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宇宙

すばる望遠鏡のCCD感度が2倍に性能アップ 31

ストーリー by hayakawa
見えすぎちゃってこまるの~ん 部門より

papa-pahoo 曰く、

日本経済新聞などによると、米ハワイ島にあるすばる望遠鏡(国立天文台)のCCD感度が2倍にアップしたとのこと。浜松ホトニクスのニュースリリース国立天文台のニュースリリースに詳細情報が掲載されている。このCCDは、浜松ホトニクス株式会社と京都大学や大阪大学が協同開発したもので、光センサー部分の厚みを従来の5倍にし、星の観測で欠かせない長波長の近赤外線を高い感度でとらえることができるという。また、高エネルギーX線にも高い感度を持っており、医療用CTなどの性能アップにもつながるという。

2倍とか5倍といった整数倍の性能向上を見せつけるあたりに、技術者の心意気を感じてしまうタレコミ人であった。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by teltel (1423) on 2008年11月25日 9時50分 (#1461363) 日記
    ・背面照射 2048 x 4096 pixels
    ・3cm x 6cm x 厚さ 0.2mm
    のccd を十枚を平面に並べなきゃならんので (絵を見るとだいたい一枚につき ±10μ 位だね) すげー細かい神経を使う作業。すげーぜ。
    ついでに、いったい何枚のccd を作ったんだろうか…。前の ccd は一枚ウン千万円だったはずだが、プロセスの進歩とかで安くなったのかしらん。
    # 天文台の記事は波長の単位がオングストロームだ…nm じゃない。なぜだ。
    • by Anonymous Coward on 2008年11月25日 10時17分 (#1461375)
      天文台の人たちは単位がSI、MKSでないことが多いというのは事実です。
      エンジニアリングをやってる感覚だとびっくりされるかもしれません。

      電磁波のスペクトルの横軸:高えんるぎーだとeVで表し、赤外~紫外だとnm、電波~赤外だと波長mm、またはHz
      デバイス寸法:mm
      薄膜生成:オングストローム
      望遠鏡の口径:m、cm:固有名詞化けするため
      密度:g/cm^3 ,星間分子は個/cc~1000個/ccが議論されることが多いため
      速度:km/s、,系内の相対速度は10km/s~100km/s程度のオーダーが多いため
      距離:pc、kpc、Mpc、光年、
      電波強度:1ジャンスキー=10^-26 W/m2·Hz

      普通の人がみかけない単位としてMyrやGyr メガイヤー、ギガイヤーなどがあります。
      親コメント
    • >波長の単位がオングストロームだ…nm じゃない。なぜだ。

      歴史的経緯です.

      この辺 [nature.com]にも書かれているのですが,よく知られるように,
      メートルは当初メートル原器の長さを基準としていました.
      一方,当時の天文学ではメートル原器の精度以上に高精度な測定が必要となってきており,波長等においてメートル原器を用いた定義を
      元にした単位を使うと,その誤差(メートル原器の長さの誤差)が測定精度に比べ大きすぎ,測定結果の比較などが意味を持たなく
      なります.
      #例えて言うと,手元のノギスの精度は0.05mm,測定して議論したいものも0.05mm単位,でも「長さの基準」として配られている
      #定規の作成精度が1mmしか無いようなもの.世界中の同業者の持っているノギスも同じ精度なのに,「長さの基準」としての
      #定規がものによって微妙に長さが違うため,どの「長さの基準」を元にするかで測定値の読み(換算値)が変わってしまう.

      そこでInternational Solar Union(後のIAU: 国際天文学連合)は新たに長さの単位としてInternational Angstrom (I.A.)
      を1907年に制定,原子の発光波長の定数倍とすることでメートル原器による定義よりも高精度な長さの単位を作り,これにより記述
      することで無用な誤差を除くという手に出ました.なお,この長さはメートル原器から定義されるÅngströmと(メートル
      原器の精度の範囲内で)一致するように比例定数が選ばれています.
      #前記の例にならえば,「長さの基準」がぐだぐだなら,手元にあるもっと精度の高い定規を「我々にとっての長さの基準」
      #にしてしまえ,ということで新しい長さの単位を作ったようなもの.

      このため,天文分野では歴史的にÅ (I.A.)を波長の単位などでよく用います.
      まあもっとも,それから50年ぐらいたってメートルの定義も原子の発光ベースに切り替わりましたので,現在では(メートルの定義から
      導出される)nmを使っても問題なく,両方使われているわけですが.
      親コメント
      • # コメント行に沢山の返事が…そういうもんだよね。
        主旨はそっちじゃなくて、可視/赤外の領域じゃいまさらオングストローム使わないでしょう、ってことだったんですが…。
        論文なんかでもオングストロームめったに見ないし。最近は X まで波長のときは nm だし。
        報道発表資料としてもあまりよろしくないんじゃないかな、と。
        そのへんの、なぜだ、です。
        親コメント
    • by Anonymous Coward
      ># 天文台の記事は波長の単位がオングストロームだ…nm じゃない。なぜだ。

      オングストロームは天体分光学の古い人なので,天体分光学の古い人はオングストロームなのだ。
      空で nm だと nautical mile と紛らわしいし。
    • by Anonymous Coward
      >安くなったのかしらん。

      知らんのなら聞くなよ。
  • by yodaroku (6054) on 2008年11月25日 9時31分 (#1461355)
    以降、下に該当するコメントの書き込みは罰が当ります。
    ・赤く塗る
    ・3倍
  • シリコン (スコア:1, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2008年11月25日 12時28分 (#1461449)
    10000Åにおける感度で議論しているみたいだけど、この波長って、
    シリコンのバンドギャップからぎりぎりの位置ですよね。
    バンドギャップのところで特性が激変します(バンドギャップよりも
    長波長の光は検出できない)が、それでいいんでしょうか。
  • デジカメに (スコア:1, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2008年11月25日 15時03分 (#1461561)
    センサー厚くして感度アップできるんなら是非デジカメに応用…無理だなw
    • by TarZ (28055) on 2008年11月25日 17時45分 (#1461649) 日記
      ナイトビジョンのような一部の特殊用途では恩恵があるかもしれませんが、通常のデジカメでは不要です。

      というよりむしろ、可視光以外の感度が上がったら困りますう。人間の目に見えない領域で勝手に感光(?)されると、赤かぶりの要因になったりします。

      # モデレータだったけど、まあいいや。
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2008年11月25日 6時36分 (#1461308)
    T/O
  • by Anonymous Coward on 2008年11月25日 13時25分 (#1461497)
    国立天文台のニュースリリースにリンクがある詳細資料のPDF。
    読んでいくと最後のほうに白い女の子らしきものが登場するんだが、誰なんだろうか。気になる。
  • by Anonymous Coward on 2008年11月25日 14時20分 (#1461539)
    空乏層を厚くして電荷をたくさん溜めれるようにしただけでしょ?
    長時間露光して小さな信号も検知できるようになってるわけだがそれを感度というのかな?ちょっと違うのでは?
    ちなみに、いわゆる感度という概念はCCDではラティチュードなんて用語で表現します。
    あと、 詳細資料の中に白い女の子が云々とあるが、そりゃ単にそこに書いてある機材の大きさを人間のサイズと比較してみて大体この程度の大きさと認知させるためだろ。
    あと、Siのバンドギャップで1umがぎりぎりとか書き込みがあったが、Siは1.2umくらいまで十分感度はあるよ。常温でも。λc=1.24/Egって知ってんだろ?冷やせばもっと長波長も可な筈。
    • Re:感度? (スコア:1, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2008年11月25日 17時23分 (#1461637)

      空乏層を厚くして電荷をたくさん溜めれるようにしただけでしょ?
      違います。CCD 検出器は、空乏層で光から電子・正孔対に変換し、そのどちらか片方 (半導体の極性に依存) を転送電極真裏の電荷転送領域に溜めます。
      この空乏層が薄いと、せっかく入射した近赤外線光子の一部は透過してしまい結果これに対する感度が落ちます。今回はそれを防げる位厚い素子ができたという訳です。
      親コメント
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