ファストフードは何からできている? 84
まじめな研究です、 部門より
insiderman 曰く、
ナショナルジオグラフィックの記事によると、「ファストフードの大半はトウモロコシ由来」という調査結果が明らかになったそうだ(米国科学アカデミー紀要(PNAS、The Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)掲載の論文)。
これを聞くと一瞬、「トウモロコシから合成肉を作る」という話を想像してしまうがそうではなく、たとえばファストフードで使われている牛や鳥の餌にはトウモロコシが使われており、また調理に使用する油もトウモロコシ由来のものが使われている。トウモロコシは「13C」という炭素の同位体をほかの植物よりも多く含んでおり、その痕跡を追うことで、提供される牛肉や鶏肉がトウモロコシを餌にしていたかを調べることができるという話らしい。
この論文では、マクドナルドやバーガーキング、ウェンディーズといった米国のファストフードチェーンで提供されている、480以上のハンバーガーやチキンサンド、フライ類といったファストフードの化学組成を調査しており、先に挙げた13Cのほか、窒素の同位体15Nも使って「どのような由来の食材を使っているか」を調べている。たとえば、サンプルのうち12の牛肉だけが、13Cの含有量がほかと異なっており、ここから該当のハンバーガーが外国産の牛肉を使っている可能性を推測できるそうだ。
また、ウェンディーズではフライにコーン油だけを使っているのに対し、マクドナルドやバーガーキングではほかの植物油が多く利用されている、といったことも分かったそうだ(Scientific Americanの記事)。
この調査は、単にファストフードで使われている食材がどのようなものかを示すだけでなく、トウモロコシに依存している米国の農業・畜産業の構造を示す点で有意義とのことだ。日本でも同様の調査を行ったらどのような結果が得られるか、ちょっと興味深い。
ゴルゴ13"害虫戦争" (スコア:5, 興味深い)
連載は1999年10月
Re: (スコア:0)
(オフトピ:-1) (スコア:0)
Re: (スコア:0, フレームのもと)
#いや、冗談ですから! 多分!!
先日のサイエンスZERO (スコア:3, 参考になる)
Re:先日のサイエンスZERO (スコア:1, 興味深い)
日本の場合 (スコア:3, 興味深い)
と対比させるなら、日本の場合、「何からできているか」よりも「海外産の品物に依存している割合」を調査したほうが有用な気がします。
# なんかもう凄い数字になりそうな気がしますが
# というか自給率が低すぎるのは周知の事実だから今更調査する必要もない?
神社でC#.NET
デタラメに踊らされないように (スコア:5, 参考になる)
#引用だけなのでAC
踊らされてるのは誰? (スコア:1, すばらしい洞察)
Re:踊らされてるのは誰? (スコア:4, すばらしい洞察)
何かを「デタラメ」とか言い出す意見って、受け取り手は信憑性を疑い身構えちゃうから。(ソースの信憑性とは無関係に)
つまり (スコア:2, おもしろおかしい)
ご一緒にURLはいかがですか?
といえばよかったと
Re: (スコア:0)
まともな文章力のある人の目が通っていないということですから。
仮想水 (スコア:2, 参考になる)
Re:日本の場合 (スコア:1)
Re: (スコア:0)
日本は国土が狭くて人口が多いんだからさ、強い方向に集中するしかないでしょ。
人を減らして、今の豊かな生活レベルを放棄するんなら可能かもしれんが・・・。
Re: (スコア:0)
そうなのだが、安全な食物を輸入するための担保が何も無いのが不安のもと。
軍事力と外交力がもっとあればいいと思うけどね。
その辺にアレルギーのある人は、内向きに考えるんだろうな。
Re: (スコア:0)
開放してきた結果がこれじゃないの?
軍事力はともかく外交力にアレルギーのある人なんているの?
Re:日本の場合 (スコア:1, 興味深い)
50年後に自由貿易協定なしで国家が対等に経済に組み込まれる可能性なんてゼロに近い。
それなら、早めに開放すればするほどショックなしで競争力をつけられるはずだったのに
それを遅らせて保護しまくったからいまだに前世代的な小規模農業しかやれない国なのさ。
効率悪い農業続けたあげくに人手不足とかいいはじめたらもう救いようがない。
工業製品の製造と同じ貨幣価値の中で成長してきた国と、工業製品よりはるかに過保護に
された日本の農業が張り合えるわけがない。
Re:日本の場合 (スコア:2, 興味深い)
など、そう単純な話ではありませんが。だいたい日本の農家が楽しているなんて実態を知らないとしか思えません。時給256円が179円に下がった(農水省統計情報部が赤旗に回答) [jcp.or.jp]なんて信じがたい酷さです。
そもそも世界的に見れば食べ物は不足しているのです(例 [reuters.com])。日本が農業をないがしろにしても、今のところ食べていける(輸入できる)のは経済的な格差のおかげです。しかし、産業がこの先ずんずん空洞化していけば、きっと多数の日本人は派遣斡旋待ち状態で年収百数十万となって、不作の年には円相場しだいで文字通り食えなくなってしまいますよ。
農業は工業よりも遥かに命に直結しています。工業と違って簡単に生産を増やすことはできませんし、生産を安定させることにも限度があります。田んぼをつぶせば水資源から無くなってしまいます。がんばっても天候が変わるわけではありません。天候により出来不出来があることを前提として米なんか余るときには余らせれば良いのです。余った米もきちんと国家が買い取れば、現物による援助先に事欠くことはありません。日本企業が受注することをあてにした「援助」とか日本企業進出用インフラ整備「援助」とかよりもずっと良いと思うんですが、やっぱり命より金ですかね。
# フレームの元か…
一方で、農業=農家という日本の構造はなんとかならんのかと思います。おかげで未だに結婚が家業と連動してしまい農家を継ぐなら結婚できないという非人間的な(前時代的なというべきか)選択が待っている。(他の職業では人間と結婚するが農業では農「家」と結婚する感じ?) 農業振興=農家保護では農業に興味がある人が参入できないし、農家を継ぎたくない人が農業つぶしという後ろめたさを背負い込む。農地をはじめとする生産手段が個人所有(実際は家所有)から法人(事業組合とか会社とか:既存の農協は農家から構成されているので農家と競合できない)に移行できないと日本の農業には展望がない気がします。
Re:日本の場合 (スコア:1)
「農水省」がいってるという段階でホンマかいなと思う今日この頃。
# 農水省に限らず、役人の言ってること全般がそうなんだが。
Re:日本の場合 (スコア:1, すばらしい洞察)
国産は本当に超高級品で金持ちしか買えないってことになっていた可能性だって
あると思うんだけどどうなんだろう?
外国の安いものに負けないように保護政策ではなく
あえて解放を選んだ農業に条件的に不利な国って存在するのかな
日本みたいな条件で大規模化・法人化をすすめたとしても勝てるのかね
別に保護政策を擁護しているのではなく純粋な素人の疑問として
そんな人を食ったようなことを… (スコア:1)
http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200811180029.html [cnn.co.jp] てなことが。
燃料用アルコールの前に食肉に、さらに前には穀物に。
お、そうすると、バイオ燃料の同位体分析でも何か判るということか。
Re:日本の場合 (スコア:1, すばらしい洞察)
基本的な食材で競争力がつくというのは夢物語です。
どこに大規模化によるコストダウンのための平地がありますか?ないです。
アジア他国なみに安い人材がどこにいますか?ないです。
研修という欺瞞で安く人間をアジアから買ってくるよりほかないです。
安い人材、単位面積あたりの効率がおちようが気にならない広大かつ均一な農地。
これに対して、保護しなければ競争力がついただろうと言うのは、一種の夢物語ですね。
もちろん、そういういい条件が整った国は農産物の自由貿易を望むでしょう。必ず勝てますから。
輸送コストの驚異的な上昇と行った要因のないかぎり、これは変わりません。
工業で金を稼ぐことを選んだのなら、国内食料生産をどの程度確保しておくかは安全保障、食料確保etcの絡んだ選択問題です。
Re:日本の場合 (スコア:1, 興味深い)
商業の世界では普通なのだし、農業に限ってそーゆー方向を取らせなくしたのは
失敗と言えなくもないんじゃないかなー、とは思うけどね。
Re:日本の場合 (スコア:1, 興味深い)
軍事アレルギーだとすでに両手両足縛られているような状態だ。
規制緩和もかまわないが、安全じゃないものとか
まずいものを「そんなのいらねーよ」って言えないのが問題。
一方で、日本の農業が過保護でもかまわないとも思うけどね。
国土にあった形態を持続可能なかたちで模索して欲しい。
里山や田畑はある程度維持していくべきだと思う。
あと、アメリカとかでよくある超大規模農場とかが、持続可能かどうかはかなり疑問だな。
Re: (スコア:0)
アレルギーがある、というかその辺を評価しないことが多い気がする。
湾岸戦争時に人質解放交渉をしたアントニオ猪木(のゴーストライター?)が書いていたが、日本の政治家は外国との交渉をしたがらないそうだ。
選挙で得点にならないから、な気がするが。
Re:日本の場合 (スコア:1)
なぜ自給率の高いお米に限定した話をするのでしょうか?
ψアレゲな事を真面目にやることこそアレゲだと思う。
Re:日本の場合 (スコア:1)
「作るな」といっているものは無いですが、農家への締め付けは実質的にそう言っているも同然ですよ。
食糧自給率を高めるためには、農家が少量となる農産物を生産する事で生活できるようにする必要があります。
自由競争の名の下に国の礎である食料生産を海外に依存させ国内農家が存続できなくなる状況を招いた事自体、農業政策の失敗だと思いますけどね。
一体どれだけの農産物を外国産に依存していることか。輸入が止まったらどれだけひどい事になることか。
考えてみたことはありますか?
>休耕地に作付けして生産した場合、実需要は増えるんでしょうか?
それだけで増えるわけもないし、それだけで増えるなどと言っている人は一人もいませんよ。
ψアレゲな事を真面目にやることこそアレゲだと思う。
Re:日本の場合 (スコア:1)
中学の社会(高校の公民)で習った記憶があるんだけど…。
#ちなみに30代後半です。
・休耕地は元は水田である(主に水はけが悪い)為、他の作物をそのまま植えるわけには行かない
・ただし、土地改良(粘土質の土を掘り起こし、水はけのよい土を入れる)すれば、畑として利用は可能
・土地改良もただでは出来ないので、休耕地が一箇所に固まっていれば効率がいいが、散らばっていると費用と手間がかかる
・ついでに水田の真ん中の休耕地を改良した場合、周囲の水田から畑に水が漏れてしまう(畑からすれば必要過多な水分が集まる)ので、全体的に収量に悪影響を与える
で、減反政策での休耕地の選定は「各農家平等に扱うため」に、農家ごとに一定面積の水田を休耕地としました。
これが元コメのいう「農業政策の大失敗」です。
必然的に休耕地が点在することになり、土地改良費をかけて畑にしても上記問題点が足かせになり、転作を行う農家はわずかでした。
加えて国から減反補助金まで出たものだから、自費で土地改良して収量の上がらない野菜をちまちま作るより、放置しておいた方が金が入るといういびつな構造になってしまいました。
そして、いざ不作の年に休耕田を活用しようとしても、数年水の入っていない水田は、雑草が生え地盤はひび割れ、もはや水田として利用できなくなっているのは、周知の事実でしょう。
こうなると畑に転用するにも、より手間とお金がかかります。
米余りで減反政策を取るまではよしとしても、各農家単位で休耕地を指定するなぞ頭が悪すぎます。
一応農水省のフォローをしておくと、当時は農家や農協が「俺んちだけ米作るなとは何事だ」とねじ込んできた背景はあります。
が、それを何とかするのが政治家と官僚の仕事でしょう。
例えば村単位で水田耕作禁止とか、そこまで行かずとも複数の農家が土地を融通しあって、このエリアは転作して畑のエリア、こっちは水田のエリアと、最終的に(村単位、県単位で)減反面積をクリアできればどこを休耕地(転作地)にしても自由という政策が取れていれば、今騒がれているような自給率問題は少しは緩和できたかもしれません。
Re:日本の場合 (スコア:1)
元コメントの農業を工業、農家を職人に置き換えたときに、職人による工業自給率を上げるべきだと考えますか?
現在の農業は海外から大量の石油や鉄鋼などを輸入しないと生産が行えず、
それらの輸入は工業製品を輸出した対価として輸入しているわけで、表面上の自給率にこだわる事に疑問を感じます。
また、何故農業生産の主体が農家に限定されるのでしょう?
もちろん戦前の地主小作制度による弊害などの歴史的経緯はありますが、
戦後のある時期から自作農家の存続に固執した土地制度が日本農業を衰退させる大きな要因となったように思えます。
国内農業を育成することと農家を保護することを同一視するのは問題があると思います。
Re: (スコア:0)
もちろん、食糧自給率だけ上がったところで、ほかがぐだぐだだと意味がないですが。
トウモロコシは同位体の選択ができているのか (スコア:2, 興味深い)
『星を継ぐもの』でもチャーリーから検出された酵素を人工酵素とする根拠になっていたので、
こちらの方が興味深く思えます。
はっ、トウモロコシに人の手が入っているということか。:-)
同位体分別 (スコア:5, 参考になる)
トウモロコシなどC4植物 [wikipedia.org]はC3植物よりやや「重い」ようです。
Re:トウモロコシは同位体の選択ができているのか (スコア:3, 興味深い)
フランク・コンドン原理 [google.co.jp]というのがありまして、化学反応の過程では、電子と比較してはるかに重い原子核の運動は遅いので無視できる、というものです。あくまで近似です。
これに従えば、12Cも13Cも、化学反応の範囲では同じとみなせます。(電子・陽子の質量比である1/1840のオーダーの近似で)
しかし、#1457485 [srad.jp]の方の言われるように、原子の質量そのものが関係する過程(蒸発や、おそらく植物の中で起こっている拡散も)では違いが出てくる可能性があります。(おそらく質量数の比である13/12のオーダーで)
あわびと訂正 (スコア:3, おもしろおかしい)
私の元コメントだけみた人には要らぬ混乱の元なので一応。
拡散などより酵素の反応のほうがかなり分別に効くんですね。勉強になります。
おわびと訂正 (スコア:1)
Re:トウモロコシは同位体の選択ができているのか (スコア:2, おもしろおかしい)
この場合、人ではなくガニメアンに一票。
-- う~ん、バッドノウハウ?
Re: (スコア:0)
同位体を使った年代測定に利用されてたりします。
とうもころしが軽い炭素が好きな理由は知りませんけど。
Re: (スコア:0)
重水は沸点とか違うみたいだし。
#植物によって区別できるほど同位体に差ができるんなら炭素14の年代測定って当てになるの?
King Corn (スコア:2, 参考になる)
2007年にKing Cornというこの問題を扱ったドキュメンタリー映画が作られています。
日本で公開されないのは残念。
日本での調査 (スコア:2, 参考になる)
食品の窒素・炭素同位体比を元に
産地特定が出来るかも、、、
って記事が、先月の月刊化学に出てました
食品の産地偽装を化学で暴く!
http://www.kagakudojin.co.jp/kagaku/200811.html?200812&11
絶対にどこかの (多分米国の) 馬鹿議員が言うぞ (スコア:1)
米国の誇るファーストフードがとうもろこしを原料にしているのだって同じだ。
何が悪いっ!!」
fjの教祖様
Re:絶対にどこかの (多分米国の) 馬鹿議員が言うぞ (スコア:1)
この話を元ネタにした映画? (スコア:1)
このドキュメンタリー映画 [hatena.ne.jp]の中でも、似たような話が出てきてるみたいです。
詳しくは、こちら [cocolog-nifty.com]で配布されてるMP3ファイルを参照。
(話はしょり過ぎてて、予備知識無しに聞くと、一部、トンデモ話にしか思えない箇所が有るけど)
何をバカな (スコア:0)
Re:何をバカな (スコア:2, おもしろおかしい)
実はその油がコーン油だったり、
添加物にコーンスターチが入ってたりするのですよ。
# 本当かどうかは知らない(ぉ
Re:何をバカな (スコア:1)
そう考えるとエコな自然食品に思えてくる。
お砂糖、スパイス、素敵*じゃない*ものいっぱい (スコア:2, おもしろおかしい)
太陽の光 (スコア:0)
Re:実だけじゃなく (スコア:1)
もっとも米国などで対比なりなんなりの形でこれらを土に返しているか否かは寡聞にして知りませんが。
# その意味でバイオアルコールの原料に稲藁などを使えという論に不安を感じてる。実際、わらじやら縄などに消費する稲藁の量と土に返していた量の比率ってどのぐらいなんだろう?
ここは自由の殿堂だ。床につばを吐こうが猫を海賊呼ばわりしようが自由だ。- A.バートラム・チャンドラー 銀河辺境シリーズより