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宇宙

惑星協会のソーラーセイル実証機「LightSail-2」、太陽光による軌道変更に成功 12

ストーリー by hylom
帆船時代が来るか 部門より

AC0x01曰く、

惑星探査を推進する米NPOの惑星協会は、6月25日に打ち上げたソーラーセイル実証機「LightSail-2(ライトセイル2号)」が、地球周回軌道上で太陽光を推力とした軌道変更に成功したことを発表した(公式サイトNewsweekForbesSlashdot)。

LightSail-2は打ち上げ翌月の7月23日に帆を展開、7月31日に初めて太陽光により軌道の遠地点を上昇させることに成功、その後も軌道の上昇を続けているという。ソーラーセイルは燃料を必要としない夢の推進装置として古くから期待されていたが、2001年の惑星協会の弾道飛行は打ち上げ失敗、2005年の同実証機Cosmos 1も打ち上げ失敗、2008年のNASAのナノセイルDも打ち上げ失敗、2010年になってJAXAのIKAROSでハイブリッド型ながら初めて飛行に成功、2015年の惑星協会のLightSail-1は帆の展開までは成功したものの実証は出来ず、と苦難の歴史が続いていた。純粋なソーラーセイルの成功は史上初となる。

LightSail-2の実験は1ヶ月ほど続けられる見通し。ソーラーセイルプロジェクトとしては、NASAが2020年にNEA Scoutと呼ばれるCubeSatによる小惑星探査を計画しているとのことで、ようやくソーラーセイルによる大航海時代がやってくるかもしれない。

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  • by loose duce (47070) on 2019年08月15日 18時05分 (#3669630) 日記

    戦艦から逃げる帆船はソーラー帆船だったと思うのだが、
    よくよく考えると回路の中でなぜソーラー帆船?

  • by the.ACount (31144) on 2019年08月16日 20時31分 (#3670337)

    IKAROSがハイブリッドて何かと思ったら、イオンエンジンも付いてたのね。
    しかし、ロケットのペイロードが余ったので急遽作った安上がりのIKAROSだけが成功してるとは皮肉だなー。

    --
    the.ACount
    • by Anonymous Coward

      イカちゃんにイオンエンジンは無いよ。
      「ソーラー電力セイル」は、光帆と太陽電池によるイオンエンジンのハイブリッドだけど、イカちゃんはそのコンセプト実証のために、光帆と太陽電池による発電までを行った実験機。イオンエンジンは無い。

      よって、ハイブリッドと言ってるけど実際は純粋なソーラーセイル機です。
      姿勢制御用スラスタはあるけどその程度は問題にはならないだろうし、ソーラーセイルだけで姿勢制御する実験も成功してる。

  • by Anonymous Coward on 2019年08月15日 18時08分 (#3669632)

    ソーラーセールが話題になるたびに思うんだけど、太陽風の圧力のほうが強いんじゃないか?

    • 「光子による太陽圧の推進力は太陽風より約10倍も大きい」んだと。
      太陽風というのは実はかなり希薄らしい。

      太陽からの粒子(物理)のほうが光(こっちも物理だけど、ぽくない)よりも強そうに思うのは、素人のただの先入観なんやろな。

      ソーラーセイル技術を実証する「ライトセイル」計画 (1/4) | Telescope Magazine
      https://www.tel.co.jp/museum/magazine/japanese_spacedev/151030_interview03/ [tel.co.jp]

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        まあ粒子流いうても地球上じゃ再現が面倒な程度には真空度が高い訳で。
        一方の太陽光は大気というフィルタを通してなお高いエネルギーを抱えている。

        わからんでもない……かな?

    • そんな気がしてしまうんですが,昔聞いた話だと,同じ面積の帆なら光圧の方が1~2桁ぐらい?(だったかそれ以上だったか.うろ覚えです)大きいそうです.

      なので,実用的な(今の推進システムと張り合うような)磁気帆を目指すとなるとキロメートルサイズ以上の帆を作らないといけないとか.
      細くてものすごく長い超伝導線のループを使えば原理的に不可能ではないんですが,サイズ的にはなかなか困難.
      磁場作った後にプラズマ噴射で磁場サイズを広げる磁気プラズマセイルなら実用性あるんじゃね?ってことでこちらの研究は続いているようで時々話を聞きますね.

      親コメント
    • そもそも太陽風てのは光圧で吹き飛ばされた粒子なんだから
      元の光圧の方が大きいのは当然。
      太陽風が自力で吹いてると錯覚してるんだね。

      --
      the.ACount
      親コメント
    • by Anonymous Coward

      太陽風を使うマグネティックセイル [wikipedia.org]というのもあるんですが、こちらは実験機を打ち上げるような話はさっぱり聞きませんねぇ。
      仕組的には筋が良さそうなんですが、何か壁があるんでしょうか?

      • by Anonymous Coward

        そのWikipediaの記事見るだけでも、
        超電導ワイヤとかしれっと必要としてるんで
        「CNTリボンがあれば軌道エレベータが可能」
        に近い、コンセプト段階の代物にしか見えないかな……
        プラズマセイルの方はそもそもプラズマ放出してる時点で推進剤使ってるような物だし、
        破綻したM2P2の経緯からすると机上計算もなかなか難しい代物に見える。

        http://www.jspf.or.jp/Journal/PDF_JSPF/jspf2007_03/jspf2007_03-281.pdf [jspf.or.jp]
        要約すればWikipediaと同じような内容だがここにざっくりまとまっている。
        ワイヤでやるなら直径

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UNIXはシンプルである。必要なのはそのシンプルさを理解する素質だけである -- Dennis Ritchie

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