E=mc^2が量子色力学の理論を用いて素粒子レベルで証明される 51
ストーリー by hylom
質量は本当にエネルギーだった、 部門より
質量は本当にエネルギーだった、 部門より
cyber205の日記 曰く
欧州物理学チームが、特殊相対性理論の「E=mc2」をついに証明したそうです。
この式は、もはや知られすぎていて常識だと思っていたのですが、陽子や中性子の質量を形成している実態は何なのかについて研究していたグループが、スーパーコンピュータを使ってその謎に挑み、クォークとグルーオンの動きや相互作用によって発生するエネルギーが陽子や中性子の質量の実態であると突き止め、あの有名な式から導かれる質量が、これまで存在が確認できなかった95%分の質量を埋めていると証明したのだそうです。
陽子や中性子はクォークがグルーオンで結束されてできた粒子ですが、単体だとグルーオンには質量がなく、クォークの質量も陽子や中性子が持つ質量の5%にしかならず、残りの95%の質量がドコから来るのか今まで謎だったのだとか。
この元記事は滅茶苦茶だね (スコア:5, 参考になる)
自動的に出てくる。だから相対論の枠組みの中では証明も何もなく自明。
次に、エネルギーと質量の等価性を疑っている人はまずいない。何せ実験事実は山ほどある。
だから別に今回証明とかそんなことは全くない。
今回の計算は量子色力学(QCD)に基づいているけど、そもそもQCD自体が相対論的量子力学だから
前述の式なんぞは内包している。
というか論文読みゃわかるとおり、今回のは「(摂動論が使えないから計算が難しい)QCDの計算を、
格子QCDの手法で頑張って計算したら実測値と一致しました。QCDやっぱり正しい!」って論文
であって、E=mc2なんて欠片も関係無ぇ。
当然論文中でも質量とエネルギーの等価性なんぞは前提条件だから、質量としてダイレクトに
計算されたエネルギーが書いてある。
とりあえず元論文に至る流れを簡単に書けば、
・元々はクォーク等は質量ゼロ。
・ヒッグス機構を通して質量を獲得するが、それは実際の質量の2%程度。
・残りはカイラル対称性の自発的破れで獲得できるはず。
・ただしQCDは摂動論が使えず解析的に解けないので、何らかの手法での計算が必要。
・格子QCDだと結構計算コストが安く済む。
・で、今回しっかり計算したら精度よくあいました。QCDが正しい証拠がまた一つ。
ということ。いったいどこから元記事のような頓珍漢な話が出てきたのやら。
Re:この元記事は滅茶苦茶だね (スコア:2, 興味深い)
何を持って安いとするかにもよりますが、筑波大は専用のスパコン使ってやってますね。
あと、カイラル対称性を保った(破れるけど)QCDの格子上での定式化はいろいろ困難があって、
理論的に定式化されたのがたぶん十数年前くらい。計算機で数値計算ができるようになったのはつい最近ですね。
この辺はKEKのグループもやってたはずなんですが、
http://www.kek.jp/newskek/2006/marapr/supercomputer.html [www.kek.jp]
この欧州のグループがやったことはKEKと何か違うんでしょうか・・・
Re:この元記事は滅茶苦茶だね (スコア:5, 興味深い)
メソン(クォーク+反クォーク)の格子 QCD 計算の話は良く聞きましたが、
バリオン(クォーク3つ)の計算は聞いた事がなかったような気がします。
ちょっとぐぐってみると、バリオンの計算結果が出てくるようになったのは、
ここ数年くらいの事のようですね。ちょっと感慨深く思いました。