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"生命の樹" に新たな枝を加える原生生物 23
ストーリー by reo
急いで硬化ベークライトで固めろ 部門より
急いで硬化ベークライトで固めろ 部門より
taraiok 曰く、
ノルウェーのオスロ大学に属する研究者 Kamran Shalchian-Tabrizi 氏は、ノルウェーの首都オスロから南へ約 30 km にある湖で、藻類を食べる原生動物を発見したと発表した。この湖の泥で生活する微生物の遺伝子配列は、現在、地球上で生きているどの既知の生命体とも一致しない「新しい基礎群」であると見られている (msnbc.com の記事、本家 /. 記事より) 。
この新しい原生動物のサイズは約 30〜50 ミクロンで、細胞核を有する真核生物であるが、遺伝子構造的に動物、植物、菌類、藻または原生生物の主要 5 グループに属さない。原生生物とアメーバという 2 つの異なった特性を持ち、鞭毛を 4 つ持つ点もユニークだとしている。
Shalchian-Tabrizi 氏は今回の発見は、生物の進化や分岐過程を図示する「生命の樹」に新たな枝を加えるものだとしている。
どっちなんだ (スコア:2)
・枝(既存の幹に)を作るのか?
(生きているどの既知の生命体とも一致しない)
・新しい幹を作るのか?
(今回の発見は、(中略)に新たな枝を加える)
どっちなんだ?
Re:どっちなんだ (スコア:2)
カッコ中を上下間違えた。ごめん。
「こっちの四本が真核生物で、親指が真正細菌だとすると、ヒトはここ、心臓から一番遠い中指の先端に…」 (スコア:2)
元記事を見ると門じゃなくて界(kingdom)相当の違いのある生物ということのようなので、昔の分類基準だと「幹から分岐している太い枝」、現代的な解釈では「太い枝から分岐している中くらいの枝」あたりになりそうですね。
もっとも、生物の分類なんてものは便宜上行われるもので、「神の視点によるかの如きズバリな正解」なんてものはないとは思いますが。
Re: (スコア:0)
>生物の分類なんてものは便宜上行われるもので、「神の視点によるかの如きズバリな正解」なんてものはないとは思いますが。
どの程度のことを言っているのか知らんけど、2000年以降の生物学の分類はそんなにおおざっぱじゃないよ
Re:「こっちの四本が真核生物で、親指が真正細菌だとすると、ヒトはここ、心臓から一番遠い中指の先端に (スコア:1)
界の上のドメイン [wikipedia.org]レベルだと真性細菌, 古細菌, 真核生物って区分でほぼ決まりみたいですけど, 真核生物内での分類だと今のところ2005年度版 [wikipedia.org]あたりの6界が最新だけど, これだと動物と菌が一緒くたになっちゃうとかで, もう少し細かく分かれるみたいですけど.
こちらのページ [natural-history.main.jp]に各分類ごとの形質上の相違点がまとめられています.
# 精子とかの鞭毛が1本だからツボカビなんかと同じという発想は無かった
Re:「こっちの四本が真核生物で、親指が真正細菌だとすると、ヒトはここ、心臓から一番遠い中指の先端に (スコア:1)
大雑把じゃないのは「系統」の方です。
「分類」は必ずしも「系統」を反映して行われてはいません。
できるだけ齟齬がないようにしようと努められてはいますがね。
もっとも、大雑把というのは相対的な話なので、分類もきちんとなされている、という見方ができることは否定しません。
Re: (スコア:0)
「幹」と「枝」の言葉の使い方だけの問題だと思うんだけど。
「幹」を「生物全体」と思えばいいのでは。
Re:どっちなんだ (スコア:1)
Re:どっちなんだ (スコア:2)
生命誕生が例えば、40億年前だとし、生命の木の芽がここから伸び出したとします。
今回発見された生命の先祖が、例えば、例えばですよ、10億年前に発生したとすると、
どこに繋げるんだろう?と思ったんです。
Re:どっちなんだ (スコア:2)
例えば今、今居る生物が全て滅びたとして、今と同じ環境(私たちの今居る)が続いたなら、その環境に新しい生物が発生するのだろうか?
早く言うと、
今も新しい生物が発生していて、進化を続けているのだろうか?
酸素がなくて、100度以上の水と、強い酸性の空気と、隕石がバンバン落ちてくる環境がないと生命が新たに発生しないのか?
もう一つ早く言うと、
地球と同じ惑星を探しても生命は見つからなくて、地球の40億年前と同じ惑星を探さないと生命は見つからない。
でも、40億年経つと今の地球に成るか。
Re:どっちなんだ (スコア:1)
> 今も新しい生物が発生していて、進化を続けているのだろうか?
地球の表面付近なら、ほぼあらゆる場所に、進化を遂げた既存の生物がいますから、
無生物から新たに生物が発生しようとしても、生存競争に負けてしまうと思われます。
恐らくは有機物の混合体くらいの状態で、既存の細菌に喰われてしまうでしょう。
とはいえ、既知の生物とは、全く違う系統の生命(地球で別系統に発生したものや宇宙
から飛来したものなど)が地球の何処かに生き残っていないかという研究はあるようです。
原著論文はこれ (スコア:1)
http://dx.doi.org/10.1093/molbev/mss001 [doi.org]
18S・18S+28Sだけでなく、トランスクリプトーム解析から得られた大量配列を用いた系統樹推定を行なって、既知の何とも近くなさそう、というようなことを言っています。特に重要なのは、こいつの枝が議論の的となっている場所に付くことでしょう。
生命の樹 (スコア:0)
旧約聖書創世記の改訂版発行か?
なんてことじゃないんだろうけど、系統樹のことかな
どうも生命の樹っていうと神話系のあっちのほうを思い浮かべてしまう
# あっちは変わると困る人多いからな
Re:生命の樹 (スコア:1)
リターン・オブ・ワードナーのトゥルーエンドへの道がさらに難しくなるのかな?
らじゃったのだ
Re: (スコア:0)
そういう話は「な、なんだってー!」に尽きてしまう…
Re: (スコア:0)
太陽の塔の中身を思い浮かべてしまう人はオッサンですか・・・orz
Re: (スコア:0)
鞭毛を 4 つ持つ点もユニークだ (スコア:0)
なにこのワクワク感。
# うねうね
もっと根本から異なる生物を (スコア:0)
鏡像異性体とか、DNAやRNAを使わないとか、DNAやRNAを使うけどコドンの解釈が違うとか、そういうのが見つかればすごいなあ。
2 つの異なった? (スコア:0)
何を持って「2つの異なった特性」と言っているのだろうか?
そもそも「原生生物とアメーバ」って異なったものなのか?
Wikipediaの原生生物の項を見るとアメーバが含まれているのだが・・・
Re:2 つの異なった? (スコア:3, 参考になる)
元の論文の要旨では
「Collodictyon(問題の生物)はエクスカヴァータやアメーボゾアと共通の特徴(微小管で裏打ちされた補食に関係する溝構造、薄く広い仮足を形成する能力など)を持っている」となっており、これを"protists and amoebas"(原生生物とアメーバ)と書いてしまったmsnbc.comの記事が混乱の元のような気がします。
まぁエクスカヴァータとか言われてもさっぱり判りませんけど。トリコモナス原虫 [wikipedia.org]などの仲間のようです。
こちらの真核生物の系統図 [nig.ac.jp]ではCollodictyonがアメーボゾアとエクスカヴァータの間あたりに「所属不明」として置かれており、専門家には以前からだいたいこのへんになりそうと思われていた節がありますね。
これは確かにかなり大きな分類群 (スコア:1)
単系統群を重視する立場から、もう今はKingdomという概念はあまり使われないのですが、「アメーボゾア」や「エクスカヴァータ」はかつての分類学で言うところの「界」に近いレベルの大きな概念です。「アメーボゾア」や「エクスカヴァータ」がどのくらい大きな群かというと、同じレベルの分け方だと「動物と茸」が同じ「オピストコンタ」としてくくれてしまうくらい大きな系統群のレベルです。しかも「エクスカヴァータ」は「アーケプラチスダ」(植物なんか)や「ストロメノパイル」(昆布なんか)「アルベオラータ」(ゾウリムシなんか)に近い仲間とされていますので、「エクスカヴァータとアメーボゾアの双方の特徴」ってのはかなり系統的な異端度は高そうです。
あえて身近な生物で言うなら「ひまわりと金魚の両方の特徴がある」ってくらい遺伝子的に新型(逆に言えば非常に古くに他の真核生物から分離してる)ということです。最も多くに分けても9系統群(普通は6群くらい)にしか分かれない真核生物で、それらのどれにも入らない、といういうのはかなり大きな話です。
異星生命体 (スコア:0)
という選択肢は無しですか?