Re:水から塩を作る (スコア:1)
そうだ。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
タイトルとしては「塩を除去する」とかにしたほうが良かったね。安い塩の作り方かと思った。
悪いことなの? (スコア:1)
しかし、現時点でも淡水化プラントは世界中で稼動しているもののその効率は悪く、精製した淡水以上の塩水を排出することも珍しくないようだ。
塩じゃなくて真水を作るのが目的なんですよね?
高濃度塩水を少量排出して環境破壊(生物に悪影響)するより、
低濃度(元とあまり変わらない)塩水を多量に出すほうがマシな気がしますが。
Re:悪いことなの? (スコア:1)
wired.jp [wired.jp]等々の記事によれば、海底に沈んで塩分濃度の高い領域を作ったり、酸欠海域を形成する恐れがあるそうです。
Re: (スコア:0)
高濃度塩水はドラム缶に詰めて並べとけばいいじゃん
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
そのまま水分を蒸発させれば、伯方の塩®として出荷できん?
Re: (スコア:0)
塩の柱になったら、そのまま飾って
「ロトの妻が発掘されたぞ!」
って言い張れば観光地になって一儲けできるよ
Re: (スコア:0)
規模にもよるだろうが、内海とかで希釈が追い付かない可能性もあるし、
塩湖だったりしたら、流入があっても今の濃度なんだから、真水を取り出した分だけ濃度はじわじわ上昇していく。
Re: (スコア:0)
いくら濃度が上がっても35%くらいで飽和する
その後は水分が減っただけ塩が析出する
Re: (スコア:0)
金を抽出しようぜ
有機溶剤だぞ (スコア:0)
水とそれ以外の無機物の、有機溶剤との溶け具合の違いによる分離。なので珍しい技術ではないが
塩はとれたとしても、有機溶剤の混入率が気になるなぁ
Re: (スコア:0)
精製した淡水以上の塩入り有機溶剤に代わるだけになる?
Re: (スコア:0)
問題にならない分野で使えば済むだけだろ?
それとも、純水でないと意味ない実験なのか?
Re: (スコア:0)
タレコミの1行目に飲み水って書いてあるじゃん。少々塩気が残ってるのは問題ないかもしれんが、有機溶媒が残ってたらまずいだろ。
Re: (スコア:0)
オーガニックなんたらとか名前つけたらむしろ爆売れしそう
効率的? (スコア:0)
淡水化の効率って何を言うの?
たった数行のタレコミだけでも、出力淡水量/入力塩水量、塩分除去率、淡水量/投入エネルギー(高圧・加熱)といった指標が混在していて、何が言いたいのかはっきりしない。
Re: (スコア:0)
taraiok のタレコミだからね
誤訳や誤解を疑った方が良いかも
Re: (スコア:0)
逆だよ。はっきりしない、させたくないときに使う言葉が「効率的」。
減圧分離法 (スコア:0)
シリンダとピストンで構成されたチャンバに海水だけ(空気は入れない、または抜く)を入れ、ピストンを引いて内部を減圧すると水は気化して塩は結晶化して残る
減圧状態を維持し、シリンダ内に残った固形物を取り除く
次にピストンを押して加圧し、気化した水が液体の状態に戻るまでピストンを押して圧縮
ごく少量ならうまくいく(と思うんだ)
Re:減圧分離法 (スコア:1)
シリンダとピストンで構成されたチャンバに海水だけ(空気は入れない、または抜く)を入れ、ピストンを引いて内部を減圧すると水は気化して塩は結晶化して残る
減圧状態を維持し、シリンダ内に残った固形物を取り除く
次にピストンを押して加圧し、気化した水が液体の状態に戻るまでピストンを押して圧縮
ごく少量ならうまくいく(と思うんだ)
軌道エレベータと一緒に作れば運用コストは下がりそうだな
Re: (スコア:0)
コスト度外視するなら方法はいくらでもありますよ
たとえばおっさんを10人くらい連れてきて
無理やり海水を飲ませれば
おしっこなりうんこの形で塩が回収できます
あとはおっさんを絞るなり干すなりすれば水が出てきます
ごく少量ならこんな方法でもうまく行きます(でもそんなこと誰もやろうとは思いません)
Re: (スコア:0)
日本語で解説をしてください
Re: (スコア:0)
> 減圧状態を維持し、シリンダ内に残った固形物を取り除く
ここの部分が難しそうな気がするのですが、どうでしょうか。