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バイオテック

セシウムを取り込みにくくするよう品種改良を行ったコシヒカリが開発される 71

ストーリー by hylom
風評被害対策的なところは大きそう 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

放射性セシウムを取り込みにくいよう品種改良された米が開発された(朝日新聞日経新聞産経新聞)。

放射性物質で汚染された農地の問題点としては、作物が放射性物質を取り込んでしまう点がある。今回開発された新しい品種はコシヒカリをベースにセシウムを取り込みにくくするような突然変異を起こしたもので、セシウム濃度は玄米中で55%、稲わらで59%下がったという。収穫量や食味は従来のコシヒカリとほぼ同じだそうだ。

とはいえ、「品種改良」といえば聞こえは良いが突然変異というのは意図的な遺伝子操作であるわけで、これに否定的な人は一定数いそうである(そしてそのような人達は放射能汚染を主張する人達とかぶりそうな気がする)。

放射性セシウムは半減期が30年と長く、また土壌に強く保持される特徴があるため特に注意が必要とされている(日本土壌肥料学会)。ただ、白米については吸収されたセシウムのうち可食部に運ばれる量が少なく、玄米を精米して研ぎ、炊飯したあとのセシウム濃度は玄米時と比べて大きく下がっているという調査結果もある(農研機構の研究成果情報)。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2017年06月05日 14時49分 (#3222428)

    前提条件としておさえておかないといけないのは、今はセシウムの吸収を抑える特殊な育て方をしている場所があるということ。その育て方とは、通常与えない肥料を与える所にある。
    そのため、何もせずに水稲を育ててもコメに含まれる放射性物質が基準値以下にはならない可能性も高い。ただ、誰もそんな危ないことは試さないので本当は肥料を辞めても大丈夫なのかも知れないが。

    今回改良された品種を使うと、セシウム吸収を抑える為の肥料を減らすことができると言うのがポイント。つまり安全性を高める、のではなくて、コストダウン技術なわけだね。

    農研機構のプレスリリース [affrc.go.jp]にはこうある。

    地土壌から作物への放射性セシウムの移行を低減するために、水稲では、カリ肥料の増肥(カリ増肥4))が効果的な対策として実施されています。一方、長期にわたって、省力的かつ低コストで行える新たな低減対策も生産現場から求められています。

    Cs低吸収コシヒカリの利用により、従来の栽培方法を変えずに、コメの放射性セシウム低減対策を長期にわたり実施可能になります。新たな低減技術として、これまで以上に安全なコメの提供に貢献できると期待されます。

    なのでこの件で、風評被害を助長するとか、そう言うツッコミは間違いではないがちょっとズレてる。
    言うなれば温暖化で南の方では暑さに負けて収量が出ない事が多発したので、それに強いコシヒカリを育てているようなのと同じ話。土地にあった微妙に異なる品種を使おうってわけ。
    この品種はあくまでも解決の手段なので、これそのものを批判するんじゃなくて、批判するなら異様に低い基準や未だに低い福島県産米価の方を批判して欲しい。

    • なるほど参考になります
      ぱっとどこを見ればいいのかわかんなかったんでありがたい

      カリとセシウムのイオン価とイオン半径が似てて間違うから取り込んじゃうし、
      カリをたくさん入れるとセシウムが取り込まれづらくなる

      そういう話だったと思うんだけどこの新品種はどうやってカリとセシウム見分けてんすかねぇ

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      • by Anonymous Coward

        上のURLには、カリウムトランスポーターを発現させる遺伝子が影響を受け、って書いてある。
        で、ここから推測だけど、カリウムトランスポーターの中でなんかの都合でセシウムとカリウムを間違えやすいやつが抑制されて吸収量が減ったのではないの?

        • by Anonymous Coward

          と思ったら末尾の参考図の図2にメカニズム推定が書いてあったね。ごめん

          ナトリウムの排出を抑制するとカリウムの吸収量自体が減るんやな

  • 穢れはバイナリなので結局のところ意味なさそう

    「穢れ」的に気にする人は仮に吸収率が0%になっても気になる
    出荷検査してんだから気にしない、という人は今のままでも気にしない

    少しは気にする人で、かつ「今の出荷検査は信じられない」と思っている人で、
    でも「この品種改良は信じられる」と言う人にとっては価値がある

    そんな人どれだけいるんだ?

    # よくこんな品種改良しようという気になったな…簡単なんか?

    • by Anonymous Coward

      品種改良も放射線照射だったりすることもあるしねぇ…。
      穢れた放射線を浴びた作物は、世代を経ても穢れてるから放射能が出るとか思ってそうだね。

      どんだけ科学的に説明したところで無意味なんだから、対処法を変えた方がいいんじゃないかな。
      例えば、逆にセシウムを取り込みやすい「神の」作物を作り、それを植えて収穫を奉納し、穢れを祓った田畑にしてしまうとかw

    • by Anonymous Coward

      この技術、目的は水稲栽培が不可能になった所で可能にするためじゃなくて、コストダウンのための技術だそうなので、その辺りの事情はあまり関係が無いかと。

  • とはいえ、「品種改良」といえば聞こえは良いが突然変異というのは意図的な遺伝子操作であるわけで、
    これに否定的な人は一定数いそうである(そしてそのような人達は放射能汚染を主張する人達とかぶりそうな気がする)。

    作物の品種改良を否定したら穀物は何も食べない果物も食べない!って話になっちゃうよね
    _(:3 」∠)_

    # あ、肉と魚くえばいいのか(えー

    • たぶん何をどうしても「放射脳人種」はブレず揺るぎないということを主張したいんでしょうね。

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      • by Anonymous Coward

        とはいえ、「品種改良」といえば聞こえは良いが突然変異というのは意図的な遺伝子操作であるわけで、

        昔の品種改良は自然突然変異+人工淘汰だったと思うのだが、突然変異が自然に起こりえない現象と決め付けている辺り、実に放射脳。

      • by Anonymous Coward

        タレコミ人自身がある種同類になってるんで世話無いわけですが--;

    • >突然変異というのは意図的な遺伝子操作
      馬鹿だ。馬鹿に違いない。馬鹿田大学だ。

      --
      the.ACount
      親コメント
    • by Anonymous Coward

      ジビエじゃない肉もダメじゃない?

      • 畜産も養鶏も(卵さえも)アウトですね _(:3 」∠)_

        親コメント
        • by Anonymous Coward

          人間も突然変異なんだから、猿に戻らないと(あ、戻ってるのか。察し)

          • by Anonymous Coward
            人類の品種改良はまだ交配不能な別種を作ることに成功していません
            知られている家畜のほとんどが原種と再交配させることで簡単に元に戻ってしまいます
            一方、人間と猿は交配可能ではなく、人の子孫を猿に戻すことはできないと考えられています
            おそらく現在の進化論は完全ではなく、種の分化に至るには人間の知らない何かもう一ステップが必要なのでしょう
            • by Anonymous Coward

              そもそも人とサルは先祖が同じというだけで別にサルから人間に進化したわけじゃないし。

            • by Anonymous Coward

              人類とAIって、交配可能か? https://mobile.srad.jp/story/17/06/03/1917246/ [mobile.srad.jp]
              僕だって「財部早紀」ちゃんと交配したい。(by 柴田昌弘著 フェザータッチオペレーションシリーズ)

              • by Anonymous Coward

                財部早紀ちゃんはあくまでも外部コンピュータで生命維持の補助及び思考の補助を受けているサイボーグだから
                交配可能だろ。

                それに生命維持などを行っているAIは早紀ちゃんとは別人格。
                (一度早紀ちゃんの人格を消して早紀ちゃんの体を乗っ取ろうと企てた)

      • by Anonymous Coward

        福島産のジビエもアウト
        でも西日本のジビエもアウトなきがする
        関東から西日本に逃げた人を何人か知ってるけどさ、とんで火に入る…みたいだよねぇ

    • by Anonymous Coward

      すごく意図的にしかも悪意に満ちた書き方しているよね
      あたかも直接遺伝子操作をして生み出したと言わんばかり
      しかも品種改良=遺伝子操作と言う印象操作を行っている
      品種改良、突然変異という物は、それイコール意図的な遺伝子操作ではないからね

      今回のは種子に放射線を当てただけだか直接遺伝子操作(特定の遺伝子箇所に直接ビームを照射して"意図的"に遺伝子操作)したわけじゃないのにな

  • セシウムを良く吸収するそうなので。

    昔その話を聞いたとき「ナウシカの世界だ」と思いましたが
    ナウシカとは違って、吸収するだけで無害な物に分解(崩壊)はしてくれないんですよね。

    • by Anonymous Coward on 2017年06月05日 15時18分 (#3222450)

      大々的に実験しましたが、ひまわりは吸収しないそうです
      http://www.naro.affrc.go.jp/org/tarc/seika/jyouhou/H23/hatasaku/H23hat... [affrc.go.jp]

      福島県産ヒマワリへの放射性セシウムのTF(移行係数)は茎葉で0.01~0.04である。単位面積当たりのヒマワリに含まれる放射性セシウム量は最大でも土壌の1/1000に満たず、ヒマワリによるファイトレメディエーションの効果は極めて小さいと考えられる。

      逆に、ひまわりはセシウムなどを吸収しづらく、特に種の部分、ひまわり油にはほとんど出てこないので、放射性物質の濃度が高い所でもひまわりは汚染されずに育てる事ができる、と言うことみたい。そうしてチェルノブイリなどで育てられていたのをみて、勘違いが広がった、と言うことらしい。

      一方で、吸収が良い植物としてはヒユ科の植物だと言うことが解っているようです。ヒユ科植物はそこらの雑草ですので育てるのは全く問題ありません。
      ただ、吸収率は高いと言っても異様に高いわけではないので植えて短期間で全て吸収と言う訳にもいかず、また吸収した後の草木をどうするかと言う問題がついて回るため、植物を利用した除染は現実的ではないと考えられているみたいです。

      #ただ今回の手法を逆にしてより吸収率の高い植物を作れば…?

      簡単に言えば地中深くまでセシウムが浸透しているわけじゃないから、土をはいじゃった方が楽だ、というわけですね。
      一方で今回のような水稲については、安全基準が非常に安全側に振ってあるため、土壌をはいだところで水などに乗って入ってくるセシウムだけでも問題になる可能性があります。産経はその辺りを理解せず、何故かとってつけたように
      http://www.sankei.com/photo/daily/news/170531/dly1705310024-n1.html [sankei.com]

      すでに農地除染などの対策が講じられており、この技術が実際に使われるかどうかは疑問

      とか言ってますが、そのために肥料を減らせるなら十分利用価値はあるんじゃないでしょうか。

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      • by Anonymous Coward

        >吸収した後の草木をどうするかと言う問題

        これ、「ひっこぬいて他に持ってって埋めればいいじゃん」とか言われるんだけど、
        重機で土壌をはがして新しい土入れる方が早くて楽なんだよね……。
        (運搬重量としてどちらが少なく済ませられるかは知らない)
        燃やすわけにもいかないし。
        「なんか微妙な重量比の放射性物質を含む生ゴミ」を作っても誰も喜ばないのだ……。

    • by Anonymous Coward

      放射性セシウムを無害なものに分解してくれる植物(動物でも微生物でもいい)があったら、放射能汚染被害なって時間を掛ければ解決してしまいますね。

      # 放射性セシウム以外の放射性物質については、とりあえず横に置いておいて。

      • 放射性元素は放射能を出すほど力を失って普通の金属に戻るので、いっぱい出させればいいんじゃないでしょうか。つまり体内に粒子加速器を持ちセシウムを濃縮して処理する巨大で不明な生物を……

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      • by Anonymous Coward

        時間をかけてもいいのであれば、セシウム問題は生物なんぞ使わなくても勝手に解決します。
        特に影響力の強いCs134は10年経てば初期のたった4%に、より半減期の長いCs137も一世紀待てば10%に減りますからね。

      • by Anonymous Coward

        今のところ半減期自体をいじる方法は放射線を当てる以外には開発されてないんですよね。それこそ、初等的な相対論のタイムマシンでも使わないと。

  • by Anonymous Coward on 2017年06月05日 15時48分 (#3222464)

    怪しいお米 セシウムさん

    • by Anonymous Coward

      リハーサル用だったとしてもそれでリハーサルをやっている心がわからない。

  • by Anonymous Coward on 2017年06月05日 16時16分 (#3222493)

    セシウムを気にせず玄米でも食べられるほかの地域のコシヒカリと、このセシウムの吸収率が低いコシヒカリでは、どちらが美味しいんでしょう。
    お米にうるさい日本人としては「美味しさ」が第一ですよね。

  • by Anonymous Coward on 2017年06月05日 17時20分 (#3222544)

    こういう研究をもっとやると良いと思う
    この地で栽培すればそのうち、突然変異で吸収率がやたら高いのとか今回のように吸収率がやたら低い個体が生まれるのだから

    臭い物に蓋ではなく、匂いの素を解析して人工的に他の匂いを混ぜて結果的にいい香りにするようなそういう発想が必要だ

    • by Anonymous Coward on 2017年06月05日 17時40分 (#3222556)

      放射性物質以外にも、元々が特定の物質が多くて栽培に適さない土地であったり、後天的に鉱毒にやられた地域でも栽培できる穀物といったものが開発されているみたいですね。

      こういう地道な改良は公的機関ならではであり、企業の資金では望めないこと。
      今後気候変動などが待っている中で、こういうきめの細かい対応が競争力の源なんだが、これを裏付けていた種子法というのが改正されてしまった。

      http://www.jacom.or.jp/nousei/closeup/2017/170330-32373.php [jacom.or.jp]
      通称モンサント法。酷いもんだよ。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      そんなことするには全然足りないですよ放射線強度が
      面積で勝負にしても密度がなぁ…探しだすのが大変だ

      原発敷地内とかならいけるか?

  • by Anonymous Coward on 2017年06月05日 19時28分 (#3222615)

    セシウムを取り込みにくい米ができるのなら、セシウムを取り込みにくい人間もいるんだろうか。
    人間がセンセーショナルなら、セシウムを取り込みにくい牛とかでもいいけど。

    それとも植物と動物は違うのかな。

  • by Anonymous Coward on 2017年06月05日 21時18分 (#3222687)

    >「品種改良」といえば聞こえは良いが突然変異というのは意図的な遺伝子操作であるわけで、これに否定的な人は一定数いそうである
    >(そしてそのような人達は放射能汚染を主張する人達とかぶりそうな気がする)。

    科学的な根拠を持たない、妄想レベルの垂れ流しという点では、あなたも同類なのはわかってるのでしょうね?

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