パピローマウィルス、HIV発見者に2008年のノーベル生理学・医学賞が贈られる 5
ウィルスの発見が治療につながる 部門より
teratera 曰く、
ノーベル賞公式サイトの発表(プレスリリース)によると、2008年のノーベル生理学・医学賞は、子宮頸癌の原因となるヒトパピローマウィルスを発見したDr. Harald zur Hausen、エイズの原因となるHIVを発見したDr. Françoise Barré-SinoussiとDr. Luc Montagnierの3者に贈られるとのこと。
共に接触感染により感染が拡大するウィルスである。その実態が明らかになったことにより解析が進められ、感染経路・発症のメカニズムが解明されてきた。現在では、子宮頸癌は定期的な検診により予防可能であり、エイズも発症を遅らせることは可能となっている。
近年のノーベル医学・生理学賞は特に医学に大きな影響を与えた研究が増えている。難病に対する治療手段のきっかけを作ったこれらの研究者に、惜しみない賛辞を贈りたい。
子宮頸癌は世界中の女性のがん死因の中で2番目に多いと言われている。日本でも毎年約2,500人がこのがんで亡くなっている。
Harald zur Hausenは、1983年にHPV16型を発見、翌年にはHPV16型とHPV18型をクローニングした。これら2種のウィルスは、子宮頸癌患者の検体の70%から見つかる。彼の発見から作られたワクチンは、これら2種のウィルスの感染を95%以上予防できる。なお、このワクチンは日本でも早ければ年内に承認される。
HIVは後天性免疫不全症候群(AIDS)を発症させるウィルスである。
Françoise Barré-SinoussiとLuc Montagnierは、1983年にエイズ患者のリンパ節からT細胞を破壊するレトロウィルスを発見した。彼らの発見は、エイズの診断法、予防法、治療法などに貢献している。
食い合わせが悪い (スコア:2, 参考になる)
レトロウイルスの発見と治療法の開発ということでHIV取り上げるならHTLV-1 [htlv1.org]による成人T細胞白血病・リンパ腫のチームとのセットでも良かった。断乳による母子感染の予防 [nih.go.jp]なども行われている。
Re: (スコア:0)
#それより審良先生のToll-like receptorの受賞が先送りになっちゃったなぁ、というのが大きい。