NASA、オープンソースソフトウェアの正しい定義を用いるよう科学者に勧告される 49
ストーリー by nagazou
勧告 部門より
勧告 部門より
headless 曰く、
NASA はオープンソースソフトウェアの開発を推奨する方針を確立しているが、科学者がオープンソースソフトウェアの定義を正しく理解していないことによる問題も発生しているという (The Register の記事、 論文アブストラクト)。
NASA の科学者による「オープンソース」の定義に関するよくある誤解として、ソースコードを公開しさえすればいいというものがあるそうだ。そのため、成果物の販売禁止や商用利用禁止といった、Open Source Initiative (OSI) によるオープンソースの定義に挙げられている要件に違反するライセンスで配布されることもある。このことはオープンソースソフトウェアとしては利用できないという結果にもつながる。
このような状況に対する米海軍調査研究所やデンマーク工科大学などの科学者による論文では、 OSI や FSF による「オープンソース」「パーミッシブ」の定義を導入することや、標準的な「オープンソース」の定義とは異なるライセンスを用いる場合はそれを明確にすること、 OSI または FSF が認めるライセンスの使用を推奨すること、などを勧告している。
言葉に字面以上の意味を強制できるか? (スコア:1)
「オープンソース」は標準規格や商標ではないからなぁ。
あくまでOpen Source Initiativeが「ソースが公開されてるだけではオープンソースではない」と主張しているに過ぎず、それが法的に強制力を持つ意見ではない。
流石にソースを全く公開していないものをオープンソースと書いたら不当表示と言われても仕方なかろうが、制限つきでソースを公開しているものを「オープンソースではない」と言うことに、Open Source Initiativeの主張以外の根拠はないことは考慮されるべきだと思う。
Re:言葉に字面以上の意味を強制できるか? (スコア:5, 興味深い)
全く同じ事が「フリーソフトフェア」にも言えるんだよなぁ。
普通日本で「フリーソフト」(言うまでも無いがフリーなソフトウェアという意味の造語の短縮語)と言ったら、無料で使用できる、主にオンラインで配布されるアプリケーションソフトウェアのこと。
外来語である「Free software」と用語がバッティングしたので、徐々に「オンラインソフト」などと読み替えられたけども、無料であることを重視して「フリーソフト」と今でも言うね。
実際、「Free software」でぐぐって先頭に出てくるのが「フリーソフト100」だしw
まぁそれに比べたらオープンソースは概念が普及してる方だと思うけどもね。
個人的には、ソース公開してれば著作権放棄的なことしてなくてもオープンソースには違いない。オープンソースだけどフリーソフトウェアじゃないことはあって良い。
対策としては、もうこれは open source, free software という用語自体を改定すべき。
具体的には単純で、Opensource, Freesoftwareという具合に不可分の1単語にしてしまう。
いっそ固有名詞的に使わせてもいいんじゃないか。つなげて書いて頭大文字はOSI定義に合致する、とか決めちゃえば。
Re: (スコア:0)
なんやかやあってREADMEの記載が「フリーなソフトウェアです」に変わったソフトがありましたな
Re: (スコア:0)
Not Only - Open Source Software.
ソースが公開されているだけではないソフトウェぁー
Re: (スコア:0)
日本語なら自由ソフトウェアと訳せばよかったのにどうして劣った英語に寄せてしまったのか
Re: (スコア:0)
ゼロコロナはコロナ患者数が0になることではありません、みたいな話とは違うか。
一応、ソースコードはオープンだから。
Re: (スコア:0)
商用利用とか商用ソフトもものによって定義が違うから怖い。
酷いとある日突然商用利用の定義が変わりIPA行き。
Re:言葉に字面以上の意味を強制できるか? (スコア:1)
オープンソースという単語を発明した人の主張だからね。彼らがそう決めて彼らの辞書にそう書いた。これ以上確かな根拠は他にない。
英語辞書的には彼らの主張以外の意味は嘘っぱち、せいぜい流用にすぎない。まあ第二義が本義を押しのけて普及するというのは言葉の世界ではよくあることだがね。
Re:言葉に字面以上の意味を強制できるか? (スコア:1)
"Open Source"という単語を最初にFree softwareの運動で出したのはChristine Petersonだけど、彼はそこまで単語に対して強く主張したわけではなく、むしろ最初はうまくいくか懐疑的だった。
Christine PetersonとTodd Andersonが単語を使ってみて、周囲が受け入れるか試してみた、というあたりからはじまってるので、「彼らがそう決めて彼らの辞書に書いた」なんてのは根源的に間違い。
そもそも「英語辞書的には彼らの主張以外の意味は嘘っぱち、せいぜい流用にすぎない」なんていう原理主義者的な発想が、不必要に人を遠ざけたり、理解を拒む原因になってるんじゃないの?それこそChristine Petersonが危惧していたように。
Re: (スコア:0)
> 最初はうまくいくか懐疑的だった。
それは「free softwareという単語にはなんか宗教色ついちゃってるけど名前を変えただけで騙されてくれるだろうか」的な意味じゃないの。結果的には大成功したわけだが
Re: (スコア:0)
> 原理主義者的な発想が、不必要に人を遠ざけたり、理解を拒む原因になってる
RMS「せやな」
Re: (スコア:0)
オープンソースという単語を発明した人の主張だからね。彼らがそう決めて彼らの辞書にそう書いた。
"open"も"source"も昔からある単語ですが。
# 単語と複合名詞の区別ぐらいつけろよ
# 「単語を発明する」も言語的におかしいし
Re: (スコア:0)
いたと思うなら文献を提示しろ。
Re: (スコア:0)
ここにぶら下げるか。
確かに“open”も“source”も“無印”も“良品”も昔からあった単語なのに、つなげて使う発想は新しいよね。
関連項目:https://yro.srad.jp/story/21/11/08/1844212/ [yro.srad.jp]
Re: (スコア:0)
1行目でローカル変数だったものが2行目でいきなりグローバル変数に変わっとるやんけ
Re: (スコア:0)
こんなことも、あろうかと
https://opensource.jp/osg/trad... [opensource.jp]
Re: (スコア:0)
こんなことも、あろうかと
本国アメリカでは商標取得に失敗してるからね……
日本でも「彼らの定義には沿わないけど、ソースを公開して、オープンソースと記載してる」ソフトに対して、商標を盾に干渉しようものなら、最悪、異議申し立て→取り消しコースがあり得るとか。
Re:言葉に字面以上の意味を強制できるか? (スコア:1)
実際、一部取り消されましたからね
「オープンソース」の商標を巡る争いが勃発? | スラド YRO [yro.srad.jp]
(ストーリーでは請求段階だったけど、その後不使用取消審判が確定)
Re: (スコア:0)
つまり商標については防衛的に取得することに意味はないと
Re: (スコア:0)
プログラムのソースと,食品のソースでは,混同される可能性も極めて低いので,負けたのではないですか.
「フランク三浦」の例もありますし.
Re: (スコア:0)
Open Source Initiativeの主張以外の根拠はないことは考慮されるべきだと思う。
名称どおりイニシアチブを取りたいという主張には全く矛盾はない
# 言ったもん勝ちで世論を味方につけるのじゃー
Re: (スコア:0)
既に世に広く普及している定義に逆らったところで何のメリットもないでしょ。
ユニークな語を意味とともに新規で定義せよ (スコア:0)
そもそも、使い古されて各自が適当な意味と定義を信じている言葉を使うことが間違い
まず、内容の定義をしっかりして、それを指し示す言葉を誤解の無いよう決めれば良い
「フリー」も「オープン」も多重語義がすぎるから使うのが間違い
いや、NASA全体としては定義しているんだけどね?論文はなぜかそこに言及してないのよ (スコア:2, 参考になる)
具体的には、NPR 2210.1C での定義 [nasa.gov]。
いわゆる Open Source Software と Publicly Releasable Software をちゃんと区別している。
確かに、用語のややこしさがあることと、研究ごとに独立したポリシーを持つケースもあるという課題はある。
NASAは、Open Source License が今のように定義されるずっと前から、ソースの公開をしていて、各部門のSRA (Software Release Authority)が、公開形態…まず第一に輸出規制に基づく…や、ソフトウェアやドキュメントの価格を審査し、決定した上で開示してきた(※1)。
そして、いつの時代か、その公開形態の1つを「Open Source Release」と定義した(※2)。実はこの単語の「Release」の一語が非常に曲者で、「Open Source Release」は、単にソースを外部プログラマーと共有して修正しましたよ~程度の意味で使っていて、ライセンスとは関係ない語として用いている。代わりに、現在のオープンソースライセンスに相当するリリース形態は「General Public Release」という語で表現してきた。
公開時の語句とNPR 2210.1Cでの定義を対比すると、「Open Source Release」が Publicly Releasable Software に相当し、「General Public Release」が Publicly Releasable Software に相当している。これが第一で、最大のややこしさ。
次に、ややこしくしているのが、NASAのオープンソースライセンスNOSA [wikipedia.org]をOSIがオープンソースライセンスと認めていること。このライセンスは、NASAとの契約に無関係な第三者利用を制限しているため、OSIの定義ではオープンソースと認めていても、FSFの定義ではオープンソースと認めていないグレーゾーンにある。
続いての、部門ごとの独立性の課題は、研究ごとに独自ポリシーを追加しているケースがあること。
といっても、部門ごとに追加のポリシーを持つのは当たり前の話で、大騒ぎする話じゃないのだが、今回話題になった論文は、実は、その事情を勘案していない。
論文は、上記SRAや、NPR 2210.1C、公開ソフトウェアのカタログに纏わる用語のややこしさに何ら言及していないくせに、The Earth Science Data Systems (ESDS) Program という限定的な範囲のポリシー [nasa.gov]を引用していたりする。というか、論文がNASAでの定義について引用した箇所がこのポリシーのみで、NASA全体でどう定義しているかを調査した形跡、引用がなく、単にFSFに従え~、と言いたいだけの根拠があいまいなひどい論文に見える。
ということで、NASAは定義はしてるけど、ややこしくしており、さらに、論文の論点もどこかおかしい、という感触だ。
※1 公開サイト…のガイド [nasa.gov]
この前身は ジョージア大が事務局をしていた COSMIC (NASA Software Technology Transfer Center) で、
1996年頃のURLは http :// www.cosmic.uga.edu/ だった。当然、今はもうこのサイトは存在していない。
インターネット黎明期には 米Turbolinux社の前身 Pacific HiTech, Incが、COSMICと提携してソースを
CDに焼いて販売してた。そのCDは、ソースは見せるが、プログラムや文書の販売には金取るぜ~、
NASAにコンタクト取れよ~、といった旨が書かれていた(というか、それを見て、このコメント書いた)。
※2 (PDF)NASA公開ソフトウェアのカタログ中の用語集 [nasa.gov]
Re: (スコア:0)
訂正です。失礼をば。
誤:公開時の語句とNPR 2210.1Cでの定義を対比すると、「Open Source Release」が Publicly Releasable Software に相当し、「General Public Release」が Publicly Releasable Software に相当している。これが第一で、最大のややこしさ。
正:ソース公開の際の語句とNPR 2210.1Cでの定義を対比すると、「Open Source Release」が Publicly Releasable Software に相当し、「General Public Release」が Open Source Software に相当している。これが第一で、最大のややこしさ。
Re: (スコア:0)
COSMICって NASTRANのやつか。
NASAに納入されたソースコード…いわゆるCOSMIC/NASTRAN系は、NASA Classicsとか、NASA COSMIC Collectionでソースコードが公開され(Github [github.com])、
開発元のは、MSC/NASTRANとしてアップデートされていって、最後には反トラスト法で各社にばら撒かれたわけだ。
Re: (スコア:0)
その点、"フリーソフトウェア"は(少なくとも日本では:海外の事情は知らん)いい着地点だったと思う
"フリーソフト"と棲み分けできた
Re: (スコア:0)
> "フリーソフト"と棲み分けできた
それを言うなら"フリーウェア"……と思ったが"フリーソフト"も結構使われてるな
Re: (スコア:0)
Openしているのがプログラムソースだけと勘違いして、商用利用や成果物で儲けることを禁じた「オープンソース」が問題になってるようだから、
本来の意味のオープンソースと強調するなら頭にStrict(厳密な)とでも付ければ良いんじゃなかろうか。
あるいは「オープン」という単語を使うのを避けて、「商用利用ができる公開されたソース」と「商用利用ができない公開されたソース」という新しい単語を考えるか。
とりあえずunlimited modifiable and distributable source、limited modifiable and distributable sourceぐらいしか思いつかなかった。
Re: (スコア:0)
>そもそも、使い古されて各自が適当な意味と定義を信じている言葉を使うことが間違い
英語はそういう文化だよ。
本ソフトはフリーウェアです (スコア:0)
パソコン通信時代に公開したソフトはこのライセンスだったな(懐
PDSにはしなかった。
Re: (スコア:0)
ドライブ付属のPowerDirector、一時期使ってたな(違
Re: (スコア:0)
作者は著作者人格権を主張します、みたいな。
オープンアクセス (スコア:0)
ソースコードを公開しさえすればいいっていうのはオープンアクセスの理念だよね。
学術ジャーナルの世界ではオープンアクセスという語がよく使われるので科学者は区別しないのかもね。
Re: (スコア:0)
すると、再利用も自由って言うならオープンユーズかなぁ。
Re: (スコア:0)
やっぱりオープンソースって言葉が一番重要な部分を表してないせいで混乱を招いてるように見えるなあ……
成果物の販売禁止や商用利用禁止のライセンス下でソースを公開しただけではオープンソースではないっていうのはネーミングとして分かりにくいよ
Re: (スコア:0)
小泉進次郎もビックリだろうな
「オープンなソースがありますがオープンソースではありません」
とか言われるわけだから
Re: (スコア:0)
オープンソース、オープンアクセス、フリーソフト、チラシの裏の落書き。
試験に出れば違いを書けるけど普段は違いを気にせず全て同じ扱い(なにしてもOK)という認識の人が多数派な気がする。
若い連中は。 (スコア:0)
アマのおっさんだが、自分はFSF/GPLをめぐる すったもんだを傍観してきたから、このあたりが重要で、神経質なのは わかる。
若い人は、どう思ってるんだろう。
めんどくせぇから (スコア:0)
NASA定義のオープンソースライセンス作っちまえ
Re: (スコア:0)
そんな面倒な事、NASAらないだろJK
Re: (スコア:0)
あるよ。ほら [githubusercontent.com]。
機械系ではちょー有名な、
有限要素法解析ソフトNASTRAN…のNASAに納入された古い版…のソース公開などに用いられている。
ただ、OSIはオープンソースライセンスと認めるも、FSFはフリーソフトじゃないっ、と認めてなかったり、
実際、曖昧に解釈出来る部分が採用の障壁になるなどしていて、むしろ、余計にめんどくせぇことになってる。
(Wikipediaの解説 [wikipedia.org]
先生!質問!! (スコア:0)
アメリカって連邦政府の公務員の著作ってパブリックドメインになるんじゃなかったっけ?
著作権を主張するオープンソースに出来るんだっけ?
# 科学者は公務員ではないのかな?
Re: (スコア:0)
ここを読みなされ [wikipedia.org]。
米国内でいくらパブリックドメインと定義されたところで、
法の異なる米国外では、
(米国で)著作権が発生しているものとして扱う必要がある、
と解釈されているのじゃ。
Re: (スコア:0)
オープンソースライセンスは著作権を主張するとは限りません。
OSIの承認したオープンソースライセンスの中にはパブリックドメインとなることを定めたものもあります。
ex. Unlicense [opensource.jp]
それよりGPLとBSDとMIT (スコア:0)
そういうことがあるから、結局freeとかopenとか書いてあってもGPL,BSD,MITなどのライセンス表記を探してる。
ネットにソフトを公開するデベロッパーの大半がOpen Sourceの意味にコンセンサスを持っている気はしてるけど、仕事なら結局ちゃんとライセンス見ないとだしね。