パスワードを忘れた? アカウント作成
14060547 story
バイオテック

元妻が受精卵を無断移植し出産、その子供との父子関係を認めないという元夫の主張は認められず 98

ストーリー by hylom
親子とは 部門より

Anonymous Coward曰く、

婚姻中に別居していた40歳代の元妻(その後離婚)が凍結保存していた受精卵を無断で移植して出産した子供に対し、元夫側が父子関係が無いことの確認を求めて訴えていた裁判で、大阪家裁が元夫側の訴えを棄却、子供との父子関係があると認めた。

元夫と元妻は不妊治療を行っており、その一環で受精卵を保存していたようだ。元妻は元夫の意思を聞かずに受精卵移植の同意書に男性の署名を書いて提出していたという。

男性側は移植に同意していないとして父子関係を認められないとしていた。これに対し裁判長は生殖補助医療で生まれた子の法律上の親子関係に関する立法がない現状に触れ、婚姻中に妻が妊娠した場合、子供の父親は夫であるという民法の「嫡出推定」が及ぶとして「自然生殖と同様に解することが相当」と判断した(読売新聞産経新聞)。

同様の裁判は過去にも起きているが、それらについても「父子関係が無い」との主張を認めない判決が出ている。

  • 何のための同意書? (スコア:4, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2019年12月02日 19時10分 (#3725046)

    >意向を確認しないまま男性の署名を書いて、治療先の病院に受精卵移植の同意書を提出し、

    >男性が移植の約1年前、不妊治療の方針に同意する別の書面に署名していたと言及。その後も移植までに同意を明確に撤回したとは認められないとし、

    一度同意したら以降は撤回しない限りずっと同意したままなんだとしたら、なんでまた同意書出す必要があるんだろう。
    その時々で再確認が必要なら、その時点で以前の同意は破棄・無効になったと考えるのが普通じゃないのかな。

    ここに返信
    • by Y-taro (38255) on 2019年12月03日 10時21分 (#3725306)

      一般の契約で考えると、ある段階で偽造した契約書が作られたからと言っても、それ以前に作られた別の契約書が無効になる、ってわけじゃないですよね。
      偽造された契約書が無効というだけ。

      無効なものは、それ自体無かったものとして判断するならば、当初の同意に基づいて出産された、という形式になるんじゃないでしょうか。
      当初の同意の内容が、移植から出産までの全体に同意を与えるものであるならば、それだけで足りると。

      一方で、当初の同意というものが、生殖補助医療の途中段階までのもので、それ以後の段階に進む同意が偽造されたものだ、というものであれば、同意があったとは言えないだろうとは感じます。

      無くても足りる同意を取る措置がある理由としては、この問題に限らず世の中だいたいそうなっているから、ですかね。
      問題が生じたときに、責任を減らす効果が少しでもあったらいいな、という期待によるもの。
      なので、同意を得る側の責任問題と、親子の認定問題は、全く別の話ですよね。

    • > 一度同意したら以降は撤回しない限りずっと同意したままなんだとしたら、なんでまた同意書出す必要があるんだろう。
      > その時々で再確認が必要なら、その時点で以前の同意は破棄・無効になったと考えるのが普通じゃないのかな。
      「その時々で再確認が必要」だと判断していたのは病院で、裁判所じゃないから、だよね。
      # この件において裁判所の判断が異常だとは私も思うけれども。

    • by Anonymous Coward on 2019年12月03日 10時25分 (#3725313)

      そこが、この判決の問題点。
      この判決では、不妊治療の同意とは「受精卵の作成および移植の同意」であり、作成→移植プロセスの中断には当事者の明確な意思表示が必要としている。
      受精の同意と移植の同意は本来独立して扱うべきであり、都度医師が卵子提供者と精子提供者を同席させ面談し同意取得するなど、医師も自身の訴訟リスクを勘案してプロセスを構成する必要がある。

      疾患の可能性があって病院に赴き、検査したからと言って、治療・手術することまで同意したことにはならないのと同じ。
      疾患の場合は当事者が1名 (患者本人のみ) の話だが、不妊治療は当事者が2名なので、当然に2名の明確な同意が必要。

    • by Anonymous Coward

      まったく同意。今度からは受精卵移植の同意書は「必ず二人の立会で」提出させなきゃだめだよな。

  • 代理出産の事例で、最高裁は、親子関係は民法に従って「一義的に明確な基準によって一律に決せられるべき」としている。
    生殖医療による特例は認めず、現行民法で親だと定められているならば、親であると。
    今回に直接当てはまる判例ではないにせよ、そうした考えに沿った判決がでるのは、仕方ないのかもしれない。
    最高裁まで争って、最高裁が新たな考えを示すしかないのではないか。

    民法には,出生した子を懐胎,出産していない女性をもってその子の母とすべき趣旨をうかがわせる規定は見当たらず,このような場合における法律関係を定める規定がないことは,同法制定当時そのような事態が想定されなかったことによるものではあるが,前記のとおり実親子関係が公益及び子の福祉に深くかかわるものであり,一義的に明確な基準によって一律に決せられるべきであることにかんがみると,現行民法の解釈としては,出生した子を懐胎し出産した女性をその子の母と解さざるを得ず,その子を懐胎,出産していない女性との間には,その女性が卵子を提供した場合であっても,母子関係の成立を認めることはできない。
    平成19年3月23日最高裁判所第二小法廷決定、平成18(許)47 [courts.go.jp]

    今回でも上記最高裁でも言われるように、現状で生殖医療に関する法律がないから従来の民法で判断せざるをえないわけで、最終的には立法的解決をするしかない。
    手続き方法まで法令で定めて、その手続きに不正があれば、違法な生殖医療による出産であり親子ではないものとすると。

    ここに返信
    • 他の事例。
      なんにせよ摘出推定優先で、科学的事情は無視、従来通りの婚姻関係の破たんなら推定の否定を認めると。

      夫と民法772条により嫡出の推定を受ける子との間に生物学上の父子関係が認められないことが科学的証拠により明らかであり,かつ,子が現時点において妻及び生物学上の父の下で順調に成長しているという事情があっても,親子関係不存在確認の訴えをもって父子関係の存否を争うことはできない。
      平成26年7月17日最高裁判所第一小法廷判決、平成25(受)233 [courts.go.jp]

      凍結保存していた受精卵を妻が無断で移植して生まれた子について
      (中略)
      結婚中に妻が妊娠した場合は夫の子と推定すると定めた民法の「嫡出推定」が優先
      (中略)
      奈良家裁判決は、凍結受精卵を使った出産で父子関係を認めるには一般的に夫の同意が必要との判断を示したが、二審判決と最高裁決定はこの点について判断しなかった。
      日本経済新聞、共同通信「凍結卵無断使用も父子推定 民法の規定優先、最高裁 [nikkei.com]」2019/6/7 20:57

  • ここまでのコメントで、子どもの権利を第一に考えているものは一件しかない。
    子どものことを考えれば、父子関係を認めるべきなのは当たり前。その分養育に使えるお金が増えるんだから。
    なんでこんなにも子どものことを考える人が少ないのか、不思議でしかたがない。

    ここに返信
  • by love-m4 (10412) on 2019年12月02日 18時51分 (#3725032) 日記

    遺伝子的にホントに親子なんだから、まだましだろ。
    嫡出推定で別の男の子供の養育費払ってるやつなんて山ほどいる(出展不明)
    もっと悪いのは未だに気が付いてないやつだよな
    父親は知りようがないもの

    ここに返信
    • by Anonymous Coward

      嫡出推定で親子ですって理由なら
      まあ確かに他人の子よりはマシにみえるよなあ

    • by Anonymous Coward

      おっしゃるとおりだけど、ウンコ味のウンコよりカレー味のウンコがましって言われても慰めにはならないでしょうね...

    • by Anonymous Coward

      そう?
      法律的に夫婦だからそう判断されただけで。結構悪質な案件だと思うよ?

      配偶者の同意を取らずに行われたのであれば、元夫の立場で考えれば「逆レイプして出来た子供の養育費を求められる」のと同等の話になるんじゃない?

      • by Anonymous Coward

        養育費の問題はここで争っている話ではないのでまた別件であろう。
        ここはあくまで親子関係の話なので、これに関しては逆レイプでできた子だとしても、親子関係自体が認められるだろうね。
        養育費や親権といった権利に関しては、まったく別の争点で争うう必要がある。

        • by Anonymous Coward

          レイプ監禁して無理やり出産させたあげく被害者に「お前が生んだんだからお前の子だ」とか酷すぎるな。
          もしも現行法でそうなるとしたら、話題になる事件でもあれば法改正まっしぐらの世論だろうに。

      • by Anonymous Coward

        受精卵を作成する時点では同意していたんだから、後から「親になるのはいや」とはいえないだろう。
        移植の際の同意書の確認の不備を病院側に請求することはできそうだけど、法律上の夫婦関係でなかったとしても父子関係を否定するのは無理筋と思う。
        受精させておいて「着床することは認めていない」なんていうのは通らないだろう。
        夫婦間の争い(財産権)より子供の養育義務のほうが優先するから、法律上の嫡出推定かつ遺伝上の親子とも成立しているから、「父親なし」ってことはないだろうね。

    • by Anonymous Coward

      有印私文書偽造同行使で刑事訴追するしかないし
      法律上「結婚」してないのに父親になるの?マジで?

  • 別居しててその後離婚に至る状態で、(元)旦那の子供を妊娠しようという考えが理解し難い。

    子供を虐待するのが容易に想像できてしまう。何年か後に「容疑者は離婚した元夫の了承を得ずに妊娠出産。死亡した○○ちゃんの・・・」とかニュースになりそうだ。
    ここに返信
    • by Anonymous Coward on 2019年12月02日 19時26分 (#3725059)

      正直、この妊娠・出産自体を「広義の虐待」あるいは「虐待の予備的な行為」と見なして、
      予防的に親権を取り上げておいた方がいいような気がする。
      子供には可哀そうだけど、放置するのは賭けだよね。

    • by Anonymous Coward on 2019年12月02日 19時31分 (#3725063)

      そら年齢的に凍結受精卵使うのがリーズナブルだからだろう
      最新の年老いた卵子のリスク
      可能な限り若い精子が必要なハードル

      元妻が何を目的に移植したのかは分からないが、
      子供の幸せより、自分の幸せを優先した可能性はある。

    • by Anonymous Coward on 2019年12月02日 21時39分 (#3725119)

      そうでもないだろ。理解できるよ。
      40も過ぎた女が子供もいないなんてほんとにしょうも無い人生だろ
      もうこれ以降はやり直しも取返しも付かないのだし
      他に手が無かったんだろ。覚悟の上さ。

    • 妻: どうしても子供が欲しくて必死、生活のすべてが子づくり中心
      夫: 最初は妻につきあっていたが、付いていけなくなった

      というパターンなら、別に不思議ではないな。

  • by Anonymous Coward on 2019年12月02日 19時10分 (#3725047)

    これは夫に対するレイプ犯罪として扱われるべき

    ここに返信
  • by Anonymous Coward on 2019年12月02日 19時15分 (#3725053)

    遺伝的には明らかに親子関係なんだから、親子関係を争っても分が悪い。
    この父親は「養育義務」と「相続権」を無しにしたいのではないかと。

    親子関係があると相続権が無いというのは難しい。
    養育義務が無いという点を争った方が、まだ分があるかも。

    ここに返信
    • Re:争点 (スコア:4, すばらしい洞察)

      by hgsdrk (13085) on 2019年12月02日 19時42分 (#3725070)

      元夫からの同意確認取得に欠陥があるまま、人工生殖行為を実施し、元夫に養育費負担の損害を与えた病院側を訴えるべき事案だと思いますがね。カネもあるだろうし。
      ということで、元夫はおとなしく認知を受け入れた上で、病院を訴えて養育費相当の賠償金を請求し、同時に世間の病院に同意確認の重要性を広く知らしめて、より欠陥の少ない社会を作る助けとするのが落としどころかなあ。

    • by Anonymous Coward

      親子関係がある時点で養育義務もついて来る……

      もっと有利なパターン(同意なし)でも最高裁で敗訴してるので、負け確定の争いなです。

  • by NOBAX (21937) on 2019年12月02日 20時43分 (#3725093)
    アメリカの裁判所が28歳の億万長者の男性に対し、40歳の元ホテル勤務の清掃員である女性に
    「子どもの養育費」として200万ドル(約2億1810万円)の支払いを命じ [gigazine.net]ました。

    清掃員の彼女は男性が残した銀行取引の明細書で億万長者だということに気づき、
    一緒にごみ箱から発見された精液が詰まった使用済みコンドームから精液を
    自分の膣に流し込んだそうです。
    ここに返信
  • by Anonymous Coward on 2019年12月02日 18時54分 (#3725036)

    元夫が元妻をこれで反訴できないのかなぁ?

    ここに返信
    • by Anonymous Coward

      認められたとしても、子供が元妻側の遺産相続放棄すれば
      夫側の遺産相続だけできるから夫がしたいであろうこと(元妻との間の子供に遺産を一円たりともあげない)は実現出来ないかと

  • by Anonymous Coward on 2019年12月02日 19時47分 (#3725076)

    単純に、とっとと法律の穴を塞ぐべき案件なんだろうと思うけど、
    塞がれたところで過去に遡及して適用されないからこの人には何にもならんのか。

    ここに返信
    • by Anonymous Coward

      せめて、これからの分は防がないと
      こんなのがまかり通れば、あの手この手で利用する奴が後を絶たなくなる
      海外ではホテルの従業員が使用済みコンドームゲットして金をゲットした話があるぐらいや
      これは、犯罪として裁かれるべき悪だ

      • by Anonymous Coward

        あれはフェイクニュース
        ともあれ何らかの検討は必要なのは間違いない。
        今回の件でいえば、処置した病院が相当過失がでかいようにも思えるのだがどうだろうかね。

    • by Anonymous Coward

      日本の政治家(特に保守系)の考え方は、むしろ穴を塞ぐよりも生殖医療自体の規制強化(今回のケースなら受精卵の凍結保存や人工授精を禁止するとか条件を厳しくするとか)のようです。

  • by Anonymous Coward on 2019年12月02日 22時50分 (#3725141)

    この場合、子の福祉を優先して考えると遺伝的なつながりがある以上はやむを得ない。
    レイプ等の犯罪起因でも子供が生まれてしまったら両親には養育義務が発生するので。

    できることがあるとすれば、養育費とは別の次元で元夫が元妻に慰謝料等の賠償請求するくらい。

    ここに返信
typodupeerror

アレゲは一日にしてならず -- アレゲ見習い

読み込み中...