空中分解したコロンビア号の実験データ入りハードディスクを復元 37
2年ぶりの科学ミッションの成果 部門より
capra 曰く、
本家記事より。2003年にスペースシャトル・コロンビア号が帰還飛行中に空中分解した事故の後、機体の残骸は数ヶ月に渡って捜索・回収されました。その中には、ミッション中に行われた微小重力下におけるキセノンの動きの実験データが保存されたハードディスクも含まれていました。
空中分解によって高度3000mから地上に叩きつけられた、Seagate社の400MBのハードディスク(Block&Filesの記事やScientific Americanの記事内に写真あり)のデータリカバリは、米ミネソタ州のKroll Ontrackによって行われ、ディスク内の90%のデータを復元することに成功したそうです。
その後、数年に渡って研究は続けられ、実験データの分析結果をPhysical Review Eの4月号にて発表するに至ったとのこと。
高空から落下してもデータは復元できるということらしいので、データ削除の際はご参考まで…。
行なわれた実験については、SCIENCE@NASAの記事が参考になる。
復元された実験データは、STS-107で370時間行なわれた、Xeが臨界点付近で示すshear-thinning(剪断速度の増加に伴って粘性が非線形的に減少する流動特性)を計測するCritical Viscosity of Xenon-2 (CVX-2)のもの。地上では重量から生じる圧力によって臨界点からずれてしまうため、この実験は微小重力下で行う必要があった。
shear-thinningは、潤滑油、プラスチック射出成形、インクジェットインクなどで重要な役割を担う。基本的なモデルが単純な気体であるXeで確認されることは、これらの分野にとっても有用である。
なお、もともと実験データの85%はミッション中に地上に送信されており、残りの15%もその多くが、各所に点在する計測点1, 2個程度の欠落ではあったらしい。
ディスク (スコア:2, おもしろおかしい)
航空宇宙原子力産業向け価格? (スコア:1, 興味深い)
さすがに、再度実験するよりは安いのでしょうが、
一般企業向けにサービスされているものだと10万円の単位の金額ですけど、
いかほどだったのでしょうか?
また、良く、心臓ペースメーカなどの高度医療機器、航空機航行/管制関連、原発などへの
利用に際しては、「特別仕様」として価格も特別になっているディバイスが多いですが、
今回もそうだったのでしょうか?
大気圏再突入での振動については想定された設計だったでしょうから
損傷も思ったほどはなかったのでは?
#あ”〜、今日で休みも終わりだぁ。
Re:航空宇宙原子力産業向け価格? (スコア:4, すばらしい洞察)
だからかかった費用を丸ごと請求しているわけじゃないでしょう。
逆に言えば「実際の復元コスト」は非公開ということも考えられますね。
うじゃうじゃ
Re:航空宇宙原子力産業向け価格? (スコア:1)
以前はディスク容量x何万円とかで、あっという間に数百万円の
見積もりになったのですが、最近は30万円もあればお釣りが来るんですね。
技術の進歩は素晴らしいなぁ。
後一桁安くなれば、バックアップの必要もなくなるのに。
Re: (スコア:0)
・100%復旧できるとは限らない
・復旧作業の間使えない(たとえ数時間で復旧できても業務によっては致命的)
もちろんクリティカルな業務用途であればHDDの1本や2本飛ぼうが支障ない構成にするでしょうが・・・
ハードディスクなのか (スコア:1)
やはり記憶容量という点からハードディスクが選ばれていたんでしょうかね?
宇宙だとむしろハードディスクよりもSSDの方が影響を受けやすいのかな?
船外ならまだしも船内だと無重力であるということ以外の宇宙線などの影響は無いのでしょうね.
このハードディスクは無重力での稼働を想定した特別製だったのかな.
地球上で使っているハードディスクだって縦でも横でも裏返しでも使えるから
重力の向き(と有無)はそもそも関係ないのか.しかしHDDってすごいよなぁ.
恥ずかしながらいまだにヘッドとディスク表面の距離が数nmに保たれていて,
しかもそこそこの加速度をかけつつドライブを移動してもディスク表面と
接触しないというのが実感わかないんですよ・・・・・ディスク回転によって
生ずる風圧って言われてもなぁ.
屍体メモ [windy.cx]
ソフトエラー (スコア:1, 参考になる)
宇宙線の影響によるビット反転などの問題があるから、メモリはいろいろ厄介なはず。
参考:2008 IRPSレポート【ソフトエラー編】メモリで複数のビットが反転するソフトエラー [impress.co.jp]
Re:ハードディスクなのか (スコア:1)
そう言えば気圧も低いかも。
その代わり無重力(或いは微少重力?)なので、もとより重力による接触のリスクは低いのか。
Re:「縦でも横でも裏返しでも使えるから」 (スコア:0, おもしろおかしい)
コメントしてやんないもんね、フンだっっ!
Re: (スコア:0)
Re:「縦でも横でも裏返しでも使えるから」 (スコア:1)
Re:「縦でも横でも裏返しでも使えるから」 (スコア:4, おもしろおかしい)
Re: (スコア:0)
モデレートできないのでコメントで
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
船内でも宇宙線たっぷり。
> 地球上で使っているハードディスクだって縦でも横でも裏返しでも使えるから
保証されていない向きには注意しましょう。
> しかもそこそこの加速度をかけつつドライブを移動してもディスク表面と
> 接触しないというのが実感わかないんですよ・・・・・
上で保証とか言っといてナンですが…
捨てる前のHDDの蓋を開けて使ってみるとよろし。
意外と頑丈。多少の埃もなんのその。アームに触れたってリトライで解決。
Re:ハードディスクなのか (スコア:1)
復元できなくなるまで破壊するのって大変なんですよねえ。
#物理的に破壊するより消去ソフト使ったり高磁力にさらす方が楽か。
復元できなくなるまで破壊 (スコア:0)
http://srad.jp/apple/article.pl?sid=07/11/29/2122207
に紹介されている事例にぶち当たって、日本のオントラックでも復旧不可と言われたことがあります。
MacBookではありませんが、同じ型番のHDD(これまたSeagate)を内蔵してた他社製ノートPCです。
上記記事が「MacBookに搭載の~」となっていなければ事前に気付いていたかも
なんて思ったりもしました。
Re: (スコア:0)
>やはり記憶容量という点からハードディスクが選ばれていたんでしょうかね?
宇宙方面の技術はリスクを極力減らすという観点からもびっくりするほど枯れた技術が
採用されることが常っぽいのでSSDが使われることはしばらくは無いんじゃないでしょうか
ガラス基板じゃなかった?あるいは割れなかった? (スコア:0)
思ったので。あるいは書き込み密度がまだまだ
低かったので割れたガラス基板を並べてその上を
ピックアップコイルでなぞったらなんとかなった、
とか?
Re:ガラス基板じゃなかった?あるいは割れなかった? (スコア:1)
ちゃんと防護してあれば不稼働時の耐衝撃性はかなりな物ですよ>HDD
あと万が一のために過剰な防護を施したあったとか。
Re:ガラス基板じゃなかった?あるいは割れなかった? (スコア:3, すばらしい洞察)
いくら5年前とはいえ、普通のHDDだったとは思えません。
Re:ガラス基板じゃなかった?あるいは割れなかった? (スコア:5, 参考になる)
コロンビアが生まれてからそれなりの時間も経ってましたし、データロガーは使いまわししてたとか。
写真を見る限り長い方が4インチ前後なので2.5インチのHDDで3プラッタ4~6ヘッドのようです。
容量がちょっと減って340MBですがST9385AG [seagate.com]がそれっぽいです。
もしくはその上位のST9550AG [seagate.com]のカスタム品かより少し新しい機種辺りかも。
Re:ガラス基板じゃなかった?あるいは割れなかった? (スコア:3, 参考になる)
プラッタは3枚のようです。
# 割れてない!!
2003年初頭で我々が普段使っているHDDは80GB~200GB程度だった [impress.co.jp]
ようなので、3枚で400MBというのはかなり特殊な造りだったのでしょう。
真っ先に (スコア:2, 興味深い)
Re:ガラス基板じゃなかった?あるいは割れなかった? (スコア:1)
15年くらい前なら、最大容量クラスかも
"きぼう"も、製作開始から打ち上げまで10年でしたっけか?
余り民生品は使わない分野でしょうから、確かに特殊品である可能性もありますね
Re: (スコア:0)
日本実験モジュール“きぼう”の開発(PDF) [mhi.co.jp]では、設計フェーズは1990年から開始ですし、ISSの概念設計が始まったのは1984年だったかな?その頃から日本は参加してたので、10年どころの期間じゃないはず。
Re: (スコア:0)
ですね、すげージャンク品をメーカーが騙して納品したとしか思えません。
こんな事で目録と納品物の違いがバレるから怖い…(冗談ですよw)
Re: (スコア:0)
今でもサーバー用途に使われるHDDは、そこらへんで数千円で売ってるものとは違いますよね。
Re: (スコア:0)
わけではなく、特殊な機材で基板表面を走査してビットを拾ったんではないですかね?
割れにくい材質を選定したとは思いますが、いくらなんでも変形しただろうし、
通常の利用が可能な形に留まったとは思いにくいですし。
3000m? (スコア:0)
そんな低いところで爆発したんだっけ?
Re:3000m? (スコア:1)
外形が残ってただけでもびっくりなのに…
Re:3000m? (スコア:1)
地上に到達したときの速度に違いは無いのではないでしょうか?
Re:3000m? (スコア:1, 参考になる)
アンナ硬くて重いものが。。。 (スコア:0)
無駄な努力を。。。 (スコア:0)
それとも何か大気圏突入時のデータとかどーしても必要なデータでも入れてたのかねぇ。
Re: (スコア:0)