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第1段エンジンのAJ26-58は液体酸素とケロシンを推進剤とする二段燃焼サイクルのロケットエンジンです。AJ26-58は米エアロジェット社の型番でそもそもは旧ソ連製NK-33。NK-33は1960年代末から1970年代初頭にかけてソビエト連邦のクーイブィシェフ・エンジン工場によって開発、生産されました。アポロの対抗馬、失敗した旧ソ連N-1ロケットのエンジンNK-15の改良版がNK-33です。つまり3~40年前に開発されたエンジンで倉庫に150基も放置保管されてました。今でも一流品で今更ひっぱり出してきてそのうち数基は新たなエンジン製造権込みで米エアロジェット社に売却。そのエンジン使って作ったのが民間企業による商用打ち上げロケット、アンタレスです。日本のGXロケット初期案で保管されているNK-33を買い付けて使用する案がありましたが、売買契約を先に結ばれてしまったため断念しています。コンピューターによる設計や解析が遅れていた時代の旧ソ連でこの高レベルは水準のロケットエンジンが作られていたのは凄いと思います。
このNK-33エンジンっていうのは液酸・ケロシンでは世界最高の性能らしいんですが、どうもN-1向けにこれを設計したクズネツォフ設計局のロケットエンジンでは最初の成功した打ち上げだったそうで。おめでとうございます、と言いたいけれども誰が生き残っているんだろう、っていう宇宙開発ならではの悲しみ。
アンタレスの第1段はAJ26-58ではなくAJ26-62ですね。AJ26系はまとめると下のような感じになります。
AJ26-58:K-1第1段の両サイド(NK-33)AJ26-59:K-1第1段のセンター(NK-33)AJ26-60:K-1第2段(NK-43)AJ26-61:?AJ26-62:アンタレス第1段(NK-33)
AJ26-61についてはAIAA-2000-3840 [aiaa.org]に記載があるらしいですが、見れる環境にないので詳細はわからないです。
RD系とかも高性能だもんね。どちらも基本酸素リッチの二段燃焼方式だと思うけど、冶金学が発達してたんで酸素リッチな雰囲気中でも耐える素材により実用化ってことですよね?
なんでソ連って冶金学が発達してたんですかね?
##確かにチタンとかよく使ってるイメージあるけど
>なんでソ連って冶金学が発達してたんですかね?寒い所なんで、低音脆性の関係じゃないかな。
別に寒いとこに限定されてもいないような…
コーカサス地方 [wikipedia.org]とか金属資源が豊富で、歴史的にも古くから金属製品の産地であったようですよ。
材料自体とは違いますが、製鉄の省エネ設備のコークス乾式消火設備(CDQ) [nssmc.com]とか旧ソビエトの技術を導入したものですし、1970年代のソ連の重工業は全体的にレベル高かったんじゃないですか。 # いまだに欧米でもあんまり普及していない省エネ設備をソビエトが最初に作っていたというのは面白い # 例によって普及可能レベルの実用技術に持っていったのは日本ですが
ニコライ2世の頃からの大砲厨なんですよね。
大砲厨といえばピョートル大帝 [wikipedia.org]まで、さかのぼる。
そりゃ金かかってるもの。RD170は試作エンジンを数百機つくって試験してるしな。それだけトライアンドエラーを繰り返せば、難しいものでも実用化できるでしょう。
こんなお買い得品は二度と出ないだろうなぁ。
> 二段式の液体ロケット一段目は液体だけど二段目は固体だよ。
ですね、2段目は固体ロケットのキャスター30です。「二段燃焼サイクルロケットエンジン」と「 二段式ロケット」を混同しているように見受けられる。
タレこみ子です。どこかで全段固体のトーラスIと違って液体、と聞いて何故か全段液体だと勘違いしていました。自分で貼ったソースにも2段目は固体と書いてました。失礼しました。
オープンソースコミュニティかと思った
オープンソースカンファレンス
オペレーティングシステムコマンド
> 米国はちゃんと自立的な輸送能力・有人宇宙飛行能力を確保したすでに無人はFalconロケットとドラゴン宇宙船がある。でも、有人はまだだよ。NASAのオリオン宇宙船が早いか、それともSpaceX社の有人型ドラゴン宇宙船のどちらが先に成功するか?
# なんでこれが「荒らし」モデ?
毎回ISS絡みの話題に(全然内容と関係なくても)湧く、とにかく日本の宇宙開発にケチ付ける人だからじゃないかと。上のコメだって、米国に輸送手段があろうがなかろうが日本独自の技術は必要だよね、とかそういう意見を全部無視して演説してるだけっしょ。
> 米国に輸送手段があろうがなかろうが日本独自の技術は必要だよね、とかそういう意見を全部無視えっ、そんな意見は親コメントのどこに書いてあるの?最初のコメントだから、無視もへったくれもない。
それを言うなら、別に日本のHTVは米国の宇宙機の代替じゃないんだけど、親コメはこのニュースのどこからこんな話持ってきたの?
ISSへの輸送を担っているのは同じだろ。
ISSへの輸送は参加各国が各自で提供することになってる。HTVもシグナスもISSへの輸送を担っているのは同じだが、ISSへの参加国という点ではロシアもアメリカも日本も同格であり。「HTVは米国の宇宙機の代替」なんかではないので、「米国が輸送手段を確保したからHTVはもう要らない」なんて論は意味が通らない。
#それを言い出したら、「ロシアのソユーズ/プログレスがあるから、アメリカのシグナスなんて元々不要だったんだ」なんて主張もできるぞ。
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にわかな奴ほど語りたがる -- あるハッカー
3~40年前のエンジンが今でも一流品 (スコア:5, 参考になる)
第1段エンジンのAJ26-58は液体酸素とケロシンを推進剤とする二段燃焼サイクルのロケットエンジンです。
AJ26-58は米エアロジェット社の型番でそもそもは旧ソ連製NK-33。
NK-33は1960年代末から1970年代初頭にかけてソビエト連邦のクーイブィシェフ・エンジン工場によって開発、生産されました。
アポロの対抗馬、失敗した旧ソ連N-1ロケットのエンジンNK-15の改良版がNK-33です。
つまり3~40年前に開発されたエンジンで倉庫に150基も放置保管されてました。
今でも一流品で今更ひっぱり出してきてそのうち数基は新たなエンジン製造権込みで米エアロジェット社に売却。
そのエンジン使って作ったのが民間企業による商用打ち上げロケット、アンタレスです。
日本のGXロケット初期案で保管されているNK-33を買い付けて使用する案がありましたが、売買契約を先に結ばれてしまったため断念しています。
コンピューターによる設計や解析が遅れていた時代の旧ソ連でこの高レベルは水準のロケットエンジンが作られていたのは凄いと思います。
Re:3~40年前のエンジンが今でも一流品 (スコア:2)
このNK-33エンジンっていうのは液酸・ケロシンでは世界最高の性能らしいんですが、どうもN-1向けにこれを設計したクズネツォフ設計局のロケットエンジンでは最初の成功した打ち上げだったそうで。おめでとうございます、と言いたいけれども誰が生き残っているんだろう、っていう宇宙開発ならではの悲しみ。
Re:3~40年前のエンジンが今でも一流品 (スコア:2, 参考になる)
アンタレスの第1段はAJ26-58ではなくAJ26-62ですね。
AJ26系はまとめると下のような感じになります。
AJ26-58:K-1第1段の両サイド(NK-33)
AJ26-59:K-1第1段のセンター(NK-33)
AJ26-60:K-1第2段(NK-43)
AJ26-61:?
AJ26-62:アンタレス第1段(NK-33)
AJ26-61についてはAIAA-2000-3840 [aiaa.org]に記載があるらしいですが、見れる環境にないので詳細はわからないです。
Re:3~40年前のエンジンが今でも一流品 (スコア:1)
RD系とかも高性能だもんね。
どちらも基本酸素リッチの二段燃焼方式だと思うけど、
冶金学が発達してたんで酸素リッチな雰囲気中でも耐える素材により実用化ってことですよね?
なんでソ連って冶金学が発達してたんですかね?
##確かにチタンとかよく使ってるイメージあるけど
Re:3~40年前のエンジンが今でも一流品 (スコア:2, 興味深い)
>なんでソ連って冶金学が発達してたんですかね?
寒い所なんで、低音脆性の関係じゃないかな。
Re:3~40年前のエンジンが今でも一流品 (スコア:2, 参考になる)
別に寒いとこに限定されてもいないような…
コーカサス地方 [wikipedia.org]とか金属資源が豊富で、歴史的にも古くから金属製品の産地であったようですよ。
材料自体とは違いますが、製鉄の省エネ設備のコークス乾式消火設備(CDQ) [nssmc.com]とか旧ソビエトの技術を導入したものですし、1970年代のソ連の重工業は全体的にレベル高かったんじゃないですか。
# いまだに欧米でもあんまり普及していない省エネ設備をソビエトが最初に作っていたというのは面白い
# 例によって普及可能レベルの実用技術に持っていったのは日本ですが
Re: (スコア:0)
ニコライ2世の頃からの大砲厨なんですよね。
Re: (スコア:0)
大砲厨といえばピョートル大帝 [wikipedia.org]まで、さかのぼる。
Re: (スコア:0)
そりゃ金かかってるもの。
RD170は試作エンジンを数百機つくって試験してるしな。
それだけトライアンドエラーを繰り返せば、難しいものでも実用化できるでしょう。
Re: (スコア:0)
こんなお買い得品は二度と出ないだろうなぁ。
二段式の液体ロケット? (スコア:1)
> 二段式の液体ロケット
一段目は液体だけど二段目は固体だよ。
Re:二段式の液体ロケット? (スコア:2, 参考になる)
ですね、2段目は固体ロケットのキャスター30です。
「二段燃焼サイクルロケットエンジン」と「 二段式ロケット」を混同しているように見受けられる。
Re: (スコア:0)
タレこみ子です。どこかで全段固体のトーラスIと違って液体、と聞いて何故か全段液体だと勘違いしていました。自分で貼ったソースにも2段目は固体と書いてました。失礼しました。
OSC (スコア:0)
オープンソースコミュニティ
かと思った
Re: (スコア:0)
オープンソースカンファレンス
Re:OSC (スコア:1)
オペレーティングシステムコマンド
Re: (スコア:0)
> 米国はちゃんと自立的な輸送能力・有人宇宙飛行能力を確保した
すでに無人はFalconロケットとドラゴン宇宙船がある。でも、有人はまだだよ。
NASAのオリオン宇宙船が早いか、それともSpaceX社の有人型ドラゴン宇宙船のどちらが先に成功するか?
# なんでこれが「荒らし」モデ?
Re: (スコア:0)
毎回ISS絡みの話題に(全然内容と関係なくても)湧く、とにかく日本の宇宙開発にケチ付ける人だからじゃないかと。
上のコメだって、米国に輸送手段があろうがなかろうが日本独自の技術は必要だよね、とかそういう意見を全部無視して演説してるだけっしょ。
Re: (スコア:0)
> 米国に輸送手段があろうがなかろうが日本独自の技術は必要だよね、とかそういう意見を全部無視
えっ、そんな意見は親コメントのどこに書いてあるの?
最初のコメントだから、無視もへったくれもない。
Re: (スコア:0)
それを言うなら、別に日本のHTVは米国の宇宙機の代替じゃないんだけど、親コメはこのニュースのどこからこんな話持ってきたの?
Re: (スコア:0)
ISSへの輸送を担っているのは同じだろ。
Re:HTV, H2B (スコア:1)
ISSへの輸送は参加各国が各自で提供することになってる。
HTVもシグナスもISSへの輸送を担っているのは同じだが、ISSへの参加国という点ではロシアもアメリカも日本も同格であり。「HTVは米国の宇宙機の代替」なんかではないので、「米国が輸送手段を確保したからHTVはもう要らない」なんて論は意味が通らない。
#それを言い出したら、「ロシアのソユーズ/プログレスがあるから、アメリカのシグナスなんて元々不要だったんだ」なんて主張もできるぞ。