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2022年11月2日のサイエンス記事一覧(全2件)
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テクノロジー

『光波長変換透明フィルム』開発、太陽光の紫外線を赤色光に変換し植物を成長促進 36

ストーリー by nagazou
育成 部門より
北海道大学で植物の成長を促進する光波長変換透明フィルムが開発されたそうだ。植物の光合成には赤色光が効果的とされ、反対に紫外線はダメージになるのだという。研究グループは、可視域に光吸収がなく紫外線だけを吸収するユーロピウム錯体と透明化剤を用いることで波長変換透明フィルムを開発したとしている(ニュースイッチ)。

光波長変換透明フィルムは電力などを使わず太陽光中の紫外線を赤色光へ効率的に変換することができる。野菜と樹木で実証したところ、育成60日後のスイスチャードは1.2倍の草高、1.4倍の重量となったとのこと。カラマツも1.2倍の苗高、1.4倍の重量となり、育苗期間の1年短縮に相当する成長促進効果が得られたそうだ。
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地球

世界各地の米大使館に設置された大気汚染モニターのデータ公表が大気品質の向上につながったという研究成果 21

ストーリー by nagazou
カイゼン 部門より
headless 曰く、

世界各地の米大使館・領事館が敷地内に設置した大気汚染モニターのデータを継続的にツイートした結果、大気汚染物質の減少につながったとするカーネギーメロン大学などの研究者チームによる研究成果が発表された (論文アブストラクトArs Technica の記事)。

きっかけとなったのは北京の米大使館が 2008 年、新たに設置した大気汚染モニターによる大気品質情報を 1 時間おきにツイートし始めたことだ。これにより、北京の住人が得られる大気品質情報は大幅に改善した。以降、米国では大気品質情報の提供を世界の 50 都市以上に拡大している。

研究チームはもともと大気汚染の改善による大使館職員の危険手当への影響を調査しようとしていたそうだ。しかし、大使館が多くの場所で大気汚染モニターを開始した時点と比較した大気汚染物質のデータが見当たらなかったため、自分たちで調べることにしたという。

研究では人工衛星のデータを用い、2020 年までに米国による大気品質情報の提供が始まった 36 か国・50 都市を含む 136 か国・466 都市の大気汚染状況を調査。その結果、大気品質情報が提供されている国では PM2.5 濃度が 1 立方メートルあたり 2 ~ 4 マイクログラム減少したことが判明する。大気汚染物質の減少による若年死減少の利益を金額に換算すれば 2019 年に平均的な都市で 1 億 2,700 万ドルと推計されるという。また、米国務省では平均的な大使館で危険手当を 33,971 ドル節約できたそうだ。

世界保健機関 (WHO) の推計によると世界人口の 90 % 以上が危険なレベルの大気汚染にさらされているが、低中所得国の多くでは大気品質に関する情報が少ない。世界各地で大気汚染物質を規制する権限が米大使館にあるわけではないが、情報を公開したことが現地当局への圧力となり、大気品質の改善につながったと考えられるとのことだ。

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長期的な見通しやビジョンはあえて持たないようにしてる -- Linus Torvalds

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