パスワードを忘れた? アカウント作成
3190799 story
原子力

放射線の影響を調べるため冷戦時代に作られた動物の組織標本を再整理 73

ストーリー by headless
影響 部門より
冷戦時代、各国は核戦争や原子力施設の事故による放射線の人体への影響を調べるため、動物を使った実験を行っていた。当時の資料は冷戦の終結とともに放置されていたが、放射線生物学らが再整理を進めているそうだ(Nature Newsの記事本家/.)。

ロシア・ウラル地方のオジョルスクでは1950年代前半から冷戦終結まで、25万頭近くの動物に放射線を照射したり、放射性物質を飼料に混ぜて与えたりして影響が調査されていたという。実験に使われたのはマウスやラット、イヌ、ブタ、サルなどで、死後に科学者が解剖し、組織の一部や内臓を資料として保存していた。日本や米国、欧州各国なども同様の実験を行っており、使われた動物は合計50万頭近くに及ぶ。現在では資金面や倫理面での問題があり、同規模の実験を行うことが困難なため、100ミリシーベルト以下の低レベル放射線の影響を調べようとする放射線生物学者にとって貴重な資料になるとのことだ。
この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2012年05月13日 21時15分 (#2152509)

    誰がやったのか、後半まで分からんかったぞ。

    • by Anonymous Coward

      一番冒頭に「各国は」と書いてあるが

  • by Anonymous Coward on 2012年05月13日 23時00分 (#2152548)

    旧ABCC 現放射線影響研究所に、
    広島 長崎の被爆者の標本がある。
    それなりに研究はしてるだろう。

    漫画「はだしのゲン」でABCCを知った。
    ABCCに雇われ遺体収集をやっている人が罪の重さに夢遊病になって
    手が血だらけになるまで毎晩タワシで洗ってしまうという話は忘れられない。

    • 別のコメントでもちょっと書きましたが,それらのデータで被曝の影響に関する研究はかなり進んだのですが,それでもやはり低線量域の影響を調べるのはなかなか難しいそうです.

      例えばある朝いきなり住んでる街の上空で核爆発があり,数ヶ月してから以下のような質問をされたと考えてください.

      「あなたが居たのは家のどのあたりですか?壁の材質と厚さは?隣家との間の塀はどの程度の厚みがありましたか?その後いわゆる黒い雨が降りましたが,どの位置で何分ぐらい雨に当たっていましたか?浴びた雨を洗い流せたのは何時間後ですか?その日から1ヶ月以内の間に,街のどの位置にどのぐらいの時間ずつ滞在してましたか?」

      こういった質問にきっちり正確に(しかも数ヶ月以上経ってから)答えることはほぼ不可能です.
      原爆起爆時の位置などはそれなりに正確に覚えているのでその際に浴びた大線量に関してはそこそこ正確なのですが,爆心地から離れた位置で放射性降下物による低線量被曝を受けた人々に関しては,実際の受けた線量の推定が非常に困難であり,エラーバーがだいぶ大きくなっています.このため,低線量域では影響が線形なのか,それより多いのか(低線量だと思った以上に影響が出る可能性),それとも少ないのか(例えばホルミシスのような),そういったところを判断するのは難しいのが現状です.

      ただ,昔に原医研の方の講演を聴いた際には,「どうも組織によってこれらが違いそうだ,というところは見えてきた」というようなことをおっしゃっていました.どうもリニアっぽく見える組織と,低線量域では被害の出にくい組織がありそうだ,という話でした.見えにくいところから何とかデータを引き出そうと頑張ってらっしゃるようです.

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2012年05月14日 9時25分 (#2152631)

      放射線医学をやってる者ですので一応コメントします。

      広島、長崎の、放射線量推定体系は、そもそも被害者の症状から被ばく量を推定しているのが実情です。
      例えば、急性症状として脱毛がでた人がXパーセントだから被爆距離1kmにおける被ばく量はY%であると。
      だから、そもそも被ばく量に関するデータが科学的には未知数なのです。
      そのため、実際に放射線量を測定しながら被ばくさせた動物実験や人体実験についてのわずかな知見が
      あるにすぎず、広島長崎チェルノブイリといった限定されたデータはそもそも品質が低いのです。

      また、広島長崎での被ばく量推計にはやや意図的な操作が加えられています。たとえば、遮蔽の差異を無視
      して総数を出し、これを同距離内の被爆者総数に対する比率として脱毛者の割合を計算していたりします。

      意図があったか否かは不明ですが、既知の範囲でも、被ばく量を低く、低くした被ばく量に対して被害を低く評価
      してしまううバイアスが各所にかかっていますし、それ以外にも統計に操作が加えられている可能性があります、あるいは逆向きのバイアスがかかっていることもあります。そのようなデータに対して、いくつも指摘はなされていますが、それでも広島長崎のデータは現在手に入る数少ないデータであることには違いないので、「おかしいよ、でも一旦信じるしかないよね」と考えざるを得ません。

      そのため、条件が記録されている、記録されているデータの品質が分かる過去の動物実験人体実験について再検討することが数少ない定量的評価が可能な方法だと言えるのです。

      親コメント
    • アメリカには、わざわざ、トリニティ実験場に観光に行って、被爆してくる「愛国者」もいるようです。

      親コメント
typodupeerror

私はプログラマです。1040 formに私の職業としてそう書いています -- Ken Thompson

読み込み中...