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50年前にアイザック・アシモフが予測した「2014年万国博覧会」 34

ストーリー by hylom
今から50年後の予想は難しい 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

本家/.にて、SF作家のアイザック・アシモフが1964年に書き起こしたエッセイ「Visit to the World's Fair of 2014(2014年の万国博覧会を訪れよう)」が話題になっている。

アシモフは限られたデータから将来のテクノロジーを推定する天才であった。その証拠に、氏の「万国博覧会」の予測も現在の我々を楽しませてくれる。たとえば、予測の一つに入っているの一つがロボットだ。現在、IBMはロボットを展示するような企業ではないが、ロシア語を英語に翻訳する仕事のできるコンピュータを持っている。このコンピュータは、ロボットの "頭脳"となるくらいの小型化されたものだ。現実に2014年に万国博覧会が開催されたらIBMパビリオンでは、床にばらまかれたゴミを拾い、その中身を分別して捨てることのできるメイドロボットが展示される可能性も十分にある。

このほかにもバッテリーや空飛ぶ自動車、テレビ電話、観測衛星と言った事柄にも振れられている。もっとも2014年に万国博覧会が開催される、というアイデアが一番不確かな予測ではあったようだ。

このエッセイは、「生命と非生命のあいだ」としてハヤカワ文庫から日本語訳が発売されていたようだが、現在早川書房のWebサイトには掲載されていない。その内容については「過去の未来予想~アシモフの未来図をその未来に検証する~」で紹介されているので、日本語でざっと概要を確認したい人はこちらもどうぞ。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 手元に「生命と非生命のあいだ (IS ANYONE THERE?)」がある。
    昭和55年(西暦1980年)の第2刷。ISBNも無ければ、消費税も無い時代の物。定価500円だが、同じ厚さの文庫本は現在1000円程度なので、文庫本基準なら物価は二倍だろうか…。

    件のエッセイ「二〇一四年の世界博覧会」で述べられているアシモフの予測を抜粋してみた。 社会情勢の変化や技術的困難さで実現に至ってないものもあるけど、良い感じかと。
    私が知らないだけかもしれないので識者のツッコミを歓迎。

    照明:電気蛍光板(エレクトロルミネッセンス・パネル)
    表示装置としての有機ELはあるが、照明としてはまだまだ。現状では発光ダイオードが普及しようとしている。
    窓ガラス:偏光・透明度変更可能
    ボーイング787の窓には採用されている。家庭へ普及するだろうか。
    家:地下の家
    実現できる技術はあると思うが実用化はされてないような。
    ロボット:汎用家事ロボット
    専用ならある。掃除機とか食器洗い機とか。文化女中器はまだできていない。
    エネルギー:原子力電池・核融合炉
    電池は人工衛星などには使われているが家庭用は皆無。核融合炉は当分先のような。
    太陽光発電:太陽エネルギー発電所の稼働・宇宙発電所の計画
    地上では予測通り。一般家庭への普及を考えれば予測以上かも。宇宙空間での発電計画も予測通りか。
    乗り物:電子頭脳付き自動制御車の開発
    実験レベルでは存在する。実用化はGoogleCarなど各社頑張っている。
    交通:自走歩道
    あることはあるが、アシモフが思い描いたような複数速度帯・座席付きにはほど遠い。
    通信:静止衛星利用によるどこでも通話
    「静止」ではないが衛星通話はできる。地域限定ではるが携帯電話で似たようなことは可能。
    宇宙開発:人間常駐月面基地・火星遠征計画
    月面基地は無いが火星遠征計画は(片道だが)あるようだ。
    テレビ:壁面スクリーン・3D
    壁面とは言い難いが十分薄い。アシモフの言う3Dはホログラフィーなので、そちらはまだだ。
    人口:65億突破
    予測を超えて70億を突破している。
    食料:微生物を利用した模造七面鳥・疑似ステーキ
    人工肉は開発が進んでいる。
    • 静止衛星を使った携帯電話サービスなら日本でもソフトバンクがすでに。

      ソフトバンク衛星携帯電話サービス
      http://www.softbank.jp/mobile/special/satellite_phone/ [softbank.jp]

      ちなみに衛星自体はアラブ首長国連邦のものだとか。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        衛星電話の初出なら、90年代ですね

    • 私が持っているのは第3刷です。

      表示装置としての有機ELはあるが、照明としてはまだまだ。現状では発光ダイオードが普及しようとしている。

      アシモフ氏の説明では特に有機かどうか書かれてませんから、LEDでも合っているのでは?
      LED照明はここ数年で急速に普及した感がありますので、タイミング的にも予測が上手く当たったように思います。

      # 「地下の家」はアシモフ氏の閉所愛好家としての好みが多分に反映されているような……(^^;)

      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2013年08月30日 19時49分 (#2451243)

    >現在早川書房のWebサイトには掲載されていない。

    電子本でもいいからカタログに載せといてほしい>科学エッセイとか小説とか

    • by Anonymous Coward

      おそらく翻訳権関連の問題や、絶版するぐらい古いものだとテキストデータなんてありゃしないから採算が合わないんでしょうけど、電子書籍化してほしいですねぇ。

  • by Anonymous Coward on 2013年08月30日 17時23分 (#2451140)

    内容紹介で参照リンクされている先は2005年での実感のようですが、2013年現在だとまたちょっと実感が変わってきてますよね。

    ・CO2について
    アシモフが予見できなかった事として挙げられているけど、今だとさほど脅威という感じもしませんね。
    CO2による温暖化説に伴う政治的なアレコレや利害、説自体への懐疑とか、そういうのの影響で。
    なので予見出来てなかったとしてもまぁ別に、そこまで危機感のある問題になってないし…という印象。

    ・動く歩道
    今じゃもう珍しくもなくなっているのが面白いですね。2005年当時はまだ珍しかったのかな。

    ・テレビ電話
    室内での使用について難色を指摘されてますが、今だと仕事でビデオ通話で会議する事など珍しくもないですね。
    個人でもskypeとかでビデオ通話は一般的に行われてますし、その手の用途用にビデオカメラを安価で買える時代になってますね。
    電話機ではなくPCがその役割を果たしているという点が変わってきていますが。
    その電話機は携帯電話などのようにPC化をしてしまっているので、電話機かPCかという事を考える事自体が無意味なんでしょうね。
    なのでアシモフの予見もお見事。

    ・商品の符号化
    ヤマダ電気とか家電量販店のPCコーナーなんかはこの予言が当たってるんじゃ?と思いますw
    商品のカードを持ってレジに行って…という。
    商品はケースの中やバックヤードにあり、(展示品は触れるけど)購入するまで触れない。

    ・エネルギー問題
    おそらく一番変化したのがコレなんでしょうね。
    省エネ、再生利用可能エネルギーへの依存などなど、エネルギーを使う事への意識が大きく変わった事を感じます。
    かといって太陽電池や風力発電が思ったほどアテにならないという意識が(前からわかっちゃいたけど)広く浸透してきたり。
    2005年ぐらいだとまだ太陽電池に夢を見ていた時代だったのかな。

    こうして見るとテクノロジーや社会の変化の速度に驚きますね。

    • by Anonymous Coward

      大阪万博の段階で展示されていたものも多いんですよね。完成度とか普及度という面を無視すればさ。

    • by Anonymous Coward

      ・CO2について
      アシモフが予見できなかった事として挙げられているけど、今だとさほど脅威という感じもしませんね。
      CO2による温暖化説に伴う政治的なアレコレや利害、説自体への懐疑とか、そういうのの影響で。
      なので予見出来てなかったとしてもまぁ別に、そこまで危機感のある問題になってないし…という印象。

      いや、十分脅威ですが>温暖化。北極海航路の話題とかよく出てるでしょ、報道で。
      あれ温暖化が現実に進行しているからなんですけど。「温暖化してない」というのはもはや宗教の類でしょう。
      原発止まって火力で発電しなきゃならないんで、「みなかったことにしよう。空気読んで」的に日本じゃ議論が止まっただけ。

      「説自体への懐疑」ってのが止んでいるのも、温暖化懐疑論の人が反原発のほうにシフトしたからだし。
      #2011年以前に科学的・論理

      • by Anonymous Coward

        そもそも地球の平均気温は人間が居ない時代から様々な原因で変化してきた。
        => つまり必要なのは気候変動に対応できる知恵と実力であり、
         CO2を削減することではない。

        => 温暖化というより気候変動が問題。とても寒い冬からとても暑い夏という
         振れ幅の大きな変化に伴う地球全体の活性化による被害が大きい。
         この気候変動が平均気温が上がったためだとする輩がいるのだが
         規模の大きな噴火や地震の増加などなんて言うかCO2では片づけられないよね。

        • by Anonymous Coward

          >そもそも地球の平均気温は人間が居ない時代から様々な原因で変化してきた。
          >=> つまり必要なのは気候変動に対応できる知恵と実力であり、
          > CO2を削減することではない。

          人類の文明が誕生して以降も大規模な気候変動はありましたが、
          それに対する対応はほぼ「文明の崩壊⇒大戦争⇒新文明の勃興」で対応していました。
          それでいいならいいんですけど。あまり私は「文明の崩壊⇒大戦争」で生き残れないと思うんでやだなぁと。

      • by Anonymous Coward

        私は温暖化懐疑論から原発推進にシフトしました。

        お前らあんだけCO2が重要といってたのは何だったんだ。
        その場の勢いだけで言っているのがバレバレじゃないか。
        とか言えるので、整合性をとったままシフトはしやすいと思う。

        ま、個別の話をしているんじゃないんでしょうけど。

  • by Anonymous Coward on 2013年08月30日 23時27分 (#2451350)

    アシモフが『鋼鉄都市』を発表したのが1953年。
    予測の内容は、同作の設定と同じ方向に進みつつある、途中段階の社会という感じですね。

    この作品を知らないと、動く歩道のくだりは分かりにくいのかなあ。
    車並みのスピードが出る代物で、ワシントンからニューヨークまで動く歩道で移動する人もいる位です。
    これが空中を走ってて、バスやなんかの加重がかかるものは地上や地下を走ります。

  • by Anonymous Coward on 2013年08月31日 2時54分 (#2451434)

    鉄腕アトムが先。

    • by Anonymous Coward
      何を以て先・後を論じているか不明ですが、鉄腕アトム(漫画)の第1話にはアシモフのロボット三原則が引用されていますね。 # 「先」を言うなら、ジュール・ヴェルヌやハーバート・ジョージ・ウェルズの方が先では。
    • by Anonymous Coward

      ジェッターマルスがいよいよ来年お目見えですね。

      #時は2015年♪

  • by Anonymous Coward on 2013年08月31日 9時03分 (#2451473)

    多くの人が「こんなこといいなあ、出来たら」と考えてる事を、開発を続け将来において実現するのが技術者の仕事で、いま記述するのがSF作家の仕事でありますから、当時のSF作家の記述と現在実現されたテクノロジーの多くに重なりがあるのは、ごく当たり前なのであります。

    • by Anonymous Coward

      ただ、当たりすぎちゃうと面白くもなんともなくなるのが悩ましいですねw
      「ルー=ガルー」とか書かれてまだそれほど経ってないのに時代が追いつきすぎちゃって、今読むとSFらしさが全く感じられなくてツマラナイといったら…。

  • by Anonymous Coward on 2013年08月31日 9時16分 (#2451478)

    書かれた当時から現在までの数十年の科学の進歩にも関わらず、
    彼の科学エッセイの持つ論理と想像力は少しも毀損されていないと考えます。

    googol数について初めて知ったのも彼のエッセイでした。

    絶版しているのもあるようなのはとても残念です。
    子供に読ませたい。

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192.168.0.1は、私が使っている IPアドレスですので勝手に使わないでください --- ある通りすがり

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