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日本書紀に記されている「赤気」という現象の正体は扇形オーロラだという説 31

ストーリー by hylom
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国立極地研究所と国文学研究資料館、総合研究大学院大学の共同研究で、日本書紀に記されている「赤気」と呼ばれる現象が「扇型オーロラ」と整合することが分かったという(国立極地研究所の発表)。

日本書紀は奈良時代に作られた、日本の歴史を記した書物の1つ。日本書紀には、推古天皇二十八年(620年)に「十二月の庚寅の朔に、天に赤気有り。長さ一丈余なり。形雉尾に似れり。」との記述があるが、この現象がいったいどのようなものだったのかは謎だった。

しかし、国文学研究資料館と国立極地研究所が中心となって進めて来た文理融合の研究成果によると、日本のような中緯度で見られるオーロラは赤く、扇形の構造を示すものであることが分かったという。これは日本書紀の記述に合致するものから、日本書紀で「赤気」と表現されている現象はオーロラであると考えるのが最も自然だという。

なお、「赤気」については、明月記にも建仁4年(1204年)に発生したとの記述があるが、こちらもその正体はオーロラであるとの研究結果が発表されている。

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  • 雉尾 (スコア:3, 興味深い)

    by ciina (26410) on 2020年03月18日 9時19分 (#3781160) 日記

    赤気がオーロラだというのは昔から言われていたけど、形状の表記から彗星説も根強かったのが、
    低緯度ののオーロラならそんな形状にもなるよね。
    という記事かな。

  • 昭和天皇を主人公にしたロシア映画「太陽」について、
    「『明治天皇が皇居でオーロラを見た』って言ってるシーンが有るけど、これ、『低緯度地帯でオーロラが見える場合は赤く見える』+『中国の古典では“赤気”は国や王朝の滅亡の兆候』ってのを踏まえたモノじゃね??」
    と言ってた事が……。

    • by Anonymous Coward

      太陽の異常活動→低緯度オーロラ→天候不順→凶作→暴動→王朝交代
      ってことでいいんかな?

  • by simon (1336) on 2020年03月18日 11時19分 (#3781237)

    >当時の日本の磁気緯度は現在よりも10度ほど高かったため、大規模な磁気嵐(注3)が起これば、日本でオーロラが見えても不思議はありません

    当時の北磁極ってどこだったんだろ?

    https://www.researchgate.net/post/NASA_suggests_magnetic_North_Pole_dr... [researchgate.net]
    をみるとAD620だとフィンランドの北から大西洋を越えてグリーンランドに向かってたあたりな感じがするのだが。今と磁気緯度そんなにかわんなくない?

    でなんとなくいまの北磁極を調べてみたらここ20年で猛烈に移動してんのね。カナダの北にあったのがほぼ北極点でこのままいったらシベリア側に来るのかな。そしたらまた赤気が見れるようになるかもしれないね
    http://wdc.kugi.kyoto-u.ac.jp/poles/polesexp.html [kyoto-u.ac.jp]

    • by Anonymous Coward

      もしかすると地磁気逆転 [wikipedia.org]の時期を体験できるかも?
      どんなことが起きるのかなぁ、ドキドキ。
      海底の海嶺の記録する磁気が反転するとか、地質関連の話って天文系よりは時間の単位が短いけど読んだことはあっても体験することって少なそうなので、楽しみだったりします。

    • by Anonymous Coward

      地磁気の変動が激しくなっている
      https://science.srad.jp/story/19/01/16/0447206/ [science.srad.jp]

      カナダからの鉄噴出説をとるなら、あくまで弱めてるだけなんだから、極を越えたら移動スピード落ちるんじゃないかな。

  • by Anonymous Coward on 2020年03月18日 11時05分 (#3781230)

    紀元前620年の話で、かつその年にオーロラが実際起きた事が分かった、とかだとかなり面白かったがそんな話ではないな。
    紀元620年ならまぁ実際起きた事なんだろうけどなんで中国の歴史書にないんだろう?
    たまたまかな。

    ついでにもう一つ気になるのが翻訳。
    現代語訳するなら「十二月の何日に、扇型オーロラがあった。」とかにするのかな。
    以前新約聖書を現代語訳で読んだとき「バリケード」とかその他なんか現代っぽい用語がたくさん出てきて、なんかミスマッチで面白かった。
    日本書紀読んでてオーロラみたいな言葉が出てくるとなんか笑えそうだな。

    • by Anonymous Coward on 2020年03月18日 19時19分 (#3781581)

      隋唐革命の真っ最中だったから、あまり不吉な解釈をする記録だと残してないかもね。武徳3年といえば、長安の宮殿に隕石が落ちた年だけど。

      推古天皇28年の赤気は歴史学的にもかなり重要な記述で、日本で初めての天体観測記録でもある。例えば、この13年前、607年(推古天皇15年)のハレー彗星はかなり長期間目立っていて中国やローマなど世界中で記録が残っているけど、日本書紀では全く触れていない。こういうことを記録に残す習慣がなかったけど、620年にいきなり始めた。

      なんでか、っていうと、聖徳太子が隋に対して「日出処」として独立宣言を煬帝に送り付けたのがまさに607年のハレー彗星が来た年だったから。推古天皇28年という書き方からもわかるように、このころの日本には元号もなかった。「宋書」に出てくる倭は宋の属国になりたい、その枠組みでのし上がりたいという態度で書かれているけど、その状況は100年くらいかけて変化して、改めて独立宣言で筋を通そうとしたのが聖徳太子だった。当時の中国の王朝は朝貢してくる属国に暦と歴史書の作成を禁じていた(話が拗れるから)。これからは暦も自分たちで作るし歴史書も自分たちで書きはじめる。天体観測も自分たちでやる(13年後に実現)し、元号だって決める(38年後に実現:大化の改新)。逆説的だけど、それが独立国というものだから。国連がない時代の「国の定義」を満たすのに必要なことだった。

      つまり、これが初仕事で、当時はあまりやる気もなかった。実際、旧唐書「天文志」にあるほとんどの彗星を観測していないし日蝕・月蝕も漏れが大量にある。そして、最終的に暦の作成は半世紀後に諦めて蝕の観測もやめている。このメモが編纂・収録されたのは100年後の720年(「歴史書を書く」達成)。だから、何か勘違いや換算ミスがあって中国で彗星の記事にあるイベントだったとしても不思議はない。誤解を恐れずに言えば、当時は記録すること自体に意義があって、内容の正確さやイベントを緻密に拾い上げることはどうでもよかった。だから暦の作成までたどり着けなかったんだと思う。日本で初めて暦が作られたのは1685年だから天体観測を始めてから1000年以上かかってしまった。

      親コメント
    • by tsukachan (26170) on 2020年03月19日 1時23分 (#3781732)

      以前読んだ、現代語訳日本書紀ではさらっと、○年○月○日、オーロラが見られた。とか、月蝕があったとか書いてあったな。他に、地震があったとか、日蝕があったとかも書いてあったな。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      紀元620年ならまぁ実際起きた事なんだろうけどなんで中国の歴史書にないんだろう?
      たまたまかな。

      オーロラってそんな東西に幅広く表れるもんなんですかね?

      • by Anonymous Coward on 2020年03月18日 11時23分 (#3781240)

        高緯度のものでは、少なくとも東西数千km単位で出ることも多いので、中国と日本ぐらいだと、両方から観測できてても不思議じゃない。
        低緯度だと、どうなるか知らんけど。

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        • by Anonymous Coward
          低緯度オーロラといっても、結局は高緯度オーロラの上端を見てるだけ(オーロラの地表に近い下端が緑でも上端は赤いので、地平線の向こうのオーロラは赤しか見えない)なのであまり違いはないはず。
  • by Anonymous Coward on 2020年03月18日 8時43分 (#3781141)

    角距離の単位として「丈」を使った例もあったのですね。
    「度」に換算するとどれくらいか,という研究もあるあるのだろうか。

    • by Anonymous Coward on 2020年03月18日 10時21分 (#3781207)

      尺だと例えば現代風に直して30cm定規を持って腕を伸ばした場合
      定規の両端と目の間で出来る角度がざっと30度ぐらい。
      一丈は十尺(約3m)だけど、さすがに手を伸ばした位置での
      角度ではないだろうなあ。ううむ…

      # 概算なので精度は気にしないやうに。

      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2020年03月18日 11時47分 (#3781261)

        日本書紀の編者や著者に、見かけの大きさを角度で表現する習慣を期待するのは間違いだと思う
        高さ一丈の庭木の上にその庭木と同じくらいの大きさで見えた程度の意味だろう。
        一寸や一尺ではなく、十丈とか一町でもない、その程度の表現。

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  • by Anonymous Coward on 2020年03月18日 10時54分 (#3781224)

    桑原桑原といえば、雷避けの呪文だが、古代において雷は現在よりはるかに強力だった可能性がある。インドには王族が雷を避けるために巨石内部を掘りぬいてシェルターを作っていた跡が残っている。オーロラが低緯度で現れるということは、大気の電離度が高いということなので、雷も頻繁に起きて、落雷も強力だったのかもしれない。

    • by Anonymous Coward on 2020年03月18日 11時38分 (#3781251)

      昔は神様が実際にいたんで神鳴は強力だった。
      現代では神様もいなくなり単なる自然現象の雷に落ちぶれたので威力が下がった。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        ゴムだから効かない! (ドンッ!

      • by Anonymous Coward

        確かに「小さい頃は神さまがいて不思議に夢をかなえてくれた」という伝承もありますしね。

    • by Anonymous Coward

      静電破壊に強かったわけじゃあるまいし、
      頻度が多かったとしても強さはそんな変わんないでしょ
      そもそもそんな理由で起きる雷なんてあんのか

    • by Anonymous Coward

      >電離度が高い
      電離度高いと、絶縁破壊電圧が低くなるのでチャージできる量は少なくなるような気がします。

    • by Anonymous Coward

      > 桑原桑原といえば、雷避けの呪文だが

      むしろ呼んでもいないのに「ごめんください」とやって来そうな気がする。
      とくに畿内では。

  • by Anonymous Coward on 2020年03月18日 11時32分 (#3781246)

    でかいオーロラが見えたのは
    地球の状態より、太陽の状態が原因
    かも
    当時の太陽状況がわかる証拠はないものか

  • by Anonymous Coward on 2020年03月18日 12時44分 (#3781291)

    (誰か解説してくれないかなー)

    • by Anonymous Coward on 2020年03月18日 13時16分 (#3781321)

      宇宙刑事シャリバンは、僅か1ミリ秒で赤射蒸着を完了する。では、赤射プロセスをもう一度見てみよう!
      灼熱の太陽エネルギーが、グランドバースの増幅システムにスパークする。
      増幅された太陽エネルギーは、赤いソーラーメタルに転換され、シャリバンは記憶をなくすのである。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        >増幅された太陽エネルギーは、赤いソーラーメタルに転換され、シャリバンは記憶をなくすのである。

        待ていw

    • by Anonymous Coward

      シコりすぎた最後に出てくるやつでしょ(棒

      • by Anonymous Coward

        わずか1ミリ秒で完了する。

    • by Anonymous Coward

      「赤い彗星シャア」の略語

  • by Anonymous Coward on 2020年03月18日 17時21分 (#3781512)

    孔子暗黒伝に赤気はオーロラって書いてあった。

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日本発のオープンソースソフトウェアは42件 -- ある官僚

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