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亀が甲羅を被った過程 12

ストーリー by reo

CPU スッポン 曰く、

独立行政法人理化学研究所は、甲羅などの独特骨格をもつカメの形態がどのように得られたのか、という問いに対して、カメ・鳥類・哺乳類の発生過程を比較することによって、肋骨を扇状に広げて肩甲骨を覆う形で背甲を得たという研究結果を発表した (理研のプレスリリース) 。また、この研究結果は 7/10 付の Science に掲載される (DOI: 10.1126/science.1173826Science 今週のハイライト (日本語))。

シカゴ自然史博物館の Olivier Rieppel による記事「How Did the Turtle Get Its Shell ?」によれば、これまでの説ではカメの甲羅は皮膚内で小さな骨性の板が融合してできた、というものでこれを否定する新発見ということのようだ。研究では、胚が羊膜に包まれている羊膜類 (爬虫類・鳥類・哺乳類) を代表してニホンスッポン・ニワトリ・ハツカネズミの胚の発生過程を X 線 CT スキャンや組織切片の再構築、マーカー遺伝子の発現パターン、免疫組織化学染色により比較・観察することで甲羅の発生過程を追ったという。

その結果。発生中期までは三種とも共通だが、胚発生後期にスッポンは体壁が内側に折れ込まれるため、肩甲骨が横方向に伸びた肋骨によって覆われることが確認された。カメは肩を体の内側に引き込んでいることになるそうだ。2008 年に Nature に発表された化石動物 Odontochelys の形態は、この発生中期のカメの姿に似ているということで、化石記録との一致も見られたという。

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