壁の遮音効果を小さな穴で台無しにする方法 79
ストーリー by hylom
ちょっと試してみたい 部門より
ちょっと試してみたい 部門より
eggy 曰く、
本来、壁は音を遮断するはずなのだが、壁にごく小さな穴を空け、その穴をプラスチックのラップで作った膜で覆うだけで、音を筒抜けにすることができることが発見された。北海道大学のOliver Wright氏が韓国の大学の研究者らと共同で研究を行い、Physical Review Lettersにレポートを発表している(本家/.、Inside Science記事)。
同レポートによれば、ドリルで壁面に小さな穴をあけて片側をプラスチックラップで作った膜で覆ったところ、まるで壁が存在しないがごとく音を伝達することができたとのこと。一方で、壁に穴を空けただけで剥き出しにしておいた場合、音の大部分は壁に遮断されてしまう。伝達された音のボリュームは、穴の大きさに応じて、元音源の75%から100%近くにも及んだそうだ。
(追記@14:35)コメント#2408552にあるように、北海道大学大学院工学院応用物理学専攻量子物性工学講座量子機能工学研究室のWebサイトでこの原理について日本語で解説されている。興味のある方はこちらもご参照ください。
参考リンク (スコア:4, 参考になる)
北海道大学 量子機能工学研究室
http://kino-ap.eng.hokudai.ac.jp/j-index.html [hokudai.ac.jp]
記事になった研究の一般向け解説
http://kino-ap.eng.hokudai.ac.jp/j-eat.html [hokudai.ac.jp]
Re: (スコア:0)
「ちょうど適した周波数の音は」ということは、全部の音が反対側に抜けるというわけではない?
いろんな大きさの穴を開ければあるいは……
鼓膜を作るようなイメージ? (スコア:2, 興味深い)
かな?
Re:鼓膜を作るようなイメージ? (スコア:2, 興味深い)
ですね。
私は鼓膜と言うより、スピーカーとか、バイオリン等の弦楽器自体の本体(反響部)の原理じゃないかなぁと想像しましたが。元ネタ読んでませんが。
ラップが元の音の振動を拾って振動し、部屋全体がスピーカーや楽器の反響部の役割をするんじゃないかと
Re:鼓膜を作るようなイメージ? (スコア:1)
パスカルの原理で車のブレーキを流体を介して動かしているのと同じだと思いました。ラインの片方は閉鎖してないと動きませんし。
光でも同じ事が出来るのかな? (スコア:2)
ほとんど,タイトルだけで終わってしまってるけど,音に対してプラスチックのラップが鍵なのだとして,光に対して同じ役割を果たす材料があれば,ディスプレイにしろ,イメージセンサーにしろ,いろいろおもしろいことが出来そう。
Re:光でも同じ事が出来るのかな? (スコア:1)
関連リンクにはありませんけど、光に対する技術は「光学迷彩」ですね。
つまり、これを使うと、実際には壁があるのに、壁を素通りして音が聞こえるわけですから、音を頼りに空間把握していると、壁の存在に気づかない、ということです。
Re: (スコア:0)
光学迷彩というのは,物体(透明マント)に当たった光をマントに
沿って曲げ,後ろに逃がす技術.
結果としてマントの中にある物体を隠すことになる.
隠したい対象が穴の開いた薄い壁なら良いのだが,
それだと手段と目的が入れ違ってしまう.
Re:光でも同じ事が出来るのかな? (スコア:1)
音の波長に対して部屋のサイズは桁数がそんなに変わりません。音の波長は数cm~数メートル。
光の波長は400nm~800nm程度になります。
200nm~数μm程度の部屋であれば同じような現象が起こりますし、このような波動解析は光の方が圧倒的に進んでいます。
ですので、ディスプレイにしろ、イメージセンサにしろ、すでに回折現象を用いた設計は行われています。
Re:光でも同じ事が出来るのかな? (スコア:3, 興味深い)
光だと、金属のナノホールアレイによる異常透過がこれに近いと言えば近い現象ですが、ここまで劇的じゃないので、光でも狭いところに閉じ込めれば起こると言うのはあまり同意できません。
あと、 これは狭いキャビティに閉じ込めないと発現しない現象なんですかね?abstractだけだと判断できないけど、薄い膜がポイントだとしたら、きっと違うと思うんですよね。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
ピンホールカメラは穴のサイズに比例した光しか出てこないだろ……
今回の話のポイントは、壁に対し、(総計で)壁の面積の1割ぐらいにしかならない穴を開けたら、壁に当たったほとんど全ての音が向こうに抜けた、って点。
単純に穴を抜けてくるだけだと、全体の1割ぐらいしか抜けてこないことになるでしょ?でももっと透過するよ、って話。
Re: (スコア:0)
ピンホールカメラは単に光の直進性を利用してるだけ。
今回のラップで穴を覆うのに相当する効果がない。
一方、ピンホールカメラは光の2次元マッピングをレンズなしにやるところに
ポイントがあると思うんだけど、
今回はそもそも2次元マッピングを必要としてないし。
ラップを剥がし忘れると (スコア:2)
ラップを剥がし忘れるとこちら側が向こう側に筒抜け。
これは両方向に作用するのかな? (スコア:2)
片側だけに作用するならアレコレ考えてしまうのは私の心が汚れているせいでしょう
食品用ラップを変えると音が変わるのはピュア界では常識です。 (スコア:2, おもしろおかしい)
材質はポリオレフィンPOが最高ですよ。
おかげで、ウチは吉野石膏タイガーボードですが、ハイエンドよりいい音がしますよ。
サランラップ 高域ヌケ 特徴薄い B
クレラップ 低域量感 低域強すぎ A+
ダイアラップ 密度とSN 低域薄い A+
ハイラップ 色彩感と温度 低域薄い A
ヒタチラップ バランス 距離感 C
----- A mighty flame followeth a tiny spark.
Re:食品用ラップを変えると音が変わるのはピュア界では常識です。 (スコア:2)
ネタに突っ込むのもヤボですが
ピュア界では石膏ボード越しに音楽鑑賞することがあるんでしょうか。
# 壁の材質にこだわるのはわかりますが
聴診器 (スコア:2, 興味深い)
昔はベルの先端が開放していたのですが、いつの間にか膜が張られるようになっています。
低音高音などの効率の違いもあるようですが、理屈としては似たような物なんでしょうかね。
もしかして (スコア:2, おもしろおかしい)
二つ隣の部屋の音が聞こえるのは、
画鋲で貫通した壁の穴を、セロテープで補修してるからか?
ひらめいた! (スコア:1)
Re: (スコア:0)
そろそろ、しずかちゃんの家の風呂場に穴の開け終わったか?
無線LANの電波でもこういうことって出来ないかなぁ (スコア:1)
コンクリ構造の建物で無線やると場合によっては部屋ごとにAPしなきゃならないけど、
コンクリ壁にちっちゃい穴あけて同じことできれば都合がいいなぁ。
映画館が省電力? (スコア:1)
映画館では、穴の開いたスクリーンの裏にスピーカーが置いてあり、
センターの音を出しているそうです。
そのスクリーンの穴をラップすれば、今まで以上に音が通る様になり、
スピーカーの音量を小さくしておく事が可能?
TomOne
何者? (スコア:0)
北海道大学のOliver Wright氏って。
肩書きがないから教授とかじゃないんだろうけども
Re: (スコア:0)
北海道大学 量子機能工学研究室の教授です。
Re: (スコア:0)
じゃあOliver Wright *氏* じゃなくてDr. Oliver Wrightだよね。
Re:何者? (スコア:2, おもしろおかしい)
教授なのにDr.の肩書きを優先するのは、
むかしから、「博士」は正義の味方で「教授」は悪者と相場が決まっているからでしょうか?
海陸空で合体だ (スコア:1)
風見博士…
らじゃったのだ
Re: (スコア:0)
レクター博士「そうだな。よくわかってるじゃないか」
さすがだよ、ホームズ君 (スコア:0)
Prof. モリアティ
Re: (スコア:0)
Re:何者? (スコア:1)
ホイヘンス先生がいいました (スコア:0)
あたりまえだのくらつかー
Re: (スコア:0)
ヘルムホルツ・レゾネーターのようなものを介して、壁面の両側で音響エネルギーのやりとりをしていると考えればよいのかね............
スピーカーボックス (スコア:0)
膜がスピーカーコーンだとすると、無限の大きさを持つ理想的なエンクロージャに見えるな。
Re:スピーカーボックス (スコア:1)
ラップフィルムを変えると音が変わるのはピュア界では常識です。
Re:スピーカーボックス (スコア:4, おもしろおかしい)
1.サランラップ
【寸評】すべての基準になる音
【長所】抜群の知名度。迷ったらこれを薦める。女性デュオには最高
【短所】扱いやすくはなったが未だ気難しい面も…
2.クレラップ
【寸評】なんでもこなせるオールラウンダー
【長所】抜群の扱いやすさ。扱いやすさ重視ならコレ
【短所】没個性的で単調
3.透湿防水シート
【寸評】扱いやすく耐久性がある
【長所】跳ねるような音質で激しい音楽向け。バスドラムがよく鳴る
【短所】透明感がなく薄くベールがかかったような音
4.アルミ蒸着フィルム
【寸評】見た目に高級感がある
【長所】意外に温かみのある音。不思議なことに向きを逆にするとクールな音になる
【短所】やはり金属的なノイズが…
5.梱包用透明ラップ
【寸評】気兼ねなく使える安心感
【長所】透明感抜群で粘りつくような低音はこれでしか味わえない魅力
【短所】高域ペラペラ
6.建築用ブルーシート
【寸評】プロ仕様の無骨さ
【長所】耐久性は最高。入手性も高し
【短所】全域においてガサつく。オーディオ用ではない
Re: (スコア:0)
そのうちオーディオルームに充填する空気の組成を気にし始めて、最終的には自身の体から発生するノイズ(心音とか呼吸音とか)を排除するために部屋の中に入れなくなるんですよね。
//オーディオ機器が理想的な状況で再生できればそれで良く、音楽は心で聞くものだと悟る
Re:スピーカーボックス (スコア:1)
コンサートホールで音速の変化を気にすることはありません(温度・湿度により媒質/空気による音の吸収の違いは出てくるが)
問題となるのは観客の数と観客が着ている衣服の違いです
音響設計上は人間は吸音体の扱いで、例えば冬に暖房の効きが悪くて聴衆がみんな厚着していれば顕著に残響が短くなります
Re: (スコア:0)
まるで無動力アンプみたいですね
Re:スピーカーボックス (スコア:2)
>まるで無動力アンプみたいですね
メガホンに応用出来ないのか?
Re: (スコア:0)
今回の膜はパッシブラジエーターみたいだな。
プラスチックの膜がポイント? (スコア:0)
ただ穴をあけただけでは、音はあまりよく伝わらない、ということなのかな?
プラスチックの膜を置くことで、効率よく音波が伝達される現象を発見したわけか。
#壁に耳あり、クロードチアリ
Re:プラスチックの膜がポイント? (スコア:5, 参考になる)
ただ穴開けただけでも増強効果は働くんだけど、それをさらに強化する手法って感じ。
例えば、壁に対し周期的に穴を開けたとする。で、穴の面積の合計が壁の面積の1割だったとするわけだ。
超単純な考え方だと、壁に当たる音の1割ぐらいが抜けてくる、と思う。
ところが実際には、いい感じのサイズと間隔で穴を開けると、1割よりちょっと大きく抜けてくる、という現象が知られていた。ちなみにこれは光でも起こる。
でまあ、それを表す式なんてのもある。
壁には1割の開口部しか無いのに、1.5割だの2割だのの音が抜けてくると思えば良い。
これを表す式に注目すると、穴の中の媒体の質量を含んでいる。
で今回、穴の部分に膜を張ると、その共鳴周波数の時には振動時に膜の復元力が働くんで、この「媒体の質量」が実効的にゼロに近くなる。音によって揺らされる時に自分も同じ周波数で揺れてるんで、力を加えなくても同じ振動数で揺れてくれるようなもんだ。
この条件下で元の式を解くと、透過率が100%近くになったりするよ、と。
壁には1割分の開口部しか無いのに、音はほぼ全て向こう側に抜けるわけだ。
膜の共鳴で出てくる波が、壁(の穴以外の場所)による反射波をちょうど打ち消して、かわりに穴を透過する成分が増強するような感じ。打ち消したら、どこか他の場所で増加しないといけないからね。
(波を波で打ち消すことは出来ない。どこかに余波が出る)
Re:プラスチックの膜がポイント? (スコア:1)
この原理を逆に利用すると、遮音板が作れないのでしょうか?
穴とラップで遮音効果があるなら、高速道路とか建材にちょうど良い気がするけど
どうなんでしょう?
Re:プラスチックの膜がポイント? (スコア:1)
穴に対して音の集中してるんなら、穴に音を集中させることでそこだけうまいこと防音すれば
今までよりも重くない軽い素材で防音できるようになったりしないかなー。
※何も考えないで適当に書いてるので突っ込みお願いします。
Re: (スコア:0)
壁に穴を空けただけで剥き出しにしておいた場合、音の大部分は壁に遮断されてしまう。
Re:プラスチックの膜がポイント? (スコア:1)
なにか、夜中に壁から音がする
ラップ音だ!
Re:プラスチックの膜がポイント?(オフトピ: -99) (スコア:0)
# 壁に耳あり!ジョージとメアリー
奇異太郎 (スコア:1)
漫画で「障子に目あり」で障子に目目連が、ってのがあったっけ。
らじゃったのだ