塗るだけで発電する「ペンキ」の実現? 11
ストーリー by reo
後の電脳コイルのスプレーである 部門より
後の電脳コイルのスプレーである 部門より
ある Anonymous Coward 曰く、
NEC と東北大学は液体材料を塗りつけて薄い膜を作り、微弱な温度差で発電する技術の開発に成功した。この技術の元となるゼーベック効果を用いた熱電変換モジュールはすでに市販されているが、製造工程や変換効率に課題が残っていた (EE Times Japan の記事、doi:10.1038/nmat3360より) 。
今回の新技術では、塗布面積を増やすだけで取り出す電力を増加させることができる他、パイプなどの曲面や凹凸面に沿った形状にも対応しやすくなる。将来的には、ペンキのように塗ったり、スプレーで塗布するといった方法で発電層を形成できる可能性があるとしている。
また、1 種類の材料を使用するゼーベック効果と異なり、近年発見された 2 つの材料の組み合わせで起きるスピンゼーベック効果を活用しているため、ゼーベック効果よりも、研究の幅広く、効率改善の道が開けているとのこと。
絶縁は大丈夫? (スコア:1)
ペンキって言うから、お父さんが日曜にぺたぺた壁に塗ってエコハウス、みたいなのを想像したけどそういうもんではないのか。
Re:絶縁は大丈夫? (スコア:5, 参考になる)
このスピンゼーベック効果の薄膜で生じるのはスピンの流れなんですよ.温度差をつけると片側にupスピンが,逆側にdownスピンが集まるような感じで.
で,温度勾配により生じたスピンの流れ(ただし電流は生じていない)を,スピン-軌道相互作用の大きい金属(電子スピンと,電子の運動とを結びつける係数が大きい金属)を使って電流に変換しています.
#今回の実験だとPt薄膜
塗布剤の表と裏の間に電位差をつけているわけではない(電位差は,薄膜の面内に生じる)ので,縦方向に釘刺しても問題ないと思います.多分.まじめに検討してませんが.
#温度差の向きが薄膜に垂直(z),薄膜にかかっている磁場の向きが面内(x),生じる電位差が面内かつ磁場に垂直(y)とかそういう感じで.
/.Jで言えば,以前に取り上げられた
絶縁体を利用して電気信号を伝達する [srad.jp]
の続編です.
#ここの仕事はもう1-2個取り上げられてたような気もするが,見つけられなかった.
Re: (スコア:0)
このペンキを壁に塗って使うことはないから大丈夫です(壁に塗って役に立つほどの電力は得られません)
たとえ塗ってショートさせたところで、発火するほどの事態にはならないでしょう((例えば、小型の太陽電池の出力をショートさせたって問題はありません)
「ペンキ」云々はあくまでもたとえ話であって、高温や真空(あるいは高圧)を必要とするような製膜プロセスを必要とせず低コストで量産出来る見込みがあるということです(スピンコートやスプレー方式でコーティング可能)
Re:絶縁は大丈夫? (スコア:1)
>(壁に塗って役に立つほどの電力は得られません)
残念。もしある程度の電力が得られるなら
太陽光どころじゃないすごい期待が持てると思ったんですが。
素人ながら個人的に思うのは、道路で発電する何かは無いものかということですね。
空間的には、直上を何かが通るだけで、その上のスペースが
ごっそり空いてますからね。空間利用の効率だけで言うと
イマイチ効率がよくない気がするんですよね。
踏んだら発電というのが以前ありましたけど、
道路に敷き詰めておけば電力が得られれば、結構なスペースを稼げると思うんですよね。
## 白い馬も黒い馬も同じ馬。
## じゃ、白も黒も同じ色?
夢が広がる (スコア:0)
今回の研究とは異なりますが、このタレコミを見てイルカペイント [wikipedia.org]を思い浮かべてしまいました。
実現しないかなあ。
Re:夢が広がる (スコア:1)
出力には天文学的な差があるようですが(^_^;
Re: (スコア:0)
論文の図を見て、サイコフレームの微細構造を思い出しました。
サイコ性能はともかく、回路を微粒子に閉じ込める、っていうアイデアは今でも斬新だなぁ。
ちなみに (スコア:0)
主任技師 天武零さんによると、
「現在は塗るだけで磁化するペンキを開発中」
とのこと。
# 奇面組ではない
Re:ちなみに (スコア:2)
Portal2のジェルみたいに色々できたら遊べそう
Re: (スコア:0)
もと暗しの方ですか?