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テクノロジー

壁の遮音効果を小さな穴で台無しにする方法 79

ストーリー by hylom
ちょっと試してみたい 部門より
eggy 曰く、

本来、壁は音を遮断するはずなのだが、壁にごく小さな穴を空け、その穴をプラスチックのラップで作った膜で覆うだけで、音を筒抜けにすることができることが発見された。北海道大学のOliver Wright氏が韓国の大学の研究者らと共同で研究を行い、Physical Review Lettersにレポートを発表している(本家/.Inside Science記事)。

同レポートによれば、ドリルで壁面に小さな穴をあけて片側をプラスチックラップで作った膜で覆ったところ、まるで壁が存在しないがごとく音を伝達することができたとのこと。一方で、壁に穴を空けただけで剥き出しにしておいた場合、音の大部分は壁に遮断されてしまう。伝達された音のボリュームは、穴の大きさに応じて、元音源の75%から100%近くにも及んだそうだ。

(追記@14:35)コメント#2408552にあるように、北海道大学大学院工学院応用物理学専攻量子物性工学講座量子機能工学研究室のWebサイトでこの原理について日本語で解説されている。興味のある方はこちらもご参照ください。

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  • 参考リンク (スコア:4, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2013年06月26日 7時47分 (#2408552)

    北海道大学 量子機能工学研究室
     http://kino-ap.eng.hokudai.ac.jp/j-index.html [hokudai.ac.jp]
    記事になった研究の一般向け解説
     http://kino-ap.eng.hokudai.ac.jp/j-eat.html [hokudai.ac.jp]

    • by Anonymous Coward

      「ちょうど適した周波数の音は」ということは、全部の音が反対側に抜けるというわけではない?
      いろんな大きさの穴を開ければあるいは……

  • by Anonymous Coward on 2013年06月26日 7時42分 (#2408549)

    かな?

    • by Anonymous Coward on 2013年06月26日 10時47分 (#2408668)

      ですね。
      私は鼓膜と言うより、スピーカーとか、バイオリン等の弦楽器自体の本体(反響部)の原理じゃないかなぁと想像しましたが。元ネタ読んでませんが。

      ラップが元の音の振動を拾って振動し、部屋全体がスピーカーや楽器の反響部の役割をするんじゃないかと

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2013年06月26日 11時21分 (#2408701)

      パスカルの原理で車のブレーキを流体を介して動かしているのと同じだと思いました。ラインの片方は閉鎖してないと動きませんし。

      親コメント
  • ほとんど,タイトルだけで終わってしまってるけど,音に対してプラスチックのラップが鍵なのだとして,光に対して同じ役割を果たす材料があれば,ディスプレイにしろ,イメージセンサーにしろ,いろいろおもしろいことが出来そう。

    • by Anonymous Coward on 2013年06月26日 9時22分 (#2408599)

      関連リンクにはありませんけど、光に対する技術は「光学迷彩」ですね。

      つまり、これを使うと、実際には壁があるのに、壁を素通りして音が聞こえるわけですから、音を頼りに空間把握していると、壁の存在に気づかない、ということです。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        光学迷彩というのは,物体(透明マント)に当たった光をマントに
        沿って曲げ,後ろに逃がす技術.

        結果としてマントの中にある物体を隠すことになる.

        隠したい対象が穴の開いた薄い壁なら良いのだが,
        それだと手段と目的が入れ違ってしまう.

    • by Anonymous Coward on 2013年06月26日 9時50分 (#2408631)

      音の波長に対して部屋のサイズは桁数がそんなに変わりません。音の波長は数cm~数メートル。
      光の波長は400nm~800nm程度になります。

      200nm~数μm程度の部屋であれば同じような現象が起こりますし、このような波動解析は光の方が圧倒的に進んでいます。
      ですので、ディスプレイにしろ、イメージセンサにしろ、すでに回折現象を用いた設計は行われています。

      親コメント
      • by khwarizmi (23623) on 2013年06月26日 10時51分 (#2408673)

        光だと、金属のナノホールアレイによる異常透過がこれに近いと言えば近い現象ですが、ここまで劇的じゃないので、光でも狭いところに閉じ込めれば起こると言うのはあまり同意できません。

        あと、 これは狭いキャビティに閉じ込めないと発現しない現象なんですかね?abstractだけだと判断できないけど、薄い膜がポイントだとしたら、きっと違うと思うんですよね。

        親コメント
    • by Anonymous Coward
      っ ピンホールカメラ
      • by Anonymous Coward

        ピンホールカメラは穴のサイズに比例した光しか出てこないだろ……

        今回の話のポイントは、壁に対し、(総計で)壁の面積の1割ぐらいにしかならない穴を開けたら、壁に当たったほとんど全ての音が向こうに抜けた、って点。
        単純に穴を抜けてくるだけだと、全体の1割ぐらいしか抜けてこないことになるでしょ?でももっと透過するよ、って話。

      • by Anonymous Coward

        ピンホールカメラは単に光の直進性を利用してるだけ。
        今回のラップで穴を覆うのに相当する効果がない。

        一方、ピンホールカメラは光の2次元マッピングをレンズなしにやるところに
        ポイントがあると思うんだけど、
        今回はそもそも2次元マッピングを必要としてないし。

  • ラップを剥がし忘れるとこちら側が向こう側に筒抜け。

  • 片側だけに作用するならアレコレ考えてしまうのは私の心が汚れているせいでしょう

  • 私は三菱樹脂から直接購入しています。
    材質はポリオレフィンPOが最高ですよ。
    おかげで、ウチは吉野石膏タイガーボードですが、ハイエンドよりいい音がしますよ。

    サランラップ 高域ヌケ 特徴薄い B
    クレラップ 低域量感 低域強すぎ A+
    ダイアラップ 密度とSN 低域薄い A+
    ハイラップ 色彩感と温度 低域薄い A
    ヒタチラップ バランス 距離感 C
    --
    ----- A mighty flame followeth a tiny spark.
  • 聴診器 (スコア:2, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2013年06月26日 11時36分 (#2408705)

    昔はベルの先端が開放していたのですが、いつの間にか膜が張られるようになっています。
    低音高音などの効率の違いもあるようですが、理屈としては似たような物なんでしょうかね。

  • もしかして (スコア:2, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2013年06月26日 12時56分 (#2408760)

    二つ隣の部屋の音が聞こえるのは、
    画鋲で貫通した壁の穴を、セロテープで補修してるからか?

  • by necop (6252) on 2013年06月26日 8時29分 (#2408570) 日記
    ちょっと買い物行ってきます。
    • by Anonymous Coward

      そろそろ、しずかちゃんの家の風呂場に穴の開け終わったか?

  • by Anonymous Coward on 2013年06月26日 12時19分 (#2408729)

    コンクリ構造の建物で無線やると場合によっては部屋ごとにAPしなきゃならないけど、
    コンクリ壁にちっちゃい穴あけて同じことできれば都合がいいなぁ。

  • 映画館では、穴の開いたスクリーンの裏にスピーカーが置いてあり、
    センターの音を出しているそうです。

    そのスクリーンの穴をラップすれば、今まで以上に音が通る様になり、
    スピーカーの音量を小さくしておく事が可能?

    --
    TomOne
  • by Anonymous Coward on 2013年06月26日 7時46分 (#2408551)

    北海道大学のOliver Wright氏って。
    肩書きがないから教授とかじゃないんだろうけども

    • by Anonymous Coward

      北海道大学 量子機能工学研究室の教授です。

      • by Anonymous Coward

        じゃあOliver Wright *氏* じゃなくてDr. Oliver Wrightだよね。

        • Re:何者? (スコア:2, おもしろおかしい)

          by Anonymous Coward on 2013年06月26日 9時15分 (#2408595)

          教授なのにDr.の肩書きを優先するのは、
          むかしから、「博士」は正義の味方で「教授」は悪者と相場が決まっているからでしょうか?

          親コメント
        • by Anonymous Coward
          Dr.だからProf.というわけではないし、Prof.だからDr.だというわけでもない。
          • by Anonymous Coward on 2013年06月26日 14時32分 (#2408871)
            雑誌によっては博士号持ち教授:Prof. Dr.、博士号無し教授:Prof.、博士号持ち(教授以外):Dr.とそれぞれ分けてるところもあるけど、だいたいは博士号の有無に関わらず教授:Prof.、博士号持ち(教授以外):Dr.だな
            親コメント
  • by Anonymous Coward on 2013年06月26日 8時18分 (#2408561)

    あたりまえだのくらつかー

    • by Anonymous Coward

      ヘルムホルツ・レゾネーターのようなものを介して、壁面の両側で音響エネルギーのやりとりをしていると考えればよいのかね............

  • by Anonymous Coward on 2013年06月26日 8時20分 (#2408563)

    膜がスピーカーコーンだとすると、無限の大きさを持つ理想的なエンクロージャに見えるな。

    • by Anonymous Coward on 2013年06月26日 8時46分 (#2408577)

      ラップフィルムを変えると音が変わるのはピュア界では常識です。

      親コメント
      • Re:スピーカーボックス (スコア:4, おもしろおかしい)

        by Anonymous Coward on 2013年06月26日 10時58分 (#2408676)

        1.サランラップ
        【寸評】すべての基準になる音
        【長所】抜群の知名度。迷ったらこれを薦める。女性デュオには最高
        【短所】扱いやすくはなったが未だ気難しい面も…

        2.クレラップ
        【寸評】なんでもこなせるオールラウンダー
        【長所】抜群の扱いやすさ。扱いやすさ重視ならコレ
        【短所】没個性的で単調

        3.透湿防水シート
        【寸評】扱いやすく耐久性がある
        【長所】跳ねるような音質で激しい音楽向け。バスドラムがよく鳴る
        【短所】透明感がなく薄くベールがかかったような音

        4.アルミ蒸着フィルム
        【寸評】見た目に高級感がある
        【長所】意外に温かみのある音。不思議なことに向きを逆にするとクールな音になる
        【短所】やはり金属的なノイズが…

        5.梱包用透明ラップ
        【寸評】気兼ねなく使える安心感
        【長所】透明感抜群で粘りつくような低音はこれでしか味わえない魅力
        【短所】高域ペラペラ

        6.建築用ブルーシート
        【寸評】プロ仕様の無骨さ
        【長所】耐久性は最高。入手性も高し
        【短所】全域においてガサつく。オーディオ用ではない

        親コメント
      • by Anonymous Coward

        そのうちオーディオルームに充填する空気の組成を気にし始めて、最終的には自身の体から発生するノイズ(心音とか呼吸音とか)を排除するために部屋の中に入れなくなるんですよね。
        //オーディオ機器が理想的な状況で再生できればそれで良く、音楽は心で聞くものだと悟る

    • by Anonymous Coward

      まるで無動力アンプみたいですね

    • by Anonymous Coward

      今回の膜はパッシブラジエーターみたいだな。

  • by Anonymous Coward on 2013年06月26日 8時59分 (#2408584)

    ただ穴をあけただけでは、音はあまりよく伝わらない、ということなのかな?

    プラスチックの膜を置くことで、効率よく音波が伝達される現象を発見したわけか。

    #壁に耳あり、クロードチアリ

    • by Anonymous Coward on 2013年06月26日 9時24分 (#2408602)

      ただ穴開けただけでも増強効果は働くんだけど、それをさらに強化する手法って感じ。
      例えば、壁に対し周期的に穴を開けたとする。で、穴の面積の合計が壁の面積の1割だったとするわけだ。

      超単純な考え方だと、壁に当たる音の1割ぐらいが抜けてくる、と思う。
      ところが実際には、いい感じのサイズと間隔で穴を開けると、1割よりちょっと大きく抜けてくる、という現象が知られていた。ちなみにこれは光でも起こる。
      でまあ、それを表す式なんてのもある。
      壁には1割の開口部しか無いのに、1.5割だの2割だのの音が抜けてくると思えば良い。

      これを表す式に注目すると、穴の中の媒体の質量を含んでいる。
      で今回、穴の部分に膜を張ると、その共鳴周波数の時には振動時に膜の復元力が働くんで、この「媒体の質量」が実効的にゼロに近くなる。音によって揺らされる時に自分も同じ周波数で揺れてるんで、力を加えなくても同じ振動数で揺れてくれるようなもんだ。

      この条件下で元の式を解くと、透過率が100%近くになったりするよ、と。
      壁には1割分の開口部しか無いのに、音はほぼ全て向こう側に抜けるわけだ。
      膜の共鳴で出てくる波が、壁(の穴以外の場所)による反射波をちょうど打ち消して、かわりに穴を透過する成分が増強するような感じ。打ち消したら、どこか他の場所で増加しないといけないからね。
      (波を波で打ち消すことは出来ない。どこかに余波が出る)

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2013年06月26日 11時57分 (#2408714)

      なにか、夜中に壁から音がする

      ラップ音だ!

      親コメント
    • # 壁に耳あり!ジョージとメアリー

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