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テクノロジー

人工衛星の搭載リチウムイオン電池を発火させて減速するデブリ対策が考案される 22

ストーリー by nagazou
発想の転換 部門より
リチウムイオン電池は、強い衝撃などで発火したり爆発するリスクが以前から指摘されている。しかし、とある航空宇宙企業は、このマイナス面の特性を、運用の停止した衛星を軌道からそらすために活用するというアイデアに取り組んでいる(Universe Today)。

アイデアの発案者であるAerospace CorporationのJoseph Nemanick氏らは、これをリチウムイオン電池デオービター(LiBDO)と呼んでいる。バッテリーに穴を開けることで発生する高温ガスをスラスターとして使用、軌道を外れる推進力を生み出し、衛星を大気圏に再突入させようというものになっている。研究者が実施した実験では、バッテリーセルに穴を開けると約29.3 Nの推力が生まれたという。

あるAnonymous Coward 曰く、

実験では18650電池1本で29.3N(2.99kgf)のピーク推力、10.4N-sの全インパルスを記録したという。

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  • by Anonymous Coward on 2023年08月18日 17時33分 (#4512991)

    最後の最後で弁?開放して電池をスラスタとして使うアイディアですけど、
    向きを制御しないと加速するか減速するかランダムになってしまいますよね。
    スラスタ使えない姿勢制御できない末期だからこんなことするんでしょう。
    向きはどうやって減速方向にするのかはまた別の何かでやるのを期待するのかな
    # 回転してたらふらつくだけで±ゼロ?
    ## スピン安定併用か?

    • by Anonymous Coward

      穴をあけた方から噴出しているように見える

    • by Anonymous Coward

      衛星の終末期、制御された状態からある程度のデオービットが完了した後に、最後に電源落とす前にバッテリ穴スラスタで更にデオービットを加速してから電源オフ、ってことを考えてるのではないかな。
      つまり穴開け前までは姿勢制御できてるはずなので、減速する向きにしてから実行する感じかな。噴射が重心軸貫いてるなら無制御でも行けそう。
      太陽電池が生きてるなら、バッテリ全損でも姿勢制御したままでいられるかも。元々この方式込みで制御を作り込めば良い。

      おそらく、故障してどうにもならなくなった衛星は対象外なのだろうと思う。
      まぁその場合でも通信できてる≒姿勢制御がある程度できてる場合なら、スラスタ系が死んだ衛星に対しての最後の手段として使う方法はあるだろうな。

      バッテリは温度管理のために断熱材で囲まれてるんじゃないのかなー、とかそこら辺が気になったりするが、弊害が少ないならアリかもしれない。
      それと、死んだセルは穴開けても噴射しないような気がするので、バッテリもある程度健全じゃないと使えない手かもね。

      • by Anonymous Coward

        > 噴射が重心軸貫いてるなら無制御でも行けそう。
         
        その前提成立するんですかね...

        • by Anonymous Coward

          当然。だって設計時から考慮してるわけだから。
          雑に穴開ける方法もあるだろうけど、簡易なノズル(だだのパイプでも良い)をつけとく方法の方があり得そうに思うよ。
          バルブや打ち抜く針等のシステムを用意するだろうから、噴射ノズルの機構も組み込める。

          多分、雑に穴開けて運良く良い方向に進むといいね、って方法と、ローコストだがある程度きちんと制御した設計との二通り考えられるのだと思う。#4513005で述べてるのは、設計に含めてる場合のケース。

          雑なのは何だろね、宇宙戦闘時に自機表面であえて爆発起こして反動で進むみたいな妙なロマンはあるねw

          • by Anonymous Coward

            なにが当然ですか。無理に決まってるでしょう。
            どんな推進系でも厳密に推力軸が重心を貫くなんてあり得ないし、仮に製造時にそう作っても運用中にいくらでもずれる。衛星の推力はRCSとペアで運用するのが当たり前です。
            このアイデアで電池に穴開けるような電源系メタメタな状態で、どうやってRCS作動させんのかは知りません。

    • 初めから圧力がかかった場合に壊れやすい方向を作って置けばいい
      方向は作れても、どうやって発火させるかだね。
      意図的に発火させるタイミングより、発火させないタイミングを調整する方が難しいかもね。

      姿勢制御は、噴射方向と噴射時間を正確に行うことであるが
      方向は作れても、正確な噴射時間をどう制御するのかな?

    • by Anonymous Coward

      こちらの記事だと、ヒーターで加熱して熱暴走させるようだが。
      追加ハードウェアは必要ないとも書いてある。
      https://nazology.net/archives/131949 [nazology.net]
      これ読んで感じたギモン。酸素ない状態でもリチウムイオン電池って燃えるの?

      • by Anonymous Coward

        電極の酸化金属が加熱されると酸素を吐き出すので燃えだすと消化器でも消せないから問題なんです。

    • by Anonymous Coward

      目的は制御ではなく大気圏で燃え尽きさせることなので安定軌道を保てなくなるだけで良いのです

      # 傍迷惑などしったこっちゃない発明の性

  • by Anonymous Coward on 2023年08月18日 18時43分 (#4513037)

    穴あけてロケットにしようとする奴がいそう

    • by Anonymous Coward

      これで中国製バッテリーの需要が回復か!

  • by Anonymous Coward on 2023年08月18日 21時29分 (#4513138)

    たとえばひまわり9号(乾重量1.3t)のバッテリーは3.7V50Ah [gs-yuasa.com]で18650の20個分として200Nsの推進力。1.3tで割ると0.15m/s=時速0.55km。1個ってことはないだろうから2個だと時速1.1km。
    1回の噴射だと元いた場所を含む楕円軌道になるだけだけど、2回にわければ離脱できるかも。
    定量的には静止軌道からの離脱のたしになるのでしょうか?教えてえろいひと。

    • by Anonymous Coward

      静止軌道(高度約36000km)から地球に落とすのは大変すぎるので普通は墓場軌道 [wikipedia.org]というところに最後の推力で動かします。
      このデオービット=大気圏突入が提案されてるのは低軌道(600km前後)で、主力はひまわり等の数分の1から100分の1の重さの小型・超小型衛星。いろいろ桁が違うので、せっかくの計算ですがあまり考察の足しにはなりません。

      • by Anonymous Coward

        横ですが、スラスターどころか太陽電池もない寿命が打ち上げから数時間から数日の、CanSatやCubeSatがメインターゲットってことでしょうか。

    • by Anonymous Coward

      この技術って静止軌道ではなく低軌道(LEO)での減速を対象としているのではないの?

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クラックを法規制強化で止められると思ってる奴は頭がおかしい -- あるアレゲ人

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