陰謀論はYouTubeの視聴時間を延ばすのに役に立つ
Zeynep Tufekci氏は、2016年の大統領選挙運動の一環でトランプ大統領関連の動画を見ていたところ、YouTubeは白人優位主義、その他の不快なコンテンツを特集した動画を自動再生し、しまいには9.11関連の過激な政府陰謀論にまで辿り着いたという。同氏はYouTubeが推奨する関連動画について気になった別の分野の動画で検証を行った(ニューヨークタイムズ、slashdot)。
菜食主義に関するビデオはそれに関する動画に、ジョギングに関するビデオはウルトラマラソンに関する動画が自動再生された。政治動画のときほど極端なものではなかった。YouTubeの推奨アルゴリズムは、過去の視聴内容から類推して動画の宣伝や推薦、配信を行っているが、10億人のユーザーがいるYouTubeがその気になれば、急進主義を実現する最も強力なの手段になるかもしれない。
もちろんYouTubeエンジニアの一団が革命を企てているわけではない。人工知能とGoogleのビジネスモデルに関係があると推察される。Googleは広告ブローカーであり、利用者が長時間動画を視聴すればするほど収益が上がる。では、YouTubeにユーザーを長時間滞在させる方法は?
元YouTubeのエンジニアGuillaume Chaslot氏は、YouTubeのアルゴリズムをプログラミングしていたという。同氏の発言によれば、地球平面説や自閉症、ワクチンに関する陰謀論動画は、視聴時間を伸ばすために有効だったという。このためYouTubeの推奨アルゴリズムで推奨される可能性が高いとしている(VICE NEWS)。