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2020年7月28日のサイエンス記事一覧(全4件)
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テクノロジー

東京大学、厚さ1分子のプラスチックを大量に生産する方法を開発。コーティング剤などにも応用可 16

ストーリー by nagazou
金属とかにも応用できる? 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

東京大学の研究チームは、1分子という厚さ0.7ナノメートルのプラスチックを大量生産する方法を開発したそうだ(東京大学大学院テレ東NEWS動画)。

これはMOF(多孔性金属錯体)の持つナノサイズのすき間を利用したもの。このすき間を鋳型として利用、ここに0.7ナノメートルのスチレン分子を挿入、その後化学反応でMOFを除去することにより薄いプラスチックが大量に生産できるようになるそうだ。

開発に携わった東京大学植村卓史教授は、こうした薄いシートは電子材料やコーティング材など応用分野が幅広い。しかし、プラスチックフィルムを引き延ばすような手法では、均一な厚みを持つシートは作れなかったという。今回のMOFを利用した製造方法であれば、1分子分の厚みのプラスチックを大量に作ることができるとしている。

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地球

観測史上初めて台風が発生しない7月になるかも 52

ストーリー by nagazou
雨量だけは多いのだが 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

今年は6月12日の台風2号以降、一つも台風が発生していないそうだ。統計を取り始めた1951年以降で初めて7月の台風発生数がゼロになるかもしれないという。台風が発生しない原因の一つはインド洋の海面水温が平年より高いことが原因らしい。予報的にも台風発生の可能性は低いとのこと(ウェザーニュースtenki.jp)。

数少ない可能性の一つは、ハワイ諸島に近づいてきているハリケーン「ダグラス」が、勢力を保ったまま西経180度を越えて台風化するパターン。26日時点の予測では180度経線を越えるのは7月30日から31日ごろとギリギリ。ただし、西経域で勢力を落とすものと予想されているため、台風になる確率はかなり低いそうだ。このダグラスに関しては、ハワイ本土上陸のほうが問題になりそうではある(CNN)。

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バイオテック

ISSで行われた3D磁気バイオプリンターによるヒトの軟骨組織構築実験 3

ストーリー by nagazou
応用範囲は広そう 部門より
headless 曰く、

やや旧聞となるが、国際宇宙ステーション(ISS)で行われた3D磁気バイオプリンターによるヒトの軟骨組織構築実験について、ロシアの研究グループが成果を発表している(論文SlashGearの記事Daily Mail Onlineの記事Tech Exploristの記事)。

3D磁気バイオプリンターは組織の造形に足場を使用せず、磁気を利用して細胞組織を造形する。現在の3Dバイオプリンターで主流となっている押し出し・インクジェット・レーザーといった方式と比べ、より高速でより複雑な構造を構築できるが、地球上では重力による制約があるという。今回の実験で使用した3D磁気バイオプリンター「Bioprinter Organ.Aut」は常磁性のガドリニウム(Gd3+)化合物を造形に使用する。Gd3+化合物はMRI造影剤として認可されているものだが、地球上の重力下での細胞組織形成に十分な濃度では細胞毒性がある。そのため、微小重力下のISSは望ましい環境といえる。

Bioprinter Organ.Autを開発した3D Bioprinting Solutionsは、ロシアの民間医療機関INVITRO傘下の研究所で、今回の研究も主導している。Bioprinter Organ.Autは2018年10月打上げのソユーズMS-10に乗せられていたが打上げ失敗により失われ、同年12月打上げのソユーズMS-11で改めてISSへ送られた。今回の成果を報じるニュース記事では1年以上前に地球へ帰還したオレグ・コノネンコ宇宙飛行士が作業する写真が使われているが、実験そのものは2018年12月に行われたものだという。コノネンコ宇宙飛行士は3D Bioprinting Solutionsの3Dバイオプリンターを使用した牛肉の培養実験も担当している。

原料となる組織スフェロイドはバイコヌール宇宙基地の生物学研究所で人の軟骨細胞から作られ、熱可逆性ハイドロゲル(メビオールゲル)とともに容器に密封されてISSへ送られた。ISSでは容器に常磁性物質を注入してから冷却し、スフェロイドが自由に動けるようメビオールゲルをゾル化。Bioprinter Organ.Autで1時間処理を実行したのち、37℃に温度制御された部屋へ移して組織形成と細胞融合を2日間継続させた。生成された軟骨組織はホルマリン漬けにされ、2週間後にソユーズMS-09で地球へ届けられている。この軟骨組織を地球上で分析したところ、数学的予測モデルやコンピューターシミュレーションで得られた結果とよく一致したそうだ。今回の研究成果は、進化する造形的生体組織構築分野での研究の道を開くものになるとのこと。ISSではより複雑な組織の構築実験も進められているようだ。

なお、KFCと3D Bioprinting Solutionsは、3Dバイオプリンターによるチキンナゲットの開発で提携することを発表している。2020年秋にはモスクワで製品テストを行う計画があるという具体的なものだ。KFCのWebサイトではプレスリリースがなぜか一時削除されたのちに復活したのだが、現在もプレスリリースが表示される前にいったん「NOT FOUND」という文字が見える(KFCのプレスリリース3D Bioprinting Solutionsのプレスリリース)。

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アメリカ合衆国

米宇宙軍(USSF)の正式ロゴが発表される。スター・トレック似は解消 8

ストーリー by nagazou
ここまで違えば 部門より
いろいろ言われていた米国宇宙軍のロゴデザインが7月22日、正式に決定したようだ。宇宙軍のロゴは、スタートレックに出てくる惑星連邦・宇宙艦隊の記章と類似していると指摘されていたが、今回発表された正式版の宇宙軍ロゴではかなりの部分が変更され、パクリ感は解消されている(米宇宙軍公式ロゴの各種説明TechCrunch)。

一番目立つ中央の鏃のようなデルタ状の部分はほぼ維持されているが、中央の部分に星があしらわれた。デルタ部分の背景にあった円形部分とその周囲を飛ぶ光跡、そして周囲を覆うワッペン状の部分がなくなったことで、惑星連邦・宇宙艦隊の記章との類似性はほぼなくなった。ちなみにデルタ部分は宇宙の脅威から米国を守ることを示し、中央の星は北極星を示しているものだそうだ。

その宇宙軍だが、ロシアが今月15日に地球の周回軌道上で、衛星攻撃兵器の実験を行ったと発表した。それによると、今年に入ってからロシアによる衛星攻撃兵器の実験は複数回行われているという(乗りものニュースNHK東京新聞)。

これに関連して27日に宇宙空間での安全保障について話し合う米ロ協議をオーストリア・ウィーンで行う。また翌28日からは来年2月に期限切れとなる新STARTについての議論も行われる予定とのこと。
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目玉の数さえ十分あれば、どんなバグも深刻ではない -- Eric Raymond

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