
人のES細胞から大脳組織を作製―自発的な神経活動も 45
ストーリー by hylom
今度は大脳組織、 部門より
今度は大脳組織、 部門より
aruto250 曰く、
理化学研究所が、ヒトES細胞から層構造を持った大脳皮質組織の産生に成功したそうです。ES細胞から大脳皮質組織を作ることができ、しかも実験ではマウスからマウスの大脳皮質組織を作るだけでなく、ヒトのES細胞からヒトの大脳皮質組織を作ることもできたそうです。
が、ここで重要だと思ったのは「神経活動を再現することに成功した」という点。読売新聞によれば"大脳皮質特有の電気信号を出すなど、神経活動も自発的に行うようになった。"ともう少し具体的に書かれています。
個人的に、SFで時々見かける「完璧に組み立てられているのに意識が点火せず、眠り続けるクローン脳」とか、「培養された生体脳に電子頭脳の補助脳がついており、人格を持って活動しているのは電子頭脳のAIであって、生体脳は演算と記憶に使われているだけ」というシチュエーションが大好きなのですが、意識というのは案外逞しく生まれてくるものなんでしょうか。
今回生成されたという大脳皮質組織がどんな夢を見ているのか、気になるところです。
細胞が活発に活動したとしても (スコア:3, すばらしい洞察)
活発に活動したとしても、意識が生まれるかどうかは別問題でしょ。
フリーズしているコンピューターの多くは、実際には止まっていない。
なぞなぞ(オフトピ) (スコア:1)
Re:なぞなぞ(オフトピ) (スコア:3, おもしろおかしい)
Re: (スコア:0)
これはその通りだと思うのですが、
> フリーズしているコンピューターの多くは、実際には止まっていない。
フリーズせずに正常動作しているコンピュータでさえ、意識は持っていないですから。
意識ってなに?という問題を片付けないことには。
(「意識は本能のインターフェース」と言ったところで、問題を意識から本能に
置き換えただけにすぎないですし。「本能ってなに?」)。
Re:細胞が活発に活動したとしても (スコア:1)
(その文章を打ち込むのに使った|これを見るのに使っている|それらを伝えた)コンピュータに、意識がないことは確かめましたか?
今のところは、他者に意識(自我)があることを確かめる術がない以上、意識がないことも確かめようがないです。
まぁ、私も今のそれらに意識なんて無いとは思います。
>意識ってなに?という問題を片付けないことには。
いったい、どこから手をつければいいのでしょう…?
脳を探ったり人工物でそれっぽいものを作ろうとしたり、色々な人が色々な方面から攻めていますが、意識については解き明かすための糸口さえつかめていないようですからねぇ。
人類の科学は生命の仕組みを少しずつ解き明かしつつありますが、意識の仕組みがわかるのはいつなのやら。
意識とは、本能からのインターフェース (スコア:2, おもしろおかしい)
例えば、蚊だって、光のある方へ飛んでいく。それは快不快といった感情に根付いてると思う。
人間の意識なんてそれの複合版なだけ。
女性を見たときの感情なんて、これそのまんまでしょ。
優秀な子孫を残せるかどうか。そこが判断の拠点。
おっぱいみたり、おしりを見たり。
勝手に思ってるだけで、証明なんてできないけど。
ま、私なんかの本能から解脱したレベルになると、全く子孫と関係ない部分で判断してますが?w
#眼鏡
Re:意識とは、本能からのインターフェース (スコア:1)
>勝手に思ってるだけで、証明なんてできないけど。
これが難しい。
ライントレースするラットロボットや、今は昔のAIBOの振舞が、快不快といった感情に根付いてると思うか否か?それらの延長が、人間の意識と区別できないことを認めるか否か? 否定ならば、意識は本能の要求を受容する際のインターフェースには違いないけれど、もう少し制限された概念のようです。
Re: (スコア:0)
大雑把に、傍から見える行動から「意識があるのだろう」と推し量るしかない。
健康な人間に意識があるだろう、と推察するのは簡単ですが、意識不明の人間に意識があるかどうかを探るのは困難です。
もしかすると外からは意識不明だけど、内面的に本人は意識を持っているかもしれない。
Re:意識とは、本能からのインターフェース (スコア:1)
Re:意識とは、本能からのインターフェース (スコア:1)
Re:意識とは、本能からのインターフェース (スコア:1)
そもそも「意識」自体が色々な意味を持ちすぎてて、どれのことか明確にしないと議論ができない。
「意識を集中する」とか言う場合なら、「情報処理リソースを管理して効率化を図る機能」だろうし、「自意識」なら同種間コミュニケーションに付随した情報ベースだろう。
ほかにも多くの「意識」があったはずだが忘れた。
the.ACount
Re:めがね (スコア:0)
しかもコンタクトレンズのような眼病のファクターはちゃんと排除している!
# 乱視、遠視、老眼、ダテメガネ(何
## いろんな人を敵に回したような気がしたのでAC
組織形成 (スコア:1)
臓器のような複雑な構造を作るまでは道のりは長いのでしょうけど。
Re: (スコア:0)
まだまだ研究する余地が多いですが、血栓や溢血で脳組織が壊死した部分を切除して
今回の分化条件付けした万能細胞を注入すれば、脳神経組織を修復する可能性がより
高くなったという話がひとつ。
もうひとつは、オーダーメイド医療用で、本人に対して薬品の反応を見る試験用の脳モドキが
作ることが出来そうだという話です。
昔読んだアレ (スコア:1)
ゴセシケが出てくる話の中核になる「人工頭脳」ってやつだけど)。
> 今回生成されたという大脳皮質組織がどんな夢を見ているのか
見ているとしたらどう考えても悪夢。というか、夢を見るほどのものは人が簡単に作ったらいけないもの
だと思う。まあ、そんなレベルの意識はないとは思うけど。
生体コプロセッサの販売 (スコア:0)
#記憶脳、語学脳、恋愛脳のリリースを期待します。
Re:生体コプロセッサの販売 (スコア:4, おもしろおかしい)
エロゲがプリインストールされてるんですか?
それって二次元?三次元?
Re:生体コプロセッサの販売 (スコア:1)
脳内嫁が生成されてしまうじゃないか。
ひとりきりで生きていける完成された人類の誕生かも。
Re: (スコア:0)
>脳内嫁が生成されてしまうじゃないか。
「斬って殴って嬲って刺して晒して垂らして でもそれってボクの「愛」なの」
とかなりSな脳内嫁も実現可能ですね。
>ひとりきりで生きていける完成された人類の誕生かも。
せめてひと思いに楽にしてください。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
売ってた訳じゃないけど (スコア:0)
攻殻(アニメ)であったな、映画監督の脳味噌に繋がった人達が脳内にあった未発表作品のあまりの素晴らしさに出てこれなくなっちゃってたってのが(笑
エロゲでもこの話でもそうだけど、どんなに凄い(ハマる)作品でも流石に飽きるよね?
Re: (スコア:0)
これにより可能であれば、飽きがこないでしょうね。
変化が無くても飽きない人たちもいますよね(ex.ネトゲにハマる人たち)
人は単純に快楽中枢?さえ刺激すれば抜け出せないものかもしれません。
Re:売ってた訳じゃないけど (スコア:1)
回線の向こうに人が居なければあんなに流行るわけがありません。
Re: (スコア:0)
Re:生体コプロセッサの販売 (スコア:1)
Re: (スコア:0)
Re:生体コプロセッサの販売 (スコア:1)
これ [wikipedia.org]のことですね。
# どこかでニューロンの塊ではないかという考察を書いていた人がいたような。
人造大脳皮質は物体Xの夢を見るか? (スコア:0)
「た、助けてくれ。
お、オレの意識が、オレの体が乗っ取られる!
あの化け物に!」
的な展開に期待。効率的な洗脳が可能になるかも。
被検体第一号にはなりたくないもんだね。
ES細胞って (スコア:0)
ES細胞の応用研究がよくでてくるけど、「ES細胞ってもの」が生物の進化の過程でどうでてきたのか、
とか「ES細胞っていうもの」がどんな生物に入っているのかという基礎的事項がgoogleじゃわからん。
教えてください
Re:ES細胞って (スコア:2, 参考になる)
>胚性幹細胞(はいせいかんさいぼう、Embryonic Stem cells: ES細胞)とは、
>動物の発生初期段階である胚盤胞期の胚の一部に属する内部細胞塊より作られる幹細胞細胞株のこと
>「ES細胞っていうもの」がどんな生物に入っているのか
ES細胞は、受精卵がちょっと時間がたったもので、みんなこんな感じの細胞から細胞分裂を繰り返して、生き物らしい形(鳥とか魚とか人とか)になってます。
もともと生き物の細胞一つ一つに、その体を構成するタンパク質(骨とかホルモンとかのタンパク質じゃないものを”作り出す”タンパク質もふくめて)
の設計図である遺伝子がすべて詰まってます。
しかし、一度組織に分化して専門の仕事(骨を作り出すとかホルモンを分泌させるとか)を始めた細胞は、
何回細胞分裂を繰り返しても他の仕事をする細胞になれません。
ところが、人とかの生き物は一つの受精卵が細胞分裂して、さまざまな組織(脳とか肝臓とか)に分化します。
受精卵は将来どの仕事を専門にする細胞にもなれます。 -ここがすごい
es細胞はその受精卵に近い”何でもなれる細胞”のまま、培養できることがすごい感じです。
生物の進化の過程でというのは、ちょっと良く分かりません
Re:ES細胞って (スコア:1, 参考になる)
> しかし、一度組織に分化して専門の仕事(骨を作り出すとかホルモンを分泌させるとか)を始めた細胞は、
> 何回細胞分裂を繰り返しても他の仕事をする細胞になれません。
> 生物の進化の過程でというのは、ちょっと良く分かりません
親コメントのように,多機能化・複雑化した生物では,一度分化した細胞は,基本的に他の機能を持つ細胞に変化できません.
しかし,分化できない細胞だけでは子孫を残すことが出来ないため,受精卵は幹細胞でなければなりません.
逆に,簡素な構造を保った生物では,細胞の役割に差が無いか,差があっても自由に変化することが出来ます.
例えば,進化の始まりである単細胞生物は,全ての生命活動を1つの細胞が行います.
つまり,幹細胞がいつ生まれたかと言う問いの答えは,自由に分化出来ない細胞の誕生と同時ということになります.
Re: (スコア:0)
Re:ES細胞って (スコア:5, 参考になる)
答えとしてはYesともNoとも言いがたい。というのは、分化は一段階とは限らない、というより、通常は多段階なのです。
このあたりの研究は、血球系の幹細胞なんかが一ばん進んでますが、大元になる幹細胞(造血幹細胞 [wikipedia.org])が存在し、それがそれぞれ特定の(場合によっては、いくつかの)細胞に分化しうる、分化しきってない細胞(前駆細胞)になり、最終的に分化した細胞になる、という筋道が存在している、と理解していただければよいかと。
実のところ、我々の体組織の各所には似たような幹細胞が存在しており、ケガをしたときとか、あるいは体細胞の寿命が尽きて欠落したときには、その幹細胞から適宜(細胞間ニッチに応じて)、必要な細胞が分裂、分化してきて補われている、というのを繰り返してます。こういう幹細胞のことを「体性幹細胞」と呼びます。体性幹細胞は、元は受精卵(あるいはES細胞)から分化して出来た細胞ですが、特定の細胞に分化しうる、分化多能性を持った細胞です。一方、前駆細胞は通例、これらの幹細胞から分化して出来た細胞群で、ある特定の細胞のみに分化するものを指しますが、中には複数の細胞への分化能を保持しているものもある。
じゃあこの二つの違いは何なのかというと、そもそも「幹細胞」には、こういった分化多能性の他に、もう一つ「自己複製能」という重要な特徴があります。分化しきった細胞には「寿命」が存在、すなわち分裂できる回数に制限があるのですが、幹細胞にはそういう制限がなく、何度でも分裂を繰り返し、「自分のクローン = 自分とまったく同等な子孫」を残しつづけることが可能です。これに対して、前駆細胞については自己複製能を持たなくても該当する(というか、実験上では自己複製能の証明実験に成功してなければ「幹細胞」と名乗ることがまだ許されない、という感じ)。正直、現在までに見つかっている前駆細胞と幹細胞については違いが明確にされてないケースもあるのだけど、少なくとも原則としては、「幹細胞」というのは「分化多能性」と「自己複製能」を持っていることがその要件とされる、ということですね。
このように、体性幹細胞が我々の体に存在しており、恒常的に機能しているということについては、ほぼ疑いはなくなってるのだけど、これらの幹細胞の実態については不明な部分がまだまだ多いのが現状です。なにせその組織中における細胞数は、分化した細胞に比べて圧倒的に少ないし、他の分化した細胞や前駆細胞と見分ける方法がまだ確立していないので(いくつかの表面分子が見分けるため候補として提唱されてはいるけど、現状ではまだまだ)。
基本的に幹細胞→前駆細胞→(分化した)各体細胞への道筋は、一方通行だと考えられていて、少なくとも「普通の状態では」不可逆的だと考えられています。いわば「セントラルドグマ(中心定理)」的なものとして。しかし、これが人工的にではあっても可逆性になりうるということを示したのが、実は山中先生のiPS細胞の発見だったわけで。この発見は、ある意味、この「セントラルドグマ」に対して疑問を投げかけるものとしても興味深かったりする。
もちろん、起きる可能性があるとしても極めて限定的な環境下だけだろうけど、ひょっとしたら何らかのストレスなどが引き金になって、分化した細胞が未分化に戻るような現象というのが生体内でも起きているかもしれない。けど、実際に「その瞬間」を捉えることは難しいだろうし、「これがその瞬間だ!」と立証しようにも、現時点ではあまりにその周辺情報が少なすぎて不可能、という状況ですね。
Re: (スコア:0)
>半幹細胞
造血幹細胞や神経幹細胞とかいろいろあります。
その名の通り、それぞれ白血球や赤血球といった血液の細胞、ニューロンやグリア細胞といった神経の細胞に分化します。
でも、分化することができる細胞の種類は限られています。
>いったん分化したら、ほかのあらゆる種類に分化できないのか
基本的にはできないと思います。
>また、それはなぜなのでしょうか?
まだまだわからないことだらけです。
この辺がうまく制御できるようになると、再生医療に役立ちますね。
Re:ES細胞って (スコア:1, 参考になる)
岩波新書とかES細胞に関連した書籍も出ているので、googleではなくて図書館へ行かれてみてはいかがでしょう。
Re: (スコア:0)
ES細胞っていうのは、哺乳類にしかないのか、あるいは同じようなものが他の多細胞生物にもあるのか
、あるとしたら〜?、ないとしたら(進化系統上の)いつからあるのか?というとっても基本的な知識が
医学に動機づけられた研究論文のイントロやES細胞の一般向け解説からだと努力してもなかなか見つか
らない
実学的にはその辺をすっとばして、そこにES細胞というのがあって役に立ちそうだってところ
から話始めるのは当然なのですが。ES細胞は重要なだけにもっと百科事典的情報を押さえたい。
どこにそういう情報があるんだろうか。それともまだ分かっていないのか、、すら分からない
Re:ES細胞って (スコア:1)
進化の過程としては、単細胞生物や海綿みたいな細胞の機能に差異がない形態から複雑化したと考えられることや、もっと複雑な生物も一個の受精卵からスタートする必要があることなどから見ると、ES細胞のような未分化のものが本来の姿で、細胞の分化というのは進化の途上で獲得した能力だと思っていいんじゃないでしょうか。
うじゃうじゃ
Re:ES細胞って (スコア:1)
もっとも、ES細胞ばかりの生物では「ES細胞」とは言わんだろうが。
「ES細胞」とわざわざ言うのは、ES細胞でない細胞があって再分化能力やら再生能力を失った高等生物からだろう。
腕をちょん切っても生えてこないのは脊椎動物くらいからかな?
the.ACount
Cell Stem Cellのサマリー (スコア:0)
Baby your mind is a radio♪ (スコア:0)
Re:Baby your mind is a radio♪ (スコア:1, おもしろおかしい)
Re:Baby your mind is a radio♪ (スコア:1, すばらしい洞察)
Re:Baby your mind is a radio♪ (スコア:1)
いってないということですね。
誰か、気になるあの娘と周波数を合わせられる外部アンテナを開発してもらえませんか?
何度誘っても用事があって断られるので、事前にスケジュールを把握しておけば「気配り
のできる男」って思われるかも。
ちょっと怖い (スコア:0)
>異なった誘導因子を加えることで、大脳皮質の中でも運動野周辺の領域、
>視覚野周辺の領域、嗅覚の中継をする嗅脳、記憶をつかさどる海馬周辺領域の
>4つの特徴を持った神経組織を、選択的に分化誘導することにも成功しました。
じきに脳のすべての部位をまんべんなく生成できるようになりそう。
それを中絶不可な胎児のレベルまで育てたら・・・
クローンよりもさらに倫理的な問題を孕んでそうに思う。