難問「ABC予想」解明か 104
ストーリー by hylom
証明なるか 部門より
証明なるか 部門より
NOBAX 曰く、
現代の数学に未解明のまま残された問題のうち、「最も重要」とも言われる整数の理論「ABC予想」を証明する論文を、望月新一京都大教授(43歳)がインターネット上で公開しました(日経新聞)。英科学誌ネイチャーによると、望月教授はまだほとんどの数学者が理解できていないような新たな数学的手法を開発し、それを駆使して証明を展開している。そのため「論文の正しさを判定する査読に時間がかかるだろう」とのことです。
中身は全然わかりませんがニューヨークタイムズなどでも報じられているので、スゴイことなんでしょう。
日本であまり報道されていないのは、誰も説明できないからか(笑)。16歳でプリンストン大学入学、19歳で卒業という辺りだけでも、望月先生の天才ぶりが伝わってきます。
情報元へのリンク
oldnews (スコア:2)
本家記事 [slashdot.org] (9/10) では、証明はもちろんのこと、予想自体も意味がわからんという話になっていました。
http://abcathome.com/conjecture.php [abcathome.com] が理解に役立つらしいです。
さらに専門の人が証明について考えるときは ここ [mathoverflow.net]が役立つらしいですが、私は一瞬で閉じました。
Re: (スコア:0)
数学者の証明なんてのは人間の読むものじゃないです。
汎用的な自動証明検証が普及して、我々一般人が証明の正しさとか流れを簡単に判断できるようになればいいですのにね。
P=NPが証明されて数学者全員首が最も望ましいシナリオですけど。
Re: (スコア:0)
P=NPだとなぜ数学者が必要なくなるのかわかりません。
Re:oldnews (スコア:1, 参考になる)
NP完全問題はNP問題に含まれるのでP=NPが証明された場合、そのアルゴリズムからP問題として解けます。
P問題はたいてい解けるでしょうから、つまり証明問題は数学者の仕事でなくなるからです。
それでも数学者の仕事は多少残るでしょうが、まぁ首で差し支えありません。
Re:oldnews (スコア:2)
数学者は証明だけでなくて予想するのも仕事で、
ACから指摘されているように数学の探求世界は無限ですから仕事がなくなることはないでしょう。
それに公理系そのものも数学者の研究対象ですし、P=NPなら、むしろ逆に仕事が増えるかもしれませんよ。
Re:oldnews (スコア:2)
探究分野が無限という点は、人間が手を付ける前に計算機ができるようになってしまえば構わないことです。
しかし、仕事が増えるか減るかは実際そうなってみないとわかりませんね。
C言語ができたからと言ってプログラマが居なくなったわけではありませんし。
少なくとも人間に分かりやすく有意な理論構築・予想という仕事がなくなることはないでしょうね。
小説家や買い物といった仕事が人間に残り続けるように、情報入力はいつまでも人間の役割で有り続け、またそれを十分に行うには一定の数が必要です。
最終的にそこだけに収束する事にはなるでしょうけど。数学者が絶滅することはありません。
Re:oldnews (スコア:1)
> 数学者が絶滅することはありません。 数学者全員首って言ったのはお前だろうが。サラっとなかったことにしてねーでちゃんと撤回しろよ。
そうですね。すみません。かなり極端でしたね。願望が入ってました。
今の数学者の9割が首になるのであれば私としては満足です。
Re:oldnews (スコア:1)
定義から、どのような問題でも多項式時間で自動証明検証ができる場合は(NP完全かはともかく)NP問題に当てはまります。
証明が有限長を持ち、各ステップの妥当性がアルゴリズムで検証できる場合はそうです。
少なくとも一般人が「数学」や「証明」といった場合、有効な書かれた証明を持ち、その正しさは客観的かつ一意に判定できる分野を指すでしょう。
そこに一階述語論理と書いてあるのはまさに、ゲーデルの不完全性定理から健全性かつ完全性を持つ二階述語論理にそのような条件が当てはまらないからです。
そういう分野では証明とは何ぞやすら難しい問題になりうるのです。それはどちらかといえば論理学の領域ではないですか。
数学の世界がどうなっているか余り詳しいわけではないので、普通に数学的証明と云える範囲で、多項式時間で機械的検証ができないような例があればご教授いただきたいところです。
物質材料系、IT系、法律系の優れた人はスラドにいるけど (スコア:1)
数学系はいるのかな?
http://ja.wikipedia.org/wiki/ABC%E4%BA%88%E6%83%B3 [wikipedia.org]
を見る限り予想の内容は理解できるが、応用とか証明とかさっぱり・・・
昨日の日刊スポーツの記事の方が、今日の読売より分かりやすい記事だ。
・「ABC予想」は、整数の方程式の解析では「最も重要な未解決の問題」
・まだほとんどの数学者が理解できていないような新たな数学的手法を開発し、駆使して証明。
・(上記数学的手法は)この予想以外の整数論の問題を解く強力な道具になるとも期待
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20120918-1019282.html [nikkansports.com]
御尊顔
>平成4年に23歳で京都大助手に就任した際は日本語が苦手だった
http://sankei.jp.msn.com/science/news/120919/scn12091900540001-n1.htm [msn.com]
#うん・・・ボクも日本語が苦手だよ・・・
#やはりこのスレはネタだけで埋まってしまうんだろうか。
ABCを使ったフェルマーの最終定理の証明 (スコア:2, 参考になる)
こちら(PDF注意) [tohoku.ac.jp]を参考に書き下してみる。
【準備】
rad(N) = (N を素因数分解して、指数を全部取っ払った数) と定義する。
たとえば 200 = 2^3*5^2 だから rad(200) = 2*5 = 10
【ABC予想】
a+b=cで、aとbが互いに素な自然数なら、必ず c < rad(a*b*c)^2
【フェルマーの最終定理の証明】
x^n + y^n = z^n を満たす自然数 x,y,z が存在したとする(xとyに公約数があれば割って互いに素にしておく)。
ABC予想により a=x^n, b=y^n, c=z^n とすると
z^n < rad(x^n*y^n*z^n)^2
= rad(x*y*z)^2 # radの定義よりn乗を引っぺがしても一緒
<= (x*y*z)^2 # radを取る前の方が当然大きい
< (z*z*z)^2 # xやyよりzのが大きい
= z^6
つまり z^n < z^6 、つまり n<6 (z>1 に注意)
よって n が 6以上の場合は解が存在しない。
一方、n=3,4,5 の場合は個別に解決されてる [wikipedia.org]ので、すなわち n>=3 において x^n + y^n = z^n を満たす自然数は存在しない。証明終わり。
さ、350年の難問がこんなあっさりと…orz
同じ方法で w^n + x^n + y^n = z^n の n>=8 の場合とかも解けそうですね。こりゃすげえや…
Re:ABCを使ったフェルマーの最終定理の証明 (スコア:2)
【ABC予想】 a+b=cで、aとbが互いに素な自然数なら、必ず c < rad(a*b*c)^2
今回解けたかと言われている「abc 予想」がどれのことか僕は知らないけど、少なくとも、普通に「abc 予想」と呼ばれるのは Oesterlé-Masser 予想 (1985) (PDF 内の「予想 7.6」) のことであって、あなたが引用しているバージョン (PDF 内の「予想 7.3」) じゃないと思うよ。
Re: (スコア:0)
簡単な予想(単純な予想)ほど証明が難しいという例のようなものですね。
予想自体は理解できたのだが、証明が全然わからなかった。
私が出来ることは腕力で立証していくだけだ<それ証明になっていません
Re: (スコア:0)
応用したら、双子素数が無限に存在する予想が証明できそうな気がする
Re: (スコア:0)
数学の世界とは限らないですが、
プレプリントが出回って、世界中で検証が行われない限り、眉に唾つけとかないとね。
それでも、publish されてから何年も後になって、証明に抜けがあったり、誤りがみつかったりしますからね。
#マイナーな分野だと、第一人者が間違えると、後で、そこ違うよと指摘しても、訂正されないまま、ずっと使われるんだよね。
#と院生時代の担当教官の愚痴を思い出すのだった
で、abc 予想については、昔数セミの記事にあったような?
後はシュプリンガーで出てたベイカー先生のインタビュー記事の書かれた本に、どういう予想かとその応用が書かれていたような
#記憶があいまいなので、追記お願い。
Re: (スコア:0)
>数学の世界とは限らないですが、
>プレプリントが出回って、世界中で検証が行われない限り、
有名な問題だと「インターネットが先」というやり方が続くかもしれないですね。
他にはペレルマンの例しか知らないけど(笑)。
「ニュートリノは光より速かった?」問題の場合は記者会見か。
Re: (スコア:0)
それでも、publish されてから何年も後になって、証明に抜けがあったり、誤りがみつかったりしますからね。
自分には証明の抜けに見えるけど、大先生には"without loss of generality"で済んでるのかなあと悩んだりした院生時代
Re: (スコア:0)
P≠NP予想 [wikipedia.org]が証明されたら /. でも大きな話題になりそうですけどねぇ
# カップ的にはC(略
Re:物質材料系、IT系、法律系の優れた人はスラドにいるけど (スコア:2)
P=NPだと証明されれば、そうでなくとも人間より低コストにほとんどの問題が解決できるという事になれば、/.どころではなく世界は大騒ぎです。
既存の暗号が使えなくなるなんてのはどうでもいい話です。どうせ普通の暗号は十年ももちませんし。郵送式のワンタイムパッドが普及すればいい。
こんな事が起きます。
自動定理証明はNP完全問題ですから。もちろん数学者は全員首です。
例えば最速の浮動小数点回路・x86互換のCPUのような問題を解けるようになります。プログラマは難しいアルゴリズムを考える必要もなくなります。
これだけでも、人類の可能性が大きく広がります。P=NPのアルゴリズムが発見される事を強く願います。
Re:物質材料系、IT系、法律系の優れた人はスラドにいるけど (スコア:2)
P=NP のアルゴリズムって、非決定的な多項式時間の問題を決定的な多項式時間の問題に自動的に置き換えるアルゴリズムってことでいいのかな。
P=NP が証明されたと仮定して、現状のコンピュータの計算能力でたいていの問題を解けるアルゴリズムが、現実に開発できる?
いくら多項式時間といっても、ある問題では現在のコンピュータで何万年という時間がかかる、ということにならないとも限らないと思うし。
それと、どんな問題でも指数関数時間の解法ならごく簡単に見つかる、ということでいいのかな。
また、定理の証明が全自動でできるようになったとして、予想も自動でできるもの?
そうでなければ数学者の仕事はまだ残っているということになるような。
Re:物質材料系、IT系、法律系の優れた人はスラドにいるけど (スコア:1)
P=NPを証明するアルゴリズムが現実に解けるレベルになるかは全く予想できません。
Pクラスでも難しい問題があるとは思いますが、とにかくPクラスになるというだけです。
それとどんな問題でも解けるという事ではありません。
よく誤解されますが、NPはPより難しい問題全てではなく
(互いに同値)の事でPクラスを含みます。
量子コンピューターの偉い人なんかも勘違いしているのを見ました。
世の中にはNPクラスより難しい問題があって、NP困難と呼ばれます。
巡回セールスマン問題やそもそも一般には解けない停止問題やビジービーバー関数なんかを含みます。
ややこしいですがこれはNP問題に含まれません。
また、予想はNP問題が解けても可能にはなりません。
しかし帰納法や問題の変形なんかはP問題に属しますから、AIが普通に進歩すればそのうちできるようになるでしょう。
Re: (スコア:0)
>これだけでも、人類の可能性が大きく広がります。
狭くなってないか?
Re: (スコア:0)
P≠NP予想 [wikipedia.org]が証明されたら /. でも大きな話題になりそうですけどねぇ
# カップ的にはC(略
過去記事のP!=NP 予想、証明されるか ? [srad.jp]、この証明って結局どうだったの?2年たつけどまだ検証中or ダメだった?
Re:物質材料系、IT系、法律系の優れた人はスラドにいるけど (スコア:2)
過去記事のP!=NP 予想、証明されるか ? [srad.jp]、この証明って結局どうだったの?2年たつけどまだ検証中or ダメだった?
少なくとも、流通していたバージョンの論文にはいろいろ間違いが指摘されていた。著者は自分のウェブサイト [hp.com]で「指摘された誤りは修正した。論文誌から回答があったら最終版を公表する」って書いている。でも指摘されていた誤りを修正したとされるバージョンは、少なくとも公表はされていない。
Re: (スコア:0)
月に1回くらい [win.tue.nl]は証明されたり反証されたりしているニュースでも何でもないようなものをいちいち相手にしてるほど数学者は暇じゃありませんよ。
Re: (スコア:0)
これってn番目の素数が計算できるって話なの?
数学を志す人間には心が折れるニュース (スコア:1)
Re:数学を志す人間には心が折れるニュース (スコア:2)
いえ、ワイルズさんも幼少の頃より才能を現した天才という話だったかと。
数学の新しい発見とか証明とか何かは天才だけがなせる技じゃないですかね~
Re: (スコア:0)
セルは他人の能力をじゃんじゃん吸収するチートじゃん。無理に若いもんに話を合わせようとしなくていいよ(しかもすでに若いとは言えない世代向けのネタだし)。
Re:数学を志す人間には心が折れるニュース (スコア:1)
参考リンク (スコア:0)
2chのまとめなんだけど、合間に出て来るプロフィールとかすごすぎ。ABC予想の分かりやすい解説もあります。
Re:参考リンク (スコア:2)
ABC予想の分かりやすい解説もあります。
そのページには ABC 予想がどんな感じの予想かを書いた部分が 3 か所ある。 >>2 のすぐ上のウィキペディアからの抜粋と、 >>32 と >>59。けれど、これらは「ABC 予想のアバウトな説明」ではあるけれど、「ABC 予想のわかりやすい解説」ではないような。実際この三つのどれにも ABC 予想自体が書かれていないし (コメント欄までは見てないのでそっちにあるのなら失礼)。
Re:参考リンク (スコア:1)
望月新一京都大教授(43歳)
略歴
1988年 - プリンストン大学を卒業(16歳入学、19歳卒業)
1992年 - プリンストン大学でPh.Dを取得(22歳):指導教授はフィールズ賞を受賞したゲルト・ファルティングス
1992年 - 京都大学数理解析研究所助手に就任
1996年 - 京都大学数理解析研究所助教授に就任(26歳)
2002年 - 京都大学数理解析研究所教授に就任(32歳)
Re: (スコア:0)
32で教授って、
まんま漫画とかによくある天才キャラですよね。
Re: (スコア:0)
プリンストンなんて、わたしはプッチンプリン食べるときにしか想起しない単語でしたよ。
「ほとんどの数学者が理解できていないような新たな数学的手法」
という状態もよく理解できないし。(ジャイアンのアイス算みたいなもの?)
証明の重要性・困難さよりも、科学者の世界への縁遠さに圧倒されることしきりです。
Re: (スコア:0)
望月「フィールズ賞は目標としない」<<<ペレルマン「受賞したけど辞退する」
Re:参考リンク (スコア:1)
マジレスするとフィールズ賞は40歳までなのでこの場合年齢を考えて焦って発表しないって意味かと
Re:参考リンク (スコア:2, 興味深い)
焦って発表しないってのは違いますよ。
参考リンクのコメント326には、
>http://mathsoc.jp/publication/tushin/1001/tamagawa2.pdf
>(A. Wiles がフェルマ予想に挑んでいた時などと違い)大予想の証明に向かう途中の
>理論についても,全てプレプリントなどで公開しています. それを見て誰かが先に証明してしまう>のではないかという周囲の心配もどこ吹く風, 「自分の理論を理解して先に証明してくれるの
>であればむしろありがたい」とおっしゃっています.
と書いてある。
Re: (スコア:0)
ペレルマンによるポアンカレ予想証明の検証には
最初のPreprint発表から3年くらいかかったけど
今回は何年かかるのやら。
Re: (スコア:0)
>望月新一 ■数学者。19歳でプリンストン大卒。京大数理解析研教授。
>専門は数論幾何学、遠アーベル幾何学。筑駒史上最高の天才
筑駒のソースを見つけようとしたら2005年くらいの2chのスレくらいしか見つけられなかった。
しかもドラゴンボールのノリで「天才」感を盛り上げるためにネタで書かれた文章の可能性がありそう?
ソースをお持ちの方、よろしくです。
プリンストン大学入学時16歳ってのはご本人のサイトで書いてあるし、今回の業績も含めて偉大な方
だとは思いますが一応・・・。
証明する人にやさしい予想名ですね (スコア:0)
ワイルズさんがかわいそうなのでコラッツ予想とかゴールドバッハ予想は証明されたらちゃんとその人の名前で呼んであげてください。
分かるように説明する (スコア:0)
如何に天才であっても困難だということだなあ
Re: (スコア:0)
ええ、それだけです。
Re:このトピックの主成分 (スコア:1)
・E気持(沖田浩之派)
Re: (スコア:0)
・旺文社のカセットLL(それだけじゃ困ります)
Re: (スコア:0)
救急救命のABC(air:気道確保 breath:人工呼吸 circulation:心マ)
#人工呼吸に抵抗のある人が多くて、Bを飛ばしたACというのも。
Re:このトピックの主成分 (スコア:1)
人工呼吸ですが、感染症の恐れがあるから、逆止弁つきの補助具が無い場合は、無理にやらなくてもよいことになっています。
http://www.kokenmpc.co.jp/products/life_simulation_models/emergency_tr... [kokenmpc.co.jp]
補助具はこんなやつです。
Re: (スコア:0)
朝日放送のことじゃないの?
Re: (スコア:0)
> AやB,Cの経験は当然という風潮は。
実際にはAを飛ばしてBやCに至る事は珍しくないのですが(現実に観測されている)、
それを論理的に説明する事が出来てなかったのです。
Re: (スコア:0)
いやだから暗黒だから (スコア:2)
n年後の順位:
n=0:あきれつつ5
n>0:6