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サイエンス

オウム真理教死刑囚によるVXガスの連名論文が学術誌に掲載 49

ストーリー by hylom
歴史には残しておいてほしい 部門より

オウム真理教の元信者であり、「坂本弁護士殺害事件」の実行やサリン、VXガスなどの製造に関わっていた中川智正死刑囚が、米コロラド州立大名誉教授のアンソニー・トゥー氏と連名でVXガスに関する論文を執筆、日本法中毒学会の学術誌「Forensic Toxicology」電子版に掲載された(毎日新聞論文)。

論文タイトルは「Murders with VX: Aum Shinrikyo in Japan and the assassination of Kim Jong-Nam in Malaysia(VXガスによる殺人:日本のオウム真理教とマレーシアでの金正男氏殺害事件)」。トゥー氏は毒物や化学兵器の研究で知られており、オウム真理教に対する捜査にも協力していた。氏はVXガスを兵器として利用するために製造していたオウム真理教や、同教団が起こしたサリン事件について興味を持ち、中川死刑囚とたびたび面会を行っていたという(ハフィントンポスト)。

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  • by Anonymous Coward on 2018年05月26日 21時16分 (#3414728)

    There is no documentation regarding the toxic nature of the two types of VX (salt-free and HCl) in the literature; however, this was actually shown by Aum Shirikyo’s terrorist action. This was known only by two persons who were involved in the manufacture of VX. The first author of this paper was actually involved in such manufacturing [unpublished observation].
    この二種類のタイプのVXの毒性に言及した文書は存在しない。しかし、その毒性はオウム真理教事件によって証明されている。これはVXの製造に携わっていた2人(つまり、中川智正と土谷正実)だけが知っている。この論文の筆頭著者は実際に製造に関わっていた(未発表)。
    オウム死刑囚が執筆した論文をレビューする [wynned.com]

  • by Anonymous Coward on 2018年05月26日 9時41分 (#3414561)

    論文見ると、Tomomasa NakagawaAnthony, T. Tuの並び順だった。
    実際に使われた毒ガスの製造者がトップオーサーって恥ずかしくないのかな?

    ちなみにAffiliation: Hiroshima Detention Center, Hiroshima, Japan だって。

    • by Anonymous Coward on 2018年05月26日 10時00分 (#3414566)

      オーサーの順序は分野によって若干違うけど,ファーストオーサーはたいていの分野で論文に最も貢献した人物を記すことになっている.中川氏がこの論文でそういう立場であれば問題ない(むしろ貢献が少ない人物をファーストにする方が問題).

      しかし,刑の執行を待つ人物が,その犯罪と関連した研究を行うのは利益相反をふくめ研究倫理場の問題は生じる.学問的な貢献がたとえ大きいとしても,最近の動向では認められない(研究論文以外の形で貢献する方法はあろう).

      今回,日本法中毒学会の編集委員はその辺も踏まえて審査しているはずだから,どのような審査が行われたのか興味深い.

      親コメント
      • by shesee (27226) on 2018年05月26日 10時49分 (#3414579) 日記

        死刑が確定している状況なら、利益相反は生じないのでは?

        親コメント
      • by Anonymous Coward

        オーサーの順序は分野によって若干違うけど,ファーストオーサーはたいていの分野で論文に最も貢献した人物を記すことになっている.中川氏がこの論文でそういう立場であれば問題ない(むしろ貢献が少ない人物をファーストにする方が問題).

        Tu氏がインタビューして作文もしているなら、Tu, Nakagawaになるべきでは?

        • by Anonymous Coward

          社会科学ならそうかもしれんが、常識的には知見を持ってて実験した奴がファーストオーサーだろうな。

    • by Anonymous Coward on 2018年05月26日 13時36分 (#3414627)

      >実際に使われた毒ガスの製造者がトップオーサーって恥ずかしくないのかな?

      「恥ずかしい」の主語は誰?

      #死刑囚が短歌集や小説など文学作品を出して文学協会に入会しようとすると、
      #参加拒否するのってこういう思想のひとなのかしら

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      死刑囚も広島拘置所所属という扱いでいいのかな?
      強制的とはいえ、ホテル住まいの人がホテルに所属扱いのような違和感を少し感じる。

      • by albireo (7374) on 2018年05月26日 11時41分 (#3414599) 日記

        そりゃ「居住地」として見ているからでしょう。
        「勤務先」でもあるからそんなにおかしなことではないかと。

        --
        うじゃうじゃ
        親コメント
        • 死刑囚には刑務作業は無いよ。

          • by Anonymous Coward

            当人が「そこで死刑を待つ」というのが自分の仕事だとおもっているのだろうから、やはり問題ないかと。

            私も論文では会社勤めとなってますが、勤務実態は自宅の留守番と炊飯、買い物代行、洗濯、風呂の掃除、時々換気扇のフィルターの交換や食洗機の掃除といったものとなってますし。

          • by Anonymous Coward

            つーても実際にそこで執筆したのなら問題無いのでは?

    • by Anonymous Coward

      例えば原爆の論文があれば開発者が先頭に来るのは当たり前だと思うけど。
      大学で戦争利用に関わる研究をするなっていう人の気持はこんな感じなのかな。

      • by Anonymous Coward

        自分は大学で戦争利用に関わる研究をして欲しくないけど、開発者が先頭にあるべきだと思うよ。

        思い込みで世の中の人を単純に二分しない方がよいと予言しとくね。

        • by Anonymous Coward

          学歴に頼って生活する割には一度も母校に寄付しないんだな

          • by Anonymous Coward

            それ、一体何処から出たんだ?

    • by Anonymous Coward

      こういう人が国名を並べるとき、日本を最後に持って来てしまうんだろうな、恥ずかしくないのかな?

      • うちの会社のルールでは、議事録の初期記述者は、最後に名前を書いて(記録)とつけているなぁ。
        下っ端が議事録書くことが多いから、えらい順と矛盾しないけど、社会主義国だと書記長がトップだから別ルールなのかな。
        • by Anonymous Coward

          議事録と論文は違う基準だと思うけどね
          特許もかな
          #「初期記述者」って事は「最終記述者」もいるのかな?

      • by Anonymous Coward

        あれ?
        日本人は謙譲の心ってのが有って身内を後にするってのは美徳だと聞いた覚えが有るのだが。
        因みに身贔屓ってのは悪徳だと聞いていたが何か間違ってますか?

    • by Anonymous Coward

      このコメント [srad.jp]からリンクされてるレビュー [wynned.com]では

      杜博士は次のように語っている。

      私はテロ対策の目的で面会を重ねましたが、中川死刑囚はいつも記憶に従い率直に話してくれました。
      昨秋の面会時に、中川氏から『自分の経験を社会に役立てたいので英文で論文を書きたい』と聞いて協力し、権威ある専門誌に掲載できました。
      長年、日本の法務省や拘置所が面会を許

  • by Anonymous Coward on 2018年05月26日 10時28分 (#3414574)

    こういうのは次の犯罪に繋がったりするので
    本来は規制されたりするけど
    死刑囚で一般社会に戻れないので許しが出たのかね
    そこらへんが気になるところ

    世界的にもVXガスの専門家が少ないし
    実際に作る、使う、対処までの知識を持った人材なんて結構貴重だと思われるし
    実際に使った犯罪者が関わったという事で論文としての評価は低いかもしれないが
    かなり貴重な資料になりそう

    • こういうのは次の犯罪に繋がったりするので
      本来は規制されたりするけど

      詳しく知らないんで教えてほしいんですが、その規制の法的根拠は何でしょうか?
      あるいは、そう言う前例があったりするんでしょうか?

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2018年05月27日 15時14分 (#3414926)

      VXガスはその存在が既知だしVXガスの専門家でなくとも化学の専門家なら作れるから、特にこの論文が次の犯罪に繋がることなどない

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      専門家が少ないから警察も海外の人に頼ったのね。
      毒ガスなら自衛隊かなと思っていたけど。

      • by Anonymous Coward

        自衛隊も防護技術ぐらいは保有してるはずですが
        作ったり、使ったりは出来ませんから
        実際に使った犯罪者とはいえ1から10まで知ってる人はかなり貴重
        化学兵器禁止条約で規制されまくってる物質なので
        世界的に取扱に長けてる人材は稀なので

        • by Anonymous Coward

          20年近く前に柏の科警研に就職活動で行ったとき、
          ここではサリンを合法的に作れる、と教えてくれました。
          日本でここだけ、といっていたか、○ヶ所しかない、といっていたかは定かではありません。

          周辺住民が不安になるといけないので、
          換気用のダクトは周辺から見えないよう
          建物の吹き抜けの内側についているんだとか。

        • by Anonymous Coward

          自衛隊はちょくちょく作って居た筈。
          処理のノウハウ維持とかの名目だった筈だが。

    • by Anonymous Coward

      オウム関連では日本警察があまり教訓を残そうとしないという批判が海外からよく聞こえる
      テロ対策や化学戦の分野からは〆る前にきちんと吐かせろとかなり突き上げがあるのかもしれない

    • by Anonymous Coward

      FBIの人も面会に来たけど、日本の刑務所は通訳付きでも外国語を話せないんで、手紙に切り替えたって言ってたような。

    • by Anonymous Coward

      時代が進むと受け入れられるものが増えるから、今と20年前に比べてセックス描写も殺人手法も昔に比べてかなりオープンでしょ。みんな成長したんだよ。規制の利権で儲けていた人たちもたくさんリストラされたしね。

      • 時代が進むと受け入れられるものが増えるから、

        言っていることは解らんでもないけど、必ずしも増えるとは限らないよ。
        言葉狩りで受け入れられなくなったものも少なからずあるし、
        セックスの描写というか、性的表現だって、未成年のものは規制が厳しくなってるでしょ。

        親コメント
    • by Anonymous Coward

      読み飛ばしていて気づかなかったが

      >実際に使った犯罪者が関わったという事で論文としての評価は低いかもしれないが

      ここ、なんでそう思うの?法医学の学会誌だから、犯罪者自身の意見入っているなんてむしろ価値が高いんじゃないの
              (#3414561) の同類で「恥ずかしい」(誰が?)と思う人?> (#3414574)

      • by Anonymous Coward

        #3414566 [srad.jp]で指摘されているような倫理上の問題点が考えられるから、いくら内容が世界に貢献しても手放しに評価できない可能性がある。
        倫理的に問題がある手法で書かれた論文ばかりが評価される(それを是とする)ようになったら学術の場から倫理が消え去ってしまう。

        「実際に使用した犯罪者からの聞き取り調査を元にした論文」
        「実際に使用した犯罪者が経験を元にして書いた論文」
        「評価を得るために実際に使用した犯罪者による論文」
        三つ目は完璧にアウトだけど、これらを区別するのは難しい部分がある。

        • by Anonymous Coward

          #3414566 [srad.jp]読んで読み返していろいろ考えて意図を理解しようと思ったがわからない。

          「倫理的な問題点」ってのは、具体的にどんな影響を考えてるんだろう?

          1. 犯罪者が「我らにとっての自己評価の規範たる神聖な論文」を寄稿している、ということへの「個人的嫌悪」を、「倫理観として許されない」と言い換えて正当化している(永山の文芸協会加入拒否がこの文脈か)
          2. 犯罪者が自己の犯罪についての記述を学会誌に行い、「ほら、この論文では『効果は微妙だ』と書いてあるでしょ!俺は無罪!」と主張するマッチポンプの倫理的な問題
             そもそも中川は確定死刑囚だし、裁判過程見てたら
          • by Anonymous Coward

            #3416134です。#3414566が想定しているのは知らんけど自分としては3に近いのを想定してた。

            研究のためであっても実行が許されないだろうテーマってのは幾つも有る。
            それらについて、もしバレても研究成果は残せるだとか、情報を流して誰か生贄に実行させてその結果を研究してみようとか、結果的に科学の発展に繋がったとしてもそんな考えに基いた行いが肯定されていいのかって話。

            このコメントでも触れているけど [srad.jp]、トゥー氏は本件のきっかけともなっている。
            「実行犯が出るのを期待してその手の連中の琴線に触れる方法で論文を

        • by Anonymous Coward

          先日の京都大の731部隊論文と似た問題だな。
          「人体実験やらかした奴に学位なんか認められるか」というもっともな理由だけど、無制限な人体実験が禁忌ではない時代もあって、なぜ禁止されたかの歴史的経緯が重要。
          裁判から逃げおおせた731部隊と違って、中川死刑囚は法の裁きを受けているから、私刑、必要以上の権利の侵害は許されない。
          かといって、犯罪によって培われた中川の化学兵器専門家としての知見を、知識に善も悪もないとしてニュートラルに評価してしまったら、科学界はなんの反省もしていない事にならないか。
          汚れた知識も司法という漂白装置を通した禊で清めれば純粋な知識になる…なんてことは、ないわな。

          • by Anonymous Coward

            医療は人体実験との境界線上だから、当時も今も真っ黒だけど評価されちゃったり、
            真っ黒な部分をなんとか折り合いのつく範囲に落として後に続いたりしてるのがなんともなんだよなぁ…

            特に近代医療の黎明期はいろいろとヤバい。
            ジョン・ハンター (外科医) [wikipedia.org]。近代外科学の祖だが、特に解剖用の遺体調達方法が真っ黒でジキル博士とハイド氏の元ネタになったくらいのやべーやつ。
            ・その弟子のエドワード・ジェンナー [wikipedia.org]は人痘法が以前から行われていたとは言え「牛痘にかかると天然痘にかからない」という言い伝えから使用人の子に牛痘をブチ込むことで種痘法を開発しちゃった人。しかしそのおかげで人類に感染する感染症の唯一の根絶例が生まれた。

            黎明

  • by Anonymous Coward on 2018年05月26日 22時24分 (#3414750)

    ただただ懐かしい
    毒物が専門だというのは事件後の緊急記事で知ったんだよな

  • by Anonymous Coward on 2018年05月27日 16時58分 (#3414949)

    リンク先読もうとしたら
    5000円もすんのかよ。

    • by Anonymous Coward

      Scihubとかにあるだろうけど、まあアレだしなぁ

  • by Anonymous Coward on 2018年05月28日 18時42分 (#3415416)

    杜 祖健 (Anthony Tu) 先生のコロラド州立大学より後の経歴も知っといたほうがいいと思う。

    2004年 学校法人加計学園 千葉科学大学 危機管理学部教授
    2009年 旭日中綬章受章

    • by Anonymous Coward

      だから法務省が許したのか.と勘ぐってしまう昨今の情勢.

      死刑囚は家族以外の面接がほぼ認められません.なので支援者が婚姻や養子縁組して面会します.さらに家族だとしても面会制限が厳しいです.

      • by Anonymous Coward

        気になるのは、杜祖健さんの1994年の論文がまさにサリン事件の(実行の)きっかけみたいなことになってるんですよね。
        本人が言ってるけど、父親も毒物の研究者でついでに袁世凱の暗殺を企てていた(水源にコレラ菌!!)とか。
        専門が専門だから仕方ないにしても、まわりにいっぱい危ない人がいる。
        そんで加計学園が問題になってるこのタイミングではどうしてもいろいろ妄想してしまう。
        岡山理科大獣医学部は生物兵器研究のための施設なんじゃないかとかまことしやかに言う人がいたし。

    • by Anonymous Coward

      >2004年 学校法人加計学園 千葉科学大学 危機管理学部教授

      安倍が小泉内閣官房副長官から自民党幹事長になった頃か

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日本発のオープンソースソフトウェアは42件 -- ある官僚

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