2019年のノーベル化学賞、リチウムイオン電池を開発した米国と日本の3氏が受賞 62
ストーリー by hylom
おめでとうございます 部門より
おめでとうございます 部門より
headless曰く、
2019年のノーベル化学賞は、米国のジョン・グッドイナフ氏(ドイツ生まれ)とスタンレー・ウィッティンガム氏(英国生まれ)、日本の吉野彰氏が共同受賞した。授賞理由はリチウムイオン電池の開発(プレスリリース、一般向け情報、詳細情報、名城大学のプレスリリース)。
1970年代、石油危機を受けて化石燃料に代わる新たなエネルギー源を研究していたウィッティンガム氏は、分子レベルでリチウムイオンを吸蔵可能な二硫化チタンを用いる革新的なカソードを作り出す。アノードの一部は金属リチウムで作られ、出力は2ボルトを超えていた。しかし、反応性の高い金属リチウムは爆発しやすく、実用化は困難だった。
グッドイナフ氏は硫化金属ではなく酸化金属をカソードに用いることでより高い性能を実現できると予想。1980年にはリチウムイオンを吸蔵させた酸化コバルトを用い、最大4ボルトの出力が可能となることを示す。吉野氏は1985年、グッドイナフ氏のカソードを基礎として初の実用的なリチウムイオン電池を作り出す。吉野氏のリチウムイオン電池はアノードに金属リチウムを使用せず、カソードの酸化コバルトと同様にリチウムイオンを吸蔵可能な石油コークスを用いている。
リチウムイオンがアノードとカソードの間を往復する構造となったことで、電極が分解されていくことなく、繰り返し充電して利用可能な軽量な電池が実現した。リチウムイオン電池は1991年に初めて市場に投入されて以来、我々の生活を一変させた。
なお、グッドイナフ氏は1922年生まれ。受賞時点で最年長のノーベル賞受賞者になるとのことだ。
リチウム (スコア:1)
リチウムの名前を初めて見たのは「秘密戦隊ゴレンジャー」の児童書だったな。
ゴレンジャーマシン(バイク)のエンジンが、「空気中のリチウムを集めて走る
リチウムエンジン」という謎めいた設定だった。
ようはほぼ「日常に縁がない謎物質」扱い、言ってしまえばオリハルコンとかスペシウム
とかと大差ない扱いだったわけだが、まさかここまで普段からリチウムのお世話に
なる時代がくるとは。
Re: (スコア:0)
宇宙大作戦のU.S.S.エンタープライズでは動力源の部品のひとつにリチウム結晶を使ってました。
ごく初期のエピソードのみで、その後はダイリチウムという名称になりましたが。
Re: (スコア:0)
「水爆」を「重水素化リチウム爆弾」とは言わないからなぁ。
Re: (スコア:0)
アメコミだとトリチルリチウムを凄いエネルギー源として扱っていたりしますね。
Re: (スコア:0)
元々はトリチウムだったのが
誤植されて広まった
という与太話を今思いついた。
個人的には、夜釣り用の光るウキに使う
棒型のリチウム電池(一次)が初めてかな。
あんな小さいものがちゃんと電気を起こせるのが不思議だった
東芝の水島公一氏、SONYの西美緒氏 (スコア:0)
タイトルの両氏が受賞できなかったのは何故だろう。
Re:東芝の水島公一氏、SONYの西美緒氏 (スコア:2)
ノーベル賞の3人制限はいいとしても、
メインのテーマ2人にすこしずれた人1人を組み合わせるってパターン多い気がするのは気のせい?
Re:東芝の水島公一氏、SONYの西美緒氏 (スコア:1)
レッツゴー三匹のツカミを参考にしているのでしょう
Re:東芝の水島公一氏、SONYの西美緒氏 (スコア:1)
それを言うならグラファイト負極開発のYazamiが入っていてもおかしくない、という話も。
3人以下に絞らないといけないから結構大変ですよね。
Re: (スコア:0)
2014年のドレイパー賞(工学のノーベル賞とも呼ばれる賞)はグッドイナフ・ヤザミ・吉野・西の4氏が共同受賞したみたいだね。
Re: (スコア:0)
順番待ちで今回は電池トリオってことで
Re: (スコア:0)
水島氏に関しては、
論文:第1著者水島氏=実験実務者、最終著者グッドイナフ氏=ラスボス
特許:権利順番
ラボ:水島氏(雇われ研究者、ポスドク?)、グッドイナフ氏(雇用者、ボス)
という力関係なんだと思います。
# K. Mizushima, P.C. Jones, P.J. Wiseman, J.B. Goodenough, LixCoO2 (0x-1): A new cathode material for batteries of high energy density, Materials Research Bulletin, 15 (6), Jun 1980, 783-789.
# 米国特許4357215 J.B. Goodenough and K. Mizushima.
次は (スコア:0)
フラッシュメモリの人かな
Re: (スコア:0)
材料や効果・現象としての半導体の分野はノーベル賞(物理学賞)の範囲だけど
フラッシュメモリのような成果物は対象外
リチウム資源 (スコア:0)
絶景スポットで有名なウユニ塩湖は、リチウム資源の場所でもある。
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/... [nikkeibp.co.jp]
当地が大規模開発の的になるのもさほど遠くない未来であろう。
Re:リチウム資源 (スコア:1)
グッドイナフ氏 (スコア:0)
以前、新たなタイプの個体電池を開発したというネタで、ここのストーリーにも登場してましたね。
リチウムイオン電池の共同開発者らが新たな固体二次電池を開発 [srad.jp]
「画期的な全固体電池」は永久機関のような非現実なものだった? [science.srad.jp]
あの「画期的な個体電池」のその後はどうなったんかな。
それにしても、冗談みたいな苗字だ、Goodenough。どういう由来なんだろう。
歴史があるぞグッドイナフ (スコア:5, 興味深い)
それにしても、冗談みたいな苗字だ、Goodenough。どういう由来なんだろう。
アメリカ開拓民が適当に名乗った感じの姓なのかなと思ったら
https://www.ancestry.com/name-origin?surname=goodenough [ancestry.com]
https://www.houseofnames.com/goodenough-family-crest [houseofnames.com]
https://www.surnamedb.com/Surname/Goodenough [surnamedb.com]
https://coadb.com/surnames/goodenough-arms.html [coadb.com]
イングランドのカンバーランドが起源で
1066年のヘイスティングスの戦いで功績を挙げたグッドイナフが記録されているとか歴史あるんだなグッドイナフ
Re: (スコア:0)
すいません、ずっと
グッドナイフ氏だと思ってました
Re:グッドイナフ氏 (スコア:1)
いいことしても「Goodenoughだから当然だな」扱いされて、ちょっと悪いことしただけで
「お前全然Goodがenoughじゃないじゃないか」って言われそうだから
苦労してそうだなGoodenough一族
Re: (スコア:0)
>「お前全然Goodがenoughじゃないじゃないか」って言われそうだから
それは日本的自虐性。Good+enoughなんだからGreatかExcellentでしょ。
Re: (スコア:0)
日本語訳は「十分」になるんじゃないの?
満足はできるけど、Excellent は言い過ぎと感じる。
「もうこれで十分」と思わなかったから業績を上げられた、とか言われてそう。
Re: (スコア:0)
goodenoughは「まぁいいんじゃない」ぐらいの意味だってさ…。
必要十分条件は満たしたからOKだ、って感じかな。もっとやれるけど別にいいや、ぐらいの感じ。
Re: (スコア:0)
Goodenoughは磁性の分野だとGoodenough-金森則とかでも有名ですね。
Re: (スコア:0)
フルネームもJohnny B. Goodeっぽいと思いました(小並感)
名城大学 (スコア:0)
青色LEDの赤崎教授に続く受賞者輩出。
なにげに凄い。
Re:名城大学 (スコア:2, 参考になる)
京大工学部卒、阪大で論文博士取得。
名城大は2017年から教えてる方で、招聘した人は目が高いといえるかも。
Re: (スコア:0)
超有名人を三顧の礼で迎えて目が高いか
スラドはほんとチョロいな
Re: (スコア:0)
名城大の赤崎勇教授は1992年から、ノーベル賞取ったのは2014年。
こっちの方が少しだけ先見の明があったかも。
Re: (スコア:0)
「訪問教授」とか「特任教授」なんで普通の意味での「招聘」では無いな
その筋では、10年以上前からいずれ受賞間違い無しと言われていた人なので
先物買いであっちこっちに名前だけ連ねている。
歳からいっても、一週間に10日働くような人でも無いだろうし、
年に一回、特別講演でもしてくれたらラッキー位の役割……
Re:名城大学 (スコア:2)
オイ,と突っ込みたくなったが,週休1日の13時間労働は普通にあるか…と思ったり。
Re: (スコア:0)
名城大学って全国的にはそこまでだけど中部圏ではかなり有名だったような
情弱です (スコア:0)
そnyが開発したと思ってたが、
製品化したのがそnyだったのか!
もしかしてCDもそnyじゃなかったのかな?
Re:情弱です (スコア:2)
まあ,勝率は低めだけどさ。
Re: (スコア:0)
あそこはトンネルダイオードだけですよ
# なにが?w
Re: (スコア:0)
量産品として、世界で最初に発売にこぎつけたのがソニーよ。
CDはソニーと蘭フィリップスとの共同開発。
Flash Memoryは? (スコア:0)
受賞するといわれながらいまだに受賞しない、Flash Memoryの発明者
来年こそはFlash Memoryかな?
Re: (スコア:0)
村上春樹みたいな扱いじゃね?
Re: (スコア:0)
村上春樹がノーベル文学賞とれないのはきっと書店の差し金だ。
毎回「最有力候補!」「残念!」を繰り返せば、店頭で「最有力候補フェア!」「残念フェア!」が開催できる。
ノーベル賞とったらその年こそ「受賞フェア!」できるけど翌年以降できなくなる。
きっとそうだそうに違いない(妄想)
Re: (スコア:0)
ノミネートされるかどうかすら怪しいレベルなのに、毎回ファンがキャンペーンやってるだけなので、、、
グッドイナフ氏は1922年生まれ。受賞時点で最年長のノーベル賞受賞者になる (スコア:0)
もう今年のノーベル賞って全部発表されたの?
グッドイナフ氏 (スコア:0)
既に次のデバイス、ガラスバッテリーの研究に長年いそしんでるようだ。
まあこれ言うとせっかくの受賞に水差すみたいでアレだが
Re:朝昼晩とニュースだらけ (スコア:1)
日本人がノーベル賞を取ったのが悔しくて仕方がないまで読んだ
Re:朝昼晩とニュースだらけ (スコア:1)
Re:朝昼晩とニュースだらけ (スコア:2)
デカイ釣り針のような気もしますが,単純にお年を召した方の文章でしょうかね??
アジテーション口調というか…ハガキに文章書いてた系の薫りもするというか。
LIBの凄さ (スコア:1)
従来品に比べて、圧倒的に高出力で大容量の電気を長時間、容積の小さな媒体に蓄積でき、
溜め込んだ電気を電圧降下を抑えながら再び絞り出せるのがLIBのすごい所。
また、細かく充放電を繰り返しても製品劣化が極めて小さいのも利点。
作ってしまった電気の大半が、使われずに捨てざるを得なかった状況からすれば、
圧倒的に「環境に優しい」し、革命的と言っても良い。
ロイヤリティーって言っても受賞者たちの業績は概ね80〜90年代初期であり、
全盛期の現代においては、既に特許権は消失済み。
何せ、旭化成は事業会社の「A&Tバッテリー」を2000年の段階で合弁先の東芝に売っぱらっている。
にも関わらず「名誉フェロー」という形で現在も遇されている事にイロイロとビミョーな背景が……
後「電池自体は3000年ほど前…」というのは「黒色火薬があったからダイナマイトは大した事ない」ってノーベルに言っているに等しい
Re: (スコア:0)
黒色火薬に悪いわ
インドラの矢があったからICBMはいらんとかそんな話だよ
Re: (スコア:0)
LiBは燃えやすいっていうのは解決してないけどな
ただし、リン酸鉄系とかSCiBみたいな燃えにくいLiBは、鉄等の金属ケースに入れとけば
燃えても周辺に与える影響はかなり減らせる
スマホととかにつかわれてるのは燃えやすいLiBだから、日常にあふれてるのは怖い
Re: (スコア:0)
「嫉妬やない」
Re: (スコア:0)
そりゃ、3000年前にはノーベル賞がなかったから
電池関連の受賞予定者が3000年分溜まっているのが凄いんですよ。