IPCC第6次評価報告書、地球温暖化は危機的状況に。人間の影響は疑う余地がない 99
ストーリー by nagazou
明日を救え 部門より
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気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は9日、第6次評価報告書(AR6)のワーキンググループ1報告書の公表を行った。同報告書では、人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには「疑う余地がない」としており、現在進行形で広範囲かつ急速な変化が現れていることを指摘した。こうした最近の変化に関しては、これまで何世紀もの間、前例のなかったものだったとしている(気候変動に関する政府間パネル第6次評価報告書 第1作業部会報告書(自然科学的根拠)の公表について ロイター、BBC、TBSNEWS、TechCrunch)。
報告書では、これから数十年の間に二酸化炭素及びその他の温室効果ガスの排出が大幅に減少しない限り、今世紀半ばに世界の平均気温が産業革命前と比べて1.5℃以上上昇するとしており、さらに21世紀中には2℃を超える可能性にも触れている。
過去に発表された第4次評価報告書(AR6)では「可能性が非常に高い(90%以上)」、同AR5では「支配的な(dominant)要因であった可能性が極めて高い(95%以上)」と段階的にトーンが強められてきた。今回の報告書ではその度合いがさらに強められた。AR5の段階では「気候システムの温暖化には疑う余地はない」とし、人間の影響に言及せずにいたものの、今回は人間の影響についても触れた強い表現を含んだものになっている。
報告書では、これから数十年の間に二酸化炭素及びその他の温室効果ガスの排出が大幅に減少しない限り、今世紀半ばに世界の平均気温が産業革命前と比べて1.5℃以上上昇するとしており、さらに21世紀中には2℃を超える可能性にも触れている。
過去に発表された第4次評価報告書(AR6)では「可能性が非常に高い(90%以上)」、同AR5では「支配的な(dominant)要因であった可能性が極めて高い(95%以上)」と段階的にトーンが強められてきた。今回の報告書ではその度合いがさらに強められた。AR5の段階では「気候システムの温暖化には疑う余地はない」とし、人間の影響に言及せずにいたものの、今回は人間の影響についても触れた強い表現を含んだものになっている。
頑張ったで賞 (スコア:4, 興味深い)
ざっと報告書 [www.ipcc.ch]を斜め読みしてみた。
一番面白そうな気候モデルについてのセクションで最初にいきなり強烈な先制パンチ:
In general, no likelihood is attached to the scenarios assessed in this Report.
一般的に、本レポートで評価したシナリオに可能性は付記しない。
え・・・、これって科学的な報告書であってフィクションじゃないよね?
不安になるが読み続けると:
However, the likelihood of high emission scenarios such as RCP8.5 or SSP5-8.5 is considered low
しかし、RCP8.5やSSP5-8.5のような高排出シナリオの可能性は低いと考えられる。
おお、科学者達に終末論的なファンタジーと嘲笑されてきたRCP8.5をIPCCが「可能性は低い」と認めた。やればできるじゃないか。
Studies that consider possible future emission trends in the absence of additional climate policies, such as the recent IEA 2020 World Energy Outlook ‘stated policy’ scenario (International Energy Agency, 2020), project approximately constant fossil and industrial CO2 emissions out to 2070, approximately in line with the medium RCP4.5, RCP6.0 and SSP2-4.5 scenarios.
追加的な気候政策がない場合の将来の排出傾向を考慮した研究では、2070年まで化石燃料と工業用CO2の排出量がほぼ一定であると予測しており、これはRCP4.5、RCP6.0、SSP2-4.5の中位シナリオとほぼ一致しています。
凄え、IPCCが何かまともっぽいこと言ってる。
・・・が読み続けると出てくるのはRCP8.5のシナリオばかり。RCP4.5が極たまに出てくるぐらいで、RCP6.0は見当たらない。もちろん前述の通り可能性は付記されていない。
それぞれのシナリオが報告書内で何回言及されるかわざわざ数えた [twitter.com]人がいた:
RCP8.5 1359回 41.5%
RCP4.5 571回 17.4%
RCP6.0 32回 1.0%
可能性が低いと認めたRCP8.5が4割を超えて、一番可能性のあるRCP4.5とRCP6.0を合わせても2割を切る。
まぁ、ICPPの「使命」からしたら毎回よりヒステリックになるのは必定だから仕方がない。RCP8.5の可能性が低いことは認めたんだから、如何に気候変動によって人類が破滅を迎えるか妄想を垂れ流すのは寛大な心で許してあげるか。
しきい値 1: ふつう匿名は読まない
匿名補正 -1
最初は「気象変化を生じさせるおそれがある」 (スコア:1)
https://www.asahi.com/articles/photo/AS20210810000294.html [asahi.com]
が分かりやすいかも。
研究が進んでついに「疑う余地がない」になったと。
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温暖化に対する人間の活動についての表現
第1次 90年 気象変化を生じさせるおそれがある
第2次 95年 (影響が)全地球の気候にあらわれている
第3次 01年 (影響を及ぼしている)可能性が高い
第4次 07年 可能性が非常に高い
第5次 13-14年 可能性が極めて高い
第6次 21年 疑う余地がない
熱さで死ぬ人より寒さで死ぬ人の方が多い (スコア:1)
温暖化によって受ける影響のぜひについて評価すると、温暖化による猛暑で亡くなる人間の数より、冬の寒さが和らぐことで助かる人の数の方が多いだろう、という統計予測もあったりする。
世界的に見れば、熱さよりも寒さの方が人間に損害を与えているのは間違いないわけで、温暖化が与える影響の良し悪しについても考えた方が良いのではないだろうか。
急激な変動が引き起こす混乱とそれに伴う被害はまた別の話なので、そのへんは切り分ける必要があるが、温暖化は避けられないものと受け入れて、温暖化に適応することにリソースを投入するという選択肢もありなのではないだろうか。
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
絶妙のタイミング (スコア:0)
ドイツベルギーで大洪水、ギリシャで山火事、北海道で猛暑日の連続などなど起こっているタイミングで発表されると説得力がある。
Re:絶妙のタイミング (スコア:2, 興味深い)
一応書いとくと、
「平均気温が年々上昇してきている」こと自体に関してはほぼ全ての科学者で異論がない。
「気温上昇のメカニズム」および「気温上昇が人間活動由来のものが支配的かどうか」に関して様々な意見がある。
Re:絶妙のタイミング (スコア:2, 興味深い)
のどちらかってことか。
Re:絶妙のタイミング (スコア:1)
人間は滅ぼせ、かも
Re: (スコア:0)
来るべき氷河期に備えて今のうちに暖めておいた方が良いという意見もある
Re:絶妙のタイミング (スコア:1)
歴史的な寒波によりヨーロッパ各地で農産物に回復不能のカタストロフ的被害 [http476386114.com]
数十年後、欧州の平均気温4度低下の可能性 [biz-journal.jp]
Re:絶妙のタイミング (スコア:3, すばらしい洞察)
冬に温暖化の話題が出たとき、貴方は
2015年は1880年以降最も暑い年だった : srad.jp [srad.jp]
とコメントしていたのを覚えているのですが。
寒いときに話題になると「ピンと来ない」
暑いときに話題になると「こういう(寒い)時には発表しないよね」
さすがに二枚舌過ぎてドン引きです。
ところで、さんざん「もう温暖化と言わなくなった」とコメントしてらっしゃいましたけど、間違いだったと認めていただけるのですよね?
Re:絶妙のタイミング (スコア:1)
地球が誕生してから地球が気候変動しなかった事は一度もない
Re:絶妙のタイミング (スコア:4, 参考になる)
「温暖化」は止めて「気候変動」と言うようになったんだよ
地球が誕生してから地球が気候変動しなかった事は一度もない
「だから今の気候変動は問題じゃない」っていう人が出てきたのでそれもやめて
『気候危機』
とよぶようにしたんです
Re:絶妙のタイミング (スコア:1)
Re: (スコア:0)
NOBAXは相手にするだけ無駄
タマホーム社長レベルだぞ
Re: (スコア:0)
すげぇ、5年も前のコメント覚えててくれるとか大ファンがいるじゃん
Re:絶妙のタイミング (スコア:2, 参考になる)
これぞまさに気候変動の影響ってやつだよね。
特に2つ目の方のリンク先は、温暖化による陸地氷床(グリーンランド)の溶融、それによる海水表面の塩分濃度減少と海水沈下の減少、結果的に起きる大西洋南北熱塩循環の中断と欧州寒冷化、という一連の気候変動をコンパクトにまとめてる良記事。
映画「デイ・アフター・トゥモロー」の世界そのものだ。記事中にも書いてあるけども。
※余談だけど映画の原作小説だと思って文庫読んだら科学啓蒙書で驚いた記憶。面白かったけどね。
近年、地球温暖化と言わず、気候変動って呼ぶようになったのは、このように局地的には寒冷化が起きる、もしくは気候の極端化が起きることが分かってきたからだね。
特に北極圏の氷床問題は根が深そうに思う。
おそらく北極圏を起点として大規模な気候変動が起きるんじゃないかと思うよ。
大規模な気候変動が数年という短いスパンでも起こりえる、ってことが過去気候の研究から近年分かって来てるので、俺ら死んでるからしーらね、って先送りするのは悪手と言える。
Re: (スコア:0)
温暖化って表現だと「だからここ数年夏が暑いんだ!」って声がザクザク出てくるからなぁ……
Re:絶妙のタイミング (スコア:2)
彼等が聖典と崇めている報告書 [www.ipcc.ch]にさえ:
Confidence about peak flow trends over past decades on the global scale is low.
(過去の報告書と同様に)「そもそも洪水が増えてる事さえ確認できない」と明記されてるからな。未だに自然災害と気候変動を結び付ける情弱は生暖かく見守ってあげるしかないね。
しきい値 1: ふつう匿名は読まない
匿名補正 -1
これでもきっと結構な割合の人は、 (スコア:0)
気候変動の抑制に批判的なんだろう。
Re:これでもきっと結構な割合の人は、 (スコア:4, 興味深い)
温暖化に対する意見は疑問のレベルがあって
A. 気候変動は起きていない。単なる一時的な偶然にすぎない
B. 気候変動は起きているが、その影響は騒ぐようなものでない
C. 気候変動は懸念されるが、温暖化もあれば寒冷化もある大自然の影響で人類は対処不能だ
D. 温暖化は起きており人類の関与もあるが、CO2のせいでなく原因不明だ
E. 温暖化は人類のCO2排出のせいで疑問の余地はない
という感じなんだと思う。
もっと細かい違いも分類できると思うけどややこしいのでやらない。
私の意見としてはEが最も正しそうに思えるのだけど、だからと言って
一部、A~Dを一緒くたに陰謀論者と決めつけているEの人がたまにいるが
それはよろしくないとも思う。
疑問を持つこと自体は悪いことではないはずなので、
お互い尊重しあって議論して欲しいよね。
Re:これでもきっと結構な割合の人は、 (スコア:1)
意見色々はいい。
だが、資源湯水のように使う人はきらいだ。
Re: (スコア:0)
Dの人に温度上昇の機序を求めても答えないんだもの。
Eはすでに機序まで答えてるんだから、反論できないならEを採択するべきなのにDに固執するのは意味不明。
Re: (スコア:0)
まるでEに書かれてる機序が正しいことが証明されてるかのような書き方だな。
いわゆるCO2増加の気温への影響の数値シミュレーションなんてパラメータ合わせ込みの産物なんだぞ。とうてい「科学的」とは言えない代物。
#とはいえ何が正しいかは俺にも全く分からん。
Re: (スコア:0)
こじつけだと思うんなら、否定できるだけのデータ出せばいいんだよ
Re: (スコア:0)
こじつけだと思うんなら、否定できるだけのデータ出せばいいんだよ
悪魔の証明?
Re:これでもきっと結構な割合の人は、 (スコア:1)
単純にこのままCO2を増やしていったら、いつかは住めなくなるんだから、将来の為に増やすのは止めようと言うのは否定しにくい正論と思うから、その方向に向かうのを否定するのは、説得力が薄いんじゃないかな。
Re: (スコア:0)
自分はC+Eかなぁ。
要因の軸と、事象への対応の軸と混ざるけど。
冷害旱魃飢饉や昨今のコロナもそうだけど、大陸とつながってた寒いときも人間はそれなりに生きてたわけで、その時代時代の人間がやり過ごすしか。
Re: (スコア:0)
自分はB+E。
気候変動に対して人類の影響があるのは疑う余地もないけど、その結果に対して悲観的に騒ぎすぎだと思う。
気候変動を抑える対策と同じぐらい、変動を前提とした対策についても議論しようよ。
変動を抑えることの費用対効果、変動と共存することの費用対効果、その両方を見てベストなバランスを探るべき。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
この書き方は誤解を生む
報告書が言っているのは今世紀半ばまでに平均気温が1.5℃以上上昇する年がある
ということで、今世紀半ばに気温が1.5℃上昇するなどとは言っていない
Re: (スコア:0)
F. 温暖化は起きているが、人類の関与する余地も無いし、CO2のせいでなく原因不明。
Re: (スコア:0)
人類が責任を負うべきだとすればそれは気温の上昇がやや急になったことに起因すること。一方で、気温が上がったことについては、人類の影響がなくてもいずれ到達するレベルにとどまっているうちは自然現象と区別する必要はないのでは。影響は大きいので本気で取り組むべきとは思うが、気候に適応する方向に力を入れ、排出抑制については何万年か後に残る影響が小さくなれば良いと考えもっと緩い制限で長期的にやるのがいいと思う。
Re: (スコア:0)
それなりに妥当な推論によって得られる予想を認め、報告書に陰謀はないことなどを認めることは、議論に参加する前提であって、A~Dは他の推論を提示するのでない限り陰謀論である、ということは疑う余地はない。
Re: (スコア:0)
人間、短期的リスクを長期的リスクより優先するからね。
この場合、気候変動対応のための産業構造変換に伴う失業リスクのほうが気候変動によるリスクよりも短期的なものになるから
真っ先にそのリスクに晒される20世紀型の重厚長大産業に従事する人なんかが聞く耳をもたなくなる気持ちは理解できる。
Re: (スコア:0)
短期的か長期的というよりは、トータルでどちらがコストがかかるのかを考えないと。
二酸化炭素排出を抑えるコストと比べたら、冷房設備の拡充にコストを割いたほうが長期的にも圧倒的に得だよね。
Re: (スコア:0)
地球全体で考えた時のコストって何すか?ドル建て?排出権取引は二酸化炭素排出量抑制を主目的としてそれを達成できているものなの?それとも先進国が途上国を都合よく利用するためのものなの?
Re: (スコア:0)
後者に決まってんじゃん。
自らの利益を追求できないものは、資本主義の世界では敗者に成り下がる。
Re: (スコア:0)
そもそも平均気温が1.5~2℃上がる事による影響を正しく理解してる人はそんなに多くないだろうし。
俺?そうなる前に寿命になりそうなので気にしない :)
Re: (スコア:0)
> 俺?そうなる前に寿命になりそうなので気にしない :)
20年以内に死ぬのか
> 地球の平均気温は20年以内に、上昇幅が1.5度の基準値に達するか、それを超える可能性が高い。
Re: (スコア:0)
平均気温が1.5~2℃低い地域に移住するか、冷房付ければいいだけじゃね?
なんなら冷房なしに赤道直下にだって人は住んでいる。
Re: (スコア:0)
どうせ火山の噴火とかの影響の方が大きいんでしょ。
もうあきらめて温暖化後の環境に合わせて生きる工夫でもしようよ。
Re: (スコア:0)
トルクメニスタン「地獄の門」とか、セントラリアが鎮火できれば
ちったぁ削減の足しになるでしょうかね
これでもきっと結構な割合の人は、 (スコア:0, フレームのもと)
気候変動の抑制と言いつつエアコン25℃でドヤ顔なんだろう。
人間害悪論 (スコア:0, オフトピック)
ニンゲンは滅びるべきだニャ!
地球温暖化懐疑論について調査報道 (スコア:0)
ちょうど今夜放送だな
80年代だったのかよって感じ。偽情報の訂正は難しい
https://www.nhk.jp/p/wdoc/ts/88Z7X45XZY/episode/te/X6XYVJVGYJ/ [www.nhk.jp]
問題なんだろうか (スコア:0)
産業革命以来、2050年までに平均気温が1.5度上がるのはわかったが、現時点で1.2度上がっていて、ここからさらに0.3度上がったからと言って、大したことが起きるのだろうか。
Re:問題なんだろうか (スコア:1)
そこに「すでに起こっている」派と「そんなの起きていない」派の対立があるわけだが。
Re: (スコア:0)
100年に1回級の水害が毎年発生してるので既に「大したこと」は起きてるぞ。
ここから0.3℃上がれば、こんなもんが年2~3回発生するって話ならしゃれにならん。
J-クレジット (スコア:0)
一般公開はしないのん?
Re: 科学者の指摘 (スコア:1)
IPCCは政府間パネルなんだから、政治的な使命を果たすためにあるのは当然だろう。同様にその書面も科学者が出したというだけで、目的は政治的なものに違いない。