臨床医療向けの論文なので患者patient とありますが、この記事の性質上、IPS細胞由来の胚に人権が付与された段階で”患者”に相当するはずです。 その胚に対し、 > Nonmaleficence is the obligation of a physician not to harm the patient. This simply stated principle supports several moral rules − do not kill, do not cause pain or suffering, do not incapacitate, do not cause offense, and do not deprive others of the goods of life. が適用されなければなりません。
倫理の基準がよくわからんな (スコア:1)
iPS細胞レベルの話で言うところの生命倫理ってなにを基準に線引きしてるんだろう。
人体実験で普通に生を受けた人間に何か害を及ぼす、とかならまだ厳しく制限する理由になるかもしれないが、体外受精がOKでiPS細胞がアウトになる理由って何?
昨今のLGBTとかの風潮を考えるなら、むしろ一刻も早く研究を進めるべき、みたいな論調になっても良いと思うのだけど。
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
Re: (スコア:0)
> 体外受精がOKでiPS細胞がアウトになる理由って何?
プログラミングでいうバグみたいなことが起きるリスクが高い点でしょうか。
不妊の原因が染色体へのダメージの可能性が高いとも聞いたことがあります。
体外受精をする際にある程度選別することで、染色体のダメージがある程度少ない組み合わせを選別しているのだとは思いますが、IPS細胞を使った場合もっとダイナミックなことをやることになるので、人智を超えた想定外の働きが起きてもおかしくないと思います。
何がどう想定外の動きか説明せよ、と言われると困りますが、遺伝子本体ではなく、遺伝子の修飾(例えばメチル化みたいなものや細胞内間質のような遺伝子ではなく遺伝子の働きを変えるもの)だとかが未知ではないかい、というところと思います。つまるところ、エピジェネティクスな問題が起きそうだ、ということです。
Re: (スコア:0)
それは倫理の問題なのか?
Re:倫理の基準がよくわからんな (スコア:0)
はい、医療従事者ではありませんが私はこれは倫理問題と思います。
医療の倫理medical ethicsの一つに無加害non-maleficenceがあります。
人権の適用開始地点が受精したタイミングなのか、連続的に細胞分裂を始めた時か、桑実胚になった時か、着床した時か、着床後何日目か分かりませんが、胚の特性上その定義自体が倫理問題となりえる(なっている?)部分と思います。
つまり、(発生後、どこかから)人権が発生する胚に対しても無加害の原則を適用する義務が発生するように思います。無加害の原則が制定されたときにIPS細胞のことまで想定されていなかったはずですが、今は今生きる人間がその原則を拡張して考えなければならない(適用可否が問われている?)状況にあるわけです。
参考:アメリカ国立衛生研究所の無加害の原則の定義の説明をする論文へのリンク
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7923912/ [nih.gov]
臨床医療向けの論文なので患者patient とありますが、この記事の性質上、IPS細胞由来の胚に人権が付与された段階で”患者”に相当するはずです。
その胚に対し、
> Nonmaleficence is the obligation of a physician not to harm the patient. This simply stated principle supports several moral rules − do not kill, do not cause pain or suffering, do not incapacitate, do not cause offense, and do not deprive others of the goods of life.
が適用されなければなりません。
胎児に至るまでに起きうる致死的な遺伝情報の損傷から始まり、正常に成長して出産まで至った場合に未知の問題が起きえないか、そういう話にも繋がってきます。
例えば、IPS細胞由来の胚から発生した胚を着床させ出産に至った場合、エピジェネティクスな問題によって発癌リスクが通常の発生と比べてリスクが10倍だとかそういう可能性があるわけです。リスクがない(もしくはそのリスクよりもIPS細胞由来の胚から子供が生まれた方が倫理的なメリットが大きいのであれば以下略)という話になります。
こういったリスクマネジメントと倫理、科学のせめぎ合いのための話し合いを深めましょう、というのが今の医療倫理のあり方だろうと思います。
Re: (スコア:0)
また追補
Offence するな、ともあるので、仮にその胚から生まれた子供が社会的に不利益に立たせるようなことはあってはならない、というふうにも見えますね。
超成熟した人間社会であれば問題ないかもしれませんが、少なくとも現在の状況からはとても問題ないとは言えなさそうです。
その超成熟した人間社会に向かうにはみんなで話し合う必要があり、その結果、IPS細胞由来の胚を着床させることが倫理的に良いのか悪いのかその時までわかりません。
Re: (スコア:0)
さらに追補
という感じで、
- 着床できる可能性のある胚をどこまで人間として見る
- IPS細胞由来の胚は由来以外は通常の胚と変わらないのにモノ扱いか、未分化な細胞と見るか、人間とみるか
みたいな話と思います。
人間や通常の胚として見るなら生命倫理の在り方論みたいな話と多分直結です。先の私の投稿に戻ります。
ないとは思いますが、仮にモノとして見るのであれば倫理論の外側の話になります。
その線引きを始めましょう、という記事でしょうか。
Re: (スコア:0)
実際の妊娠で中絶が認められる段階まで育ってなければモノ扱いにしないと、現在の制度との整合性がとれないと思うが。
Re: (スコア:0)
母体保護法第十四条 中絶の可否は書いてありますが、胎児の人権は書いてませんね。
刑法二十二条(からしばらく似た条項) 堕胎罪 ※法的には胎児は人ではなく母体の一部みたいです
みたいな感じで、胎児(胚)は割と法的にフワフワ浮いている状態っぽい(あえてそうしている?多分医師会に委ねている)気がします。
多分ここから先はまた倫理問題に戻るように思います。