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サイエンス

液体状態のホウ素は金属ではなく半導体であることが明らかに 30

ストーリー by hylom
魔法のようだ 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

科学技術振興機構(JST)や宇宙航空研究開発機構(JAXA)などが、「ホウ素の溶融状態は金属ではないことが判明した」との研究成果を発表した(JAXAのプレスリリースASCII.jp)。

ホウ素は金属元素と非金属元素の中間の性質を示す半金属であることが知られている。ホウ素の化合物はさまざまな分野で利用されているが、ホウ素の融点は2077℃と非常に高いため、ホウ素を溶かして融体とすることは難しく、融体の性質については理論的には金属であると予想されていたものの、実際に検証されてはいなかったという。

今回研究チームは、静電気を用いて材料を浮遊保持する静電浮遊法という手法をつかってホウ素を浮遊させた状態で溶融させ、大型放射光施設SPring-8でコンプトン散乱測定法という手法でホウ素融体中の電子の挙動を観測したという。その結果、ホウ素融体中の電子の大半は原子間に拘束されており、金属と言うよりも半導体に近い性質を持つことが明らかになったそうだ。

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  • by SteppingWind (2654) on 2015年04月22日 13時31分 (#2801882)

    かき混ぜると正孔が出来たりするんだろうか.

    • by Anonymous Coward

      かき混ぜると「ぽきっ」ってなるのか。

      • by Anonymous Coward

        大量の電子-正孔再結合が起こるから、爆発的な電磁波が生まれたりして。
        外部に取り出しやすいように吸収長程度の薄さの透明容器に液体ホウ素を入れとく。

  • by Anonymous Coward on 2015年04月22日 14時42分 (#2801943)

    ぱっと調べた限りだと
    Electronic conduction in liquid boron, Europhys. Lett., 56 (1), p. 81 (2001)
    ではアルゴンガスでホウ素球を浮かせて、レーザーで融かして、非接触伝導度測定を行っていますが、理論的に予言されている半導体-金属転移が起きずに、液相でも半導体だと結論しています。

    Structure of Liquid Boron, Phys. Rev. Lett., 81, 286 (1998)
    では、JAXAの論文とほとんど同じ様な方法で対分布関数を測定していますが、この結果は、DFT+MDによる理論計算と良く一致していて、半導体-金属転移が起きていると結論しています。

    いずれにしても、JAXAの論文を早く読みたいですね。

  • by Anonymous Coward on 2015年04月22日 12時17分 (#2801805)

    タイトルのみ

  • by Anonymous Coward on 2015年04月22日 12時18分 (#2801806)

    興味深いですな。

    • by Anonymous Coward

      レンも必要ですからね。新入社員の皆様へ

  • by Anonymous Coward on 2015年04月22日 12時22分 (#2801812)

    一歩近ずいた

    • by Anonymous Coward

      × 近ずいた
      ○ 近づいた
      ◎ 別に近づいてないというかほぼ関係ない

  • by Anonymous Coward on 2015年04月22日 12時38分 (#2801831)

    興味深い話ですが、どこをどう間違えたのかはまだわからないのかな

    • by Anonymous Coward

      理論といっても、周辺元素の傾向から推測した、くらいの感じで、
      数式コネコネとかシミュレーションゴリゴリとかまではやってなさそうだし、
      まぁしょうがないんじゃないんですかね。

      # やってたらごめんなさい

      • by phason (22006) <mail@molecularscience.jp> on 2015年04月22日 14時08分 (#2801916) 日記

        いや,結構色々な計算があった覚えが.

        ただ,

        (1) そもそも,高温溶融状態などの構造を求めるのが難しい

        低温極限での構造を求めるってのは結構進歩しているのですが,高温・液体での構造を求めるのは計算的に非常に大変になります.
        このため,ホウ素の溶融状態の構造に関してもまだ議論が続いていたはず.
        (完全にランダムな溶融状態なのか,小さな多面体クラスターというか分子というか,そういうものが動き回っている状態なのか,等)

        (2) 液体やガラス状態での電子状態の計算が難しい

        結晶ですといわゆる古典的な固体電子論(ブロッホ状態,バンド構造)が使えるわけですが,液体やら金属ガラスやらの周期性を持たない構造では,これら周期性を仮定した議論は通用しなくなります.
        じゃあそういう状態での電子状態はどうやって出すのかというと,液体金属をきちんと説明し尽くすような理論は今のところ無かったような……

        そんなわけで,そもそも液体という乱雑な状態での電子状態をきっちり計算するのは難解で,さらにその基礎となる液体中での構造の計算もなかなか困難(さらに,構造を決める要因に電子状態も入ってくる).
        そういう条件下だと,まあ,色々仮定やら近似を入れて計算するわけで,場合によってはズレてもしょうがないかなあと.

        親コメント
  • by Anonymous Coward on 2015年04月22日 12時41分 (#2801837)

    > 理論的には金属であると予想されていたものの
    半導体だったって、理論屋さんちょっと残念。

    • by Anonymous Coward

      どっちかというと既存理論の修正は研究のネタのような。
      既存理論に従った論文が発表予定?それはとてもざんねん。

  • by Anonymous Coward on 2015年04月22日 14時45分 (#2801945)

    超高温でも動作するトランジスターが作れる?

    • by Anonymous Coward

      × 超高温でも動作する
      ○ 超高温でしか動作しない

      • by Anonymous Coward

        高速飛行の熱を受けてない状態では常時燃料漏れを起こす高高度偵察機みたいですね

  • by Anonymous Coward on 2015年04月22日 15時36分 (#2801992)

    http://www.isas.jaxa.jp/home/iss/lab/ishikawa/2esl.html [isas.jaxa.jp]
    これどうやって帯電させてるんだろう?
    これを使えば人も浮遊できる!

    #生死は問わない

    • by Anonymous Coward

      斎場でええやん。

    • by Anonymous Coward

      タレコミにあるASCII.jpのリンク先に書いてあるよ。

      > 静電浮遊法は帯電した試料に静電場をかけて重力と釣り合わせることで
      > 空中に浮遊させるもので、紫外線照射によって帯電を持続、位置検出と
      > 静電場の調整で試料は±10μm以内の精度で制御できる。

      • by Anonymous Coward

        なるほど、つまり日焼けサロンの人たちはふわふわと浮いてると。

      • by Anonymous Coward

        なるほど、つまりネコが日向ぼっこするのはふわふわと浮遊するためだったんだ。

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弘法筆を選ばず、アレゲはキーボードを選ぶ -- アレゲ研究家

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