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2017年8月15日のサイエンス記事一覧(全3件)
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アメリカ合衆国

米研究者ら、温暖化による今世紀中の気温上昇を予測。トランプ政権による報告への介入に対する懸念も 15

ストーリー by hylom
どう出るか 部門より
taraiok曰く、

1980年代半ば以降、米国の平均気温は急速かつ劇的に上昇している。科学者たちによって作成され、トランプ政権による承認待ちとなっている気候変動報告書によると、最近の数十年は過去1500年のうち最も暖かいものだった。13の連邦機関の科学者によって作成されたこの報告書は、多くのアメリカ人が気候変動の影響を感じていると結論付けている。しかし、これはトランプ政権の主要閣僚などの主張とは正反対の内容だ(The New York TimesSCIENTIFIC AMERICANSlashdot)。

この報告書では、人間が今すぐに温室効果ガスを放出しなくなったとしても、今世紀中に0.3℃の温度上昇が起きる。予想される実際の上昇は2℃程度になるという。地球気温のわずかな違いが原因で、従来よりも長期間の熱波や激しい暴風雨、サンゴ礁崩壊の加速といった大きな影響をもたらす可能性がある。

さらに報告書に取り組んでいる科学者の間では、気候変動に対するトランプ政権の方針により、この報告書は却下される、もしくは「抑制された内容」にされる可能性があるという懸念も出ているようだ。

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バイオテック

脊椎動物の胴の長さは特定のタンパク質で決まる 13

ストーリー by hylom
生まれてしまったあとの操作は難しそうだ 部門より

脊椎動物は種ごとに背骨の数が異なり、そのため胴の長さも異なっている。カエルやカメなどは胴が短く、ヘビなどは胴が長いが、この違いは「GDF11」というタンパク質の遺伝子1つだけで決定されることを名古屋大学などの研究グループが発見した(名古屋大学の発表Nature ecology & evolution掲載論文朝日新聞中日新聞サイエンスポータル)。

脊椎動物の後ろ足は骨盤を介して背骨の「仙椎」という部分に接続されているが、GDF11は仙椎の位置に後ろ足と骨盤を作る働きを担っているという。このタンパク質が働くタイミングが早いと背骨が短くなり、遅いと長くなることが分かったという。

研究グループはニワトリの胚を用いて後ろ足の発生メカニズムを調べ、その結果GDF11が関わっていることを突き止めた。さらに、カエルやスッポン、マウス、ヘビなど9種類の動物でGDF11の働き方を調べた結果、GDF11が働き始めるタイミングによって胴の長さ(頭から後ろ足までの脊椎の数)が異なることが分かったとのこと。さらにヒヨコを使ってGDF11が働く時期を変える実験を行ったところ、機能を阻害したヒヨコは胴体が長くなったという。

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サイエンス

産総研、ガラスの基本単位であるオルトケイ酸の結晶作成に成功 16

ストーリー by hylom
意外に未知だったガラス 部門より
masakun曰く、

J-PARCセンター施設公開2017のストーリーでリンク先にアクセスしたとき気付いたが、産総研の触媒化学融合研究センターのプロジェクトチームがガラスの基本単位であるオルトケイ酸の結晶化に成功したと報じられている(J-PARCプレス発表EE Times Japan)。

19世紀前半にイェンス・ベルセリウスにより溶解性のシリカ (オルトケイ酸) が発見されたが、その組成が「ケイ素上に4つの水酸基-OHが結合した分子構造」であることが分かったのは20世紀に入ってから。しかもテトラアルコキシシランや四塩化ケイ素の加水分解によってオルトケイ酸は生成するが、速やかに脱水縮合しシリカに変わるため、今まで単離できず詳細な構造は不明だった。そこで産総研では水を使わないオルトケイ酸の合成反応を開発し、オルトケイ酸と加えたアンモニウム塩からなる単結晶を得ることに成功。「X線結晶構造解析の結果、オルトケイ酸は正四面体構造であり、ケイ素-酸素結合の平均結合長は0.16222ナノメートルで、酸素-ケイ素-酸素結合の平均結合角は109.76度であった」。さらに「中性子結晶構造解析により、酸素-水素結合の平均結合長が0.0948ナノメートルであることも分かり、世界で初めてオルトケイ酸の詳細な分子構造を明らかにした」という。

オルトケイ酸はガラスやシリカに代表される無機ケイ素材料やシリコーンなどの有機ケイ素材料の基本単位構造であるため、この合成手法は現在産総研で取り組まれている次世代の高機能シリコーン材料の開発に役立つと期待されている。またイネ科の植物は天然のオルトケイ酸を取り入れシリカとして蓄積することで、物理的に丈夫になるだけでなく病原菌にも強くなっている。そのメカニズムの解明にも役立つだろう。

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弘法筆を選ばず、アレゲはキーボードを選ぶ -- アレゲ研究家

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