史上最強の致死性物質が発見される 54
ストーリー by hylom
人類はまた恐ろしいモノを発見してしまった 部門より
人類はまた恐ろしいモノを発見してしまった 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、
「史上最強」という致死性物質が見つかったそうだ(GIZMODO)。この物質はボツリヌス菌由来のものだという。
もともとボツリヌス毒素(ボツリヌストキシン)は強毒性として知られているが、その中でも新たにパワーアップしたものが偶然見つかったということだ。悪用の懸念からその詳細は最高機密扱いだという。
原著論文の概要(The Journal of Infectious Diseasesそしてその2)でも、危険過ぎるので遺伝子構造などは非公開という珍しい論文となっているようだ。
ちなみにボツリヌストキシンはその弛緩作用を利用して「皺取り」や「エラ取り」目的でも使われているそうだ。そろそろ、目じりの皺が気になるから、ボトックス注射でもして、皺取りでもしようかしら?と考えている人は、どう思います?
感染する前に (スコア:2)
宿主死んで感染が広がらないとか考えたけど
菌の特性がわからんのでなんとも言えんな~。
# こういう場合の論文ってどうやって中身を検証するのかそっちの方が気になる
Re:感染する前に (スコア:3, 興味深い)
宿主死んで感染が広がらないとか考えたけど
菌の特性がわからんのでなんとも言えんな~。
ボツリヌス菌って、パック包装とか漬物とかの食品の嫌気性環境で増殖した結果人間に対する致死性をもつ毒素を作り出すわけで、
人to人感染は(感染者の排泄物が着いた食物をとったことによる感染はあるけど)、
人を中間宿主としているわけではないし、「致死性の高さ」は必ずしも感染の広がりに決定的ではないのでは?
(「人の体内でしか増殖できない菌」が、「人to人感染」で感染する流行病は、おっしゃるとおり「感染した人がすぐ死ぬ」と流行の収束は早いが、
菌が、「人to人感染」以外で菌が感染できるなら、「感染した人がすぐ死ぬ」としても流行は収束しない)
むしろ食品の衛生的取り扱いが重要視されているのでは。
たとえがいいかわからないけど、「狂犬病」は人間に対してきわめて致死性が高いけど
狂犬病の人to人感染は(脳が最終的にやられて、人に対して噛み付くような狂気に陥らない限り)ない。
感染の広がりは狂犬病もちの犬をどう管理するかにあって、感染済みの人間が早く死ぬか、遅く死ぬかはあまり問題ではない。
# こういう場合の論文ってどうやって中身を検証するのかそっちの方が気になる
それより、査読者はどうやって査読の合否をつけたんだろう。
科学哲学・科学史的に興味深い事例だと思うし、過去に例はなかったのかしりたい。
科学史やってる知り合いに聞いてみよう。
追試できない (スコア:1)
そういう論文ってありなの?
Re:追試できない (スコア:1)
どうせペンタゴンあたりが、いやというほど追試・検証はしてくれてるんじゃね?
Re: (スコア:0)
仕方ないんじゃないですかね。
そのかわりこの研究が一般に有用なものとして評価されることもないでしょう。
Re: (スコア:0)
>有用なものとして評価される
そっちの方が怖いわ
観測技術の進歩? (スコア:1)
完全に私見だが、「本当に危険なの?」と云う感が強い。
20世紀末頃から、DNA鑑定の機器技術が大幅に向上したのは間違いない事実。
で、その結果、「昔なら見落としてただけ」の意外に実害の低い新種発見が続いてるだけの様な気がしてる。
元々、細菌やウィルスの世代交代は非常に速くて、昔の環境なら成人になる前に一通り感染してた可能性も有る訳で、無駄に無菌室を日常空間に持ち込んだ弊害が「新種発見」と云う形で現れてるんじゃ無いかなと云うのが個人的感想。
-- Buy It When You Found It --
Re:観測技術の進歩? (スコア:3)
問題はそこではなくて、タレコミにもあるように
現在のボツリヌス毒素を利用したものより高効率な生物兵器として使われた場合に『危険』という話です
Re:観測技術の進歩? (スコア:1)
いや、原著論文読んでもらえればわかるように、腕が一本ふえているので大分ちがうの「かも」しれない。
追試できないのでわからないけど
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Re: (スコア:0)
「原著論文読んでもらえば」って簡単に言うけどさ、一般人にはリンクにある抄録読む程度が限界orz。
その抄録を読む限りでは「腕が一本ふえている」とは書かれてないのですが、原著の記載から、もう少し詳しく教えていただけませんでしょうか。
Re:観測技術の進歩? (スコア:1)
ごめんなさい。原著の記載から説明することはあきらめます。本当に必要なら、ご自分でどうぞ。あなたは一般の人ではなさそうですし。
参考情報として
http://lifesciencedb.jp/dbsearch/Literature/get_pne_cgpdf_old.php?year... [lifesciencedb.jp]
あたりをどうぞ。(PDF注意)
今回見つかったものは、Type Hです。上のPDFではType Gまでしか書いてありませんが、それを越えるものが見つかったという話です。もっと深い話がしたいならば、私よりもより専門の方が解説してくださることを待ちましょう。
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Re: (スコア:0)
ありがとうございました。理解が深まりました。
今回のGは、神経毒素そのものも新しいし、血球凝集素遺伝子も新しいものがあったという理解でよろしいでしょうか。
個人的に気に入った記載は、「1gで100万人以上を殺すとされており、動物実験から、ヒトにおけるボツリヌスA型毒素の致死量は、経口摂取で70μg」です。計算合わなくね?(冗談です)
Re:観測技術の進歩? (スコア:1)
Gって略すな~
背筋がおぞおぞしたぞ。
訴えてやる!(冗談です)
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Re:観測技術の進歩? (スコア:1)
今回の問題は、「有効な拮抗財が見つかってない」って点に集約されますね。
ただ、ボツリヌス毒素自体は、特異な高分子物質なんで失活し易いです。
特定の生体細胞に取り込まれる事が前提の分子構造だし、毒として機能する仕組みに、毒性要素の切り離し作用が関与しているので、ボツリヌス毒素に特異的に作用する解毒剤が作れる訳です。
ここでのポイントは「拮抗財は人体に無害で無ければ薬として無意味」って所ですね。
人体にも有害な消毒剤でなら、簡単に消毒出来る代物だから、「自然界で分解されないか?」って視点では、実際の危険性は低い可能性が非常に高いです。
真の危険性は、寧ろ「毒性が強化された仕組み」にある感じがします。
つまり、今回の毒素そのものではなく、それを研究した結果生まれる可能性のある技術の方が危険と感じます。
でも、本当に危険かは、情報隠蔽でオカルト領域に入っていますから、実は単なる宣伝と予算獲得手段かも知れません。
現時点の状況から見るに、陰謀論を正当に適用可能な対象かと思います。
-- Buy It When You Found It --
Re: (スコア:0)
×拮抗財
○拮抗剤
Re: (スコア:0)
・2ナノグラム(10億分の2グラム)*注入しただけで成人を死に至らしめる。
・13ナノグラム(10億分の13グラム)*吸入しただけで成人を死に至らしめる。
・スプーン1杯ぶん混ぜただけで全市の水供給が壊滅的打撃。
これは毒としてはどの程度のもんなんですかね。
史上最強って言われても何と比較して良いのやら。
Re:観測技術の進歩? (スコア:1)
2ngで人は死ぬけど、ボツリヌス菌がそれを生成する確率は非常に低く、
大規模工場で1年かけてようやく1ngとかだと、自然界での脅威はもちろん
人為的な脅威も減るんじゃないかな
でも、ng級の物質の発見とか性質解明とかよくできるな~と
TomOne
Re: (スコア:0)
最強と言われていた、従来型ボツリヌストキシンの吸入成人致死量が0.7~0.9μg だそうです。
新型は、50倍程度強いと。
Re: (スコア:0)
そんなに少量で、生存に係わる部分を本当に停止させられるもんなんだろうか?
ネズミなんかの致死量から体重で換算した値なんだろうけど、正しいのかね?
Re:観測技術の進歩? (スコア:4, すばらしい洞察)
「正しいのかね?」なんて訊いてどうするんだよ。
科学者は「人間については正しいかどうか確かなことはいえないが、動物実験などの結果からそう推測される」と答えるに決まっている。
もし科学者が「正しい」と断言したら、それはつまり実際にこの毒素を無作為に抽出した成人に投与して死亡するかどうかの人体実験を、
統計的に信頼できる数だけ行なったということだぞ?「史上最強の毒素が見つかった」どころの話じゃなくなる。
Re: (スコア:0, 参考になる)
科学者がどうこう以前に、まずスラドの記事に対して「正しいのかね?」と思う習慣はつけておいた方がいいと思うよ。
ネットの記事は元々の原文の意図に関係無く、面白そうな部分にどんどん尾ひれを付けて面白おかしく伝えられる場合が多いからな。最近も消費者がIT企業の車に乗りたがってるなんてトンデモ記事があったし。
スラド記事で元ネタがギズモードだったら取り敢えず信頼性5%ってあたりから読み始めるのが吉。
今回は、英文の論文の方も要旨しか書いてないみたいなので、読むのはやめたけどね。
Re: (スコア:0, オフトピック)
まずスラドの記事に対して「正しいのかね?」と思う習慣はつけておいた方がいいと思う
それはそのとおりだけど、それが #2479707 や #2479777 と何の関係があるんだよ。
#2479707 は「スラドの記事だからとりあえず疑ってみた」わけじゃなくて、「ネズミなんかの致死量から体重で換算した値なんだろうけど、正しいのかね?」と、
「ネズミなんかの致死量から体重で換算したこと」の妥当性を疑っているんだ。
それに対して、ネズミの致死量からの換算で人間の致死量が正確に求められるわけではないのは当たり前だと指摘している。
「ネズミなんかの
Re: (スコア:0)
>英文の論文の方も要旨しか書いてないみたいなので
いや、本文にそれなりに書いてあるだろ?
Abstractしか見てないわけでもあるまいし。
Re: (スコア:0)
へえ、本文読んだの?
IDSAのメンバーでないと読めないみたいだけど。
Re: (スコア:0)
アホか。
元コメは動物実験の妥当性自体を疑ってるんじゃないことは明白だろ。
動物実験をやったというネタがタレコミに書いてある訳でも無し。
元コメは薬物の量が少ないことに疑いを持っていて、色々考えられる誤差要因の例の一つとして動物実験を取り上げただけ。
それに対して「その他色々」を無視して動物実験に対して疑問を持つなと主張しても意味ないだろ。
Re: (スコア:0)
「実験で得られた値には誤差が含まれてるから、真の値と異なるかもしれない」とか、
「値そのものが小さいから、それに含まれる誤差の量は相対的に大きくなる」とか当たり前だろ。
誤差に埋もれてまともに値が得られないなら、2ナノグラムなんていう数字は主張しねえよ。
小さな値を計測するにはそのための誤差が小さい方法があって、それゆえこうした小さな値を信頼できる値として提示できてるわけ。
それこそ「正しいのかね?」なんて訊いても仕方ない下らない疑問だろうが。
そんな当たり前のことを指摘して、何か鋭い指摘をしたつもりになっているのが滑稽極まりないな。
他人に「アホか」と罵るなら、もう少し賢そうなコメントを書いてからにしてくれないかな。
Re:観測技術の進歩? (スコア:1)
150KDaのものが2ngあるとすると80億程度の分子が存在するわけですか。
2ngというと少量に見えますが、80億というと大量に見えるのでは?
Re: (スコア:0)
この手の毒素が強力なのは、一種の酵素(たんぱく質でできた触媒)として働くためのようです。
この毒素分子が一個あるだけで、毒素分子自体は消耗することなく、周囲の神経伝達系を構成する
分子が次々と破壊されて、神経も次々と機能停止してゆき、呼吸なども停止する、そういうイメージです。
触媒として、どのくらいの速度で標的となる分子を改変できるか、そういう効率の良し悪しですから
従来と比べて、何十倍も強力なものが発見されても不思議ではないと思います。
Re: (スコア:0)
これ便に出した赤ちゃんどうなったの~?
# 当然死亡?
Infant botulism (スコア:3, 参考になる)
わき道にそれますが、乳児にはちみつを食べさせてはいけない理由はこれですので、お間違いないよう。
# はちみつの瓶には「自然食品ですので1歳未満の乳児には与えないでください」とだけ書いてありますが、あれはちゃんと「ボツリヌス症の危険がありますので」と書かないと、そのうち誰かに訴えられたら負けると思う。
Re: (スコア:0)
>乳児にはちみつを食べさせてはいけない理由はこれです
だから、赤ちゃんがどうなったのか聞いているだけなんだけど
Re: (スコア:0)
#2479613 [srad.jp]とそれへのコメントで、リンク先に示されていると思うんだが、何が足りないのだろう?
ぜひ (スコア:1, おもしろおかしい)
このボツリヌス菌に柏木千鶴(notマッドクック)の料理を食べさせてみたい。
あるいは地上最強の男、竜と戦わせてみたい。
#本当ならとらハシリーズから出したいが自粛
らじゃったのだ
Re: (スコア:0)
既に致死性です(料理が)
# 鬼でも死ねる
Re: (スコア:0)
園山真希絵さんとどちらが強いでしょうか?
#そーいう問題なのか?
Re: (スコア:0)
>柏木千鶴
昔過ぎて設定覚えてねーよと思いきや、
一応2009年にリニューアルしているのか。
Re: (スコア:0)
リニューアルは2回あった記憶が。
そしてリニューアルごとにサイズが補……あれ、気温が3度下がった?
古いネタですが… (スコア:1)
「復活の日」で、MM-87の毒性を薄めるつもりが逆に2000倍の毒性を持つMM-88が出来てしまった、というのを思い出しました。
致死性が高すぎると (スコア:0)
感染しきる前に感染者がみんな死んでしまうので、
(人類にとっては)実はそれほど怖くはない
ってのを某ゲームで学んだ。
潜伏期間が長くて感染力が強いとその限りじゃないけど。
Re:致死性が高すぎると (スコア:1)
一方で、潜伏期間が長すぎて感染力も強すぎると、気付かないうちに
自国まで感染が広がっていて、ダメージをうける恐れも。
細菌兵器として使うには短めの潜伏期間と高めの感染力、
そして特効薬や予防薬の存在が重要なんだろう。
でも、そんな都合の良い細菌なんてあるんだろうか?
今回のについては「ボツリヌス菌由来の毒」であって
「ボツリヌス菌そのもの」じゃないから感染力云々の問題はないと思うけど。
#オッサン世代だとボツリヌス菌って「辛子レンコンの真空パック」で一躍有名になった感がある。
# http://idsc.nih.go.jp/iasr/CD-ROM/records/05/05702.htm [nih.go.jp]
#嫌気性細菌なので、空気中にバラ撒いて感染を広げる細菌兵器としては不適切な感じ。
Re: (スコア:0)
> 一方で、潜伏期間が長すぎて感染力も強すぎると、気付かないうちに
> 自国まで感染が広がっていて、ダメージをうける恐れも。
いつのまに兵器に使うことを前提とした話の流れなったのか、よくわかりません。
もちろん兵器への転用可能性も話題の一つとしてはありえなくもないですが。
ただ、感染が広がっていくようなものは、兵器としては扱いにくいのでは。
おっしゃるように、自国にまで広がってしまう可能性もあるだろうし、
自国でなくても関係のない第三国に広がってしまう可能性もあるし、
そう考えると世界中を危険にさらすことになるから、世界中を敵に回すことになるだろうし、
自国民さえ敵に回すことになるだろうし、
敵国内でも非戦闘員を殺さないようにすることもできないし、
戦争が終わった時点で効力を止めることもできないし。
というわけで、兵器に転用する話は、あまり現実的でないと思います。
テロに使うのは、ありかもしれませんが。
Re:致死性が高すぎると (スコア:1)
繁殖に生体が必要なウイルスやある種のマイコプラズマと違って, ボツリヌス菌なんかは栄養培地で繁殖可能ですから, 条件さえ整えば感染者が死んでも痛くも痒くもないわけで.
それにボツリヌス菌は毒素型食中毒 [wikipedia.org]の代表とも言えるので, 逆に菌そのものが死滅していたとしても中毒は起こるということには注意が必要です. まあ, 幸いにしてボツリヌス毒素は熱に弱いので, きっちり火を通せば防ぐことができますが.
# ボツリヌス中毒事件 [nih.go.jp]の印象が強くて, 「通勤にブドウレンコン」が「通勤にカラシレンコン」に変換されてしまう
Re:致死性が高すぎると (スコア:3, 参考になる)
今回の発端となった乳児ボツリヌス症 [infantbotulism.org]は、大人ではどうということはない量のボツリヌス菌の芽胞が乳児の腸管で増殖して毒素を作ることによって起こるものであって、毒素型食中毒ではないです。
# リンク先にももちろん書いてありますが、赤ちゃんにはちみつをあげてはダメですよ。
Re:致死性が高すぎると (スコア:2)
赤ちゃんに蜂蜜はダメというのは知っていたのですが, それが乳児ボツリヌス病 [nih.go.jp]だったんですね. とすると, この場合は感染型食中毒か.
# てっきり蜂蜜中に含まれる蛋白成分なんかでアレルギーを起こすのかと
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
たくさん爆弾としてパックしておけば、必要な地域に必要なだけデリバリー♪とか、兵器としてはむしろ使いやすいのでは?あまり残ると、占領期にも残りそう。
...って、毒素そのものは残るから、結局持続性が結構ありそう。
Re: (スコア:0)
占領前に核兵器で焼却無害化してしまえば問題ない。
毒素を無害化するための人道的な核攻撃です。
# 福井晴敏の小説ではテルミット系の焼夷弾で毒ガスを潰すとかあったな
Re:致死性が高すぎると (スコア:3, おもしろおかしい)
核兵器使えるなら、わざわざ生物兵器で攻撃してから核兵器を使わなくても、最初から核兵器で攻撃すればいいじゃん……。
Re: (スコア:0)
なら、「エラ ボツリヌス菌」でググってみ。
Re: (スコア:0)
頬肉取りに注射したりします。骨までは削りませんけどね。顔が細く見える美容整形の一種としてポピュラーです。タレコミには入れなかったけど、またhylomが釣りネタとして挿入したのでしょう。