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スポーツ

カーリングの科学 64

ストーリー by headless
回転 部門より
カーリングでは投げたストーンが横方向にスライド(カール)していくが、カールが発生する物理学的仕組みについては現在も解明されていないそうだ(The New Yorkerの記事)。

カーリングのストーンは底面が平らではなく、ガラス瓶の底のように中央がくぼんでおり、リング状の部分(ランニングバンド)が氷に接触する。選手がストーンを投げる際、円周方向に軽く回転をかけるとストーンは回転方向にカールしていく。つまり、時計回りに回転させると右、反時計回りに回転させると左にカールすることになる。

しかし、ガラス瓶に回転をかけてテーブルの上で滑らせると、回転方向の反対にカールする。これは前方の荷重が大きくなって前後の摩擦が非対称になるためだ。氷上でストーンがカールする方向が異なることについて、趣味でカーリングをプレイするという物理学者のMark Shegelski氏は1990年代後半、前方の荷重が大きくなることで氷が溶けて潤滑性が高まり、テーブル上とは逆の効果が発生するという説を提唱した。

この説はthin-liquid-filmモデルとして数年間主流の地位を占めていたが、ストーンは1~2回転するだけで1m以上カールし、回転数を増やしても違いはみられない。そのため、物質科学者で摩擦の専門家のHarald Nyberg氏らは、このモデルが十分な非対称摩擦を生まないと指摘。ランニングバンドの前部が回転方向に細かい傷を付け、後部がその傷に導かれてスライドするという説を発表し、scratch-guiding理論と呼ばれるようになる。

Shegelski氏はscratch-guiding理論を興味深い理論であるとしつつ、回転数によりカールが変動しない点を十分に説明できないなどと批判。物理学者で大気科学者のEdward Lozowski氏と共同でpivot-slideモデルを提唱し、研究成果がCold Regions Science and Technology最新刊に掲載された。カーリング用の氷は表面に霧を吹いて細かい氷の粒(ペブル)を作る。このペブルがなければストーンはカールしない。pivot-slideモデルはランニングバンドがペブルに引っ掛かって外れるまでの間にストーンが小さく旋回し、これが繰り返されることでカールしていくというものだ。

ただし、pivot-slideモデルはまだまだ研究すべきことが多いとのこと。Shegelski氏は問題をすべて解明したと言うつもりはないとし、ストーンの経路を生み出すのに連続した複数のメカニズムがかかわっていても驚かないだろうとNew Yorkerに語っている。Lazowski氏は、まったく間違っているかもしれないが、間違っているかどうかにかかわらずテストすることは可能だと述べている。一方、Nyberg氏はpivot-slideモデルに納得していないようだ。
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  • by Anonymous Coward on 2018年02月24日 20時18分 (#3367033)

    子供のころ不思議に思ってた現象とよく似てる。かも。

    ボールに、上面図で ↑○↓ のように回転をかける。
    (a). 前方空中に投げた時
      → ボールは右に曲がる
    (b). 卓球のラケットで前方に打ち出した時
      → ボールは左に曲がる

    単に後者の場合に、卓球台との摩擦(『前後で非対称』になっている)の効果が
    空気とのそれに優越する、というだけなのだけど。

    • by Anonymous Coward

      空中の場合は摩擦というより、飛行機の翼と同じ原理ですね。

      右側の方が空気の流れが早くなり密度が下がるので、そちらに吸い寄せられます。

      • by Anonymous Coward on 2018年02月25日 14時27分 (#3367263)

        元コメ書いた者です。
        なるほどそうでした。ベルヌーイの定理 [cradle.co.jp]っすね。

        ベルヌーイの定理は動圧と静圧の和が一定となることを示しており、
        速度が速くなると圧力が下がり、逆に速度が遅くなると圧力が高くなることを表しています。

        親コメント
      • by Anonymous Coward

        ボールが100km/sで↑に進むとき、ボール表面が回転によって100km/sで↓になっていたら±0だと思うけど、それでも空気の密度が減るの?
        空気の流れが速くなるってどこがどういう仕組みで?

        • Re:卓球の不思議 (スコア:2, 参考になる)

          by Anonymous Coward on 2018年02月25日 16時08分 (#3367297)

          プラマイゼロの認識は合っていると思います。元コメの「密度」は、正しくは「圧力」です。
          蛇足かも知れませんが、たぶんこんな感じのプロセスです。
          -----
          ボールが前方に進むと、空気抵抗を受けます。
          つまり、常に前方から空気が飛んで来る状態。

            ↓↓↓ ○ ↓↓↓

          このボールに元コメのような回転をかけると、ボール近傍の空気が
          ボールとの摩擦力により引き摺られ、回転と同じ方向に動きます。

            ↓↓↓↑○↓↓↓↓

          ボール近傍の空気の動きは、
           ボールの左側: 周囲の空気の流れに逆らう向き
           ボールの右側: 周囲の空気の流れと同じ向き
          になります。
          ボールの左側の空気はボールの右側よりも大きな抵抗を周囲の空気流から
          受けるため、より大きく減速します。

            (遅い空気流) ○ (速い空気流)

          ベルヌーイの定理により流速の速い側(右側)の圧力が低くなるため、
          ボールはそちらに吸い寄せられます。

          # 「左がより大きく減速するなら、左に曲がるのでは?」
          # 「より速い空気流(ボール右側)から、より大きな圧力を受けるのでは?」
          # という直感には反しますよね・・・

          親コメント
    • by Anonymous Coward

      書いてあることがあまりよく理解できない。(前後で非対称とはなんでしょうか?)
      でも、ちょっと違うのでは。

      卓球が何か違うと言うのはそうですか?
      卓球はもう数十年やってないけど、
      図のように回転かけると、やはり同じように右に空中で曲がると思う。
      バウンドするときは左に曲がるが、それは他のボールでもそうなると思う。
      なので、卓球でも他のボールでも同じであると思う。
      何か俺が解釈間違ってるのかな。

      • by Anonymous Coward

        同じく、#3367033が理解できない。
        (b)も右に曲がると思うんだが。

        (b)の条件にはラケットで前方に打ち出すとしか書いてないけど後の文章には突然卓球台が出てくるし、しかし回転が上面図で見た時のものなら卓球台との摩擦は方向の変化に影響しない。

        回転面が水平より進行方向に前のめりに傾いてるなら台で跳ね返る時に左に飛ぶけど、逆に傾いてたら右寄りに跳ね返る。

        多分、子供の頃ってのがかなり幼いころだったんで、間違った印象を記憶してるんじゃないか

        • by Anonymous Coward

          元コメ書いた者です。
          すんません、説明が足りてませんでした。

          #3367185 さん
          > 図のように回転かけると、やはり同じように右に空中で曲がると思う。
          > バウンドするときは左に曲がるが、それは他のボールでもそうなると思う。
          #3367204 さん
          > 後の文章には突然卓球台が出てくる
          > 回転面が水平より進行方向に前のめりに傾いてるなら台で跳ね返る時に左に飛ぶ

          現実はお二方のおっしゃるとおりで、
          実のところ (b) の条件は、
           ×「卓球のラケットで前方に打ち出した時」
           ○「卓球のラケットで前方に打ち出して卓球台にバウンドさせた時
          ということを言いたかったのでした・・・
          (ちなみに『前後で非対称』ってのは、#3367204 さんの回転面の傾きの話を想定して書いたものです。)

          キャッチボールと卓球のサーブで逆になってるよなあ、と子供心に不思議に思ったのです。

  • AIに物理現象から法則性を推測するプロセスを学習させて、数打ちゃ当たる式で大量に仮説を出させて、適合するかを自動検証して、可能性が高そうなものを追試する、みたいなやり方で。

    いや、実際にはもうやってるのかもしれないけど。

  • by Anonymous Coward on 2018年02月24日 17時29分 (#3366958)

    昨日飲み屋で隣の席から
    「カーリングってああやって擦るけど、それで止まりにくくなる理由はまだ分からないんだって」
    という話が漏れ聞こえて、そんなこたぁないだろと思ったのですが。

    • by Anonymous Coward on 2018年02月24日 18時08分 (#3366975)

      そだねー

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        ヘイ!カール!

        • Re:カールの話だったのか (スコア:4, おもしろおかしい)

          by Anonymous Coward on 2018年02月24日 21時04分 (#3367043)

             / ̄ ̄ヽ
           ⊂ニ___ニ⊃
            (| ・ ・ |)
            ■■■■■
            ■ ――― ■
            ■■■■■
            / (_/L_) ヽ
           (ニ|____|ニ)
            (  人  )
            (二二)(二二)

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    • by Anonymous Coward on 2018年02月24日 18時41分 (#3366997)

      curlと聞いて思い出すのは…
      1.コマンド
      2.プログラム言語
      3.ベクトル解析
      4.まさかなくなると思ってなかった定番スナック菓子

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      東日本ではすでに止まってる。
      あの緑の芋虫、右曲がりだったかな左曲がりだったかな?

    • by Anonymous Coward

      カーリングどころか、アイススケートが滑る理由も分かってませんよ。
      そもそも摩擦力が発生する理由も分かってないし。

      • by Anonymous Coward

        摩擦の発生はクーロン力と物理的な凹凸じゃないの?
        そしてスケートが滑る理由は、エッジによる接地面積の小ささと、体重が狭い面積にかかる事による加重で氷が微かに溶けて水も発生して、それで摩擦が小さいからじゃないの?

        • by Anonymous Coward

          おおむねそうだろうということにはなっているんだけど、きちんと定式化はされてないんだっけ?

          • by Anonymous Coward on 2018年02月26日 9時25分 (#3367475)

            1.ファンデルワールス力等による吸着・脱着効果
            2.界面の弾性変形による内部摩擦(ヒステリシス)
            3.界面の掘り起こし効果
            等が考えられているようですが、それがどの程度寄与しているかは状況によって変化するので
            一般化するのは難しいようです。

            親コメント
          • by Anonymous Coward

            まあでも、概ね理由は明らかだよね。
            なんか飛行機に関しても何で飛べるかわかってないって人がいるし、どっからそういう話出てくるんだろう。
            正確には、概ねわかってるけど確定してない、だよね?

            • by Anonymous Coward

              ”概ねわかってる”が、解明済み範疇なのか未解明の範疇なのかは人によって(会話の内容によって)違うってだけでしょ。
              その方面に見識のある者同士の会話でなら細かい話にもなるだろうけど、疎い人を相手にした雑談の中でイチイチ”正確には、概ねわかってるけど確定してない、だよね?”と言及しても意味ないし。

              • by Anonymous Coward

                いやぁ、でも「理由がわかってない」ってのは大雑把すぎて違い過ぎると思う。
                まあ、そこら辺も人によるのか? でも、個人的にはそれを人による、で済ませたくないんだがなぁ。

            • by Anonymous Coward
              違います
              飛行機に関しては「完全に解明されているけど、巷の解説書は間違ったのばっかり」です
  • by Anonymous Coward on 2018年02月24日 18時48分 (#3367004)

    日本のハイテクを惜しげなく投入したはずの下町ボブスレーが伸び悩んだのも、
    氷上を滑る物理モデルの段階で既に未解決問題があるからだと考えてよいのでしょうね。

  • by Anonymous Coward on 2018年02月25日 3時34分 (#3367139)

    ピボットに引っ掛かって旋回することと、氷に横向きの力を与えてストーンのコースが変わることは別な気がする。
    回転するストーンの前半分でピボットに引っ掛かったときと、後半分で引っ掛かったときには
    氷に逆向きの力を与えるだろうから(これはthin-liquid-filmモデルの摩擦と同じ)、
    ストーンの動きを説明するには後半分で引っ掛かることが多いと言えなければならないだろうけど、
    そういうメカニズムの説明はあるのかな。

    物理の学者さんが言うことだから、そんな勘違いはまさかしてないと思うけど、
    pivot-slide modelで左右の非対称性が生まれる本質的理由がわからない。

    • by Anonymous Coward

      ストーンは氷の上をとても小さいけど摩擦を受けて進んでいるわけだから、摩擦で止めようとされる分だけ前傾して前縁に余分に荷重がかかるよね。
      (ストーンの重心は氷面より高いから)
      その影響で前縁と後援で差が出て、ピボットに引っかかったとき回転している方に曲がる、と言っているのでは。

  • 瓶は重心が高過ぎる。
    シャーレとか、皿とか、樹脂製漬け物石とかの方が、ストーンに近いのでは?

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普通のやつらの下を行け -- バッドノウハウ専門家

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