NASAの「宇宙生物学上の新発見」は「リンの代わりにヒ素を利用する細菌を発見」だった 112
ストーリー by hylom
な、なんだってー 部門より
な、なんだってー 部門より
NASAが予告していた宇宙生物学上の発見に関する会見だが、リンの代わりにヒ素を利用する細菌をカリフォルニア州のMono湖で発見したということだったようだ(NASAリリース)。
炭素、水素、窒素、酸素、リン、硫黄が生物を構成する要素として重要だと言われ続けてきたわけだが、今回発見の細菌は、リンの代わりにヒ素しかない環境でも細菌が成長し、リンがヒ素に置き換わって成長を続けていることが分かったとのことである。
GIZMODOに事前予想が出ていたが、ヒ素までは合ってるようだ。一般からの期待よりは地味な話に思えるが、生命というものが今まで考えられいるよりも多様であったと思うと、大きな発見だろう。
予想サイト (スコア:5, 参考になる)
2008年に砒素で光合成するバクテリアは地球環境の整備に貢献したという (スコア:2, 参考になる)
そのブログの続き情報[NASA会見]DNAにヒ素をもつ生物の発見 [ameblo.jp]によると
この発見に先立つ2008年、同じMono湖で砒素で光合成するバクテリア [wiredvision.jp]が見つかっており、これらの生物は原始地球の火山噴火口付近にあった大量の砒素を利用した生物が「砒素を使って二酸化炭素から酸素を分離し、後に多様な生物が繁栄することになる、酸素の豊富な環境を形成するのに貢献」(Wired Vision)したと考えられているそうですね。
つまり砒素を利用する細菌が地球環境に誕生していなければ、現在の地球上での高度な進化はみられなかったということですか。
ただ宇宙生物学的な解釈では、この発見が
と楽観的な観測に終始するのは致し方ないのかもしれませんがね。しかし砒素を利用する生物が発見されたところで、無生物から生物に進化した地球上のからくりはいまだブラックボックスのままということに変わりありません。
地球以外の極限環境での生命の存在を云々したいなら、生物進化論者があやふやな仮説に終始するこの大きな問題を検証しないとw
モデレータは基本役立たずなの気にしてないよ
酵素系は?? (スコア:4, 興味深い)
さることながら、色々なレセプターで細胞外シグナルを細胞内に伝えたり
とかでもスゲー重要な働きをしているんで、ちょっと環境にリン酸足り
ないんで砒素で代用、なんてすぐには信じられないんですけど。
また、DNAその他、リン酸が砒素に置き換わってしまった分子に対して
通常の酵素系が働くのか、それとも別の酵素系がワンセット用意されて
いるのか??どちらの分子に対しても反応する独自の酵素系を持つ生き物
なのか??うーん、すぐには想像できない。
例えば、リン酸環境から砒素環境へ切り替えた時にはリン酸系DNAと砒素系DNA
が混在するんでしょ??混ざったDNAとか機能するんかいな??
原著まだ読んで無いけどはてなが一杯。
鵺の啼く夜は恐ろしい
Re:酵素系は?? (スコア:1, 興味深い)
>ヒ素が毒なのは何で?って話になるような気がしますが。
代替可能だからこそ排除できなくて、でも機能しないから毒ってことはないかな?
COとか、ちょっと違うけどアイソトープとか。
Re:酵素系は?? (スコア:1)
代謝系の入り口近くでは区別できないが、先に進むに従って
砒素化合物が不安定なせいで機能しなくなるなど、
さっきさらっと読んだだけだから間違ってたらごめんなさい。
今仕事中なんで・・・てへっ
鵺の啼く夜は恐ろしい
Re:進化してくとガミラス星人みたいになるわけね (スコア:2, おもしろおかしい)
つまりヒソクサリも通常のリン環境では毒を出さないと.
Re:進化してくとガミラス星人みたいになるわけね (スコア:1)
安定化させるような物質をプールしている大きな液胞があるために
形態が変わっているとのことです。
安定化させるためにあるかどうかはスペキュレーションですが。
鵺の啼く夜は恐ろしい
Re:酵素系は?? (スコア:1)
鏡音・・・と出てきてしまった(苦笑)
Re:酵素系は?? (スコア:1)
んでもって、鏡音リンも鏡音砒素も、巡音LUCA [wikipedia.org]の子孫、と
# ちょっと苦しい。
Re:酵素系は?? (スコア:1)
確か第一話の放送日が高体連の大会で体育系以外の部活の者(私は図書局と動研だった)は応援してなきゃいけなかったんだけども
放映時間には5,6人ほどで抜け出して私の家(ちょうど両親が出かけてて留守だった)で見てた思い出がある。
らじゃったのだ
無リンだ無リンだー!無リンだ無リン無リンだーああ! (スコア:3, おもしろおかしい)
( ´д)ヒソヒソ(´д`)ヒソヒソ(д` )
酵素パワーで無リンです! (スコア:2)
SF者は、今まで炭素をケイ素に置き換えた生命にばかり夢中になり、リンをヒ素に置き換える生命にまで発想を巡らせることを怠っていた点、猛省すべきです。
なに、無リン生物では読者ウケが悪そう? ええい、読者に媚びるんじゃねえ! NASAを見習え―。宇宙人かと思わせて地球生物というオチだったんだぞー。
# テレビ局では、矢追さんにまでコメントを求めて事に備えていたんだぞう。
Re:酵素パワーで無リンです! (スコア:1, 参考になる)
ヒ素生物という発想は有機も無機も手付かずなのか気になります。
無害な有機砒素、有害な無機砒素 (スコア:2, 参考になる)
ひじきの砒素、日本の研究では無害な有機砒素、英国の検査では有害な無機砒素、本当はどちらなの?それが問題だ!! [plala.or.jp]
きっとこのような現象も全て判った上での、ATPを中心としたクエン酸サイクル"でない"現象を、
ヒ素による代謝を行うバクテリアに見つけたようです。
面白いけど、毒性的にはもっと強毒性のものはいっぱいあるし、
ずいぶんもったいぶった発表の割には・・識者だと感想も違うのかな
和名は (スコア:1, おもしろおかしい)
ぜひ「ヒソクサリ」と名づけてほしい
ふと思い出した (スコア:1, 興味深い)
マキャフリィ女史のパーンシリーズの「竜の夜明け」だったかで
火トカゲを巨体化させて過程で体重を支え切れなくならない様に骨体をカルシウムではなくホウ素で構成される様にしたんだったか
元々火トカゲの骨がホウ素で構成されてたから巨体化に耐えられたとかいう記述があったことを思い出した。
# 今手元にないのであやふやな記憶頼りで書いているので間違っているかもしれません
Re:ふと思い出した (スコア:1)
とあるゲームでは病気の副作用で超常能力を持ったキャラが出てきます。
で、彼らの細胞には珪素が存在していてその珪素が何らかの回路を構成するために超常能力を持つそうな。
ただしその分体重が重く、例えば女子校の1年生(もちろん年齢は18歳以上ですよ?)で
身長147cm B65 W47 H71 で体重が147kg(ただし通常は念動で36kgに抑えている)有ったりします。
らじゃったのだ
エイリアン 周期表と聞いて (スコア:1)
映画「エボリューション」を思い出した。
#ヒ素で死なないなら、セレンは効くのかしら
客人として招かれたとき・招いたとき (スコア:1)
彼らが普通に口にしているからといって無毒とは限らないと・・・
※我々もおもてなしするときには注意しないと。
Re:客人として招かれたとき・招いたとき (スコア:1)
相手もたんぱく質で構成されている場合でも光学異性体のチェックをしとかないとなりませんね。
#下手したら知らずに同行者を食べることになるかもしれません。
らじゃったのだ
Re:客人として招かれたとき・招いたとき (スコア:2, 参考になる)
タンパク質ではないけど; D-グルタミン酸はなめたら、ちょっと酸っぱいだけだった。L-グルタミン酸は、味の素をエグくした妙な味だった。光学異性体でこんなにも味が異なるのかと感心した。酸味は-COOHの酸の味だったのだと思う。
原始地球での存在比 (スコア:1)
原始地球、というよりは、生命が誕生したらしい10億歳ぐらいの地球において、
地表で利用可能なリンとヒ素は、どちらがどのぐらい多かったのでしょうか。そして、現在とはどのぐらい違うのでしょうか。
ヒ素系の生命が先に誕生し、ヒ素欠乏環境に適応してリンを使い始めた可能性はありませんか?
だれかえらい人教えて下さい。
Re:原始地球での存在比 (スコア:5, 参考になる)
>ヒ素系の生命が先に誕生し、ヒ素欠乏環境に適応してリンを使い始めた可能性はありませんか?
そのような観点は元論文で間接的に示唆されていると共に,Science誌上の解説においても述べられています.
そもそも砒酸基がリン酸基に比べ生体中で使われにくいのは前者の方が加水分解を受けやすいためであり,非水条件下などでは砒酸を用いても十分長い間生体活動が行えるのではないか?とか,原始生物は最初砒素を利用していたが,安定性の面で優れるリンに移行したのではないか?というアイディアが書かれています.
まあ,この手の研究はまだまだ初期段階ですので,どっちに転ぶかは今後の研究待ちでしょう.
単純に元素の比率で考えるとリンの方が砒素より10倍ぐらい存在します.そのため,単純に一般的な環境で利用しようと思えば安定性的にも量的にもリンの方が有利です.
その一方,非常に化学的なエネルギーにあふれ,もしかしたら初期生命発生の場かもしれないと言われている地下からの熱水の噴出口などでは砒素を多量に含んだ成分となっているため,最初は砒素を使っていたかも,という発想にもそれなりに可能性があります.
Re:原始地球での存在比 (スコア:1)
とても興味深く、的確なコメントをありがとうございます!!
(モデレータの方、評価をお願いします!)
ひそひそ話 (スコア:1)
大々的に会見まで開いてするものでも…
砒素だけに (スコア:1)
ひっそりとやれとか。
今回の発表の予告も、一般人には宇宙人との邂逅という印象を
持つように誘導してるんじゃないでしょうか。
いや、ま、用語とか上手いことチョイスしてるのは認めるけど。
地味にやってても、それなり予算のアテが付いた前世紀とは
状況が異なるのでしょうが、nasaみたいな組織が
センセーショナリズムにハマるとロクな事が無いと思うのですが。
宇宙で我々と同種の生物が見つかるより、 (スコア:0)
ヒ素だから (スコア:0)
生物の構成に必要不可欠な要素にヒ素がとってかわれるのは驚きなのかもしれないけど
日本人の感覚だとそれほどでもないね。
Re:ヒ素だから (スコア:3, おもしろおかしい)
リンが無けれは砒素を食べればいいじゃないの。
Re:ヒ素だから (スコア:2, おもしろおかしい)
高木俊郎著「抗命 インパール作戦─烈師団長発狂す」より
Re:ヒ素だから (スコア:1)
石見銀山ねずみ捕り [wikipedia.org]
時代劇ではメジャーです。
☆大きい羊は美しい☆
Re: (スコア:0)
和歌山に謝れ。
重大な発表をします! → ズコー (スコア:0)
#スクウェア・エニックスのカウントダウンのネタバレ [gaasuu.com]とか。
#「こいつが今から最高の一発ギャグを披露するぞー」とか。
Re:重大な発表をします! → ズコー (スコア:5, すばらしい洞察)
いや、ライフサイエンスの研究分野においては、宇宙生物の発見にも相当するくらいインパクトのある発見でしたよ。
ズコーにはならない。
情報の維持(DNA/RNAとか)・伝達(リン酸化によるシグナル伝達とか)、エネルギーの貯蔵(ATPとか)とか。
Pは生物の中では最重要の要素のひとつですから、それが他の物質に置き換えられるというだけでワクワクしますね。
Re: (スコア:0, 興味深い)
素人的には、この生物が他のリン系生物から分化して発生したのか、全く独立に発生したのかが気になります。
Re:重大な発表をします! → ズコー (スコア:2, 参考になる)
宇宙関係で、かつ、生物関係の研究って、極限環境での生物に関するモノが、結構、多いんですよ。
日本にも、こう云う学会 [jsbss.jp]が有って、一般向けの公開講座なんかをやってるので、聞きに行けば、何となく判ります。
Re:重大な発表をします! → ズコー (スコア:1)
1. 宇宙のどこかに地球と似たような温度・元素組成の場所があって地球と似たようなシステムの生き物が居る
2. 宇宙のどこかの地球と似ても似つかぬ環境に、想像が及びも付かない未知のシステムの生き物が居る
だと、2の方が広い宇宙にはありふれてるだろ、と勝手に思ってるのSF脳なので、宇宙生物っぽい文脈でこのニュースを聞くと、「そりゃリンを使わない生き物ってのもやりようによっては成立するだろ」というのが先に立ってしまい、今ひとつ感動に直結しない。
リンが無いと成立しないと思われていたのは、あくまで、地球ローカルで発達してきた生命のシステムの話なので、 「地球生物学会の常識を覆す新発見」と銘打ってもらった方がしっくりくる。とか、勝手な妄想に基づく宇宙規模の視点で語ってみる。
Re:重大な発表をします! → ズコー (スコア:1, おもしろおかしい)
もう忘れていた人多数。
Re:重大な発表をします! → ズコー (スコア:1)
が、ちょっと高度な内容で一般受けは悪そうですね。
相対性理論だって発表当時は5人しか理解している人がいないと
言われたわけですし、ガリレオに至っては処分されたわけですし。
Re:そんな大げさなw (スコア:5, 参考になる)
知られていないという事を改めて実感しました。確かにサプリとかでも扱わないし。
栄養素としてあげられる事もまず無いし。
細胞膜の機能をつかさどるリン脂質、細胞内でエネルギーの通貨として使われる
高エネルギーリン酸化物質(ATP、NADPなど)、様々な細胞外の情報を細胞内に
伝達するリン酸化反応、生命機能の根幹を成すDNAやRNAの鎖の形成
これが他のものに置き換わる、というのは「たかだか」というには大きすぎるん
ですよ。酸素の有無なんて外的要因とは大違いなんです。
通常考えられてきた生命活動で砒素が多い環境に適応した、という話ではなく、
生命活動そのものが別の要素で構成できる、という話です。
たとえ話が思いつかないんですが、いきなり日本円の代わりにジンバブエドル
が流通しちゃった、みたいな。え、これ今までとどう互換性取るの、値札は?
POSは?あれ、自動販売機でも使えちゃったよ??ありゃ??不思議に思ってるの
僕だけ?円建ての貯金はどうなっちゃうの??
あー、この比喩では軽すぎる・・・。
鵺の啼く夜は恐ろしい
Re:そんな大げさなw (スコア:2)
日本円の喩えよりもうちょっとだけ近い最近の例。
中国「レアアース輸出止めるから。ああ、日本はお得意の代替素材を開発すればいいでしょ」
Re:そんな大げさなw (スコア:2)
Re:そんな大げさなw (スコア:2)
捉え方に広いギャップがあるのですね。
Re:そんな大げさなw (スコア:3, 参考になる)
誤解を招くことを承知で素人にも分かりやすくたとえるなら
「血液の代わりにコールタールが体内を流れている人種が見つかった」
くらいの大きな問題とでも言えばいいかな?
そのくらい、生物として根本的なところの話ですよ。
ψアレゲな事を真面目にやることこそアレゲだと思う。
構成要素? (スコア:0)
何を基にしていようが振る舞いが生物なら生物でいいじゃない。
繁殖すれば生物、コミュニティ形成できれば知的生命体って感じで。
物理層に存在している縛りなんてのも必要ない。
Re:付加されるだけではない (スコア:1)
>オプションを削除される場合もある
髪型オプションとか服オプションとかが削除されるとユニーク性が失われる危険性が。
Gizmode (スコア:0)
タレコミが間違えるのは仕方ないにしても、編集少しは仕事しようよ。
何回間違えれば覚えるんだGIZMODOさん可哀想過ぎる
Re:Gizmode (スコア:1, 参考になる)
ていうか、GIZMODOじゃなくて予想をしたKottkeさん [kottke.org]にリンクするべきじゃね?
確かに「GIZMODOの人が予想した」とは書いてないし、そもそも元の文章を書いたのはタレコミ人なんだろうけどさ。
Re:疑問 (スコア:1)
鵺の啼く夜は恐ろしい
Re:疑問 (スコア:1)
タイミングやら調節機構やらフィードバックやらがそう簡単に追従するんだろうか
と思ってしまうんですよ、なまもの屋としては。
逆に言えばそんなにルーズな酵素系を使っても生命が維持できるって、どこにその
冗長性を許容する余地があるんだろうかと。
遺伝情報の発現一つ取ってみたって、調節因子やポリメラーゼ周りのサブ酵素みたい
なものからmRNAのスプライシング、リボソームRNA、トランスファーRNAにいたるまで、
リン酸と砒酸が置き換わった状態で同じように流れていくんでしょうか??
生きてるからには行くんでしょうが・・・。
塩基配列一つ狂っているだけで死にいたる事があると思えば、こんな根源的なところで
置き換わっていても増殖する細菌が居たり。いやはや、生きるってのはどういうシステム
なんでしょうかね。
鵺の啼く夜は恐ろしい