GaN-Sb 合金、太陽光から水素燃料を生み出す 36
ストーリー by reo
この手の研究は息が長い 部門より
この手の研究は息が長い 部門より
danceman 曰く、
窒化ガリウムとアンチモン 2 % の GaN-Sb 合金には、太陽光に照射された水分子を水素と酸素に電気分解させる特性があることが実証されたとのこと (Science Daily の記事、本家 /. 記事、DOI: 10.1103/PhysRevB.84.075304より) 。
GaN-Sb 合金を水に沈めて太陽光に晒したところ、水分子を水素と酸素に分解する PEC 型光触媒反応が起き、水素を集めることが出来たという。水素はこれまで、クリーンなエネルギー源として長いこと注目されてきたが、自然界には単独で存在する水素はほとんどない。そのため他の化合物を分解することで取り出さなくてはならならず、その過程で膨大なエネルギーを必要としてきた。つまりクリーンなエネルギー源としての水素を生み出すのに、今日のやり方ではどうしても二酸化炭素の放出を伴わざるを得ないという。
今回の研究により、GaN-Sb 合金で効率的に水素を取り出せることが実証された。研究を行った Mahendera Sunkara 教授は「この合金が汎用化されれば、家庭用電気や車の電力となるゼロエミッション燃料を作り出すのに使われるようになるだろう」と話している。
安定性 (スコア:5, 興味深い)
日光が降り注いで、表面に酸素と水素の泡と水が着くような環境での、この合金の安定性が気になりますね。
まあ、わざわざ発表しているくらいだからすぐボロボロになるような代物じゃないでしょうが。
可視光が使えるんですね (スコア:5, 参考になる)
そのため、より広い波長域の光を利用できる光触媒が色々探索されていたわけですが、今回、バンドギャップが小さくて可視光が使える材料を計算で探し出したということですね。
Re:可視光が使えるんですね (スコア:3, 参考になる)
可視光で駆動するのなら、すでに例はあります
例示した先生方は実験的に水の分解に成功しておりますが
要旨を読んだだけでは、「計算で」可視光応答性がでる(可能性がある)と述べております
正直、こんなのでPhys. Rev.に掲載されるの? って感じです
http://ja.wikipedia.org/wiki/ [wikipedia.org]堂免一成
http://ja.wikipedia.org/wiki/ [wikipedia.org]工藤昭彦
など
Re:可視光が使えるんですね (スコア:3, 興味深い)
>こんなのでPhys. Rev.に掲載されるの?
PRLはかなり面白い事じゃないと載らないんですけど、PRBとかは結構ヘボくても間違いがなければ載っちゃったりします。
なんというか、面白くないけどかっちりやった仕事も結構載ってる感じ。
あと、refereeが何度もrejectして返しても著者が粘りに粘ってクレーム付けたり飽きることなくやりとりを続けてるともういい加減嫌になったrefereeが「もういいや好きにしろ」って言って載っちゃったりとかも。
(そんなに良くある話では無いんですが、実例をいくつか知っています)
Re:可視光が使えるんですね (スコア:2)
Re:可視光が使えるんですね (スコア:1)
Re:可視光が使えるんですね (スコア:4, すばらしい洞察)
可視光は太陽電池,赤外光は熱利用ってデバイスはありますね.PVTシステムとか言ったりします.
紫外光はフォトンのエネルギーが大きいので利用したいんですけど,紫外光の光量は太陽光全体からするとかなり少ないので,タンデム太陽電池だと紫外線用にセルを一つ作るのは数十接合とかじゃないと出来ないんじゃないかと思います.
たとえば,一般的な3接合デバイスの例だと,バンドギャップは上から1.88eV/1.4eV/0.67eV,つまり,それぞれ,660nm / 885nm / 1850nm以下の波長の光を吸収するので,普通の言葉で言うと可視光/近赤外/遠赤外というふうに光を分けてます.それくらい,太陽光は赤外が強く,紫外線の光量は少ない.
Re:可視光が使えるんですね (スコア:1)
タンデム型の太陽電池では紫外光も赤外光も効率よく発電できます。
光触媒による水素製造 (スコア:5, 興味深い)
研究レベルでは他にもありますよ
・酸化タングステン(WO3)と酸窒化タンタル(TaON)を組み込んだ化合物
・ロジウムをドーピングしたチタン酸ストロンチウム光触媒に白金を助触媒として担持したもの
・ZnS-AgInS2-CuInS2 固溶体光触媒にルテニウムを助触媒として担持したもの
・多層薄膜光触媒チップ
光触媒による水素製造において重要なことは、光触媒で分解するだけではありません。
発生する水素と酸素がふたたび反応して水に戻らないよう工夫する必要があります。
そのためには、水素と酸素を分離して回収できるように、光触媒を“設計・製作”する必要がありますがそっちの方は触れられてますか?
酸素は (スコア:3)
べつにどんどん大気に放出してしまっても問題ないんですかね。
Re:酸素は (スコア:2)
生成した水素を燃料として使用して、水に戻せば問題ないかと。
Re:酸素は (スコア:2)
ああ、そっか。気兼ねなく燃やせるからそれでいいのか。
Re: (スコア:0)
今までに植物の光合成が問題になったことがあったっけ?
Re:酸素は (スコア:1)
酸素は有害物質です
光合成がはじまったころは、酸素によって環境が破壊され多数の生命が絶滅しました
うまく酸素を利用できるようになった生命が生き残っただけです
Re: (スコア:0)
脊椎反射すると、
うまく酸素を利用できるようになった生命にとって、酸素は有害なんだろうか、と思ってしまう。
Re:酸素は (スコア:2)
スノーボールアース
Re:酸素は (スコア:1)
未熟児が酸素で失明する話を聞いたことある。
the.ACount
Re: (スコア:0)
脊髄反射すると、
酸素100%だと、呼吸しづらくね?
Re: (スコア:0)
やっぱり有害といえば有害です。
発生が避けられない活性酸素はDNAを傷つけ老化の原因となります。
DNAがない生命が存在しない以上酸素は生命にとって有害物質でもあるのです。
ゼロエミ (スコア:1)
後は合金を作り出すのに必要なエネルギーをどうするかだ。
そのために太陽光パネルを使おう。
後は太陽光パネルを作り出すのに必要なエネルギーをどうするかだ。
そのために合金を作ろう。
Re:ゼロエミ (スコア:2, おもしろおかしい)
合金ができたら、次は超合金だろ
日本はそういう夢のある国だ
Re: (スコア:0)
夢を叶えるためにはエネルギーが必要だ。
そのために合金を使おう。
合金を作るためにはエネルギーが必要だ。
クソ!!どうしてもエネルギーが足りない!!
そのためにエネルギーを買おう。
どうしてもお金が足りない。
そのために借金をしよう。
どうしても借金が返せない。
そのために子供達に押し付けよう。
どうしても子供が足りない。
子供を作るにはエネルギーが必要だ。
子供を作るために合金を作ろう。
どういうこと? (スコア:0)
電気分解で水から水素取り出すってことだけど、
その水素は発電に使いたいんだよね?
電気分解の電力より多く発電できるってこ!?
それとも夜間に電気分解して
ピーク時に発電させるために使うのかな?
Re:どういうこと? (スコア:2, 参考になる)
PEC 型光触媒反応というのが、太陽電池+電気分解のような反応のようです。
光が当たる→電子と正孔が生じる→そいつらが水と反応して電気分解し、水素と酸素になる
という流れかな?
超ざっと調べただけですが…。
超おおざっぱに言うと、超小型太陽電池が電気を生み出した端から水を電気分解する、みたいな。
Re: (スコア:0)
水素と酸素の混合気体が生成されるってことでないかい?
ただの水素だけより、パワーありますぜよ。
Re:どういうこと? (スコア:1)
世の中には「燃料」って物が有って、それは可搬性である事が重要視される事も有るって事ですよ。
Re: (スコア:0)
この燃料を水に入れると
電気が発生して
水を水素と酸素に電気分解すると?
電気の発生原理はなんですかね?
# どういうこと?
Re:どういうこと? (スコア:5, 参考になる)
元記事には以下の記載があります。
>GaN-Sb 合金を水に沈めて太陽光に晒したところ、水分子を水素と酸素に分解する PEC 型光触媒反応が起き
つまり、今回発見された内容は、電気分解ではなく、光触媒反応なのです。
よって、電気は発生しませんし、電気を利用することもありません。
「電気分解と同じような現象」が電気なし(太陽光のみ)で発生します。
# 間違っていたら突っ込んでください。
Re:どういうこと? (スコア:1)
Re: (スコア:0)
そのページには電気分解とは書いてないんですが
今回のは電気分解なのか
タレコミの勘違いなのか
編集の追記なのか
どれでしょうね?
# どういうこと?
Re: (スコア:0)
タレコミ記事にも電気分解ってあるから「タレコミの勘違い」でしょう。
しかしこういう変な言い回しを素通ししてしまう編集者の存在価値って何でしょうね。
#元論文へのリンクを張ってるからそっち読めってことかねぇ。
#なら元文章全削除でリンクだけでいいんじゃね?
Re: (スコア:0)
さすがにそれは言い過ぎだよ
Re: (スコア:0)
タイトルにも本文1行目にも「太陽光」って書いてあるし。
第一原理計算 (スコア:0)
であって、記事のような実証されたとの事実は、
もとの論文のアブストには書いてないようです。
水分子を分解する、ということは (スコア:0)
液体の水だけでなく大気中の水蒸気も分解出来る可能性があるということ?