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素人の素朴な疑問ですが、質量があるところここそこ(というか、'場')であるこの空間に、この粒子があった!というのはどうも見つけ方として不思議な感じがします。
たとえるなら、海の中で、'水分子があった!' という発見のようなものではないでしょうか。(あるいは、真昼に暗い星を見つけるような)まず、この粒子が存在しない空間を作って(水がない空間・・・陸に相当)その中で実験するのならわかりますが、実際そうやっているのでしょうか。
それとも、海の中で氷を作って、'水分子を確認した' ということに相当するようなことをしたのでしょうか。または、超高感度な望遠鏡か、スペクトルを観測してユニークな輝点をみつけたとか。
前回の/.Jのトピックでも同じような話が出たけど、
・元々ヒッグス場というものがあたりに広がっていた・ヒッグス場は内部自由度が4あって4つの等方的な成分を持っていたのだけれども、自発的対称性の破れにより3+1に分裂。質量を持たない3つの成分と、質量を持つ1つの成分に分かれる。・質量のない3つの成分がゲージ場と結合、元々質量の無かったゲージ場に質量を与える。質量のないヒッグス場(の3つの成分)と質量のないゲージ場が混ざって、質量のある新しい場に変化したようなもの。・一方、質量のあるヒッグス場である残りの1成分はそのまま残存。実験で見つけようとしているのはこれ。質量の起源となっている3つの成分とは違うものなのだけど、同じ場の別の側面というか。
確かに興味深いけど、これじゃ元コメに対する答えになってない気がするけど。元コメの人に文系素人の俺が記事読んだ範囲で答えるなら、「この粒子が存在しない空間を作って(水がない空間・・・陸に相当)その中で実験」というのに近いんじゃないかな。電子を高速で衝突させることで、ビッグバン当時(ヒッグス粒子に満たされる前の)に近い状態を作って、ヒッグス粒子の痕跡らしいものを見つけたという理解でいる。訂正よろ。
>この粒子が存在しない空間を作って
その理解は違うのです。そもそも、今回作り出した(と思われる)ヒッグス粒子は、そこらには元々存在していない。だから、「存在しない空間を作って」なんてことをやる必要はないのですよ。元からいないんだから。
「ヒッグス場」はそこら中に広がっていて(そしてゲージ場と一体化して)物質の質量のきっかけになっているんだけど、そのヒッグス場(のゲージ場に吸収されていない成分)の励起状態であるヒッグス粒子は、そこらにはいません。空っぽです。
陽子の高速衝突は、非常にエネルギーの高い状態、つまりヒッグス粒子を生成するのに必要なエネルギーを生み出すため。
あくまで比喩なんで正確ではありませんが、ヒッグス場ってのは太鼓に貼られた皮みたいなもんです。でそいつを叩くと音が出るんだけど、閾値以上のある程度以上大きなエネルギーを与えないと音が鳴らない仕組みになっている(ギャップのあるモード、というもの)。で、ここにものすごいエネルギーを与えると太鼓の皮の振動が励起される。この振動(=音)がヒッグス粒子に対応します。#比喩なんで、言葉通りではないんですけどね。
他の言い方をすると、世界には「電磁場」というものが満ちています。例えば空間的に均一な電場とか磁場も電磁場の一種です。で、世界にこの「均一な電場」が満ちていても、電磁場の励起状態である「光子」(我々が言うところの光)は存在していません。で、何かで励起すると光子が出てきて観測できる、と。
説明ありがとう。なんとなくイメージできた。やっぱり比喩って大事だよなぁ。水のたとえで言うと、静かな水面に大きな石ころ投げ込んでみたら波紋が見えたので、そこに水があるのがわかったみたいな感じかな。
衝突させてるのは電子じゃなく陽子な。LHCはLarge Hadron Colliderの略だから。電子はハドロンじゃないんだ。(ハドロンはクォークから出来てる複合粒子。電子はそれ自体が素粒子なleptonに分類される)
電子を加速してエネルギーを上げるのはまあいろいろと技術的に難しいところが出てきて限界が見えたから、陽子(重さが電子の1000倍ぐらい有る)とか重イオン(もっと何倍、何十倍も重い)の衝突に実験手段が移行しつつある。#速度は似た程度でも、重さが増えるので衝突のエネルギーが上がる。
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※ただしPHPを除く -- あるAdmin
質量を体現するありふれた粒子ならなぜ (スコア:0)
素人の素朴な疑問ですが、
質量があるところここそこ(というか、'場')であるこの空間に、
この粒子があった!というのはどうも見つけ方として不思議な感じがします。
たとえるなら、海の中で、'水分子があった!' という発見のようなものではないでしょうか。
(あるいは、真昼に暗い星を見つけるような)
まず、この粒子が存在しない空間を作って(水がない空間・・・陸に相当)その中で
実験するのならわかりますが、実際そうやっているのでしょうか。
それとも、海の中で氷を作って、'水分子を確認した' ということに相当するようなことを
したのでしょうか。
または、超高感度な望遠鏡か、スペクトルを観測してユニークな輝点をみつけたとか。
Re:質量を体現するありふれた粒子ならなぜ (スコア:5, 興味深い)
前回の/.Jのトピックでも同じような話が出たけど、
・元々ヒッグス場というものがあたりに広がっていた
・ヒッグス場は内部自由度が4あって4つの等方的な成分を持っていたのだけれども、自発的対称性の破れにより3+1に分裂。質量を持たない3つの成分と、質量を持つ1つの成分に分かれる。
・質量のない3つの成分がゲージ場と結合、元々質量の無かったゲージ場に質量を与える。質量のないヒッグス場(の3つの成分)と質量のないゲージ場が混ざって、質量のある新しい場に変化したようなもの。
・一方、質量のあるヒッグス場である残りの1成分はそのまま残存。実験で見つけようとしているのはこれ。質量の起源となっている3つの成分とは違うものなのだけど、同じ場の別の側面というか。
Re: (スコア:0)
確かに興味深いけど、これじゃ元コメに対する答えになってない気がするけど。
元コメの人に文系素人の俺が記事読んだ範囲で答えるなら、
「この粒子が存在しない空間を作って(水がない空間・・・陸に相当)その中で実験」
というのに近いんじゃないかな。
電子を高速で衝突させることで、ビッグバン当時(ヒッグス粒子に満たされる前の)に近い状態を作って、ヒッグス粒子の痕跡らしいものを見つけたという理解でいる。
訂正よろ。
うん、それは違うんだ (スコア:4, 興味深い)
>この粒子が存在しない空間を作って
その理解は違うのです。
そもそも、今回作り出した(と思われる)ヒッグス粒子は、そこらには元々存在していない。だから、「存在しない空間を作って」なんてことをやる必要はないのですよ。元からいないんだから。
「ヒッグス場」はそこら中に広がっていて(そしてゲージ場と一体化して)物質の質量のきっかけになっているんだけど、そのヒッグス場(のゲージ場に吸収されていない成分)の励起状態であるヒッグス粒子は、そこらにはいません。空っぽです。
陽子の高速衝突は、非常にエネルギーの高い状態、つまりヒッグス粒子を生成するのに必要なエネルギーを生み出すため。
あくまで比喩なんで正確ではありませんが、ヒッグス場ってのは太鼓に貼られた皮みたいなもんです。でそいつを叩くと音が出るんだけど、閾値以上のある程度以上大きなエネルギーを与えないと音が鳴らない仕組みになっている(ギャップのあるモード、というもの)。
で、ここにものすごいエネルギーを与えると太鼓の皮の振動が励起される。この振動(=音)がヒッグス粒子に対応します。
#比喩なんで、言葉通りではないんですけどね。
他の言い方をすると、世界には「電磁場」というものが満ちています。例えば空間的に均一な電場とか磁場も電磁場の一種です。で、世界にこの「均一な電場」が満ちていても、電磁場の励起状態である「光子」(我々が言うところの光)は存在していません。で、何かで励起すると光子が出てきて観測できる、と。
Re: (スコア:0)
説明ありがとう。なんとなくイメージできた。やっぱり比喩って大事だよなぁ。
水のたとえで言うと、静かな水面に大きな石ころ投げ込んでみたら波紋が見えたので、そこに水があるのがわかったみたいな感じかな。
Re: (スコア:0)
衝突させてるのは電子じゃなく陽子な。
LHCはLarge Hadron Colliderの略だから。電子はハドロンじゃないんだ。
(ハドロンはクォークから出来てる複合粒子。電子はそれ自体が素粒子なleptonに分類される)
電子を加速してエネルギーを上げるのはまあいろいろと技術的に難しいところが出てきて限界が見えたから、陽子(重さが電子の1000倍ぐらい有る)とか重イオン(もっと何倍、何十倍も重い)の衝突に実験手段が移行しつつある。
#速度は似た程度でも、重さが増えるので衝突のエネルギーが上がる。