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JAXA

小惑星リュウグウ、一時は太陽に接近した軌道にあったという研究成果 10

ストーリー by headless
接近 部門より
小惑星リュウグウは一時、太陽に接近した軌道にあったと考えられるそうだ(JAXAのプレスリリース論文Ars Technicaの記事)。

2019年2月22日に小惑星探査機はやぶさ2がリュウグウ表面への1回目のタッチダウンを行った際に取得した高解像度映像から、タッチダウン時に大量の赤黒い微粒子が舞い上がったことが判明している。赤黒い物質はリュウグウ表層数メートルの厚さで全球的に存在するが、リュウグウ表面の色は中緯度で赤黒く、両極と赤道付近では青白いことが観測によりわかっている。また、層序学的に古いクレーターの内部は赤黒く、新しいクレーターの内部は青白い。

これは古いクレーターができる前にリュウグウ表面を赤化させるイベントがあり、内部が青白いクレーターは赤化が終わった(または進行が遅くなった)後でできたことを示す。赤化はリュウグウが太陽に近付いて表面の岩石が変成したことが原因とみられ、赤黒い微粒子はその後の風化や衝撃で赤化した岩石が粉砕されてできたようだ。リュウグウ表面の色の違いは、赤黒い微粒子が地形学的に低い中緯度付近に流れ込んだことによるものとみられる。

これらのことから赤化は過去の短期間に発生したものであり、一時はリュウグウが太陽に接近する軌道をとっていたと考えられる。青白いクレーターの数密度から推定すると、表面赤化の年代は30万年前~800万年前とのことだ。タッチダウン地点表面には赤黒い物質と青白い物質の両方が存在することから、はやぶさ2が変成前後の物質を両方採取したことが期待される。
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  • 当てが外れた (スコア:4, 参考になる)

    by tamaco (19059) on 2020年05月10日 16時54分 (#3812205)

    小惑星「リュウグウ」 水星の内側通る軌道回っていた可能性 [nhk.or.jp]

    現在の太陽との距離では想定できない600度以上の高温で熱せられて赤く変色していることがわかったということです。その一方で、新しいクレーターでは高い温度になっていないため青い色の砂や岩が確認されていて、比較的最近になって太陽との距離が離れたと考えられるということです。

    こうしたことから「リュウグウ」は、およそ800万年前から30万年前の間の一時期、太陽までの距離が現在の3分の1から5分の1程度で、太陽系で最も内側の惑星である水星よりもさらに内側を通る軌道を回り、その後、現在の軌道に変化した可能性があることがわかったということです。

    水も少なかったし(なくはない)、高温にさらされているとなると、有機物も分解されているかな。そういった意味では当てが外れたのかも。
    2018年には水がほとんど存在しないことが判っているから、それを裏付ける歴史を解明できたのはすごいことなのだろうけれど、やっぱりもやもやする

    Nasaのオシリス・レックスの小惑星ベンヌの方が水(水和物)に関してはありそう [astroarts.co.jp]ですね。

    サイエンス小惑星リュウグウ [hayabusa2.jaxa.jp]

    「はやぶさ2」が目指しているのは、表面の岩石の中に有機物などを多く含むと考えられている「C型小惑星」です(Cは炭素質を意味するCarbonaceousに由来します)。C型小惑星はS型小惑星よりも「始原的(太陽系初期の情報を多く保っている)」とされています。C型小惑星は、有機物(炭素を含む化合物)や水を多く含む天体と考えられています。炭素と水は、我々人類を含む地球上の生物の最も基本的な要素であり、地球生命の原材料とも言えるでしょう。「はやぶさ」に続く「はやぶさ 2」ミッションでは、このC 型小惑星からのサンプルリターンを行います。

    水と有機物をサンプルリターンして、太陽系創生期の痕跡があるか期待していたんだけどね

  • by Anonymous Coward on 2020年05月10日 12時19分 (#3812100)

    そのまま太陽に落ちていくんじゃない?
    どうやって、今の軌道まで離れたんだか。

    • by Anonymous Coward on 2020年05月10日 12時30分 (#3812107)

      待て待て。
      逆に太陽の方が、近づいて離れたのかもしれんよ?

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2020年05月10日 12時50分 (#3812112)

      ああ、「接近する軌道」という言葉を「どんどん近づいていく軌道」という意味に読んだのね。
      そうじゃなくて、小惑星は楕円軌道を描いているから、この場合は「近日点が今より太陽に近い」つまり「近日点では今よりも太陽に接近する」という意味と読んでください。
      遠日点が今と同じかもっと離れていたとすると、太陽の遠くにいる時期に他の天体の影響で軌道が変えられて、それ以降は太陽に接近しない軌道になった、ということは十分ありえます。

      親コメント
      • 単純に、太陽に向かっていく物体は、太陽の重力で太陽に吸い込まれるのがあたりまえ、と思ってるんやろ。

        # 太陽に当てるのは狙っても難しいことに、なかなか実感がわかないよね。。。
        ## スゴい速度+エネルギー+距離のせい!w

        親コメント
    • by Anonymous Coward

      恒星にしろ、惑星にしろ、流星にしろ、
      まがりなりにも公転している状態では、太陽に落ちることは
      確立としてかなりまれになります。

      #冠さんの時計工房2巻

    • by Anonymous Coward

      その理屈だと過去に観測された彗星はすべて太陽に落下していることになるが?

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皆さんもソースを読むときに、行と行の間を読むような気持ちで見てほしい -- あるハッカー

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