H-IIBロケットの発射台火災原因、調査結果が公表される 18
なかなか気付きにくい原因 部門より
9月13日に種子島宇宙センターのH-IIBロケット8号機移動発射台で付近で火災が発生するトラブルが発生したが(過去記事)、この火災についての調査結果が公表された(マイナビニュース、大塚実氏のTweet)。
これによると、エンジン冷却用の液体酸素が発射台開口部に吹き付けられて静電気が発生し、これによって断熱材が燃えた可能性が高いとのこと。移動発射台の開口部は鋼板の上に耐火塗料を塗り、その上にポリ塩化ビニル製の断熱材とシリコンの耐熱材を重ねる構造になっているが、無風状態でここに液体酸素と酸素ガスの混合物を吹き付けると、6.5kVの静電気が発生することが確認できたという。また耐熱材も液体酸素の低温で一部が割れることが分かっており、それによって露出した断熱材が静電気によって発火したという。
また、対策を行なった発射台によるH-IIBの打ち上げが9月25日1時5分5秒に行われた(JAXAの発表、三菱重工の発表)。打ち上げは成功し、搭載した「こうのとり」8号機(HTV8)は順調に飛行しているという。