ソユーズ宇宙船、打ち上げ失敗。宇宙飛行士は無事 47
ストーリー by hylom
ソユーズが失敗するとは珍しい 部門より
ソユーズが失敗するとは珍しい 部門より
masakun曰く、
11日カザフスタンにあるバイコヌール宇宙基地より打ち上げられたソユーズ宇宙船が直後にエンジントラブルを起こし、搭乗していた宇宙飛行士2人が緊急脱出する事態となった(時事ドットコム、打ち上げ動画)。
打ち上げから約2分後に2段目のエンジンが停止するトラブルが発生したとのこと。そのため国際宇宙ステーションの交代要員として乗り込んでいた米ロの宇宙飛行士は乗っていたカプセルをロケットから切り離し、備えられていたパラシュートでカザフスタンの草原地帯に着地した。宇宙開発評論家の鳥嶋真也氏のツイートによると、今回のようなソユーズ宇宙船の緊急脱出は1975年の「ソユーズ18a」以来の出来事だそうだ。
今回の事故を受けてロシア政府のボリソフ副首相の「安全を確保するため、事故の原因がわかるまでソユーズの有人飛行は中止する」と発表したが、国際宇宙ステーションにいるクルーは12月に帰還予定のため、原因究明が伸びた場合、国際宇宙ステーションがしばらく無人になる可能性もあるらしい(鳥嶋真也氏のツイート2)。
安全設計 (スコア:4, 参考になる)
安全設計に関しても素晴らしいロケットのようですね。
動いているロケットから脱出できるように引きはがす能力や、大気圏内では空気の圧縮などにも逆らって脱出しなければならないので、思ったより大変そうです。
大貫剛氏のツイート [twitter.com]によれば、
Re: (スコア:0)
大気圏外でも、下段が停止できない状態にあったら下段以上の推力比出さんと即追いつかれる気もする……
Re:安全設計 (スコア:2)
前方じゃなければいいのでは。
真横(真下)に離脱しよう。
Re: (スコア:0)
http://www.collectspace.com/news/news-050515a-spacex-pad-abort-history.html [collectspace.com]
ここの中段あたりの写真を見るに、横に逃げるためのロケットが付いているようです
1963年のアポロ用脱出ロケットらしい
Re: (スコア:0)
ソユーズの脱出装置
http://spacesite.biz/ussrspace16.htm [spacesite.biz]
原因は? (スコア:1)
ウクライナ事情が絡んでたら根が深そう。杞憂ならいいんだけど。
Re:原因は? (スコア:3, 参考になる)
ソ連崩壊で、熟練技術者の技術継承に失敗してるんですよね。
ソ連崩壊で、米国企業などに軍事や航空宇宙の技術者や科学者が大挙して流出した上に、ウクライナやグルジアとの紛争で、もともと旧ソ連国内で分散して部品調達してきたのが破綻してますからね…。
その後航空宇宙産業や軍需産業を立て直すのに20年近く費やしてる。
# 新世代のロケットの実用化に前のめりなのも、ここらへんが関係してるのでしょうね。
Re: (スコア:0)
?
カザフで打ち上げたロシアのロケットになんでウクライナが関係あるんだ?
Re:原因は? (スコア:1)
部品の一部をウクライナ製で賄ってたので、関係が険悪になってからはソユーズの一部シリーズが打ち切られたりロシア製に部品が置き換わったりしている
信頼性が変わってたら失敗率も変わるだろう
二段目の失敗から生還できる (スコア:1)
朝のニュースでちらっと聞いた限りでは、
一段目の切り離し後に二段目に追突したのか、二段目の点火に失敗して飛行中止、脱出。
という流れのように聞こえた。
一段目分離の高度から生還できるロシア製は素晴らしい。
Re:二段目の失敗から生還できる (スコア:2, 興味深い)
ソユーズの打ち上げ脱出システム(LES)は打ち上げ中のどのフェーズからでも離脱可能と聞いたことがあります。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ [wikipedia.org]ソユーズT-10-1
↑以前はLESで脱出した唯一の前例と言われていましたが・・・ソユーズの信頼性を誇るべきか、ロシア宇宙開発の凋落を嘆くべきか・・・
Re: (スコア:0)
ソユーズロケットを含むソ連R-7系ロケットの一段目二段目とは何だろう?
ここをはっきりしておかないと、報道が曲解されたり議論が噛み合わない可能性がある。
Re:二段目の失敗から生還できる (スコア:3, 参考になる)
周囲の4本のブースターが一段目、中央の1本が二段目ですね。
でも、二段目が最初から点火されてるから、これを一段目とみなし、周囲をブースターだと主張する考えもあった。
しかし、ロシア当局がブースターが一段目、中央が二段目と称しているのだから、そっちが正しいね。
ってわけで、スレ元の
>一段目の切り離し後に二段目に追突したのか、二段目の点火に失敗して飛行中止、脱出。
というのはロシアの言うところの一段目二段目だとすると、ちょっとありそうにない。
というのも、二段目は元から点火してるから点火失敗は無いし、追突も常識的には無い。(一段目が脱落していく方式なので。)
二段目と三段目の話ならあり得るけど、点火確認してから切り離す方式だった気がするので、これも違うんじゃないのかな。
まぁ情報錯綜してたってことで憶測情報だったんだろうねぇ。
Re: (スコア:0)
>一段目分離の高度から生還できるロシア製は素晴らしい。
パラシュートは高い所から下りる方が簡単で、むしろ低い高度の方が辛いのでは?
高度が高すぎると空気が薄くなって乗ってるパイロット的には辛いけど、
宇宙飛行士なら宇宙服着ているし、真空でも平気でしょ。
Re:二段目の失敗から生還できる (スコア:3, 参考になる)
>パラシュートは高い所から下りる方が簡単で、むしろ低い高度の方が辛いのでは?
まあ、そのためのLES(Launch Escape System) [wikipedia.org]ですから。
パラシュートが使える高度まで固体ロケットで飛ばすんですよね。
(ロケット本体の爆発に巻き込まれないように距離を取る目的もある)
Re:二段目の失敗から生還できる (スコア:1)
>高度が高すぎると空気が薄くなって乗ってるパイロット的には辛いけど、
>宇宙飛行士なら宇宙服着ているし、真空でも平気でしょ。
ソユーズ11号の事故は無駄ではなかったな…
Re:二段目の失敗から生還できる (スコア:1)
カプセルごと切り離してカプセルのパラシュートで降りてくる方式ですよ。そしてカプセルのまま着陸。
飛行士が機外に射出されるなんていう野蛮な方式は、ジェミニやボストークなどの宇宙開発黎明期にしか無いよ。
Re:二段目の失敗から生還できる (スコア:1)
ソ連のブラーン宇宙往還機も、高度35キロまでは射出座席で脱出する [coocan.jp]作りになってましたよ。
結局ソ連崩壊で有人飛行する前に計画が破棄されましたが。
Re: (スコア:0)
ブランは形だけみるとスペースシャトルに良く似てるしコピーとか言われちゃうけれどまったく違ったシステムだよね。
Re: (スコア:0)
そりゃ「F-15は形だけみるとMiG-25に良く似てるしコピーとか言われちゃうけれどまったく違ったシステムだよね。」が如し。
Re: (スコア:0)
日本のマスコミ報道ではそのあたりの説明が曖昧意味不明ですね
知らない人が見たら特別な脱出用カプセルに移乗してから降下したのだと勘違いしてしまうでしょう
Re: (スコア:0)
第1段第2段分離付近は燃料が尽きて機体は軽く、ロケットエンジンはスロットル下限が高いせいで加速度も重く、気圧は影響しないと言えるほど低くもなく、飛行中のロケットから離れるのが一番難しい領域なんだよ。
乗員にとっては何が起ころうが自動で宇宙船全体がコアファイターのように離脱するから動かなくて良いし、どうせ荷重があって棒でボタンをつつくとか計器を目で見るくらいしかできることもない。
Re: (スコア:0)
ちゃんと帰還できている点で、やはりロシア製は手堅い
おふとぴ (スコア:1, 興味深い)
以前に、再突入の角度が浅すぎると大気に弾かれて地球に帰れなくなるという話を聞いて、ずっとそうなんだーと思っていたんですよ。
で、最近になって、再突入するってことは軌道速度を割り込んでるんだから弾かれてもそのうち落ちてくるから帰れないってことはない。
軌道速度を割り込んだ状態から帰れなくなるほど安定した高度が取れるんなら燃料節約できるってことでみんなやってる。
と指摘されて愕然とした。
Re:おふとぴ (スコア:5, 参考になる)
地球に(安全に)帰れなくなる、が正しい。
安全じゃ無い方法になる、ってことですねぇ。
具体的には、揚力突入できずに弾道突入になって、高Gや高温に晒されることになる。
ソユーズやアポロのカプセルは完全な球形ではなくて、底が平たい。
この平たい面を傾けて大気に突入すると、揚力が得られます。
揚力が得られると、ゆっくり時間を掛けて大気圏を降りてくることができる。Gや温度も抑えられます。
ところが、この揚力突入ができる角度ってのが限られている。
角度が浅くても深くても駄目です。
その場合、「弾道突入」ってやり方になる。揚力が出ないようにして、高G高温気にせずにとにかく着陸することを目指す。
緊急時モードですがもちろん最初から設計しているので、中の人が死ぬことは無いんですが、怪我することはある。
実際、ISSからの帰還時に弾道突入モードになるプチ事故が希にあって、飛行士が怪我したこともあります。
今回の非常脱出も、弾道突入モードで帰還したみたいですね。
ちなみに、サイヤ人のカプセルは球形なので、弾道突入専用です。まぁ、連中はGなんか気にしないでしょうけど。
Re: (スコア:0)
真面目な解説にしっかりドラゴンボールのようなネタをブチ込んでくる様は実にアレゲでよろしい。
Re: (スコア:0)
"参考になる" 付いてるけど、弾道突入になって高G高温に曝されることになるのは進入角度が深すぎる場合の話。
浅すぎる場合は地表に落下してこないですよ。
Re: (スコア:0)
浅すぎる場合も問題あったように思うんだよな。落ちてこないのではなくて。
大気で減速してるんだから地表に落ちては来るのだ。(地球周回軌道を想定)
再突入の時間が長くなることで熱問題が出るんだったかな。
大気で一度弾かれたあと急角度で突っ込むという話もあったかも。(←これは怪しい…。)
ちょっと覚えてないんだけどね…。
機体の設計や状況にも寄るとは思うのだけど、正常でないパターンで下りてくる場合は安全性が落ちるのは当たり前の話だね。
Re: (スコア:0)
#3496870のACです。
浅すぎて一度飛び出したあとで再び落ちてくるのって、このページ [quantumhertz.com]の "'skips' on re-entry" のパターンだと思います。
そのサイトによれば、
・着陸予定地と全く違う場所に落ちてくる
・一度目の突入で(本番ほどでないとはいえ)熱に曝された熱シールドが、二度目の突入で再度本格的に熱に曝されることになり、トータルでは熱に曝される時間が長くなるので、熱シールドが不具合を起こす危険が高まる
という問題があるようですね。
Re: (スコア:0)
ごめんなさい、ちょっと間違えました。着陸地がズレるとか、熱シールドの使用時間が延びるので耐久性の問題が生じるとかは "Too shallow re-entry angle" に対応する説明ですね。これは大気圏外に飛び出ないまでも、進入角度が浅すぎてより長時間大気圏内を飛行する場合の話のようです。
さらに浅すぎる場合は一旦飛び出してから再び大気圏に突入する('skips' on re-entry)と書かれていますが、これに対する問題は特に記述されてないですね。少なくとも上記と同じ問題が生じることは間違いないと思いますが。
Re: (スコア:0)
あの記事一理あるなぁとは思い楽しく読みましたが、あれって本当なんですかね?
ソースないから根拠レスのエッセイなんじゃないかという疑いを持ってしまう
Re: (スコア:0)
軌道速度を割り込んで無くても大気圏に突入はできるでしょ、地球に向かって飛べばいいんだから
また、大気圏で抵抗を利用して減速ってのはあり得ないことはない
その上で元々が第2宇宙速度を超えていれば弾かれた後飛んで行って戻ってこれないことも可能
しかしこんなのは惑星間航行とかの話であって、
低軌道からホーマン軌道使ってとかだとあり得ないですね
弾かれた結果時間がかかり、酸素等が足りなくなって「生きて帰れない」はあるかも
Re: (スコア:0)
アポロ計画の説明に、月からの帰還の図で「大気圏で弾かれて」とあったのを思い出します。月くらい遠くから落ちてくるんだから第二宇宙速度を想定していたのでは?
Re: (スコア:0)
地球を周回する軌道からの帰還なら、そのうち落ちてくるのは正しいと思います。
ただ、以下の場合は戻ってこれないかも?
・他の惑星からの帰還
・運悪くスイングバイっぽい軌道になってしまい加速してサヨナラ(地球周回軌道からでもできるのだろうか?)
Re: (スコア:0)
スイングバイ的な軌道で加速して第2宇宙速度を越えるということは、
元から第2宇宙速度に近い速度だったということで、始めから
地球の重力圏を脱出するつもりじゃないと出せないスピードでは?
Re: (スコア:0)
地球の周回軌道からスイングバイができるなら人工衛星は皆んな宇宙の彼方に飛んで行ってしまうな。
通常は公転する地球の後ろ側で加速できても前にきたときに同じだけ減速して±0になるだろう。
Re: (スコア:0)
「帰ってこれない」は現実的な時間内に、とか適切な速度以下で、とかの話でしょう。
別に加速されるわけじゃないんだから。
で、速度がそこそこ低くても、変な楕円軌道になっちゃったら「いつかは帰ってくる、ただそれは結構先」になっちゃうわけで、ヒトが乗ってるなら事実上帰れないと言っても過言では無い。
Re: (スコア:0)
このページ [quantumhertz.com]の、"Spacecraft ‘bounces off.’" と書かれた図が参考になると思いますが…
要するに突入角度が浅すぎると大気での減速が十分働く前にふたたび勢いで大気圏外に飛び出てしまうってことです。地球丸いので。
これを地表基準で見ると一旦高度が下がってきたものが再び上がっていくように見えるので「はじき返された」ように見えますが、実のところ近地点が大気圏内にある楕円軌道なだけですし、大気で減速された分確実に
Re: (スコア:0)
その認識にはいくつかの勘違いがあるだけで、大気に弾かれて帰れなくなることはあるから
別に何も間違っていないし愕然とする必要もない。
まずそもそもとして、落ちる=帰れるではない。詳しくは他の人がもう書いてるが、
大気に弾かれたあと、うまく減速しながら降りられる軌道へ修正できないと生きて
帰れなくなる可能性は普通にある。
また、再突入する=軌道速度を割り込んでいる、というのも違う。通常、再突入する場合には、
まず軌道を降下方向へ変えるのであって、減速は軌道変更のために最低限必要な分だけしかしない。
なんで最低限になるかといえば、燃料を軌道まで持っていくコストが高いからだ。
結果、主要な減速要因は高度が下がることで増大する空気抵抗になる。空気抵抗がかかるまでは、
高度を下げることで位置エネルギーが変換されるため、速度はむしろ上がる。
コクピットの様子が (スコア:0)
マスコットがぶら下がっていたり、タブレットを何かの資料を読むのに使っていたりと、わりと緩いのね。
打ち上げ時はすべてのものは固定されていて、勝手に動き出したりしないようになっているのかと思っていた。
無事に脱出できたのは何よりだ。
Re:コクピットの様子が (スコア:5, 参考になる)
あのマスコットは無重力インジケーターと言う、ソユーズ打ち上げの伝統らしいです。船長が選ぶんだとか。
Re:コクピットの様子が (スコア:2, 参考になる)
ライブの中継映像やら映像記録を通しで眺めると判りますが
エンジンの噴射で推力が掛かってる間はGによって引っ張られ
噴射が終わると無重力状態になって漂う動作をするので
宇宙船の状況を一目瞭然に伝えることが出来る
ロシア宇宙開発史における偉大な発明のひとつですな
Re:コクピットの様子が (スコア:2, おもしろおかしい)
「一方ロシアは」案件ですかね
Re: (スコア:0)
宇宙飛行はとにかくジンクスが多い。JPLの投入成功を祈る願掛けピーナツとかな。計器は故障するし、ぬいぐるみと豆腐に頭ぶつけて死ぬやつはいない…
Re: (スコア:0)
豆腐って凍らないの?
Re: (スコア:0)
高野豆腐を知ってるかい