液体の水の中に2種類の構造が存在する直接的かつ決定的な証拠を発見したと東京大学生産技術研究所が発表 38
身近だが分からないことも多い水 部門より
東京大学・生産技術研究所の田中肇教授らの研究グループが、液体の水の中に2種類の構造が存在する証拠を見つけたことを発表した(PC Watch、プレスリリース)。
水はほかの液体にはない様々な特異な性質を持っていることが知られているほか、その構造については議論があり、幅広い連続的な分布を持つという「連続体モデル」と、2つの成分からなるという「混合モデル」のの2つの仮説があった。今回の発表は、このうち後者の「混合モデル」を証明する決定的な証拠となるという。
田中教授らのグループは、3種類の一般的な水モデルのシミュレーションと最新のX線散乱実験データの詳細な解析を行った結果、水の構造因子に対する見かけ上の「一つ目の回折ピーク」の中に、2つのピークが隠れていることを発見したという。その1つは水の中に形成される正四面体構造に関連した密度波に起因したピーク、もう1つはより乱れた構造に関係した密度波から生じていることも分かったという。このことから、水はこの2つの成分から構成されていると考えられるという。