エアバス、アリアンロケットの1段目を飛行機的に回収する再使用構想を発表 40
ストーリー by hylom
コスト削減へ 部門より
コスト削減へ 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、
エアバスは5日、アリアンロケットの1段目のうち、エンジン周辺を翼を持った飛行機のように飛行させ、回収・再使用するというプロトタイプデザインを公表した(Slashdot、SPACENEWS、イメージ動画)。
動画が分かりやすいが、今回示された再使用案ではロケット1段目のうちコスト要因となっているエンジンとアビオニクス周りのみを回収するデザインとなっている。打ち上げを終えた1段目はまず空っぽの燃料タンクを分離した後、エンジン周辺のみの小さな機体となって再突入を実施。高度が下がってからは翼に格納されたプロペラを展開し、そのまま飛行機のように滑走路に水平着陸を行う。これにより、打ち上げコストを30%削減することが可能になるという。
今回の構想はSpaceXの再使用案を意識したもののようで、イメージ動画においても「ロケットエンジンは再突入から保護される」「着陸最終段階のリスクを低減」といった文言が散見されている。4月に発表されたULAのヴァルカンロケットも、エンジンの再使用(こちらはパラシュートで回収)を提示しているが、果たしてどの方式が成功するのだろうか?
構想だけで終わるに一票 (スコア:2)
タンクとエンジンが分離出来るだけでも大変そう。
スペースXのファルコンやゼニットブースターみたいに1段目ごと戻ってくるほうが、
重量的には不利だけど筋は良さそうな気がするがどうだろう。
##つーかヴァルカンっていったらエネルギアの方だよなー
Re: (スコア:0)
ファルコン9Rの動画 [youtube.com]を見たときのような、この手があったか!的な感じはない、割とオーソドックスな案に感じます。
が、オーソドックスな案だから安心かというとそうではなくて、タンクとエンジンの接合部とか、帰還時に出てくるプロペラとか、それはそれで実は難易度高いんじゃないかって部分がちらほら・・・。
動画の中で言っている利点も分かるし、予算をかければそのうち実用化はするでしょうが、筋が良い方式なのかはちょっと気になります。
# まあ、ファルコン9が本当に筋が良いのかも、実際に着陸が成功して何度か再利用が行われるまでは分かりませんが。
Re: (スコア:0)
プロペラとか、打ち上げの音響と振動に耐えるのは大変じゃないかと思ったねぇ…。
動画では再突入時にフェアリングがあるけど、接続部をどうするかなんて考えてなさそうな形状だし。
とはいえ、スペースシャトルのシャトル側要素を極小にしたと考えればアリなんかなー…。
※アビオニクス類が高コストなのは本当なんだろうか。単に古い仕組みのままで、コストダウンの努力をしてないだけじゃなかろうか…。
Re: (スコア:0)
ファルコンの秀逸な所は、余計な物が何もついてない、ってことなんだよね。
着陸脚程度。
打ち上げ中に推力不足になったら、回収あきらめて燃焼延長する、という保険が効くのも有益だと思うし。
この利点だけで重量的欠点は相殺されそう。
本来の目的は打ち上げなのだから、余分な機構は極力少ない方が良いね。
Re:構想だけで終わるに一票 (スコア:1)
>ファルコンの秀逸な所は、余計な物が何もついてない、ってことなんだよね。
回収しないのなら1/3は打ち上げ能力を増大できる程度に帰還用の燃料を積んでいるのが、余計なものでないと申したか。
それが燃料にせよ固定翼にせよパラフォイルにせよ何にせよ、回収再使用には余計な質量とコストが必要で、それぞれの特質を比較し、
回収する程度を考量し(ex.回収する速度と高度と質量を引き下げれば回収自体は楽になるけど上段の負担は増えうまみも減る)、
使い捨ての打上げ機に勝てる設計上のスマートでスイートなスポットはこれだ! とあちこちが提案してるのが現状でしょ。
あるいはそんなスポットはそもそも存在しないのかもしれないし、単に他所がやってるからウチもと言い出す宇宙開発でよくあるパターンかもしれないけど。
Re:構想だけで終わるに一票 (スコア:1)
ファルコンの秀逸な所は、余計な燃料を積まないコンフィギュレーションも可能だってとこなんだよね。
回収するつもりがないなら、足つけずに適切な燃料だけで上がればいい。
回収するなら、余分に燃料積んで足つけて飛べばいい。
あくまでおまけとして実施できるのが良いところじゃないかと思うのだよね。
たとえ、このソリューションが失敗に終わって、すべて使い捨てた方が効率が良い、ってなったとしても、失う物があまりないのが最大の利点かもしれない。
垂直着率技術自体は、月面輸送などを考えれば無駄にはならないだろうしね。
要するに、開発に失敗してもリスクが少ない。
一方の、翼をつけたりプロペラつけたり、というのは、リスクが高すぎですね。
そういう意味でも、ファルコンは目から鱗が落ちる思いでしたよ。生き残りを優先するという開発の思想自体がおもしろいね。
Re: (スコア:0)
コンフィギュレーションの変更が許されるなら、アリアンロケットはこれまでどおりの普通の一段目を使う、
という選択がとれるでしょ。
Re: (スコア:0)
まぁそうだけど、開発の無駄・リスクの話が主眼なんだけどなぁ…。
Re: (スコア:0)
地球上の高高度から逆噴射しながら垂直着陸での帰還という前代未聞のチャレンジをするファルコンの方がリスクは高いんじゃないの?
Re: (スコア:0)
そもそも、低速で垂直着陸するための制御機構って普通のロケットより複雑なものが必要になる気がするんだよなぁ…
ペイロード:飛行機のほうが多分上(再回収なしなら従来型使えばそのほうが安いし再回収型のを使う意味が無い)
開発難易度:飛行機のほうが多分楽
開発機種数:垂直帰還の方が少ない
でもロケットってかなりワンオフな性格が強いから開発機種数がどの程度のメリットになるのかっていうと…うーん。
面白いのは判るんだけど、それに拘る意味はあるのか。
シャトルと同じでどうせコテコテの再整備しないと飛ばせないんだし、丸ごと持ってきても結局バラすんだよなぁ…
Re: (スコア:0)
探査機ジェネシスのカプセルをヘリコプターで回収したように(実際は失敗)、一段目ロケットの速度を落としたら、マルチコプターで回収という方式を挙げてみる。
これなら垂直着陸の機構と着陸脚不要になる。
Re:構想だけで終わるに一票 (スコア:1)
衛星打ち上げ自体に対するリスクはほとんど無いでしょ。
フライバックブースターのたぐいには2つの目標があって、
1.ロケットとして正常に衛星をあげること
2.エンジン等を回収すること
優先度は1>>2で、特に開発時に関しては1が成功すれば、2は実験なので失敗してもかまわない。
そして、ファルコンの方式は、打ち上げに影響する改造点がほとんど無い。
せいぜいが足が余分についてるのと、燃料が余分にある程度だけど、足はたいしたリスクではなく、余分の燃料は衛星打ち上げの成功率を上げる方向に寄与する。
結果的に、前代未聞のチャレンジしてるのに、リスクがあまりない。
一方、今回のアリアンの方式だと、エンジン分離機構は新規開発、羽も新規要素で空力的な影響が大きく、ただのロケットとして見てもリスクがある。
つまり、「1.ロケットとして正常に衛星をあげること」に対するリスクが生じる。
開発リスクとしてはどちらの方式が高リスクか、微妙な感じはあるけども、打ち上げビジネスの中での開発、という観点から見れば、ファルコンの方が遙かに低リスクと思います。
#開発すること自体が仕事になる組織と、開発は手段でしかない組織の違いのようにも思える。
Re: (スコア:0)
エンジン分離部は2段目分離部とは異なる位置で、分離も2段目分離が終わった後なので、
衛星の打ち上げに対するリスクは大して変わらないのでは?
羽根つきの飛翔体のロケットでの打ち上げに関しては、スペースシャトルのオービターの開発にも係わった
ボーイングのことですし、そこらへんのノウハウの蓄積は充分積んであるんじゃないですかね。
Re: (スコア:0)
ああ、ボーイングじゃなかったwアリアンはエアバスだったw
打ち上げ費用の削減策か (スコア:2)
一方日本はH3ロケットの打ち上げ準備期間の短縮を狙っているけれど
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015060401001147.html [tokyo-np.co.jp]
モデレータは基本役立たずなの気にしてないよ
Re: (スコア:0)
そりゃあんだけガンガン打ち上げ続けてたら、自ずと打ち上げ準備期間の短縮とオーバーラップは充分なっているから、既にキャンセルと用途変更差し替えのマネジメントの問題でしょうよ。
つまりロケット打ち上げ産業競争力の観点からは、円高の是正が不足しているという事。
目指せ、1US$≦360JPY 1£≦1000JPY
闇ドル・闇ポンドの値段は公式換算比より高かった。=ブレトンウッズ協定の目的に一つには、円高を押しつけ戦後の米軍統治の目的に一つでもあった日本の産業を破壊する事もあった。
→西ドイツ及びその後の統一ドイツは、産業競争力の低い諸国と組んでユーロに移行することによる通貨安を目指し、そこに健全偽装してまで参加したギリシャの分不相応な通貨高による金融危機(ユーロ債務が暴騰するから、デフォルトを覚悟しない限り、ユーロから離脱できない)は必然。
準備期間の短縮で打ち上げ回数倍増が狙い (スコア:1)
4日の日経より。
H3ロケットの投入にあわせて「最新の組み立て施設や自動点検システムを取り入れ、準備期間をこれまでの約半分の一ヶ月弱に縮めて打ち上げ回数を倍増する。衛星の打ち上げをいつでも受注できる体制を整え、米欧ロと激しく争う宇宙ビジネスを拡大する考えだ」
モデレータは基本役立たずなの気にしてないよ
Re: (スコア:0)
ギリシャの経済状態偽装はゴールドマンサックスが噛んでるんだから、陰謀があったとすればその主犯はアメリカだろ。
Re: (スコア:0)
ならば何故EUは、ゴールドマンサックス及び同社の預かり資産を接収しない?
いやこの件、普段のEU行動パターンからすると、私には本当に謎なんです。
所謂、潰すには巨大過ぎるという奴でしょうか、それとも内輪の金は接収できないという奴でしょうか?
Re: (スコア:0)
そりゃ表向きゴールドマン・サックスがやったことはギリシャへの金の融通(通貨スワップ)だけなんで、違法じゃないからな。
ギリシャがその金を使ってどう帳簿をごまかそうが、ゴールドマン・サックス側は知ったこっちゃ無いとシラを切れる。
それにEUでゴールドマン・サックスさんにお世話になってるのはギリシャだけじゃないようだからなあ。
Re: (スコア:0)
「たまに打つ たまがないのが たまにきず」
帰巣機関 (スコア:1)
こういうのもそのうちドローンにカテゴライズされるんすかね。
自律飛行(行動?)システムの簡素化とかが進んでいろんなものに組み込めたら面白い。
ベイルアウトに組み込めたら帰還率がかなり上がりそうだし。
#ワールドトリガーをちょっと連想したけど全く違うか。
Re: (スコア:0)
まんま、「ロケットの1段目として働くドローン」ですが何か?
Re: (スコア:0)
「それでは私、お先にドローンさせていただきます」
Re:帰巣機関 (スコア:1)
先に行かんといてぇ~
順番間違えたらエライことになりそう。
#なんでもそうか。
日本語の記事も (スコア:1)
Airbus: 半再利用可能型ロケット「Adeline」を発表 [businessnewsline.com]
でも、今回のはやっぱ動画を見るのが一番分かりやすいな。文章で説明されてもピンとこない。
あーりらんあーりらん (スコア:0)
Re: (スコア:0)
私には「アリアハンロケット」に見えました。
# きっとイオナズンで飛ぶ。
Re: (スコア:0)
アリアン=アーリア人というのは、ヨーロッパ連合とは、皆が印欧語族なのだという主張だと思っていたのは、私だけだろうか?
Re: (スコア:0)
アリアン(女神の名前)とアーリア人とは全然関係ないと思うんだけどなぁ…。
それこそ、アリアンとアリランぐらい違う
Re: (スコア:0)
多くのヨーロッパの言語ではAriadneとかその変化形で呼ぶのですが、何故かフランス語ではAriane(アリアーヌ)、イタリア語ではArianna(アリアンナ)と呼ぶんですよね >クレタ王女アリアドネ。
Re: (スコア:0)
アリアンロッドに空目した……って前にも書いたなコレ
# くいっくすたーと第4巻まだ?
成功しない可能性 (スコア:0)
どこかが新プランをぶち上げたら対抗上競合他社もわれもわれもと同様のプランを表明することになる
結局みんな共倒れになる可能性だってある
スペースシャトルもそうだった
まあ舞い上がらずに長い目で見守るしかないですね
Re: (スコア:0)
スペースシャトルと同様のプランって、ロクに飛ばなかったソ連のブランだけでしょ。そして最終的にスペースシャトルを駆逐した各国の使い捨てロケットは今も飛んでる。共倒れってなんのことよ。
# ブランのプランって言いたかったわけではないのでAC
Re:成功しない可能性 (スコア:1)
ヘルメスとHOPEを忘れてはいけない。アリアン5もH-IIもそれら宇宙往還機計画の残骸です。そして、
> どこかが新プランをぶち上げたら対抗上競合他社もわれもわれもと同様のプランを表明することになる
> 結局みんな共倒れになる可能性だってある
これの最新例が衛星測位。地球に3つも4つもGNSSは要らないし、複数のGNSSがある状況下でRNSSがどうして成立するのか……
Re: (スコア:0)
そのうちアメリカと戦争するつもりのところは要るんじゃないかなぁ。
死荷重 (スコア:0)
帰還のための機構はすべて死荷重になる
ペイロードのコストとバランスで決めるんだろうけど
再整備まで含めてペイするか疑問
次のロケットの成功率に影響したら本末転倒
Re: (スコア:0)
死重の事?
確かにそりゃそうだが、衛星軌道まで連れていく必要はないので、ペイロードにオモリを積むのとは訳が違うよ。
Baikal Roket Booster (スコア:0)
「baikal booster」とコンセプトは同じなのでは。
http://en.wikipedia.org/wiki/Baikal_(rocket_booster) [wikipedia.org]
結局高くつく (スコア:0)
回収して再利用って、結局スペースシャトルと変わらない構想。
整備とメンテナンス費用が効率が高くついて、結局使い捨てのロケットの方が効率的だったと言うオチだね。