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2020年3月のサイエンス人気記事トップ10
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医療

WHO、新型肺炎(COVID-19)のパンデミックを宣言 77

ストーリー by hylom
ついに 部門より

headless曰く、

世界保健機関(WHO)事務局長は11日のメディアブリーフィング冒頭で、WHOがコロナウイルスによる新型肺炎(COVID-19)をパンデミックとみなすことができると判断したことを明らかにした(事務局長のスピーチ全文)。

過去2週間で中国以外でのCOVID-19の症例は13倍に増加し、影響を受ける国の数は3倍に増加しており、114か国で118,000件以上の症例、4,291人が死亡している。今後も症例や死者、影響を受ける国の数がさらに増加するとみられることから、パンデミックを宣言するに至ったとのこと。

事務局長はパンデミックという言葉を誤って使用すれば必要以上の恐怖やあきらめをもたらし、必要のない苦しみや死を招くため軽々しく使用していい言葉ではないとしたうえで、現状をパンデミックと表現することでWHOがすることや各国がすべきことは変わらないと述べている。

コロナウイルスによるパンデミックはこれまでになかったことではあるが、同時にこれまでなかったコントロール可能なパンデミックでもあるという。事務局長は9日のメディアブリーフィングでも、COVID-19によるパンデミックの脅威が現実のものになりつつあると述べる一方、史上初のコントロール可能なパンデミックになるとの見方を示していた。

症例の90%以上が4か国に集中しているが、そのうち2か国、中国と韓国では新規症例報告が減少している。各国が適切に対応すれば感染がクラスターになることを防ぎ、クラスターがコミュニティーでの感染拡大につながることを防ぐことが可能であり、パンデミックを終息に向かわせることが可能とのことだ。

WHOが「パンデミック」という表現を使うのは2009年の新型インフルエンザ以来となる。

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ニュース

NHK曰く「キッチン用除菌商品の消毒効果は証明されていない」、これに対しフマキラーが反論 136

ストーリー by hylom
訂正しないのか 部門より

NHKが「キッチン用エタノールはアルコール度数が50%程度であり、コロナウイルスに対する消毒効果は科学的に証明されていない」などと報じたことに対し、フマキラーが反論している(フマキラーによる『「キッチン用エタノール」報道に対する当社見解』)。

フマキラーは新型コロナウイルスと同じ構造を持つネコ腸コロナウイルスを使った試験を実施し、実際に効果があることを確認しているという。しかし、今回の報道を受けて同社には多数の問い合わせやクレームが寄せられているとのこと。

この試験は一般財団法人北里環境科学センターによって行われたもの。同社の「フマキラー キッチン用アルコール除菌スプレー(アルコール濃度49v/v%)」および「アルコール除菌プレミアム ウイルシャット(アルコール濃度63v/v%)」、「ウイルシャット ノンアルコール除菌プレミアム」で「減少率99.9%以上」という結果となり、ネコ腸コロナウイルスの不活性化効果を確認できたという。

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スラッシュバック

GDCは8月開催、気温が上昇すればCOVID-19の感染力は弱まるのか 128

ストーリー by headless
開催 部門より
Game Developers Conference(GDC)を主催するInforma Techは19日、延期されたGDC 2020に代わるイベントとして「GDC Summer 2020」を8月に開催する計画を明らかにした(GDCのニュース記事VentureBeatの記事Ars Technicaの記事The Vergeの記事)。

GDC 2020は米国・サンフランシスコのモスコーネセンターで3月16日~20日に開催が予定されていたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で開催を今夏に延期する方針が発表されていた。GDC Summerは同じ会場で8月4日~6日の3日間開催される。通常のGDCよりも期間は短くなるものの、エキスパートによるレベルの高い講演は通常のGDCと変わりなく、8月5日と6日には展示会スタイルのGDC Expoも開催されるとのこと。

COVID-19の終息が見えない段階での開催計画は、夏になって気温が上昇すれば感染力が弱まると見込んでのものとみられる。しかし、冬季に風邪の原因となるコロナウイルスは季節性があるものの、COVID-19の原因となる新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)も同様かどうかは判明していない。

2002年~2003年のSARSコロナウイルス感染拡大は北半球の冬に始まり、2003年7月まで続いた。感染のピークは5月であり、7月の終息は対策が功を奏したのであって季節要因ではないという。MARSコロナウイルスは主に気温の高い国で感染拡大した(The Conversationの記事)。

現在は特にCOVID-19の感染が広がっているのは欧州だが、気温の高い東南アジア・南アジアでも感染者数は日々増加している。タイではボクシング(ムエタイ)スタジアムで感染したとみられる症例が20日に18件確認され、今後14日間でさらに増加するとみられている(Bangkok Postの記事)。
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原子力

脱原発を選んだドイツ、二酸化炭素排出量増加や大気汚染によって年間120億ドル以上の社会的コスト増 108

ストーリー by hylom
化石燃料による発電から脱するしか 部門より

Anonymous Coward曰く、

ドイツは日本の福島第一原子力発電所事故をきっかけに、2022年末までの全原発の停止を決めた(論座)。しかし、これによってドイツの二酸化炭素(CO2)排出量は増加しているという(WIRED)。

National Bureau of Economic Research(NBER)がまとめた調査レポートによって明らかになったもの。このレポートでは、発電所の時間単位の稼働状況から機械学習フレームワークを使って原発の停止が行われなかった場合の発電状況を推測している。その結果、原発の停止によって石炭火力による発電量と電力輸入量が増大し、それによって社会的コストは年間120億ドル上昇していると推測できたという。試算されたコストには単純な発電コスト以外も含まれており、うち70%は化石燃料を使用したことによる大気汚染による死亡リスクの増大に起因しているという。一方、原発事故によるリスクはこれと比較すると大幅に少ないという。

また、「脱原発」によって二酸化炭素排出量は年間3,600万トン(約5%)増加し、また呼吸器や循環器の疾患による死者は年間1,100人増加したと推測されている。

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医療

米国で観賞魚用の薬品をCOVID-19の予防・治療用に内服する人が増加、死者も出る 97

ストーリー by headless
予防 部門より
米国では観賞魚用として販売されているリン酸クロロキンをCOVID-19の予防・治療用として内服する人が増加しているそうだ(FDAの更新情報Banner HealthのニュースリリースSlashGearの記事)。

マラリアや狼瘡、関節リウマチの治療薬として用いられるクロロキンだが、小規模な研究でCOVID-19患者にヒドロキシクロロキンを投与することでウイルスが減少し、抗生物質との組み合わせで効果が高まったという報告が出ている。ドナルド・トランプ大統領がクロロキンやヒドロキシクロロキンの効果繰り返し言及していることもあり、注目が集まっている。

米食品医薬品局(FDA)では認可外使用としてクロロキンをCOVID-19の治療に使用できる可能性を検討している段階だ。しかし、医師が自身や家族、友人のためにCOVID-19の予防や治療目的で虚偽の処方をする例が相次いでクロロキンの品不足が起こり、狼瘡患者などが必要な治療薬を入手できなくなる状況に陥っているという。そのため、医薬品のリン酸クロロキンではなく、観賞魚用の薬品として販売されているリン酸クロロキンを内服する人も増加しているようだ。米非営利ヘルスケアシステムのBanner Healthによると、60代の夫妻がリン酸クロロキンを服用後30分ほどで具合が悪くなり、入院が必要な状態になったという。その後、夫は死亡し、妻は集中治療を受けているとのこと。

FDAではCOVID-19予防用として認可した医薬品は存在せず、COVID-19テストキットは医療機関にのみ提供されているとして、オンラインで販売されている詐欺的商品を購入しないよう注意喚起している。特に動物用や研究用と明記されたクロロキンなどについては人体への安全が確認されていないとして、医療機関で処方されたもの以外は服用しないよう求めている。
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医療

新潟市で「ドライブスルー方式」による新型コロナウイルスの検体採取が実施される 188

ストーリー by hylom
途中で車から出なければ感染を広げる心配はないという感じだろうか 部門より

新潟県新潟市で、「ドライブスルー方式」での新型コロナウイルスの感染検査を開始した(NHK)。

この検査は、感染者と濃厚接触した人を対象に行われたもの。車に乗ったまま窓を開けてもらって検体の採取を行う。18日に行われた検査では、約2時間で10台ほどの検体採取が行われたという。この方法では1日に20~30程度の採取が可能だそうだ。

なお、厚生労働省はドライブスルー方式での検査については「医師の診察を伴わないことが多い」として実施していないとしていた。

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医療

相模原中央病院の新型コロナウィルス肺炎症例報告が公開される 90

ストーリー by hylom
一般病院なのに素晴らしい 部門より

tamaco曰く、

日本感染症学会が、コロナウイルスによる新型肺炎(COVID-19)の症例報告を公開している。ここでは、COVID-19による死亡者が発病当初に入院していた相模原中央病院の症例(PDF)も公開されている。

同病院は外科系と地域包括ケアが主体の病院であり、常勤の感染症や呼吸器科の専門医はいないという状況下でのCOVID-19発生とのことで、対応は非常に大変だったようだ。発症者についても、感染症専門病院への転院を依頼したにもかかわらず「現時点での対応が困難」として受け入れられなかっただけでなく、非常勤医師の派遣を断られたり、発症者の居ない病棟までも閉鎖を余儀なくされ、さらに外来も全面停止されるなど、「通常の感染対策では考えられない状況」にまで追い込まれたそうだ。

この報告では症例とともに患者への処置についても記載されており、院内発症した3例のうち1例はごく軽症で自然軽快し、2例については抗HIV、C型肝炎の薬で免疫力あげつつ肺保護の薬を併用する措置を行ったとのこと。新型コロナで呼吸困難になった際の致死率は49%~81%だが、2例ともに人工呼吸器状態からの生還ができたのはすごい。

また、院内感染の伝搬経路としては短期入院した患者を介しての接触感染が疑われており、「COVID-19を想定していない市中一般病院では、全く無防備な状況での発症であり、通常の標準予防策だけでは残念ながら感染対策として不十分な結果であった」と考察されている。また、その後のさらなる感染を抑えられた理由としては、院内の一斉清掃・消毒が有効だったとしている。

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おもちゃ

海に流れ込んだレゴブロック、海洋環境に最大1,300年残ることを示す研究成果 50

ストーリー by headless
耐性 部門より
英プリマス大学などの研究グループの研究成果によると、海に流れ込んだレゴブロックは海洋環境に最大1,300年残る可能性があるそうだ(論文アブストラクトプリマス大学のニュース記事SlashGearの記事)。

研究では英コーンウォールの複数のボランティア組織が海岸の清掃作業で回収した数千個のレゴブロックの中から、風化の進んだ50個を抽出。蛍光X線分析を用いて添加物の違いにより年代を判定し、1970年代~1980年代製の未使用のレゴブロックと大きさや質量を比較したという。その結果、ABS樹脂製のレゴブロックは耐性が高く、海洋環境で形がなくなるまでに100年~1,300年かかるとの結論に達したとのこと。

過去の研究によるとレゴブロックはビーチで紛失したり、家庭からのゴミ出しの過程でこぼれたりすることで海洋に流出しているという。また、1997年に発生した貨物船のコンテナ落下事故では500万個のレゴブロックが流出したそうだ。海岸で回収されたレゴブロックは欠けや摩耗がみられ、残った部分もいずれはマイクロプラスチックになっていくとみられる。そのため、使用済みの物品は環境に悪影響を及ぼさないよう適切に廃棄する必要があると研究者は述べている。
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宇宙

ベテルギウスの減光が停止、増光に転じ始める 61

ストーリー by hylom
一体何が 部門より

Anonymous Coward曰く、

2019年後半に急速に暗くなったことが話題となった赤色超巨星「ベテルギウス」だが、最近になってこの減光が止まり、逆に明るくなり出しているという(soraeナショナルジオグラフィック)。

ここ最近のベテルギウスの観測データによると、2019年10月ごろから暗くなり始め、1月末から2月前半で底を打ち、現在は増光している状況だという。

なお、長年に渡りベテルギウスを観測してきたビラノバ大学のEdward Guinan氏は「2月21日頃(誤差は前後一週間)を境にベテルギウスが増光に転じる」と予想しており、これが当たったことになる。

なぜ減光・増光が発生したのかはまだ分かっていないが、仮説としてはベテルギウス表面のガスの対流パターンが変化した、もしくはベテルギウス自体が膨張・収縮することでその直径が変化した、ベテルギウス表面から地球方向に塵が放出されてそれによって光が遮られた、といったものが挙がっているようだ(アストロアーツ)。

なお、ベテルギウスの減光は超新星爆発の兆候との説もあったが、今回の増光から超新星爆発はしばらくは起こらないと見られており、そのため残念がっている天文学者もいるようだ。

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ゲーム

心理戦で互いの思考の読み合いが無限ループしない理由 88

ストーリー by hylom
時間と能力的制約もありますしね 部門より

対人ゲームでは、相手の思考を読んだうえでそれに対応することが求められることが多い。しかし、相手もこちらの思考を読んだ上で行動するとすると、こちらはさらに相手がこちらの思考を読むだろうと想定してその対策を取らなければならない。これを繰り返すと無限ループになるようにも思えるのだが、実際にはそうならない。その理由は、ゲームに参加するすべてのプレイヤーが常に最適解を選択するとは限らないからだという(Quora)。

過去に行われた実験では、一般人はほかのプレイヤーの思考を読まないか、読んだとしてもその思考を読んだ上でほかのプレイヤーが行動を変えるということはあまり想定しない、という結果になったそうだ。そのため、その実験ではいわゆる「裏の裏をかく」行動が最適になったという。

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あつくて寝られない時はhackしろ! 386BSD(98)はそうやってつくられましたよ? -- あるハッカー

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