細胞株の汚染、3万件を超える生物医学関連研究の結果に影響? 21
負の遺産 部門より
生物医療系の分野の研究において、「細胞株の汚染」によって誤った結果が導き出されるといった問題が多く存在する可能性が示唆されている。最新の調査結果によると、3万以上の科学論文がこの問題の影響を受ける可能性があるという。
生物医療系分野では、研究用に培養した「細胞株」を利用することがある。通常の細胞には寿命があり、一定回数の細胞分裂を経た後に死滅してしまうが、その一部が死滅せず、無限に増殖できるようになることがあるという。こういった細胞を「細胞株」と呼び、研究用として使われるのだが、何らかのミスやトラブルでこの細胞株にほかの細胞が混入するといった「汚染」が発生してしまうことがあるという。
こういった細胞株は培養されて多数の研究機関に提供され、それがさらに培養されて使われる、といったことが繰り返される。たとえば「HeLa細胞」と呼ばれる細胞株は培養され続けた結果、使われた量はトータルで20トンほどになると推定されているという。しかし、こうした細胞は増殖性が高いことから容易にほかの細胞に混入してしまい、それが知らぬ間に研究結果に影響を与えてしまうことがあるという。
例としては肺がんの研究で使った細胞が実は肝臓の細胞だったり、人間の細胞だと思って使っていたものが実はマウスの細胞だった、といったものが挙げられている。こういった事例は多数あり、その結果多くの論文が不確かなものになっているという。
この問題を受けて、Radboud UniversityのSerge Horbachらが、こうした汚染や取り違えのうち既知となっているもののリストである International Cell Line Authentication Committee(ICLAC)の誤認細胞株リストを調べたところ、こういった「汚染が発生したことが判明した細胞株」を使って行われた研究が1950年代から存在しており、その影響は約3万3000もの論文に及ぶことが分かったという。
こういった汚染による取違いは過去に日本でも発生して問題となっていた。
チャンス (スコア:0)
捏造がバレたらこれのせいにしよう。
Re:チャンス (スコア:4, 参考になる)
cell bankの警告は2008年 [nibiohn.go.jp]以前から
マウスやラットも取り違え [toho-u.ac.jp]がある。品種を維持するのに凍結胚を使うがそれも入れ違え [riken.jp]がある。
UNIXではないが「フォーク」してしまう「品種」がある。例えば高血圧自然発症ラット(SHR [nih.gov])[加藤ら [jst.go.jp]。
DNAの試薬にもレトロウイルス [biomedcentral.com]のコンタミがあったのでその試薬を使った研究でマウス白血病ウイルスが慢性疲労症候群や前立腺がんと関係あるという「誤報」が相次いだこともあるし、警察のDNA鑑定の試薬に混じった試薬会社ライフテクノロジーズ社の社員のDNA型が県を跨いで捜査線上に浮かびあがったこともあった。
試薬のDNA断片なら兎も角、ファージとかウイルスが、株に混じって品種改良されてしまうと困る。乳酸菌の自家継代でファージが菌を全滅させることもあるpdf [aichi-inst.jp]
STAP、とんとん誰か来た
Re:チャンス (スコア:2)
過去のタレこみ [srad.jp]
Re:チャンス (スコア:2)
Genetic Monitoring of Laboratory Rat Strains by Restriction Fragment Length Polymorphisms of Mitochondrial DNA英文 [jst.go.jp]
Re: (スコア:0)
既出(ドヤァったっていまだに問題が解決してないんだから、研究ではもっと慎重に取り組んでもらわんと。
Re: (スコア:0)
部外者だけどさ、これってなぜ諸外国の生物系研究室には飼育係や雑用係、器具洗い係がいるのかって理由でもあるよね。
大学生みたいな素人に器具を洗わせたりすると、専門職の雇用と業界の景気と貴重な試料や得られるはずの成果を全部いっぺんにダメにするからだよね。
同じことは生物系以外の大学全般とか、大学以外の教育機関全般とかにも言えるんだけど。
Re: (スコア:0)
科学技術に十分な予算を配分する必要がないって言ってんだから仕方がないだろ。
政府が、じゃない。国民様のご意向だ。
専門用語でコンタミという (スコア:0)
(しるこ爆弾)
30年くらい前から、ATCCとかのレポジトリで大問題になってました。ふた通りの原因があって、ラベルと中身が入れ替わる場合と、操作がまずくてある細胞株に他の株が混入したりするケース。DNAフィンガープリントとかで調べたりしますが、いまならいきなりシーケンサにかけるのかな。
職場で動物細胞の大量培養してたけど、たぶん1社だけで数トンは培養したんじゃなかろうか。
Re:チャンス (スコア:3)
つか、STAP細胞騒動についても「対照実験に使ってたES細胞が混入した」説が有った筈
不死化 (スコア:0)
なんかもうこの時点で元の細胞と違ってしまってる気がするけどそれはいいのか?
Re:不死化 (スコア:1)
だよねぇ。
この無限に増殖するやつを頭皮に移植する研究を始めればいいのに。
Re:不死化 (スコア:2)
my navi [mynavi.jp]、皮膚外毛根鞘がんの原因遺伝子 [kyushu-u.ac.jp]、毛包系腫瘍 [derm-hokudai.jp]
Re:不死化 (スコア:1)
移植してみたら増えたのは癌細胞化した髪の毛だったりして。
Re: (スコア:0)
キタローの髪の毛針の事ですね。
(癌化しているので硬く、更に無限に増殖するのか)
Re: (スコア:0)
キダタローじゃなくてキタローか
Re:不死化 (スコア:2)
ふじっこちゃん [ishii.lg.jp]
Re: (スコア:0)
髪の毛とか爪とかって、死んでるようなもんじゃないの?生きてるのは根元だけで。
もし死んでなければ、髪の毛が伸びたり太ったりするんじゃね。
一歩間違うと、ほとんどツリーマンの悪夢だ。( グロ注意。 [google.co.jp] )
Re: (スコア:0)
んなこと言ったらまず細胞として取り出して試験管の中で培養する時点で
元の環境と違いまくってるじゃん
実験なんてそんなもんだよ、都合のいい条件だけ切り出さなきゃやってられない
Re: (スコア:0)
40のおっさんですが、自分が研究室にいた18年くらい前、すでにHela細胞はヒトの形質を持つと考えちゃいけないのでは?という話はありました。
Re: (スコア:0)
不死化してるから、という事じゃなく、長いこと使われてものすごく世代を重ねているので変異が発生しちゃってる。
株分けみたいな感じで研究室同士で融通し合ってるうちに変異が伝播したり分岐したりして、同じHela細胞なんだけど形質が違う、みたいな事が起きてる。
なんか (スコア:0)
カスピ海ヨーグルトでも似たようなこと言ってたっけな。