パスワードを忘れた? アカウント作成
33948 story

アルカテル・ルーセント、ベル研究所の基礎物理研究所を廃止 11

ストーリー by hylom
基礎はお国に任せるべき? 部門より

あるAnonymous Coward 曰く、

アルカテル・ルーセントは、ベル研究所の基礎物理研究所を廃止することを決定した(WIRED.com/.本家記事)。

親会社のこの決断により、ベル研究所は今後基礎科学、材料物理学や半導体研究などの基礎研究からは原則として手をひき、ネットワーク、ワイヤレス、ナノテクノロジーやソフトウェアなど、より市場性の高い分野の研究に力を入れていくことになる。

ベル研究所は6つのノーベル賞を生み、トランジスタやレーザーをはじめ、テクノロジーやコンピュータの発展に多大に貢献してきた歴史ある研究機関であるが、 記事によると、長期に及ぶことが多い基礎研究は民間企業運営の研究所より、国から補助金などを受ける大学や国立機関で行われることが増えているとのことである。

企業として直近の利益に繋がらないと資金をつぎ込むのが経営判断的に難しいのか、アルカテル・ルーセントの現在の経営状態からくる決断なのかまでは分からないが、他の研究所でも同じような事が起きていたりするのだろうか?

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2008年09月01日 16時23分 (#1413525)
    まあ廃止でもいいんじゃないでしょうか。
    ここ最近はベル研でいい研究をするというよりも、「ベル研に在籍していた」
    ことを使って他の企業等の研究職に高給で転職する方がかなり増えていて、
    いわゆる腰掛けポスト化してましたし、研究所としては何となく末期という
    感も漂っていましたから。
    今勢いがある企業の基礎研究所というと(分野は偏りますが)IBMとかですかねえ。
    Intelとかも(さらに分野は偏りますが)面白い研究もありますが。
  • by Anonymous Coward on 2008年09月01日 16時24分 (#1413526)
    ベル研が基礎研究から手を引き始めていたのはITバブル崩壊後ずっとであり、予算が削減される中で
    成果を上げようと焦ったことがシェーン氏 [wikipedia.org]による大規模な捏造事件 [sciencemag.org]の
    遠因にもなったことはNHKの番組 [nhk.or.jp]やその番組を元にした書籍 [hokudai.ac.jp]でも言われていたことです。
    結果、余計に名前を汚すことになり、地位は更に低下しました。

    基礎研究のスター研究者の多くは既に外部に流出済みでしたし、これは既にYES/NOではなく、WHENの問題だっただろうと
    思います。
    • 認証が必要なサイトへリンク張られてもなぁ……と思う人は多いはず。

      >www.sciencemag.org
      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2008年09月01日 17時59分 (#1413576)
        確認を怠り失礼しました。
        要約するとWikipediaの記事で構わないのですが、捏造の舞台となった雑誌からも引用したかったので。
        リンク先はベル研がシェーン氏を解雇したという記事で、これまでの経緯と他の研究者からのコメント、
        撤回された論文のリストと撤回の手続きの問題点、そしてこれらが科学雑誌や研究者に及ぼす影響など
        についてまとめたものです。
        ベル研の研究員が共著者になっている論文が多く、また多くの疑問が寄せられていたにも関わらず調査が
        遅れたり、責任逃れ的な態度もみられたという、ベル研自体の問題も推察されるような記事となっています。
        親コメント
  • 電話会社は (スコア:2, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2008年09月01日 15時28分 (#1413496)
    日本のNTTもそうだけど、昔は半分税金取ってるようなもんだったからな。だからこういう研究所を持つという、ある意味贅沢、ある意味社会貢献みたいなことができたわけだ。

    日米に限らず、グローバリゼーションによる激しい企業間競争で、もうそういうことはできにくくなってきた。これからの基礎研究にはますます公的なサポートが重要になるね。
  • by Anonymous Coward on 2008年09月01日 14時56分 (#1413477)
    やっぱり研究者は突然解雇なのだろうか。
    そのときには研究成果は持ち出せるのだろうか。

    システム管理者の88%が・・・のエントリを見ながら思いました。

    会社の方針変更が原因とはいえ、成果を持って別の研究所に行ったら、
    それはそれでルーセントが黙ってないでしょうし、かといって
    いまさら基礎研究一筋の人が違う分野でバリバリ活躍できるとも思えない。

    いずれにしてもなんかしらの拾い上げる仕組みがあることを願いたいところ
    • Re:やっぱり (スコア:3, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2008年09月01日 16時01分 (#1413511)
      研究者は当然、他の研究職を探します。「研究成果」で秘密のものは持ち出せないでしょうが、こういう研究所では成果の多くは論文にして公表しているので、それらの論文を書いたという業績によって評価されます。ベル研にいた人ならどこかの大学に移る人が多いでしょう。大学に移れない人でも、他の会社の研究所、それもなければより開発に近い方面に移っていくでしょう。

      アメリカは全体に労働力の流動性が高く、職を失うことは日本におけるほど致命的ではありません。

      突然解雇といっても、中の人はかなり前から薄々わかっていた可能性が高いと思います。自分は計算機科学が専門なのですが、その分野のベル研の人はもう5年以上前からパラパラと脱出しています。NECの研究所や有名なゼロックスのPARCからもどんどん大学に流出しています。
      親コメント
      • こういう場合,例の(?)研究ノートは研究者個人のものとなるのでしょうか?
        あるいは原本はベル研に帰属するのでしょうか?
        • by Anonymous Coward
          「例の」というのは米国特許を取る際に必要となる研究ノートのことでしょうか?
          米国特許法では、職務発明であっても出願人=発明者です。研究者個人のものになるのではないでしょうか。(職務発明の場合は出願と同時に「出願した地位」を会社に譲渡します。日本の場合は「出願する権利」を予め会社に譲渡し、会社が出願します。)
    • Re:やっぱり (スコア:3, 興味深い)

      by Anonymous Coward on 2008年09月01日 16時58分 (#1413546)
      雇用市場が流動的な欧米であれば、研究者の転職先は引く手あまたでしょうから心配なさそう。
      研究成果は放棄せざるを得ないでしょうけどね…守秘義務違反で訴えられるリスクを考えれば。

      それよりも年功序列的要素が残ってる日本企業の方が厄介…つい最近、ウチの会社も基礎研究
      部門が予算大幅カットで事実上解体されてしまいました。組織として研究員は残っているけど
      カネがなければ何もできないので文献調査くらいしかできず、モチベーションは低下の一途。

      事業部門に潜り込むか、左遷で飛ばされるか、退職か来年春まで選ばなくていけないのでAC
      親コメント
    • by Anonymous Coward
      こういう大規模な方針転換の際には、従業員の受け皿を用意するくらいのことはすると思う。
      それが必ずしも十分なものかどうかは別として。

      もし突然解雇なんてことになったら、それこそ自棄になってとんでもないことを
      しでかす人が出てこないとも限らないし、会社に残った従業員からの信用も失う
      (最初から信用されてなければ痛くないが)。
typodupeerror

身近な人の偉大さは半減する -- あるアレゲ人

読み込み中...