15341104
story
headless 曰く、
米国で感染経路不明な類鼻疽の症例が3件報告され、疾病予防センター(CDC)が調査しているそうだ(CDC のアドバイザリー、 Ars Technica の記事、 SlashGear の記事)。
類鼻疽 (Melioidosis) は CDC が特にリスクの高い第 1 階層生物剤・毒素に分類する類鼻疽菌 (Burkholderia pseudomallei) の感染により引き起こされる。類鼻疽菌は熱帯・亜熱帯地域の土壌や水などに分布しており、主な感染経路は汚染された物質との接触による経皮感染と考えられる。
米国本土での症例は海外での感染者に限られ、研究室環境以外で空気感染や飛沫感染する可能性は低いとみられる。3 件の発生地はカンザス州・テキサス州・ミネソタ州と離れており、患者本人・家族ともに最近は米国本土から出ていないという。遺伝子分析の結果によれば、発生源は輸入製品や動物など共通のものであることが示されているが、現在のところ特定はできていないとのこと。
患者は男性 1 人・女性 2 人(大人 2 人・子供 1 人)で、3 月に報告された最初の症例は患者に慢性閉塞性肺疾患や肝硬変といった類鼻疽の重症化リスク要素があり、入院から 10 日後に死亡した。後の 2 件は 5 月に報告されたもので、1 名は現在も入院しており、もう 1 名は退院に向けた準備を進めている。
類鼻疽の症状は一定せず、今回は患者に渡航歴がないことから診断に時間がかかったようだ。そのため CDC では、発生地域への渡航歴がなくても類鼻疽の可能性を排除しないこと、類鼻疽が疑われる場合は培養検査を行うこと、培養を依頼する際には類鼻疽菌の可能性を伝えて注意喚起することなどを推奨している。
15341091
story
headless 曰く、
英 BBC の子供向け教育コンテンツ「Bitesize」の気候変動に関する記事では気候変動の良い点と悪い点がリストアップされていたのだが、批判を受けて良い点がすべて削除されている(The Guardian の記事、 修正前のInternet Archive スナップショット、 現在のバージョン)。
気候変動の利点として挙げられているのは、気温の上昇によりこれまで育たなかった作物が育つようになる、作物の収量が増える、シベリアなどの永久凍土が解け、石油などの資源がより多く得られるようになる、海の氷が解けて新たな航路が利用可能になる、新しい観光地が生まれる、温くなるのでエネルギー消費が減る、といったものだ。
記事は一般中等教育修了証 (GCSE) の地理の試験に向けた学習用に書かれたものだが、試験委員会 Eduqas によれば、情報は GCSE のカリキュラムからとられたものではないという。GCSE では気候変動による逆の影響も生徒に考えさせるが、ポジティブな視点を推奨することはないという。そのため、記事は学ぶべきポイントを正確にまとめたものではなかったとのこと。
変更後のリストは気候変動の影響を世界と英国に分けてまとめたものになっているが、良い方の影響はすべて除外されており、悪い方の影響も絞り込まれている。
15341126
story
あるAnonymous Coward 曰く、
中国の「千人計画」などで日本の研究者が中国に引き抜かれていることが問題視される昨今だが、それに対して、中国ではなく日本側に問題があるという指摘記事が興味深かったので共有する(Yahoo!ニュース個人)。
千人計画というと軍事技術が話題となることが多いが、実際には基礎研究分野でも多くの人材が応募しているという。たとえば天文学において、中国では基礎研究の一環として大きな予算が付き、大学の教員などの常勤職のポストも多く用意されているが、一方の日本では典型的なすぐには役に立たない分野として「何の役に立つのか?」と真っ先に予算カットやポスト削減にさらされているという。そのため、人材流出が問題視されるようになった後も、むしろ応募が加速しているという。
日本の研究者の待遇の悪さは以前から言われているが、果たしてこの状況を改善することはできるのだろうか?