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宇宙

地球から最も遠く離れたクエーサーが発見される 25

ストーリー by headless
発見 部門より

あるAnonymous Coward 曰く、

ヨーロッパの天文学者のチームが、ヨーロッパ南天天文台(ESO)の超大型望遠鏡(VLT)とハワイのジェミニ北望遠鏡を使用して、現時点で最も遠くにあるクエーサーを発見した。観測および研究の成果は6月30日号の科学誌「Nature」で発表された(ESOのサイエンスリリースNatureの記事要約AstroArtsの記事)。

クエーサーとは非常に明るく輝き、遠く離れた場所にある天体で、エネルギー源は中心にある超大質量ブラックホールだと考えられている。今回発見されたクエーサーは「ULAS J1120+0641」と名付けられ、中心のブラックホールの質量は太陽の20億倍とのこと。地球からは129億光年離れており、現在観測されている光はビッグバンから7.7億年後、再電離時代の終わりごろのものと考えられる。しかし、現在の理論では超大質量ブラックホールはゆっくりと成長すると考えられているため、ここまで質量の大きなブラックホールがビッグバン後の早い時期に存在したことを説明できないとのことだ。

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  • 違う違う (スコア:5, 参考になる)

    by phason (22006) <mail@molecularscience.jp> on 2011年07月09日 13時46分 (#1984216) 日記

    >現在の理論では超大質量ブラックホールはゆっくりと成長すると考えられているため、
    >ここまで質量の大きなブラックホールがビッグバン後の早い時期に存在したことを説明できないとのことだ。

    これは違う.
    Natureの論文の解説記事 [doi.org]にもあるけど,現在存在している超大質量ブラックホールの形成メカニズムに関してはいくつかあって,その代表例は

    (a)小さなブラックホールがまず出来て,それが周囲の星を飲み込み巨大化
    (b)最初に巨大なガス雲があって,これがそのまま重力崩壊することでいきなり巨大なブラックホールが出来る

    という二つ.で,今回のようなかなり宇宙の年齢が若いときにもう超大質量ブラックホールがあったと言うことは,bが大規模に起こっていたか,aであるなら非常に星の密集した領域が宇宙の初期に存在し,急速に周囲の星を飲み込んで巨大化したか,と言ったような場合でないと駄目だよと.

    つまり,現在議論されているいくつかの理論では説明できて,別ないくつかの理論はパラメータに制限が付き,別ないくつかの理論は棄却される.そういった,理論に強い制限を課すような事例だよ,と言うこと.
    今の理論が通用しなくなるわけじゃなくて,いくつもの案から正しいものを選ぶ上では役に立つ制限ですね.まあ,実際のそのあたりの計算をやってる人たちは,自分の理論でこの発見を説明できるかどうか,とか,説明するためにはどういうパラメータ領域なら良いか,と忙しくなるのでしょうが.

  • by Anonymous Coward on 2011年07月09日 13時23分 (#1984207)
    >エネルギー源は中心にある超大質量ブラックホールだと考えられている。
    >ここまで質量の大きなブラックホールがビッグバン後の早い時期に存在したことを説明できないとのことだ。

    じゃあこれはブラックホールじゃないし、したがってクエーサーでもないということですよね。
    誰だ、単なる遠くて明るい謎の天体をクエーサーと決めつけた記者は。
    • by Anonymous Coward

      最初の Nature の記事でクエーサーだって言ってるんだから、
      Nature の記者かそもそも研究チームが言っているかのどちらかじゃねーの?

      よもや日本語に落とした科学に疎い記者が勝手にクエーサーと言い出したと思っていたとか?

  • by Anonymous Coward on 2011年07月09日 13時53分 (#1984219)

    やっぱり濃ゆい場所にあるんだろうか。濃すぎていきなりブラックホールという可能性は考えられないのかな。

  • by Anonymous Coward on 2011年07月09日 14時51分 (#1984237)
    >「クエーサーとは非常に明るく輝き、遠く離れた場所にある天体で」
    「遠く離れた」ってどこから?
    何でクエーサーの定義に位置が関係するのか解らん。
      • 観測では恒星と同じように点光源にしか見えない(銀河の様な広がりのある構造が無いか暗くて見えない)
      • スペクトルを見ると大きな赤方偏移が観測される. よってかなりの遠方に存在する
      • 距離を考慮すると, 放射しているエネルギは銀河並みで, 通常の星とは考えられない

      ということで恒星や銀河と別枠になっているので, 遠方にあるのは半ば定義なのです.

      クエーサーがもっと近くに存在したらどうなるかといえば, おそらくセイファート銀河 [wikipedia.org]として観測されるんじゃないかと思われます.

      親コメント
    • by vsr10 (34175) on 2011年07月10日 1時34分 (#1984473)
      別にクエーサーという単語自体が地球人類が生み出した言葉にしか過ぎないので
      起点が地球からの距離でも問題なくね?
      宇宙全体の単語としてクエーサーという言葉があるなら別だが。

      つまり、地球から遠く離れた天体をクエーサーと呼ぶ
      でも別におかしくはないわけで。
      それはただの命名であって、名前が事象を現すわけじゃないし。
      そう決めたらそういう前提で話す、というだけの事。
      親コメント
    • 例えば、非常に明るい星が観測されたとします。普通はhr 図とか見ながら近い恒星を想定するのですが(QSOは電波で発見されたのでhr 図は嘘ですが)、その星のスペクトルを見ていたら、水素の吸収線なんかが想定される波長とまったくずれているのが分かったりします。大抵は波長が長くなる方へ、赤いほうへずれるので、赤方偏移といいますが、そいつが大きい(wikipedia だと最小の赤方偏移は 0.06 ) のがクェーサーです。通常の恒星のように点光源として観測されるのだけど、遠く離れていて構造が見えないだけかもしれない、という意味で quasi-stellar object が語源です。
      近くにある天体が明るいときは構造が見える場合が多いのでその構造で分類されます。銀河だったらセイファート銀河とか。あるいは赤方偏移がほとんど見られないので近傍の恒星とか。

      # まあ、天体の定義とかないので、言ったもん勝ちです。ある観測で見付かったものを面倒臭いので短縮で呼んでる、みたいな感じじゃないでしょうか。そうしたら似たやつらが次々と見付かってそのへんのまとまりが最初の呼び名で呼ばれるグループを形成し、より厳密に違いが明らかになるにつれてまた違った名前で呼ばれるようになる。みたいな。昔のX線バースト天体みたいに。

      親コメント
      • by Anonymous Coward
        >> … 似たやつらが次々と見付かって …

        それなんてビタミン?
    • by Anonymous Coward
      遠くに見つかれば、それだけ宇宙が若い頃に出来たって事になるからでわ
  • by Anonymous Coward on 2011年07月09日 22時25分 (#1984392)
    おっぱいアニメ [qwaser.jp]でボケようと思ったけど、手に余った(苦笑)
    • by Anonymous Coward

      手に収まるくらいの大きさがいいですよね。

    • by Anonymous Coward

      そんなにはやく投げ出さずに、もうちょっと精魂こめて考えてくださいよ。

    • by Anonymous Coward
      つまり幼女で爆乳
      • by Anonymous Coward
        ビッグバン後早い時期に存在してるってことは、いまはもうBBAじゃね?
  • by Anonymous Coward on 2011年07月10日 4時39分 (#1984494)
    にあるクエーサは見つかっていないだけで、存在する訳でしょ?
    その存在は否定出来るの?
    「ここがクエーサの存在出来る限界点です。」なんて線引きはできないんんだから。

    #雷が鳴らないうちは梅雨明けじゃぁないよ。
    • by teltel (1423) on 2011年07月10日 16時22分 (#1984656) 日記

      存在を特に否定はしていないと思いますが。eso のリリースにも、
      http://www.eso.org/public/news/eso1122/ [eso.org]
      z>7 のクェーサーは赤方偏移が大きいため赤外線領域での観測が必要でこれまで見付かってこなかったようなことや、むしろ、これからの観測で全天に100個程度想定されるこれらのクェーサーをがんばって探すみたいに書いてあります。

      そしてやはり科学は、今見付かっている事実から積み上げていくものですので、否定できないにしろ、まだ見付かっていないものを論拠に主張はしないものです。今見付かっている事実から見付かっていないものを主張することはあっても。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      より遠い位置におそらくクエーサーはあるんでしょうけれど、まだその光は地球に届いてない。
      だからこのクエーサーの発見の意味は、地球からの距離というより地球に光が届くほど宇宙の初期に存在したことにある・・・と他のコメから読み取れますが

      「線引き」云々も理論的に***億年以前にクエーサーが存在し得なければ、最大距離は***億光年という線引きができますね
      #実際には観測結果から理論を組み立てている・・・ってところのようですが

      ##今年は梅雨の最初のほうから雷がなってたような気がしますが(笑)

      • by the.ACount (31144) on 2011年07月12日 10時39分 (#1985437)

        電波で観測できる対象のうち一番遠いのが宇宙背景放射。
        クエーサーは宇宙背景放射より近いんだから、地球に届いてないなんてことはない。

        宇宙背景放射より遠くはニュートリノか重力波で観測するしかないから、もうちょっと待たねば。

        --
        the.ACount
        親コメント
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