ネアンデルタール人とデニソワ人の混血児の骨が見つかる 34
ストーリー by hylom
古いけど新しい 部門より
古いけど新しい 部門より
あるAnonymous Coward曰く、
シベリアの洞窟で見つかった女児の骨の遺伝子を分析したところ、ネアンデルタール人女性の染色体とデニソワ人男性の染色体の痕跡(だけ)が見つかったそうだ。つまり彼女の母親がネアンデルタール人で父親がデニソワ人、本人は39万年以上前に分化した異なる化石人類の間に生まれたハーフの第1世代、ということになる(New York Times、Guardian、Nature)。
論文で遺伝の部分を担当したマックス・プランク進化人類学研究所のスバンテ・ペーボは、「もし前もって尋ねられたら、このような発見が出来る可能性はほとんどない、干し草の山から針を探しだすようなものだ、と答えただろう。でも、ひょっこりと見つけてしまって驚いたよ。」と語っている。
ネアンデルタール人などの化石人類が、他の化石人類やホモ・サピエンスと交雑し、現代までその血脈を伝えていることは、現代人のゲノムを分析することによって確かめられていたが、交雑の頻度がどの程度かという点は確かめようがなかった。しかし、こうしてあっさりと混血一世の骨が見つかったことと、今までに発掘された骨の量を併せて考えると、ヒト属同士の混血は想像以上にわりとよくあったことなのかもしれない。
ハーフ (スコア:2)
ネアンデルタール人とデニソワ人の混血児と言われると、なんとなく「第四紀…(地質年代)」って感じで泥臭い空気が漂います。
一方、ヌメノール人とエルフのハーフと言われると、「第四紀!(ミドルアース)」な感じで一気にハイファンタジーな空気に。
第一世代で子供の遺骨ってことは (スコア:1)
親同士からは雑種ができても、さらにその次に第二世代が作れたかはまだわかっていないということ?
雑種は一代きりっていう動物は多いよね。
Re:第一世代で子供の遺骨ってことは (スコア:1)
ちょっと話が逸れますが、雑種ができる程度には近縁だけど、安定して健康な第二世代が作れるほどには近くない、みたいな種同士で集団を作ってしまうと、その集団は数世代のうちに全滅してしまうんだろうなと思うんですよね。
で、そういう、「中途半端な近さ」同士で混ざってしまうことを予防していた仕組みの名残りが「不気味の谷」だったりしないかなーと。
まあ不気味の谷自体が疑似科学とか言われていますけども。
Re:第一世代で子供の遺骨ってことは (スコア:1)
一応繁殖能力はあるけど安定してるかどうかは知らんみたいな雑種ってのは自然界でも普通にみられるんだけどね。
Re: (スコア:0)
三毛猫?
Re: (スコア:0)
その方向性であれば、頻度から考えると、亜種を避ける仕組みというよりも遺伝子異常や病気の者を避ける仕組み、と捉えた方がいいような気はしますけどね。>不気味の谷
個人的には「人間の中で個人を見分けるシステム」の副作用とかであって避けるのが主目的ではないんじゃないかなーって思ってるけど、まあただの素人なので研究待ちの保留。
Re: (スコア:0)
> ネアンデルタール人などの化石人類が、他の化石人類やホモ・サピエンスと交雑し、
> 現代までその血脈を伝えていることは、現代人のゲノムを分析することによって確かめられていたが、
タレコミにもあるように、現代人にもそれなりに混じっています。
今回の発見は、第一世代が見つかったって点。
母はネアンデルタール人、父はデニソワ人 DNA分析で初確認 [afpbb.com]
> 全世界のアフリカ系以外の現世人類は現在、ネアンデルタール人に由来するDNAを約2%保有していることが、
これ、サハラ以南以外の現生人類って話だと
下世話な疑問 (スコア:1)
複数の人類が併存していた時代、お互いに別種の人類のことはどのように見えていたんでしょうね。
現在の人種みたいな感じで見えていたのか、全く別の生きものに見えていたのか、はたまた人種の違いはそれほど目立たず現在の個人間の相違ぐらいに見えていたのか・・・。
NHKの「人類誕生」を見ると、ホモ・サピエンスとネアンデルタール人の体格はかなり違うみたいだけど、今回見つかった子どもの親同士はどういう出会い方をして、どういう形で子どもをもうけたのか(行きずり?、夫婦で子育て?)とか興味がわきますね。
//当時もなんとかマニアとかいたのか・・・・
Re:下世話な疑問 (スコア:2)
ホモ属よりだいぶ広げちゃうけど現存のホミニンみると番い方は種によってさまざまなので、体格の違いとかだけじゃなく求愛のプロトコルとかどうやって乗り越えたのか、気になります。
Re:下世話な疑問 (スコア:1)
猿と遭遇したギリシア人(アレクサンドロスの東征)は「衆人環視の中で平気で交合するいかがわしい部族」(すなわち人類)
チンパンジーと遭遇したローマ人(ネロが命じたナイル川上流探索)は「凶暴な部族」(すなわち人類)
と認識したそうです。
道案内をした現地人がそのように認識していて、それを鵜呑みにしただけかもしれませんが。
結局 (スコア:0)
種の違いって何なの?
the.ACount
Re:結局 (スコア:2, 興味深い)
交雑できるかどうか。
交雑後子孫を残せるならば、同じ種だね。
ってことで、以前は別種だと思われてたネアンデルタール人と現生人類は同一種で、違いはせいぜい亜種レベル、ってことになってますよ。
それに伴い、学名も変更されてるね。ホモ・サピエンス・ネアンデルターレンシス。
同じホモサピの仲間!
デニソワ人もホモサピってことになるね。
Re:結局 (スコア:2)
つうか、種の分化ってどっかで明確な線引きできるわけじゃないし。
一応違う種とされてても交雑可能で子孫残せたりする例は、時々ある。
Re: (スコア:0)
人間が便宜上適当に決めた線引き。時代とともに定義が変わってる。
進化を考慮してない時代には子孫を残していけるかどうかで綺麗に線引きできたつもりになってたけど、進化を考えるとそれじゃ上手く行かない。
自分とそこらのノラ猫の祖先を延々と辿っていったら、多分どっかで共通のご先祖様に辿り着くだろうし。
一方、便宜上の分類なので、そこそこ便利ならそれで十分。もし完璧な定義ができたとして何かができるようになるわけでもないから、そんなのを目指しても無駄。
Re: (スコア:0)
交雑できなくなった時点で別種に別れたとして何が問題なの?
Re: (スコア:0)
ライオンとヒョウが同種になる。
つーのはおいといても、
A種とB種、A種とC種は可能でもB種とC種は不可能とか、
A種のオスとB種のメスは可能だが、逆は不可とか、
人工授精じゃないと無理とか、
可能ではあるが出生率が著しく低いとか、
「交雑できなくなった時点」が既に曖昧で「人間が便宜上適当に決めた線引き」にかわりない。
でもって、ライオンとヒョウが亜種になるとして、ほかも色々どれが亜種になるとか名前をどうするとか決める必要あるけど、それで何のメリットがあるの?
Re: (スコア:0)
他で言ってる「交雑できるかどうか」の線引きがまた微妙な上に、
時代が重なっているかどうかあやふやな2種が同種かどうか判定するのも難しかったりするんだ、その基準。
現代の生物ならまだしも、古代生物が本当に交雑可能だったかどうかって判断はとても難しいからね。
(レオポンみたいな一代限りのを除くのであれば、化石が一体発見されても交雑可能とみなせないし)
だから「交雑できるかどうか」は「重要なファクターの一つ」にとどめておいて、
他の基準(歴史的な取り扱いとかもアリアリで)で
えいやっとひとまずの線引きをして、
不都合があれば動かすでぇー、っとしておくのが無難。
もうちょっと下世話なことを言うと、あまりカッチリした定義をしちゃうと新発見のたびにカタログ的なモノが広範囲に影響を受けちゃうんで、あまりコロコロ変わらない定義にしとかないとね。
なんで第1世代ってわかるんだろう (スコア:0)
??
Re:なんで第1世代ってわかるんだろう (スコア:1)
「ネアンデルタール人女性の染色体とデニソワ人男性の染色体の痕跡(だけ)が見つかった」
「つまり彼女の母親がネアンデルタール人で父親がデニソワ人」
ということ。
第二世代以降なら、上記の「だけ」ってことはなく、父親側や母親側が混血だってことが分かるんだと思うよ。
父親と母親の種族の違いは性染色体で調べたんだろう。
でも、そこから、父母が混血してないか調べる方法が分からんね…。
他の染色体がキッチリ2種族分に分かれたんあろうか。2世代目以降なら混ざってると思うので。
Re:なんで第1世代ってわかるんだろう (スコア:3)
それ以上の混ざりものがあったかどうかは確定できないと思う。
「実はもっと前からさらに混血が進んでいた説」はよりアグレッシブな仮説となるので、オッカムの剃刀的に切り捨てて、現状最もコンサバな「この子が第一世代説」を採用しただけだと思う。
Re: (スコア:0)
母親の種族はミトコンドリアの遺伝子で調べたんだと思う。
Re: (スコア:0)
混血児の世代が減数分裂して作った精子や卵子に含まれる染色体には「乗換え」があるんで、両種のゲノムが染色体ごとにきっちり分かれているのは「混血の受精後に一回も減数分裂していない細胞」、すなわち第一世代に特有なんじゃないかな。専門じゃないからあてずっぽうだけど。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%97%E6%8F%9B%E3%81%88_(%E7%94%9F%E... [wikipedia.org]
図書館なんかでNatureが読める人は答えを教えてほしい。
よかった (スコア:0)
ホモ・サピエンスはほかのすべての人類を滅ぼした悪魔の子孫じゃなかったんだ!!
Re:よかった (スコア:2)
ええ、冷戦以降でも「民族浄化」の方法は、殺すだけとは限りませんからね。
※:実際には、「ネアンデルタール人の父親と現生人類の母親から生まれた子供の可能性あり」みたいな化石も見付かってた筈です、念の為。
Re:よかった (スコア:1)
マジレスすると、似たようなニッチで競合すると相対的に「弱い」種は勝手に滅ぶ。
残った方からしたら「え、何にもしてないよ」という感覚。
Re: (スコア:0)
そう端的に言い切ってしまうのは危険もあると思う。
過去の実際の事例について、
「滅んだのは低能だったから。」「負けたのは単純に弱かったから。」
という結論を自然なものにしてしまわないか。
そもそも種の競合による滅亡なんてそうそうあるものではなくて、
それ以外の外的要因(偶然)によることも多いんじゃないかな。
・・・とは言っても僕も門外漢なので、次の2件からの印象なんだけどね。
・ ネアンデルタール人が現生人類の直系祖先に劣ったという有意な証拠はない
(どころか、脳容量は平均してホモ・サピエンスより大きかった。)
・ ジ
Re:よかった (スコア:1)
『相対的に「弱い」』というのは、単純に滅んだ側の種が低能だというのとは違うよ。
# そういう偏見(現生人類は偉大だ~)のおそれがあることは否定しないけど。
個体の能力よりも集団での知識の蓄積・伝承によるブラッシュアップの方が有効で、現生人類の直系祖先の方がそれを活用できていたくらいの話じゃないの。その理由はわからんけど、たまたまそういうこと考える機会がネアンテルタール人より多かっだだけかもしれない。
> そもそも種の競合による滅亡なんてそうそうあるものではなくて、
外来種持ち込まれたせいで在来種が絶滅の危機にってそこら中で騒がれてません?
染色体数が違ったとか? (スコア:0)
Re: (スコア:0)
ヒューマンジー・オリバー君現る!!
当時フェチを持ってる人はいたのかなぁ (スコア:0)
ネアンデルタールから見たデニソワは、チンパンジーに見えていたのか、それとも猫耳に見えていたのか・・・
Re: (スコア:0)
なよっとした頼りない奴
ここで質問してる人は (スコア:0)
日本語版ナショジオの記事でも読んでくるといい
Re: (スコア:0)
質問?
雑談ですよ。
答えがほしいんじゃなくて、あーだこーだ言いながらコミュニケーションが取りたいの。
化石人類は絶滅した (スコア:0)
と言われてるんだけど、ネアンデルタール人の遺伝子が現生人類に存在してるのに
ホモサピエンスが生き残ってネアンデルタール人は滅んだって解釈はどういう理屈なんだろ?
女系天皇を認めたら現天皇家は滅んで王朝交代するってのと同じ理屈?