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14100623 story
宇宙

DirecTVの通信衛星でバッテリー異常、爆発の危険性もあるため墓場軌道へと移動へ 32

ストーリー by hylom
規模がでかい 部門より

Anonymous Coward曰く、

衛星放送DirecTVの通信衛星「Spaceway-1」に爆発の危機が迫っているという(Engadget日本版AFP)。

同衛星は太陽光パネルで発電したエネルギーで稼働しているが、太陽光を利用できない状況に対応するためのバッテリーも搭載している。このバッテリーで「熱損傷」が発生しており、バッテリー駆動時に過熱・発火といった問題が生じる可能性があるようだ。現在この衛星には約73kgの燃料が残っており、これに引火すると大きな爆発が発生してしまう。次に衛星が地球の影に入る2月25日までに燃料をすべて排出することは困難であるため、まずば静止軌道から約300km離れた「墓場起動」への移動を目指すという。

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  • 星屑テレパス合同の原稿で、「ポイント・ネモ」をネタに使わせて頂こうと思って論文漁ろうとしたら、google scholarで一件も引っかからなかったんですよね。
    (「生物に乏しい」「海流で周囲と断絶している」等々の根拠となる調査の、報告書やデータがあるはずだと思ってます。)
    結局、Web上のニュースサイトやまとめ記事に書いてある「気温は5~6度程度」とかを参考にせざるおえませんでした。
    どなたか詳しい方が居たら、リファレンスを教えてください。

  • 怪獣墓場 (スコア:1, おもしろおかしい)

    by pokuri (33231) on 2020年01月31日 14時21分 (#3754007) ホームページ

    これは、シーボーズを目覚めさせてしまう。

    --
    pokuri
    • by Anonymous Coward

      宇宙の墓場といえばサルガッソーやろー。

    • by Anonymous Coward

      墓場起動 -Animate Graveyard- 黒黒

      墓場にあるクリーチャーをすべて場に出す。
      このときあなたは場に出たクリーチャーの体力の合計と同じだけライフを失う。

  • この衛星はBoeingの702HPで、2005年に打ち上げられたようです。

    spacenews.com - DirecTV fears explosion risk from satellite with damaged battery
    https://spacenews.com/directv-fears-explosion-risk-from-satellite-with... [spacenews.com]

    > Spaceway-1 is a Boeing-built High Power 702 model satellite that was designed to last 12 years.
    > Launched in 2005 on a Sea Launch Zenit 3SL rocket

    Saft製のリチウムイオンバッテリーが採用されたという記事が見つかりましたが、2006年。
    時期が前後するので、リチウムイオンバッテリーではないかもしれないです。

    Jul 06, 2006 - Saft To Provide Lithium-Ion Batteries for Boeing GEO Mobile Satellites
    http://www.terradaily.com/reports/Saft_To_Provide_Lithium_Ion_Batterie... [terradaily.com]

  • by Anonymous Coward on 2020年01月31日 14時21分 (#3754006)

    残ってる燃料で軌道を下げたら大気圏に落とせないのかなと思った

    • 「高度約36000kmの静止軌道」での衛星の速度約3km/sに対して、
      「遠地点高度そのまま、近地点高度0」の楕円軌道の、遠地点での速度は約1.5km/s。
      つまり、地球に落とすためには速度半減、1.5km/sだけの減速が必要です。

      墓場軌道(高度が300km上の円軌道)までならわずか11m/s程度の加速でいいので、必要な燃料が二桁違います。

      今回の問題の衛星の燃料残量でどれぐらいの加速ができるのかの正確な情報はなかったのですが、衛星に残された燃料は軌道維持5年分だそうです。一方、だいたい「墓場軌道への移動は、静止軌道維持3ヶ月分ぐらいの燃料が必要」だそうですので、衛星に残された燃料は墓場軌道移動の20倍分ぐらいってことに。地球に落とすにはまだ一桁足りない。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        でも墓場軌道だろうと元の軌道だろうと、デブリ出した時の衛星軌道に対する悪影響なんて誤差の範囲でしか変わらないと思うんだが。
        それでも静止移動でもご近所さん付き合いは大事なんだろうか?

        • 静止軌道で爆発したら、飛び散ったほぼ全ての破片が静止軌道を通る(爆発地点で元の静止軌道と交差するような楕円軌道に遷移する)し、
          その周回時間のずれで、爆発地点だけなく静止軌道上の全衛星に影響しかねないですけど、

          墓場軌道での爆発なら、「静止軌道と交差する楕円軌道」に遷移した破片だけが問題になるので、影響は大幅に違うと思います。

          親コメント
          • by Anonymous Coward

            スペースデブリと聞くと「とんでもない速度差があるので、ほんの埃みたいな欠片でも当たったら大惨事」と想像しかけましたが、そこまでではないですよね。ぐるっと回って静止軌道に戻ってきたときは、爆発で加速された時点と同じ速さに戻ってるはず。

            でも、その速さが保存されてるから、「数年前に起こった、遙か、遙か彼方の爆発の破片」であっても、「その爆発の瞬間に直近で受ける」のと同じダメージになるから、それはそれでヤバいか。埃の欠片ぐらいならともかく、ネジぐらいの大きさが当たり所が悪ければ十分なトラブルの元。

        • by Anonymous Coward on 2020年01月31日 19時14分 (#3754209)

          あんまり理解されてないけど

          静止軌道というのは普通の軌道に比べて異常に高度が高い

          なので一旦静止軌道に上げたら落とすだけの燃料は無い
          そして場所も国際会議で方位何度ごとに一個と決まっているので
          必ず墓場軌道に退かす

          親コメント
          • https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/b/b4/Comparison_satelli... [wikimedia.org]

            svgですが、墓場軌道のWikipedia(en)より。
            放棄された宇宙ステーションが落ちてくる、なんてのは ISSの軌道あたりからだったんでしょうね。

            親コメント
          • 地球に向かって燃料を噴射して進めば、燃料がなくなった後も慣性と重力で引っ張って行かれるんじゃないかと思う。 恐らく他の衛星とぶつからないためじゃないかな。
            親コメント
            • > 慣性と重力で引っ張って行かれるんじゃないかと思う。

              そういう間違ったイメージをしている人が多いですが、そんなことにはなりません。
              単に「燃料を噴射して」、「燃料がなくなった」場合には、「燃料噴射開始地点を通る楕円軌道」に遷移します。一周したらまた元の高さに戻ってくる。
              噴射終了後も「衛星は地球にどんどん近づいていき、そのうち地球に落ちる」なんてことにはなりません。

              その状況を物理学的な数式を使わずわかりやすく説明すると、

              まず、人工衛星というのは何か。普通に地上で横にモノを飛ばした場合、そのうち下に落ちて地球にぶつかります。
              でも、「ものすごく速いスピードで横にモノを飛ばすと、地球に向かって落ちていくカーブと、地球の丸みが一致」します。
              空気抵抗のない(減速しない)宇宙で、そんなスピードで飛ばすと、いつまで経っても地球に落ちてこなくなる。それが人工衛星です。

              では、ある程度の高さで回っている人口衛星を、ちょっとだけ減速させた場合、どうなるのか。
              減速すれば、その分「地球に向かって落ちていくカーブ」が、地球の丸みより地球寄りになります。地球にどんどん近づいて(地球にどんどん落ちて)行きます。
              でも、地球に向かっていく、ということは、重力でどんどん加速する、ということです。

              でも、地球に向かっていくからといって、そのまま地球に落ちるなんてことにはなりません。
              地球に近づくにつれてスピードは増えて行き、スピードが増えれば「地球に向かって落ちていくカーブ」がなだらかになります。
              中途半端に「ちょっとだ減速させた」だけだと、そのうち地球の丸みに打ち勝って、逆に地球から離れるようになるのです。
              で、今度は重力に逆らって地球から離れていくるについれて、減速していき、そのうち「ちょっとだけ減速させた」高さまで戻ってきます。
              (でも、元の速度に比べれば遅いので、また、最初に「ちょっとだけ減速させた」のと同じ軌道を描いていきます)
              そうして、「遠地点(地球から一番離れたところ)は元の高さのまま」で「近地点(地球に一番近づいたところ)は元より低い」ような「楕円軌道」に移るのです。

              だから、地球に落とすためには、「近地点が地上高度0まで降りるような楕円軌道」に移るだけの減速が必要、ということになるのです。
              (そのあたり数値で示したのが、大元の #3754059)

              親コメント
        • by Anonymous Coward

          墓場軌道に上げても爆発で破片を11m/s減速する方向に射出してしまえば元の高度に戻ってしまうので、
          爆発しないようにその後も残燃料を放出するかさらに上空へ上げるんじゃないかな?

          • by Anonymous Coward

            単発の加減速ではその加減速を行った点を通る楕円軌道にしか遷移しません。

    • by Anonymous Coward

      むしろ高度を上げて超々楕円軌道、近地点が6400kmを割り込む軌道に乗せれば地球に激突します。
      大気のブレーキだけで止まり切るかわからないので、地表に被害が出るかも知れませんけど。

      • by Anonymous Coward

        近地点下がるの?なんで?

    • by Anonymous Coward

      発電用の燃料なので、それを推力に変える装置はないんじゃないか

      • by Anonymous Coward

        自己レス
        すまぬ、勘違いしていた
        推進用の燃料だな

    • by Anonymous Coward

      静止軌道から地球に落下させるのはすごい燃料が必要
      高度300kmくらいの低軌道なら、簡単に落下させられるが

      • by Anonymous Coward

        月の摂動とか利用して軌道を不安定にして、月スイングバイ経由で大気圏突入焼却処分、ってのはできんのかなー。
        月経由での静止軌道投入コースもあるんだから、逆だってできそうな。
        まぁ、危険が無い場所まで移動すりゃそれで十分なんだろうけど。

        • by Anonymous Coward

          基本的に行きも帰りも同じエネルギーが必要なので、ロケットのエネルギーをもらえる打ち上げ時よりも自力で帰ってくるときの方が大変でしょう。

        • by Anonymous Coward

          月軌道まで行こうとすると、こんなのとは比較にならないぐらい燃料がいるので、難しいですね。
          静止軌道から墓場軌道に上げるだけでも3ヶ月分ぐらいの燃料がいるといわれてるので。

    • by Anonymous Coward

      静止軌道にデブリ撒き散らすと悲惨だからどかす必要があるわけで、
      墓場軌道でトラブルシューティングに成功したら
      静止軌道に戻す事も考えているのでは無いかな。

  • by Anonymous Coward on 2020年01月31日 15時53分 (#3754069)

    墓場に移動した後は燃料の破棄とバッテリー空っぽ処置が必要で、衛星として復活するのはムリだと思うんだけど、破棄ではなく使える衛星に燃料を輸送するとか、非常用共食い整備パーツ供給とか有効活用できる手段はないのだろうか?
    ※今後ヒドラジンから安全なグリーン燃料に変わるというけどさ

    • by Anonymous Coward

      衛星ニコイチは、シャトルが使えたときは地球に持ち帰ってやったことがあったような気がしますが
      今回は人も行けない(シャトルがあったとしても到達できない)はるか上の軌道ですからまず無理でしょう。
      精々流用するくらいかなぁ。
      日本は投入失敗した静止衛星でも通信機能は健在だったのでそれでいろいろ実験しましたよ。
      # 燃料投棄したら姿勢制御できないからはやぶさゴッコするくらい?

    • by Anonymous Coward

      墓場軌道に上げるというのは、邪魔にならないように横に避けるイメージです
      なので、上がった後は特に何かをするというわけではないですね
      墓場軌道に上げるのも失敗率が高くちょっと前の統計では成功率が3割程度で、大体はそこの持っていく途中で制御不能になるそうで

  • by Anonymous Coward on 2020年01月31日 19時57分 (#3754242)

    狙ってなくても天体観測網のどこかには確実に引っかかって撮影されるぐらいにそれと分かるものなのか、あーあ、ビーコンが途絶えちゃった、多分、遷移は間に合わなかったなー、みたいなことにならないよう、どこかに頼んで狙いを付けて観測し続けて欲しい感じなのか。

    何にせよ、爆発の危機あり、と分かるようになってるのはさすがこの分野はしっかりしてるなぁ、と言う印象。なんだか音信不通になった機械の様子を見に行くたびに、意外なパターンを発見している…。

  • by Anonymous Coward on 2020年02月01日 19時15分 (#3754585)

    バッテリーって空気無いところで「発火」できるの?

    • by Anonymous Coward

      充電状態の電池を構成する分子達には、
      より化学エネルギーの小さい結合状態が存在する。
      高温により連続的にその反応を起こし得るなら燃えると表せる。

      ていうかリチウムイオンバッテリーは無酸素でも燃えたはず。

      航空機の荷物火災では貨物室を減圧して消火するのだが、
      積み荷の大量のリチウムイオンバッテリーがそれでは鎮火できず、
      輸送機が墜落するという悲劇が起きている。
      これにより航空機でのリチウムイオンバッテリーの輸送は著しく制限される事となった。

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長期的な見通しやビジョンはあえて持たないようにしてる -- Linus Torvalds

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