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バイオテック

培養ラットの脳細胞を組み込んだ自律ロボット 31

ストーリー by hylom
バイオコンピュータも現実のものに 部門より

mari-nyan 曰く、

YOMIURI ONLINEより。

英レディング大が「ラットの脳細胞から出る電気信号によって、障害物を避けながら動くロボットの開発に成功した」と14日発表したとのことです。動画はこちら(youtube・音注意)

ロボットというか既にサイボーグネズミのような気もしますが、培養脳細胞ではなく脳味噌そのままをロボットへ組み込める日も近いのでしょうか。

レディング大学のニュースリリースによると、細胞によって生成される電気信号をピックアップする「multi electrode array」(MEA)という素子の上に、培養したニューロンを配置したものを「脳」として使用し、ロボットの動きをコントロールさせたそうだ。具体的には、ロボットが障害物に近づいた時はMEAを通じてある種の信号を「脳」に伝え、また「脳」の出力によってロボットのホイールをコントロールできるようにしたところ、最終的には障害物を避けるようにロボットが動くようになったそうだ。

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  • by Hatris (33732) on 2008年08月16日 6時11分 (#1404635) 日記
    ロボットと言われてる物の姿は、最近の二足歩行ロボットの影にすっかり隠れてしまったように思える、懐かしのマイクロマウスそのものですねえ。
    駆動系も単純だし、センサーも4方向の超音波センサーだけのようです。

    動画を見てわかったことは、
    ・基本的に直進する
    ・MEAから何らかの信号を受けて、(約)90度回転する
    ってだけです。
    しかも、この動画の中では右回りしかしていない。

    MEAとのI/Oはアナログ(電圧の変化)で行われていると思うのですが、MEA&脳細胞が無くても抵抗1本あればこれと同じ動作はさせられるんですよ。
    まぁ実際に使用した回路を見ていないので、全ては憶測ですけどね。
    超音波センサーからの測長信号が4点MEAに入力され、右回り・左回り指示用の信号がロボット部に向かって出力されるように繋がれていたとしたら、動かしている(電流を流している)うちに、前側のセンサー入力と右回り指示出力間に程よい抵抗成分を持った接続ができたと。

    きっと超音波センサーからの信号は壁との距離が短くなると共に電圧があがるようになっているんだと思います。
    初めは入力->出力への電気抵抗が非常に大きかったものの、電流は流れる先がなければ流れないですから、流れる先のある出力方向に向かって流れているうちに、程よい量流れるようになっただけじゃないでしょうかねぇ。

    実験の最初の頃の挙動とかも見てみたいんですが、障害物を避けるって言っても、壁の間際でターンするだけじゃあ脳が何かしてるぞ! なんてレベルとは思えないんですけどね。
    壁にぶつかったことが脳細胞に対して知らされているかもわかりませんし。
    もっと長期的に動かしていたら、その場でくるくる回るだけになるんじゃないですか?これ。

    左右輪を独立して脳細胞から動かすようになっていて、直進すらできなかったものが、動かしているうちに直進できるようになったり、障害物の周囲をくるっと回るようになったり、バックしてみたり、なんて動きができるようになるのであれば、おお脳すげー、って思うのですけど。
    現状では、子供だましにしかなっていないと思います。
    • コンピュータで脳細胞を真似たプログラム、パーセプトロンやニューロマシンでは、どのような規則で学習させるかが、大きな問題だったように思う。 本などで読んで考えて、自分が思ったのは、「今回は成功だったから、今までの神経細胞の結合を強化しよう」か、それとも「今回は失敗だったから、別の神経細胞と結合するようにしよう」といった、肯定的な学習と否定的な学習のスイッチとなる脳全体に浸透するホルモンがあるのではないかと推測した。 残念ながら、そのアイデアをどうやって、シミュレーションプログラムにしたり、実験するか、分からなかったので放置していたが、これを機会に誰か、調べてくれたら嬉しい。
  • by argon (3541) on 2008年08月16日 10時01分 (#1404673) 日記
    BigDog [srad.jp] の制御に使ったりすると、倫理感を激しく刺激しそうです。
  • 積層ネズミ脳・・・。
    実環境に使えるところが昔の記事のもの [srad.jp]より、
    更に素敵ですね。
  • つまり、特定の身体に特化して脳や脳細胞があるわけじゃなくて、
    あくまで「汎用の意志決定機関」を構築するための素材として脳細胞があり、脳として機能する、と。

    これって、考えれば考えるほど、すごく神秘的な感じがします。

    脳細胞に実装されているのは、無限の可能性を秘めた、万能の知能の原理というか・・・。
    それが些細な制約などものともせず学習してゆく様子は、自分の頭蓋骨の中にもそういう
    モンスターがたくさん詰まっているんだってことと合わせて考えると、
    なんだか素敵で不思議でSFな気分になれたりするわけで。

    ロボットの時代 [amazon.co.jp] はやくこい。
    • by Y.. (7829) on 2008年08月15日 20時02分 (#1404395) 日記
      極端な話、俺らの脳みそもそんな感じでできてるわけだから
      手頃な神経に何かのセンサー繋げばそのうちその信号を感覚として捕らえられるようになるし
      手頃な神経に何か…腕でもタイヤでも翼でもドリルでも繋げばそれをコントロールできるようになるってことだよね?
      親コメント
      • by Anonymous Coward
        >手頃な神経に何か…腕でもタイヤでも翼でもドリルでも繋げばそれをコントロールできるようになるってことだよね?

        生まれたときから付いているドリルさえ満足にコントロール出来ていないのに・・・。
    • 「memristor」で同じ事が出来ると思う?
      出来るとしたら、そこに存在するものは「何」?

      下等な有機生命体が自立的に動いていても不安はないのだけれど
      これは「生存の為のエネルギー」を求めて動いているわけじゃない …

    • by Anonymous Coward
      ほんと、培養された一部分だけでも
      (どのくらいのサイズに成長してるのかは、わからないないけど)
      学習能力を発揮できるんだという、とってもすてきな研究ですね。
  • --

    ------------
    惑星ケイロンまであと何マイル?
  • by baku3393 (32616) on 2008年08月15日 20時58分 (#1404429) 日記
    ・近くにチーズがあるとそちらに向かってしまいます。

    ・ネコがいると逃げていってしまいます。

    V1.1にて修正予定?

    --
    ---- ばくさん!@一応IT土方
  • by opanpo (36109) on 2008年08月16日 2時45分 (#1404608)
    自分の倫理観が苛まれる。
  • ショット・ウェポンかと思いましたよ。

    あとはスルー^h^h^hオーラちからを呼び込めば。

    #なんで富野節って敵側がこんなに素敵なんだろう
  • by Anonymous Coward on 2008年08月15日 17時30分 (#1404285)
    ネットワークパケットなら何年も前から自律的に衝突の回避が出来てる [ietf.org]のにねぇwww
    • by Anonymous Coward
      >ネットワークパケットなら何年も前から自律的に衝突の回避が出来てるのにねぇwww

      RFC-1149 衝突回避駆動系と衝突回避判断系が分離できていませんが
      今回のタレコミにおいては、その両者を別立てで用意できたことが
      それぞれ、別々に改良が可能という点において優れていると評価できるかと思います。

      # 逆にこの技術で、ルーティングとか。
  • by Anonymous Coward on 2008年08月15日 19時04分 (#1404345)
    ラットを培養したものの脳を使ったんじゃなくて
    ラットの脳細胞の一部を培養して利用したように読めるが。
    それが障害物をよけるのに関連する部分かどうかも関係なく
    ニューロン(線形閾値素子)として使っただけなような。

    なまじ本物を植えつけているからセンセーショナルだけど
    科学の啓蒙にはちょっとマイナスな部分も多いんじゃないかな。
  • by Anonymous Coward on 2008年08月15日 20時05分 (#1404398)
    NewScientistの記事 [newscientist.com]には、やったことと何が起こったかがそれなりに書いてあると思います。

    でも、読解力不足か、よく分からなかったのですが、神経細胞が記憶して学習した、のですかね、これ。
    「はじめは障害物にぶつかる回数が多かったけど、(編集者の追記にあるように)最終的には障害物を避けるようにロボットが動くようになった」、と書いてあればよかったのですが、そのような部分はなく、作ったロボットははじめから障害物を避けた、と書いてあるように読んでしまいました。
    私の読み方が正しければ、神経細胞網は、壁センサーから入った「電気刺激に対してただ反応してるだけ」、のような気がする。
    ということは、このニュースのすごいところは何だろう?
    神経細胞網からの反応を関知して進行方向を変える装置を作ったところ?
    それで「provides insights into how the brain works」はどうなんでしょう。

    反対に、神経細胞が学習したのなら、なぜ障害物を避けるような学習をしたんでしょうか。
    素人考えでは、刺激がたくさん入るように、障害物によりぶつかっていくような学習をしてもいいんじゃないかと思うんですが。
    壁センサーからの刺激が細胞を殺してしまうほど強いものだったりしたら、それを避ける方向でもいい気がしますが、刺激の詳細についてはあんまり書かれていない…。

    • by the.ACount (31144) on 2008年08月18日 12時46分 (#1405331)
      人工的回路で簡単に出来ることを、培養脳細胞を素子に使うことが出来ただけじゃない?
      でも、簡単な学習回路は容易でも、複雑にすると学習効率が極端に落ちて使い物にならないと言う壁があるから、本物の脳を作るのは道遠しだね。
      --
      the.ACount
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2008年08月15日 21時47分 (#1404453)
    魂というか意識を持ってたら
  • by Anonymous Coward on 2008年08月16日 10時42分 (#1404686)
    視野に入ってきちゃうのかな?
  • by Anonymous Coward on 2008年08月16日 16時06分 (#1404780)
    『カレンデバイスを入手しました…ストックします』
  • by Anonymous Coward on 2008年08月17日 7時30分 (#1405003)
    SETIに組み込まれて先制攻撃しまくり
  • by Anonymous Coward on 2008年08月17日 11時38分 (#1405036)
    心をもつ最新式のコンピューターは少年と大のなかよし。
    大嫌いな飼い犬のイタズラで修理に出されてしまうと、
    その工場には一匹のネズミと、自分と同じコンピューターがたくさんいました。

    #夕方が怖くてやけになりました。
  • by Anonymous Coward on 2008年08月17日 18時11分 (#1405130)
    こういうのを聞くと自分が脳を行使してるのか、脳が(養分を摂取するために)自分を行使してるのか混乱してしまう。
    脳∈自分なんでこの考え方がまず不合理ではあると思いますが。
typodupeerror

人生unstable -- あるハッカー

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