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今回のワクチンは、蛾の細胞というか、要はSF+細胞(ヨトウガ由来)を用いたタンパク質発現系で、リコンビナントのヘマグルチニン(HA、H)を大量に作らせてワクチンとするもののようです。なので、VeroやMDCK、あるいは鶏卵でのウイルス培養とは異なり、一旦、生きたウイルスそのものを作る、という過程がありません。ここが大きな違いですね。今回のようなタイプは成分ワクチンの中でも特に「リコンビナントワクチン」とも呼ばれ、B型肝炎ウイルスに対するHBsワクチンが、これに該当します。 ちなみにSF+細胞を使って作らせてる理由ですが、タンパク質の大量発現系として最もよく使われる、大腸菌での発現系では、作ったタンパク質への糖鎖の結合(糖鎖修飾)が行われないからです。ヘマグルチニンは糖タンパク質であり、結合した糖鎖部分まで含めた立体構造が、(ヒト体内で作られる)抗体と結合するかどうかを決める際に重要になります。大腸菌を初めとする原核細胞ではこれが行われないため、糖鎖修飾が可能な、真核細胞でのタンパク発現系を用いる必要があります。そうなると、よく使われるのが酵母とか、今回用いられてるSF+などの昆虫細胞になる、というわけです。
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計算機科学者とは、壊れていないものを修理する人々のことである
要はリコンビナントタンパク質 (スコア:2, 参考になる)
#それでもまぁ、ワクチンの分類的には、百日咳ワクチンや鶏卵培養による日本のインフルエンザワクチンと同じ、成分ワクチン(コンポーネントワクチン)に含まれるのが、またややこしいのだけど。
鶏卵培養にしても、Vero細胞やMDCK細胞などの哺乳動物細胞を用いた方法にしても、どちらも基本的には生きたウイルスそのものを細胞(もしくはふ化鶏卵)に感染させて、生きたウイルスを作る、というのが前提になります。
今回のワクチンは、蛾の細胞というか、要はSF+細胞(ヨトウガ由来)を用いたタンパク質発現系で、リコンビナントのヘマグルチニン(HA、H)を大量に作らせてワクチンとするもののようです。なので、VeroやMDCK、あるいは鶏卵でのウイルス培養とは異なり、一旦、生きたウイルスそのものを作る、という過程がありません。ここが大きな違いですね。今回のようなタイプは成分ワクチンの中でも特に「リコンビナントワクチン」とも呼ばれ、B型肝炎ウイルスに対するHBsワクチンが、これに該当します。
ちなみにSF+細胞を使って作らせてる理由ですが、タンパク質の大量発現系として最もよく使われる、大腸菌での発現系では、作ったタンパク質への糖鎖の結合(糖鎖修飾)が行われないからです。ヘマグルチニンは糖タンパク質であり、結合した糖鎖部分まで含めた立体構造が、(ヒト体内で作られる)抗体と結合するかどうかを決める際に重要になります。大腸菌を初めとする原核細胞ではこれが行われないため、糖鎖修飾が可能な、真核細胞でのタンパク発現系を用いる必要があります。そうなると、よく使われるのが酵母とか、今回用いられてるSF+などの昆虫細胞になる、というわけです。