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40683 story

ファストフードは何からできている? 84

ストーリー by hylom
まじめな研究です、 部門より

insiderman 曰く、

ナショナルジオグラフィックの記事によると、「ファストフードの大半はトウモロコシ由来」という調査結果が明らかになったそうだ(米国科学アカデミー紀要(PNAS、The Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)掲載の論文)。

これを聞くと一瞬、「トウモロコシから合成肉を作る」という話を想像してしまうがそうではなく、たとえばファストフードで使われている牛や鳥の餌にはトウモロコシが使われており、また調理に使用する油もトウモロコシ由来のものが使われている。トウモロコシは「13C」という炭素の同位体をほかの植物よりも多く含んでおり、その痕跡を追うことで、提供される牛肉や鶏肉がトウモロコシを餌にしていたかを調べることができるという話らしい。

この論文では、マクドナルドやバーガーキング、ウェンディーズといった米国のファストフードチェーンで提供されている、480以上のハンバーガーやチキンサンド、フライ類といったファストフードの化学組成を調査しており、先に挙げた13Cのほか、窒素の同位体15Nも使って「どのような由来の食材を使っているか」を調べている。たとえば、サンプルのうち12の牛肉だけが、13Cの含有量がほかと異なっており、ここから該当のハンバーガーが外国産の牛肉を使っている可能性を推測できるそうだ。

また、ウェンディーズではフライにコーン油だけを使っているのに対し、マクドナルドやバーガーキングではほかの植物油が多く利用されている、といったことも分かったそうだ(Scientific Americanの記事)。

この調査は、単にファストフードで使われている食材がどのようなものかを示すだけでなく、トウモロコシに依存している米国の農業・畜産業の構造を示す点で有意義とのことだ。日本でも同様の調査を行ったらどのような結果が得られるか、ちょっと興味深い。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by k3m (12461) on 2008年11月18日 12時35分 (#1457469) 日記
    ゴルゴ13の害虫戦争 [google.com]でまさにファストフードがトウモロコシ主体であることが説明されていました。
    連載は1999年10月
    • by Anonymous Coward
      リンク先、違法サイトじゃないのかね?
  • by manmos (29892) on 2008年11月17日 17時50分 (#1457041) 日記
    先日(11/15)の放送で、食物連鎖をC13/N15で探る研究の紹介をしていました。
  • 日本の場合 (スコア:3, 興味深い)

    by n_ayase (36873) on 2008年11月18日 12時31分 (#1457463) ホームページ 日記

    トウモロコシに依存している米国の農業・畜産業の構造を示す点で有意義とのことだ。

    と対比させるなら、日本の場合、「何からできているか」よりも「海外産の品物に依存している割合」を調査したほうが有用な気がします。

    # なんかもう凄い数字になりそうな気がしますが
    # というか自給率が低すぎるのは周知の事実だから今更調査する必要もない?
    --
    神社でC#.NET
    • by Anonymous Coward on 2008年11月18日 12時49分 (#1457482)
      http://www.farm-biz.co.jp/images/pdf/200810.pdf [farm-biz.co.jp]

      (1)食糧自給率の計算は日本の農水省が勝手にやっているもので、国際的な標準などはない。
      (2)「カロリーベース」の計算方法も恣意的なもので、農水省は計算方法を公開していない。
      (3)食糧自給率は計算の結果であり、その向上が政策目標となるような性質のものではない。
      (4)食糧自給率(の向上)を課題として持ち出してくるのは、旧来の農業政策の延命を狙うものである。


      #引用だけなのでAC
      親コメント
      • 踊らされてるのは誰? (スコア:1, すばらしい洞察)

        by Anonymous Coward on 2008年11月18日 12時53分 (#1457488)
        そのリンク先がデタラメでない保証は?
        親コメント
        • by digoh (17917) on 2008年11月18日 13時24分 (#1457510) 日記
          「デタラメに踊らされないように」じゃなく「こういう話もあるよ」という話題提供だったらいいのにね。
          何かを「デタラメ」とか言い出す意見って、受け取り手は信憑性を疑い身構えちゃうから。(ソースの信憑性とは無関係に)
          親コメント
          • つまり (スコア:2, おもしろおかしい)

            by Anonymous Coward on 2008年11月18日 13時45分 (#1457522)

            ご一緒にURLはいかがですか?

            といえばよかったと

            親コメント
          • by Anonymous Coward
            加えて、文章中に「汚名挽回」と書いてあるのは減点対象ですね。
            まともな文章力のある人の目が通っていないということですから。
    • 仮想水 (スコア:2, 参考になる)

      by oh (11411) on 2008年11月18日 15時20分 (#1457611) 日記
      仮想水 [wikipedia.org]なんて考え方もあるけど、試算に恣意が入りそうですね
      親コメント
    • by bero (5057) on 2008年11月18日 12時47分 (#1457478) 日記
      肥料や飼料の原料、農業機械の燃料(石油)が海外依存なのでたぶん100%
      親コメント
    • by Anonymous Coward
      「低すぎる」というのはどのような基準で判定しての事?
      日本は国土が狭くて人口が多いんだからさ、強い方向に集中するしかないでしょ。

      人を減らして、今の豊かな生活レベルを放棄するんなら可能かもしれんが・・・。
      • by Anonymous Coward
        > 日本は国土が狭くて人口が多いんだからさ、強い方向に集中するしかないでしょ。

        そうなのだが、安全な食物を輸入するための担保が何も無いのが不安のもと。
        軍事力と外交力がもっとあればいいと思うけどね。
        その辺にアレルギーのある人は、内向きに考えるんだろうな。
        • by Anonymous Coward
          なんでもかんでも外圧の言いなりになって食料安全保障考えずに
          開放してきた結果がこれじゃないの?
          軍事力はともかく外交力にアレルギーのある人なんているの?
          • by Anonymous Coward on 2008年11月18日 13時11分 (#1457500)
            むしろ逆、開放が遅れたぶん競争力が落ちただけ。

            50年後に自由貿易協定なしで国家が対等に経済に組み込まれる可能性なんてゼロに近い。
            それなら、早めに開放すればするほどショックなしで競争力をつけられるはずだったのに
            それを遅らせて保護しまくったからいまだに前世代的な小規模農業しかやれない国なのさ。

            効率悪い農業続けたあげくに人手不足とかいいはじめたらもう救いようがない。
            工業製品の製造と同じ貨幣価値の中で成長してきた国と、工業製品よりはるかに過保護に
            された日本の農業が張り合えるわけがない。

            親コメント
            • by ogino (1668) on 2008年11月18日 22時24分 (#1457911) 日記
              • 関税は低くさせるが補助金で競争力を持たせるアメリカのような国と競争しろ
              • 耕地面積が狭いから効率が悪いと言いつつ減反は強制して耕地を削る

              など、そう単純な話ではありませんが。だいたい日本の農家が楽しているなんて実態を知らないとしか思えません。時給256円が179円に下がった(農水省統計情報部が赤旗に回答) [jcp.or.jp]なんて信じがたい酷さです。

              そもそも世界的に見れば食べ物は不足しているのです( [reuters.com])。日本が農業をないがしろにしても、今のところ食べていける(輸入できる)のは経済的な格差のおかげです。しかし、産業がこの先ずんずん空洞化していけば、きっと多数の日本人は派遣斡旋待ち状態で年収百数十万となって、不作の年には円相場しだいで文字通り食えなくなってしまいますよ。

              農業は工業よりも遥かに命に直結しています。工業と違って簡単に生産を増やすことはできませんし、生産を安定させることにも限度があります。田んぼをつぶせば水資源から無くなってしまいます。がんばっても天候が変わるわけではありません。天候により出来不出来があることを前提として米なんか余るときには余らせれば良いのです。余った米もきちんと国家が買い取れば、現物による援助先に事欠くことはありません。日本企業が受注することをあてにした「援助」とか日本企業進出用インフラ整備「援助」とかよりもずっと良いと思うんですが、やっぱり命より金ですかね。

              # フレームの元か…

              一方で、農業=農家という日本の構造はなんとかならんのかと思います。おかげで未だに結婚が家業と連動してしまい農家を継ぐなら結婚できないという非人間的な(前時代的なというべきか)選択が待っている。(他の職業では人間と結婚するが農業では農「家」と結婚する感じ?) 農業振興=農家保護では農業に興味がある人が参入できないし、農家を継ぎたくない人が農業つぶしという後ろめたさを背負い込む。農地をはじめとする生産手段が個人所有(実際は家所有)から法人(事業組合とか会社とか:既存の農協は農家から構成されているので農家と競合できない)に移行できないと日本の農業には展望がない気がします。

              親コメント
              • by CowardDuck (25674) on 2008年11月18日 22時37分 (#1457917)
                >(農水省統計情報部が赤旗に回答)

                「農水省」がいってるという段階でホンマかいなと思う今日この頃。

                # 農水省に限らず、役人の言ってること全般がそうなんだが。
                親コメント
            • Re:日本の場合 (スコア:1, すばらしい洞察)

              by Anonymous Coward on 2008年11月18日 13時49分 (#1457526)
              でも保護しなかったら今頃完全にダメになっていて
              国産は本当に超高級品で金持ちしか買えないってことになっていた可能性だって
              あると思うんだけどどうなんだろう?

              外国の安いものに負けないように保護政策ではなく
              あえて解放を選んだ農業に条件的に不利な国って存在するのかな
              日本みたいな条件で大規模化・法人化をすすめたとしても勝てるのかね

              別に保護政策を擁護しているのではなく純粋な素人の疑問として
              親コメント
            • Re:日本の場合 (スコア:1, すばらしい洞察)

              by Anonymous Coward on 2008年11月18日 15時06分 (#1457600)
              日本農業は条件的に単純に安価を目指す価格競争という言う意味での競争力は無理。
              基本的な食材で競争力がつくというのは夢物語です。
              どこに大規模化によるコストダウンのための平地がありますか?ないです。
              アジア他国なみに安い人材がどこにいますか?ないです。
              研修という欺瞞で安く人間をアジアから買ってくるよりほかないです。

              安い人材、単位面積あたりの効率がおちようが気にならない広大かつ均一な農地。
              これに対して、保護しなければ競争力がついただろうと言うのは、一種の夢物語ですね。

              もちろん、そういういい条件が整った国は農産物の自由貿易を望むでしょう。必ず勝てますから。
              輸送コストの驚異的な上昇と行った要因のないかぎり、これは変わりません。

              工業で金を稼ぐことを選んだのなら、国内食料生産をどの程度確保しておくかは安全保障、食料確保etcの絡んだ選択問題です。
              親コメント
              • by Anonymous Coward on 2008年11月18日 15時21分 (#1457614)
                大規模化というと聞こえが悪いけど、競争力の低い会社が合併するなんてのは
                商業の世界では普通なのだし、農業に限ってそーゆー方向を取らせなくしたのは
                失敗と言えなくもないんじゃないかなー、とは思うけどね。
                親コメント
          • by Anonymous Coward on 2008年11月18日 13時40分 (#1457518)
            外交力の裏付けにはカネとかもあるがやはり軍事力がものを言うわけで、
            軍事アレルギーだとすでに両手両足縛られているような状態だ。

            規制緩和もかまわないが、安全じゃないものとか
            まずいものを「そんなのいらねーよ」って言えないのが問題。

            一方で、日本の農業が過保護でもかまわないとも思うけどね。
            国土にあった形態を持続可能なかたちで模索して欲しい。
            里山や田畑はある程度維持していくべきだと思う。

            あと、アメリカとかでよくある超大規模農場とかが、持続可能かどうかはかなり疑問だな。
            親コメント
          • by Anonymous Coward
            > 軍事力はともかく外交力にアレルギーのある人なんているの?

            アレルギーがある、というかその辺を評価しないことが多い気がする。
            湾岸戦争時に人質解放交渉をしたアントニオ猪木(のゴーストライター?)が書いていたが、日本の政治家は外国との交渉をしたがらないそうだ。
            選挙で得点にならないから、な気がするが。
    • by Anonymous Coward
      東京に独立してもらえば、日本の食料自給率はちょっとは上がるかなあ。
      もちろん、食糧自給率だけ上がったところで、ほかがぐだぐだだと意味がないですが。
  • 化学反応において同位体は区別がつかないと習った覚えがあり、
    『星を継ぐもの』でもチャーリーから検出された酵素を人工酵素とする根拠になっていたので、
    こちらの方が興味深く思えます。

    はっ、トウモロコシに人の手が入っているということか。:-)
    • 同位体分別 (スコア:5, 参考になる)

      by PRAXI (35385) on 2008年11月18日 13時52分 (#1457528)
      主にCO2の取込み酵素の違いによるもので、同位体分別 [kit.ac.jp]と呼ばれます。

      トウモロコシなどC4植物 [wikipedia.org]はC3植物よりやや「重い」ようです。
      親コメント
    • うろ覚えですが。
      フランク・コンドン原理 [google.co.jp]というのがありまして、化学反応の過程では、電子と比較してはるかに重い原子核の運動は遅いので無視できる、というものです。あくまで近似です。
      これに従えば、12Cも13Cも、化学反応の範囲では同じとみなせます。(電子・陽子の質量比である1/1840のオーダーの近似で)
      しかし、#1457485 [srad.jp]の方の言われるように、原子の質量そのものが関係する過程(蒸発や、おそらく植物の中で起こっている拡散も)では違いが出てくる可能性があります。(おそらく質量数の比である13/12のオーダーで)
      親コメント
    • >はっ、トウモロコシに人の手が入っているということか。:-)
      この場合、人ではなくガニメアンに一票。
      --
      -- う~ん、バッドノウハウ?
      親コメント
    • by Anonymous Coward
      軽い同位体のほうが揮発・蒸発しやすいです。
      同位体を使った年代測定に利用されてたりします。

      とうもころしが軽い炭素が好きな理由は知りませんけど。
    • by Anonymous Coward
      質量が違うんだから、何かしらわずかに差ができてもおかしくはないんじゃね?
      重水は沸点とか違うみたいだし。
      #植物によって区別できるほど同位体に差ができるんなら炭素14の年代測定って当てになるの?
  • King Corn (スコア:2, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2008年11月18日 16時13分 (#1457672)
    http://www.kingcorn.net/ [kingcorn.net]
    2007年にKing Cornというこの問題を扱ったドキュメンタリー映画が作られています。
    日本で公開されないのは残念。
  • 日本での調査 (スコア:2, 参考になる)

    by e2718 (23583) on 2008年11月18日 20時31分 (#1457854) 日記
    ちょっと目的が違いますが
    食品の窒素・炭素同位体比を元に
    産地特定が出来るかも、、、
    って記事が、先月の月刊化学に出てました

    食品の産地偽装を化学で暴く!
    http://www.kagakudojin.co.jp/kagaku/200811.html?200812&11

  • 「和食の原料の大半は大豆じゃないか。醤油だって豆腐だって味噌だって納豆だって大豆だ。
      米国の誇るファーストフードがとうもろこしを原料にしているのだって同じだ。
      何が悪いっ!!
    --
    fjの教祖様
  • このドキュメンタリー映画 [hatena.ne.jp]の中でも、似たような話が出てきてるみたいです。
    詳しくは、こちら [cocolog-nifty.com]で配布されてるMP3ファイルを参照。
    (話はしょり過ぎてて、予備知識無しに聞くと、一部、トンデモ話にしか思えない箇所が有るけど)

  • by Anonymous Coward on 2008年11月18日 12時29分 (#1457461)
    油と添加物だろうが
  • by Anonymous Coward on 2008年11月18日 14時51分 (#1457574)
    T/O
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UNIXはシンプルである。必要なのはそのシンプルさを理解する素質だけである -- Dennis Ritchie

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